銭麻のネタバレ(漫画)!裏稼業に手を出した諭吉の運命は?

今回は「中田あも」先生の『銭麻』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『銭麻』はこんな漫画(あらすじ)

幼い頃に親が失踪した小田諭吉(おだゆきち)は、水商売で働く姉に養ってもらってきました。

その姉を理不尽な事件で失った諭吉は世間を信用しなくなり、20歳になった現在はお金だけを信じながら生きるようになっています。

自身の経験から真面目に働くことが馬鹿らしくなった諭吉は、商品をネットオークションなどで仕入れ利益を乗せて販売するせどりでお金を稼いでいました。

コツコツとお金を貯めてきた諭吉に友人の綱島春樹(つなしまはるき)が違法な儲け話を持ち掛けてきます。

日陰の人生を脱却するため一線を越えてしまった諭吉の運命とは・・・!?

裏稼業に身を染めてしまった主人公の運命を描いていく『銭麻』

今回は大麻の販売を題材にしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

非合法な手段で貧乏人から這い上がろうとする主人公の欲望に驚愕してください。

 

『銭麻』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

日本で大麻は1g五千円から八千円で取引されていて、金の値段と同額で扱われる日本の大麻は世界一高いと言われています。

まだ大麻と関わりのない諭吉が女性と回転寿司を食べに来ました。

小田諭吉
「やめておけ、回転寿司ってのはな同じ100円のネタでも原価率が全然違うんだよ、玉子は一皿の原価25円に対してマグロは60円、つまりマグロで腹膨らませるのが一番お得なんだ」

玉子を取ろうとした女性の手を掴み、回転寿司の原価率について説明します。

さらに無料のクーポンを使って茶碗蒸しを注文しました。

ケチな行動はまだまだ続いていきます。

小田諭吉
「大量のガリをお茶に入れると甘酸っぱい生姜飲料になるんだ、これが無料で寿司にもあうしなにより無料・・・わさび貰って帰ろうぜ、中々いけるんだよ」

お金にがめつく無神経なため怒った女性は帰ってしまいました。

諭吉は女性が怒ってしまった理由を分かっていません。

馬鹿らしくなったので諭吉は帰って仕事をすることにします。

小田諭吉
「ジョブスもベゾスも自宅ガレージで起業した、オレにだってチャンスはある、このボロ部屋から次のGAFAだ、今の収入源はせどり、要は転売だ」

商品を安く仕入れて高く売るせどりで身銭を稼いでいました。

せどりは単純な仕組みですが、商品の目利きや写真の撮り方を工夫すれば商売になります。

この日は二千円の利益を上げました。

諭吉はずっとこのような手段でお金を稼いできたわけではありません。

学校を卒業後はとても評判の良いイタリアンで真面目に働いていました。

小田諭吉
「しかしコロナの影響をもろに受けてもオーナーは頑なに自粛を守り結局はお店を閉じることになった、近所のお店は自粛もせずに酒を出し続け繁盛し今も残っている」

この時に諭吉は真面目な奴が馬鹿を見るということを知ったのです。

商品の発送を終えた諭吉は牛丼を食べることにしました。

お金がないので期間限定の牛しゃぶ定食には手が出ません。

牛丼並盛を食べていると、近くの客が女性店員にクレームを言い始めました。

周囲のお客と同じように諭吉も見てみぬふりをするしかできません。

小田諭吉
「この世は銭だ・・・銭がないから理不尽な目に合う、法律も警察も貧乏人は守ってくれない」

家に帰った諭吉が姉の遺影に手を合わせます。

諭吉の両親は幼い頃に失踪しました。

幼い諭吉の面倒を見てくれたのは姉のかなのです。

小田諭吉
「夜の仕事は大変そうだったが愛嬌のある姉は客にも同僚にもかわいがられていた、しかし・・・客にゲームと称してテキーラのイッキを強要され・・・」

18歳のかなのは急性アルコール中毒で亡くなってしまいました。

姉の友人から事情を聞いた諭吉は殺人だと憤慨します。

しかしイッキを強要した男は何の罪にも問われず、姉の死は事故として処理されました。

小田諭吉
「後で知った話だがそいつは反社で警察や政治家にも顔が効くらしい、法律は正義の味方じゃない、すべて銭、オレらに銭さえあればこんな事にはならなかったんだ・・・」

姉の死によって諭吉はこの世は銭が正義だということを知ったのです。

銭がなければ底辺から脱出することはできません。

小田諭吉
「中1から貯め続けたオレの全財産、クソみたいな人生から脱出するための希望」

50万円貯まる貯金箱を抱きしめながら眠りにつく諭吉だったのです。

 

 

理不尽な現実を突きつけられた諭吉は銭以外の物を信用できなくなってしまいましたね。

姉の死は諭吉の考え方を決定づける重大な出来事だった気がします。

お金のためなら手段を選ばない諭吉の野心を表現した『銭麻』

いよいよ物語の核心となる禁断の葉が登場します。

道を踏み外す銭ゲバストーリーにご注目ください。

後編

諭吉が寝ていると友達の綱島春樹が訪ねてきました。

綱島春樹
「諭吉!大変だ!ついさっきクラブですげーもん拾っちゃった・・・なんだと思う?」
小田諭吉
「知らねー、なんだよ」
綱島春樹
「じゃーん、大麻、ネットで見たことある、間違いなく大麻」
小田諭吉
「落ちてたからって・・・貰っちゃダメだろ」

大麻を拾ってきたツナは興奮を抑えられません。

交番に届けても落とし主の元に返却されるわけがないので大麻を貰ってきたそうです。

綱島春樹
「これ吸ってみようよ、大麻って依存もないし人体に悪影響ないらしいんだって、酒とかたばこの方がよっぽど体に悪いんだって」

諭吉も大麻が人体に害を及ぼすとは考えていないので少しだけ試してみることにしました。

アルミホイルを丸めてパイプのような形状にして大麻を包みます。

そしてライターで炙りながら大麻を吸い込みました。

小田諭吉
「息とめろ!すぐ吐くなよ」
綱島春樹
「ねっ、どれぐらいでキマるんだろ・・・」

大麻の独特な匂いを何度も味わってみます。

そのうちにお腹が減ってきました。

小田諭吉
「うまっ・・・これこんなうまかったっけ・・・」

いつも食べているスナック菓子がとても美味しく感じます。

テレビから流れてくる音楽も何故か心に沁み渡りました。

綱島春樹
「もしかしてすでに結構キマってる?」
小田諭吉
「思った」
綱島春樹
「大麻っていくらするんだろうね」
小田諭吉
「1g五千~八千円くらいだって」

ツナが拾ってきた大麻は20gくらいはありそうです。

10万円以上の価値があることを知ったツナは興奮してきました。

綱島春樹
「これ二人で売らない?売り上げ折半でいいから」
小田諭吉
「折半!?被害者がいる犯罪じゃないしなァ・・・よし!やろーぜ!」
綱島春樹
「ほいきた!」

キマってる2人は大麻の販売計画を立てていきます。

販売する場所はクラブを想定し、価格は2gで一万円に設定しました。

盛り上がってきたのですが、大麻の影響からか2人は眠ってしまいます。

目を覚まし冷静になった諭吉は大麻販売計画書をゴミ箱に捨てました。

小田諭吉
「ツナーおまえ今日派遣だろ?もう1時だぞ」
綱島春樹
「えっ・・・やば・・・もう行かないと、時給発生する15分前には着替え終わってないといけないんだよ、超ブラック、諭吉は今日仕事?」
小田諭吉
「オレは今日銀行証券口座に有り金全額預けるんだ、ローリスクで利回り3%」
綱島春樹
「いいな、前からいってた外国株か、また吸おうな」

大麻の販売で盛り上がっても実行することはできません。

諭吉はこの先も日陰で生きていくことを覚悟していました。

それでも満杯になった貯金箱が諭吉のテンションを上げてくれます。

小田諭吉
「52万・・・少ない収入で生活費を切り詰め、ひもじい思いをしながらなんとか貯めた銭」

貯金を全額預けるため銀行へ向かいました。

ずっしりした重みを感じながら歩いていると、道の真ん中でヤンキーに絡まれてしまいます。

よく見るとヤンキーたちは昨日牛丼屋で暴れていた輩でした。

ヤンキーたちは諭吉のバッグに入っていた全財産を奪っていきます。

ボコボコにされた諭吉は意識を失ってしまいました。

小田諭吉
「銭っ・・・銭っ・・・オレの銭っ・・・!糞っ!糞っ!糞っ!糞ぉお!ごめん・・・姉ちゃんの復讐の為に使うお銭・・・盗られちゃったよ・・・いつまでたっても情けないね・・・」

必死になって貯めたお金を強奪された諭吉は涙が止まらなくなります。

外国株で増やしたお金は自分のためではなく姉の復讐に使うつもりでした。

そんな大切なお金がヤンキーの娯楽費に変わってしまったのです。

絶望した諭吉の頭にツナの言葉がよぎりました。

綱島春樹
「これ二人で売らない?」

ツナは大麻でキマってる勢いで販売を提案してみただけです。

それでも諭吉にはもうこの方法でお金を稼ぐしかありません。

小田諭吉
「もしもし・・・あのさ昨日の話なんだけどさ」

諭吉はツナとクラブで待ち合わせすることにします。

ただこの時点でツナは本気で大麻を売ろうとは思っていません。

綱島春樹
「ねえ・・・ほんとに売るの?」
小田諭吉
「こんなに吸いきれないしツナも銭必要だろ」

クラブに集まっているお客に諭吉が小指と親指を立てながら声を掛けていきます。

しかしジェスチャーの意味を分かってくれる人とはなかなか出会えません。

綱島春樹
「ねえ、さっきから何してるの?」
小田諭吉
「大麻を表すジェスチャー、これが通じた人に交渉して売る」

粘り強く声を掛け続けていると大麻を購入してくれる人が現れます。

その後は買ってくれる人や怒りだす人など反応は様々ですが、諭吉たちは大麻を順調に捌いていきました。

しかしプロの売人はクラブなどの目立つ場所では大麻の販売を行いません。

素人だとバレた諭吉とツナはクラブのセキュリティに追いかけられてしまいます。

何とか逃げ出した2人はセキュリティを撒くことができました。

綱島春樹
「あー、悔しいな、最後の四万」
小田諭吉
「じゃん、10万円!」
綱島春樹
「うそ!?あの状況で拾ってきたの?」

銭に対する執着が強い諭吉は、セキュリティから逃げながら売上金を拾っていたのです。

何はともあれ諭吉とツナは大麻の販売が可能なことを実証しました。

小田諭吉
「ツナ、オレは決めたぞ、銭も学歴も腕力もねえオレたちが金持ちになるにはこれしかねえ・・・大麻だ、大麻を売って銭を手に入れる」
綱島春樹
「俺も今同じ事いおうと思ってた」

大麻で財産を築くことにしたのです。

欲をかいてしまった諭吉とツナに待ち受ける運命とは・・・!?

 

『銭麻』を読んだ感想

お金も地位もない底辺の人間にとって、犯罪が手っ取り早い稼ぎ方だということを思い知らされました。

成り上がろうとする欲望が強いほど罪の意識を感じなくなるのかもしれませんね。

金の力で理不尽な社会に牙をむこうとする『銭麻』

誰もが落ちてしまう可能性がある社会問題を題材にしています。

大金を手に入れてしまった人間の末路に注目したいですね。

 

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