今回は「マキヒロチ」先生の『SKETCHY』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『SKETCHY』はこんな漫画(あらすじ)
レンタルショップで働いているアラサー女性の川住憧子(カワスミアコ)は、せわしない毎日をぼんやりと過ごしていました。
彼氏がいる現状に不満はないのですが、どこか平凡な生活に飽きてしまっています。
そんな中、街中で偶然見かけたガールズスケーターに魅了された憧子。
スケーターに旧友の姿を重ね合わせた憧子はここから将来について真剣に考え始めます。
輝きを失っていくと感じたヒロインがスケボーと出会うことによって自分を見つめ直していく様子を描いた『SKETCHY』！
今回はガールズスケーターを題材にした斬新なスポーツ漫画について、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。
数々の名作を輩出しているマキヒロチ先生の最新作をじっくりとお楽しみください。
『SKETCHY』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
街中を1人の女性がスケートボードで疾走しています。
風を切りながら爽快に走っている女性は清々しい表情を浮かべていました。
そんな女性が存在していることなど知らない川住憧子がいつものようにレンタルショップで働いています。
この日はスケボーを持った女性客がロード・オブ・ドッグタウンという映画を借りに来ました。
ロード・オブ・ドッグタウンはサーフィンとスケボーに魅了された若者を描いたアメリカ映画です。
女性客は毎週のようにこの映画を借りに来ているのですが、いつになっても返却されず少し苛立っていました。
憧子は他店からの取り寄せを勧めるのですが、時間がかかるため女性客は帰ってしまいます。
頭の中で文句を言っていると終業時間になりました。
少しだけ映画の内容が気になった憧子は帰る前にロード・オブ・ドッグタウンのジャケットをチェックすることにします。
結局ロード・オブ・ドッグタウンに興味が湧きません。
この日は学生時代の友人たちと女子会があるため、映画を棚に戻すと着替えることにします。
するとアルバイトの青年から服装が地味だと指摘されました。
アラサー女性であればオシャレな格好で女子会に向かうものなのですが、憧子はパーカーで参加するつもりです。
少しテンションの下がった状態で女子会に参加しました。
この日は友人の婚約を祝うことが目的で、多くの友人がオシャレなプレゼントを用意しています。
すると憧子だけプレゼントを出していないことに気がついた琴子という友人が声をかけてきました。
婚約した友人はホラー映画を渡されて明らかにテンションが下がってしまいます。
プレゼントのセンスだけでなく脚本家を目指している彼氏のことまでバカにされました。
琴子は弁護士をサポートするパラリーガルで、彼氏は弁護士をしているため自分に自信があるようです。
そんな友人たちを見ているうちに憧子はもどかしい気持ちを抱くようになっていました。
自分のことは好きなのですが、このまま歳を重ねていきそうな自分を大好きにはなれない憧子。
彼女は憂鬱な気持ちを抱えたまま生きていくことになるのでしょうか！？
毎日を忙しく過ごしているうちに、ぼんやりとした日常になってしまうヒロインに共感することができました。
特に30～40代の男女が感情移入しやすい設定になっていますね。
希望を見失ったヒロインが夢を追いかけ始める姿を描写した『SKETCHY』！
ここからいよいよ憧子が運命の扉を開くことになります。
夢を持つことの大切さを感じながら続きをご覧ください。
後編
女子会が終わり、少し憂鬱な憧子が自宅に戻ってきました。
すると自宅の前で彼氏がお酒を飲んでいます。
怜は綺麗な桜を見ながら花見をするため憧子の帰りを待っていました。
少し酔っているのですが憧子も外でお酒を飲むことにします。
作品を鑑賞してきたのですが、怜は回想シーンが少ないことに不満を感じていました。
内容は夫の浮気などに耐えながら妻が小説を書き続けた姿を描いたものです。
しかし妻が小説を書く喜びに抗えないシーンがあまり見られません。
また夫の愚かさをエネルギーにして傑作小説を生み出しているように描かれているので、妻も加害者のように表現されるべきだと怜は感じていました。
その話を聞きながら憧子がふと思っていたことを口にします。
2人の間にどのような事情があるのかは分かりませんが、結局この日も2人の仲がこれ以上進展することはありませんでした。
翌日、職場に向かった憧子が鏡を見ながら自分の体型を気にしています。
憧子は猫背のため姿勢が悪く、自分の体型を痩せた男のようだと感じていました。
姿勢を正しくするため胸を張るのですが、胸が小さいため女性らしく見えません。
そのことで悩んでいるとクレームの電話がかかってきました。
お客が間違って車の鍵を返却袋に入れたようなのですが、大至急探せと命令してきます。
しっかり調べたのですがクレーマーは納得してくれません。
大声で怒鳴ってくるだけでなく、鍵を失くしたら訴えるとまで言ってきました。
電話を一度切ろうとするのですがお客は許してくれません。
その中で新しいアルバイトが入ってきたため、職場は慌ただしくなっていきます。
夜になるとようやく忙しかった1日が終了しました。
ビールを飲みながら歩いていると、桜とビルのコントラストが目に留まります。
桜とビルの融合した景色を綺麗だと感じた憧子は写真を撮ってインスタにアップすることにしました。
しかし酔っぱらったせいかバランスを崩してしまい芝生の上に倒れてしまいます。
倒れたまま憧子が桜を見上げていると無数の花びらが舞い落ちてきました。
その花びらに旧友の髪の毛を連想していると、近くから女性たちの声が聞こえてきます。
さらに声だけでなく何かが転がるような音がしてきました。
次の瞬間、スケートボードに乗った女性が憧子の頭上を飛び越えます。
あまりの光景に言葉を失ってしまう憧子。
立ち上がって何をしているのか覗いてみると、女性たちはスケボーでアクロバットな技に挑戦する姿を動画に撮影していました。
その内の1人が旧友の姿と重なります。
ボーッと彼女たちを眺める憧子だったのですが、警備員が注意に来たためガールズスケーターは逃げて行きました。
これが憧子とスケボーの出会いだったのです。
スケボーに心を奪われた憧子はここから人生を大きく変化させていくことになるのでした。
挫折と再生を繰り返しながら成長していくヒロインの姿は実際に漫画を読んでお確かめください。
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『SKETCHY』タイトルの意味は？
ガールズスケーターにスポットを当てた珍しいタイプの『SKETCHY』！
作品タイトルの意味は英訳すると“大ざっぱ”になります。
また最近ではスラングとして”時間にルーズでドタキャンするタイプ”という意味でも使われるようになりました。
スケートボードの世界では技が成功した時にスタンスがずれていたりよろめいたり、技の完成度がパーフェクトではない状態を指します。
肯定的な使い方としては独特のスタイルがある、否定的な使い方としては技術が不完全という意味で使われているようですよ。
2020年に開催される東京オリンピックではスケボーが正式種目となりました。
そんな注目競技を題材にした『SKETCHY』は見逃してはいけない漫画になっています。
是非この機会にスケボーの世界に魅了されてみてください。
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