ハーン‐草と鉄と羊‐のネタバレ(漫画)!義経に関する新説とは?

今回は「瀬下猛」先生の『ハーン‐草と鉄と羊‐』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

ハーン‐草と鉄と羊‐』はこんな漫画(あらすじ)

壇ノ浦の戦いで平家を滅亡させた源義経は、兄である源頼朝から追われるようになってしまいます。

追手から逃れるため蝦夷地に辿り着いた義経だったのですが、彼に休息が訪れることはありません。

義経は次々と襲い掛かる追手を返り討ちにしながら船で新たな隠れ場所を探すことにします。

しかし船が難破してしまい気が付くとだだっ広い大陸に流されていました。

何のしがらみもない大陸で新たに生きることを決意した義経の運命とは・・・!?

源義経がチンギス・ハーンだったかもしれないという歴史の裏側に迫っていく『ハーン‐草と鉄と羊‐』

今回は義経に関する新説を題材にした歴史時代劇の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

歴史の闇に埋もれた物語を目に焼きつけてみてください。

 

ハーン‐草と鉄と羊‐』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

1185年3月、長門国壇ノ浦で平家と源氏が激しい死闘を繰り広げています。

この死闘の中で際立つほどの活躍を見せる武将が存在していました。

彼の名前は源九郎義経といい、義経の活躍で平家が滅んだと言われるほどの猛将です。

源義経
「こんな島国の端っこで何が欲しくてこんなことを」

悩みを抱えながら平家の武将を追い詰めていると、相手が義経の強さと活躍を称賛してきました。

平家を滅ぼした義経には手柄として高い官位を与えられることが予想されます。

しかし義経は高い官位などは欲しがっていません。

源義経
「違う、違う、おまえにわかるのか?言ってみろ、俺は何が欲しいか言ってみろっ」

自害しようと海へ飛び込んだ武将を引き上げると、自分の望みが何なのか答えさせようとします。

しかし相手には義経が何を欲しがっているのか分かりません。

また義経本人も自分が何を欲しいのか分かっていないのです。

その後、義経の活躍によって平家はこの世から姿を消しました。

ですが兄である源頼朝は義経がいずれ自分の地位を揺るがすかもしれないと不安を抱き始めます。

弟がこれ以上台頭することを恐れた頼朝は義経に対して追討令を出すことにしました。

1189年12月、追手から逃れるため義経は蝦夷地に移り住むことにします。

しかし都から遠く離れた蝦夷地ですら義経は安心できる日々を送ってはいませんでした。

この日も鎌倉からの刺客が義経の命を狙っていたのです。

刺客の存在に気が付いた義経は三種の神器として崇められている草薙の剣を持つと、裸のまま死角を迎え討ちました。

逃亡している現在も義経の戦闘能力は衰えておらず、一瞬で刺客たちを返り討ちにします。

そのまま逃亡を続ける義経は翌朝になると裸で船着き場に現れました。

身分を明かせないため最初は乗船を断られるのですが、草薙の剣を見せると船頭の表情が一変します。

こうして見事な宝剣を渡す代わりに乗船することができた義経だったのですが、船内にも追手が存在していました。

楯親忠
「俺も乗せてくれよ、乗せてくれたらいいことを教えてやろう・・・その宝剣に関することだ」

義経を追って船着き場までやって来たのは得体のしれない大男です。

大男は船頭たちに宝剣について説明を始めました。

草薙の剣という宝剣は平家滅亡の折、壇ノ浦の戦いで失われたと言われている三種の神器の一つです。

そして大男は草薙の剣を持っているのが源義経で、かれのくびを源頼朝に差し出せば莫大な褒賞が与えられることを教えました。

日が暮れると莫大な褒賞に目が眩んだ船頭たちが義経の命を狙い始めます。

しかし圧倒的な武力で義経が敵を次々と返り討ちにしていくと、船頭の1人が命乞いをしてきました。

この船頭は頼朝と面識があり、命を助けてくれたら追討令を取り下げるよう進言するとまで言ってきます。

義経が命乞いの様子を憐れんだような表情で見つめていると先程の大男が姿を現しました。

急に襲い掛かってきた大男に対して義経は命乞いしていた男性を盾にします。

楯親忠
「くっく、ひでえじゃねぇか、命乞いする者を道具にするか・・・まさに源氏のやり方だな、おまえも身に染みているだろうっ!」

義経を知っているような口ぶりの大男は長剣を振りかざしてきました。

いったいこの大男は何者で、義経とどのような関係なのでしょうか!?

 

 

源義経の最期には様々な憶測があるのは有名だと思います。

その中でも義経=チンギス・ハーンという説には大きなロマンが感じられますね。

義経のように不幸な人生を送った偉人の最期には誰もが夢のような出来事を思い描いてしまうのかもしれません。

歴史の死角ともいえる新説にスポットを当てた『ハーン‐草と鉄と羊‐』

最期の姿が明らかになっていない義経だからこそ都市伝説を信じたくなる人が多いと思います。

それでは漫画ならではのロマンが感じられる物語を引き続きお楽しみください。

後編

長剣を振りかざしてきた大男の攻撃をかわした義経は舞うように反撃を開始します。

まず華麗な動きで大男の右腕を斬り落としました。

余りの痛みに叫ぶ大男だったのですが、すぐに義経の身体を捕まえます。

楯親忠
「久しぶりだな九郎・・・よくぞ生きていたっ!忘れたとは言わせんぞ、5年前っ、宇治川でおまえが討った源義仲の名っ、我こそは義仲四天王の一人・・・楯親忠なり!」

楯親忠は亡き君主の仇を討つため義経の前に現れました。

粟津で自害した源義仲の無念を晴らすため楯親忠が義経の首をへし折ろうとします。

源義経
「ぷぷっ、ふはは・・・」

身体を押さえ付けられた義経が突然笑いだしました。

これには楯親忠も驚いてしまいます。

楯親忠
「何を笑う・・・よもや諦めたか・・・おまえほどの男が」

しかし義経は自分の命を諦めた訳ではありません。

楯親忠という男に自分を重ね合わせていたのです。

源義経
「自分に呆れてるんだ、復讐に酔ってる輩に会えて何だか嬉しくてね・・・馬鹿だろう・・・俺の人生、父義朝を殺した平家への復讐だけだった・・・無様に生き永らえるだけの逃亡生活ですっかり忘れていた・・・」

平家へ復讐することだけが義経の生きがいでした。

しかし追手から逃れる生活を送る中、自分の生きがいを見失っていたのです。

次の瞬間、2人の様子を伺っていた船頭たちが一斉に襲い掛かりました。

義経は華麗な動きで奇襲を回避したのですが、楯親忠は刃物で串刺しにされてしまいます。

その姿を義経は寂しげな瞳で見つめていました。

源義経
「俺もずいぶん長いことあんたと同じように生きてきた・・・だからあんたを見ていると笑えるよ・・・俺が欲しかったものはこんなにちっぽけだったのか・・・」

無様に死んでいった楯親忠を見ているうちに虚しさが込み上げてきます。

隙が出来てしまった義経に再び船頭たちが襲い掛かりました。

今度は彼らの刃が義経の背中を捉えます。

ですが斬られた義経がすぐに立ち上がりました。

その後、義経が乗った船は大嵐に見舞われてしまいます。

乗り込んでいた人達が暴風雨によって海へ落とされる中、義経は生き延びることを決意しました。

源義経
「ゲホッ、ガポッ、ぶぱっ」

大量の海水を飲み込みながらも義経は生きることを諦めません。

その結果、船は大嵐を抜け広大な大陸へ辿り着きました。

義経は船から大陸へ上がると大笑いしてしまいます。

源義経
「ぶはははっ、はーっはっはっは、海から陽が昇る・・・ここは大陸か・・・?」

背中に大きな切り傷を負いながらも笑いが止まりません。

その理由は義経がしがらみのない自由を感じているためでした。

源義経
「はは・・・あんなちっぽけな島国は兄上に貸しといてやる、俺はもう自由、誰も俺を追ってこない、何のしがらみもなくなった、邪魔する奴は首とりゃいい、この大地・・・この海・・・生きてんだから手に入れてやる、すべて俺のものだっ」

1189年、源九郎義経は歴史の表舞台から姿を消してしまいます。

しかし広大な大陸で義経の新たな物語がスタートしました。

自分のことを誰も知らないユーラシア大陸で義経は望む物すべてを手に入れることができるのでしょうか!?

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ハーン‐草と鉄と羊‐はこんな人にオススメ

世界史と日本史が好きな漫画ファンにオススメしたい作品です。

ミステリアスな人生を送った源義経だからこその物語に仕上がっていて、歴史が好きな人なら大満足できる内容になっていますよ。

現在では確かめる術がないからロマンを感じられる『ハーン‐草と鉄と羊‐』

モンゴル帝国の支配者が日本人だったかもしれないという新説を斬新な手法で描写した傑作漫画です。

歴史を学びながら壮大なスケールで描かれるロマンを味わってみてください。

 

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