ケントゥリアのネタバレ(漫画)!自由を求める奴隷の運命は?

今回は「暗森透」先生の『ケントゥリア』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『ケントゥリア』はこんな漫画(あらすじ)

幼い頃に母親に売られた少年のユリアンは鍛冶屋の奴隷として生きてきましたが、自由を求め密航者として奴隷船に潜り込みました。

船員に見つかってしまい殺されそうになったユリアンを、妊娠中のミラを中心とした奴隷たちが救ってくれます。

命を救ってくれたことに感謝するユリアンは、身重のミラの分まで奴隷としての作業を担うことにしました。

ミラのおかげで人生に希望が持てたユリアンでしたが、奴隷船は怪物が出没する呪われた海域に誘い込まれてしまいます。

すると奴隷船の乗員たちが保険金目当てに奴隷を殺し始めました。

絶望するユリアンに待ち受けていた海の奇跡とは!?

奴隷少年の成長を描いていく『ケントゥリア』

今回は見所が盛り沢山のダークファンタジーについてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

生まれながら疎外されてきたユリアンの逆転劇に魅了されてください。

 

『ケントゥリア』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

幼い頃から鍛冶屋の奴隷として働いてきたユリアンでしたが、いよいよ殺されそうになったことで親方の頭を砥石で叩き割りました。

ユリアンは今までの人生で価値のあるものを手にしたことは一度もありません。

奴隷とは生まれながら疎外され人としての名誉と人格を否定され、永続的かつ暴力的に支配される人間のことを意味します。

何も持たず持つことを許されていない奴隷のユリアンが、100人の奴隷を運ぶ船に密航者として乗り込みました。

しかしすぐに見つかってしまったため殺されそうになります。

ミラ
「やめて!まだ子供でしょ!」

他の奴隷たちがユリアンを助けてほしいと訴えますが、この船には船員と奴隷100人分の食料しか積んでありません。

すると奴隷たちが自分の食料をユリアンに分けると言ってくれます。

そのおかげでユリアンは101人目の奴隷として認めてもらえました。

ミラ
「なぜ密航なんてしたの?」
ユリアン
「大陸に行けば金を稼げると聞いた、自分を買って自由になるんだ・・・アンタこそなぜだ?庇う理由はなかった」
ミラ
「私達の事誰も人間扱いしないでしょ?だからこそ私達は助け合うし思いやりを大切にする」
ユリアン
「見返りもなしに人を助けるのか?よく分からない、何の意味がある?」

同じ奴隷ですがユリアンには人を見返りもなしに助ける意味が理解できません。

奴隷たちは人としての誇りを忘れないようにするため、見返りを求めずにユリアンを助けたのです。

ミラ
「昔夫に貰ったの、でも手入れするお金もなくて錆びさせちゃった」
ユリアン
「貸せ、研いでやる、飯の借りを返すだけだ、簡単な刃物なら修復できる」

鍛冶屋の奴隷として働き続けてきたユリアンが刃物を研ぎ始めました。

灰と煤にまみれながら雑用をこなしてきたことと、失敗すれば焼けた棒を押し付けられるので必死に技術を習得したのです。

しかしいよいよ殺されそうになったので、ユリアンは砥石で鍛冶屋の頭を叩き割りました。

ユリアン
「思いやりなんか誰からも・・・母親からも貰った事はなかったよ、人としての誇りってやつも俺は知らない、ほらできたぞ、気をつけろよ、こんなものバレたらタダじゃすまない、あと潮風には当てんな、また錆びる」
ミラ
「・・・ありがとう、ねぇ君名前は?」
ユリアン
「・・・ユリアン」
ミラ
「私はミラ、よろしくね」

夜になると奴隷たちは船倉に入れられます。

ユリアンはミラがさすっているお腹を気にしていました。

ユリアン
「いつ生まれる?」
ミラ
「もうすぐよ、大陸に着く頃かしら、触ってみて」
ユリアン
「・・・不思議な感じだ、動いてる」
ミラ
「生きてるからね・・・この子さえ無事に生まれて幸せになってくれれば・・・私は一生苦しんでもいい」

ユリアンはミラの愛情に衝撃を受けます。

あまりの衝撃に胸がざわついてきました。

ユリアン
「俺の母親は俺を売ったんだ、それが普通だと思ってたんだ・・・アンタみたいな・・・母親がいるなんて知りたくなかった・・・」
ミラ
「残酷な世界で生きてきたあなたには難しい事かもしれないけど・・・どうか失望しないで、これから知っていってほしい、優しさも愛もこの世界にはあるって事を・・・だから人と関わるのを諦めないでね」

ミラに抱き締められたことで温かな鼓動を感じることができます。

ここからユリアンに少しずつ変化が表れ始めました。

まず妊婦のミラに代わって二人分の雑用をこなします。

無事に子供を生んでもらうためミラには体を休めてもらうことにしました。

ユリアン
「寝ないのか?」
ミラ
「横になると吐いちゃうから・・・座って休んだ方が楽なの」
ユリアン
「・・・大変なんだな、子を産むって、ミラはえらいな・・・」

ユリアンは子を産むことの大変さを初めて知ったのです。

ですがミラは自分が褒められるような良い母親ではないと否定しました。

ミラ
「あなたと同じ年頃の息子がいたの、でも奴隷狩りに殺されてしまった・・・妊婦だった私を庇って、守れなかったの母親なのに・・・あの子の笑顔を今でも鮮明に覚えてる」

母親失格だと思っていますが息子に守ってもらったおなかの赤ちゃんは無事に産みたいと願っています。

こんな世界に生まれてきても幸せになれるか分かりません。

ミラは不安を抱えながら子供を産もうとしているのです。

ユリアン
「子供にとっては親が・・・世界みたいなものだ、だからミラから愛されて・・・望まれて生まれてくるその子はきっと幸せになるよ、俺はそう願ってる」
ミラ
「ありがと」

ユリアンとミラ、そしてお腹の子は幸せになれるのでしょうか!?

 

 

ミラの優しさがユリアンの心境に変化を生じさせましたね。

母親に売られたため心を閉ざしていたユリアンを変えたのが、子供を産もうとしているミラというストーリーに感動しました。

虐げられている奴隷少年の逆転劇を描写した『ケントゥリア』

まだまだ奴隷たちに心休まる環境は整いません。

ユリアンには哀しすぎる運命も待ち受けていますよ。

後編

ユリアンはミラと接したことで大切なことを理解しました。

ユリアン
「母親だから子を大事にする・・・ではないんだな、人は繋がりを感じた時にそれを大事にしようとするんだ、ミラとお腹の子には繋がりを感じる・・・俺が母親に売られたのは愛情という繋がりがなかったからだ」

愛情という繋がりをユリアンは一生作ることができないかもしれません。

そのことを考えると怖くなってきました。

考え事をしながら作業していると、すっかり夜になってしまい手元が見えなくなってきます。

ミラ
「ユリアン来て、すごいよ空」
ユリアン
「・・・すごい」
ミラ
「・・・ねぇユリアン、もし私達が解放奴隷になって自由を得たら一緒に暮らさない?あなたがいてくれると私は嬉しいわ」
ユリアン
「・・・考えとく」

嬉しいのに即答することができません。

自由を得たい二人の運命がここから激変することになります。

船が海流に流され始め、呪われた海域に引き込まれ始めました。

海域から逃れるためには船を軽くしなければいけません。

そこで船長は奴隷たちを甲板に集め、次々と殺していきます。

実は最初から船長は奴隷たちを途中で殺すことが目的でした。

病人や妊婦、老人や子供などの奴隷には買い手がつきません。

しかし事故が起これば奴隷でも財産扱いとなり保険金が出ます。

船長たちはこの保険金で大儲けするつもりでした。

次々と殺される中、奴隷たちは命をかけてユリアンとミラを庇います。

ユリアンとミラだけが生き残ると急に船が止まりました。

ミラ
「・・・雨粒、宙で・・・止まってる」

雨だけでなく船に乗っている人たちの体も動かすことができません。

不気味な現象に驚いていると、ユリアンとミラの背後に得体の知れない生物が現れました。

人間とタコを合体させたような生物が船の上がってきます。

謎の生物はユリアンとミラに話しかけてきました。

「海の・・・祝福を欲するか?ひとつ大量の魂を捧げる、ふたつ真の愛を失う、このふたつを満たす者に与えよう、ひとつ目はすでに成された、ふたつ目を満たす可能性があるのはお前達ふたりのどちらかだ、ゆえに決定権はお前達にある」

海と名乗る生物はユリアンとミラにどちらかの命を自分に捧げろと命じます。

どちらかが喪失することによって残った片方は祝福され力を得ると説明しました。

ユリアン
「なんだ・・・お前・・・何・・・言って・・・やがる・・・なんなんだ・・・」
「わたしが何者かは重要ではない、海は奪い与えるだけ、片方を助けてやると言っている、さあ決断しろ、真の愛を失うのはどちらだ?」

ユリアンがミラに目を向けると大きくなったお腹に両手を添えています。

その姿を見たユリアンが覚悟を決めました。

ユリアン
「助かる、助かるんだな!?片方は助かるんだな!?」
「ああ、生き残れるだろう」
ユリアン
「俺の命をくれてやる、ミラはその子を無事に産まなきゃならない・・・幸せになってくれ」

ミラに笑顔を見せるとユリアンは海と名乗る生物の元へ向かいます。

しかしミラがユリアンの腕を掴みました。

ミラ
「もう二度と・・・私の子を死なせない、ユリアンこの子をお願いね」
ユリアン
「待っ・・・!」

ユリアンはミラの子供ではありません。

ですがミラには殺された息子とユリアンが重なっているようです。

ミラ
「ぐぅぅ、絶対っ・・・ぜっだい・・・傷つけない・・・おね・・・っがい・・・わたしの・・・体は・・・どうなっても・・・いい・・・!おねがいっ・・・うまれて・・・うまれ・・・て」

研いでもらった刃物でミラが腹部を切り始めました。

産もうとするミラの執念は凄まじく、切り裂いた腹から子供が産まれます。

ユリアン
「・・・ミラ」
ミラ
「・・・女の子よ、この子の・・・名前は・・・ディアナ、愛してるわ、ふたりとも」
ユリアン
「ミ・・・ミラ・・・!」

血を吐き涙を流しながらミラが海へ飛び込みました。

ユリアンはその様子を見ていることしかできません。

「満足だ、さぁ願いを言え、切望から力は生まれる」
ユリアン
「・・・彼らの命は、ミラの命は無駄じゃない、それを証明したい」
「いいだろう、もう動いていいぞ、お前ら」

自分たちを救ってくれた奴隷たちと、我が子の命を託したミラの命を無駄にしたくないと願いました。

願いを受け入れた海が止めていた船員たちの動きを解放します。

すると一斉に船員たちが海に襲い掛かりますが、超人的な能力を手に入れたユリアンが船員たちを討伐しました。

ユリアン
「なんだ・・・これ・・・」
「死んだ奴隷100人分だ、パワーもスピードも体力も反射神経も、それがお前に与えた力」
ユリアン
「少しだけ待っててくれ」

産まれたばかりのディアナを安全な場所に保護してから、残った船員たちを討伐していきます。

100人分の力を手に入れたユリアンは船員たちをあっという間に制圧しました。

ディアナも無事だったので安心していると、死体の陰に潜んでいた船長がユリアンの首に槍を突き刺します。

致命傷だと思われましたがすぐに血は止まりました。

ユリアン
「ど・・・どうなっ・・・て・・・る?」
「何を驚いている?当然命も100人分だ」

力だけでなく100人分の命も与えられていたのです。

有り得ない事態に船長は後ずさりながら命乞いを始めました。

稼ぎの三割を分けると提案しますがユリアンに応じるつもりはありません。

ユリアン
「少しは頭を使えよ」

あっけなく船長は殺されました。

ディアナを連れたユリアンはボートに乗り換えます。

「お前は愛するものを海に捧げた、今後海がお前に牙を剥く事はない、漕がずともこのボートは1日で陸に着くだろう、幸運を」

海と名乗る怪物が海底へ戻っていきました。

抱いているディアナを見るとユリアンの手を握りしめています。

ユリアン
「今までの人生で価値のあるものを手にした事は一度もなかった、たった今までは」

ユリアンとディアナにはどんな運命が待ち受けているのでしょうか!?

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ケントゥリアのネタバレ(漫画)!ユリアンを襲う海魔とは?

2025.07.11

 

『ケントゥリア』を読んだ感想

ミラが命を犠牲にしたところに優しさと母性本能を感じることができました。

奴隷100人分の命を授かったユリアンにはディアナを幸せにしてもらいたいですね。

海の力を授かった奴隷の悲しい運命を綴っていく『ケントゥリア』

不自由な奴隷だからこそ人の尊厳を忘れない姿にとても感動しました。

ディアナにはミラのような強い女性になってほしいです。

 

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