『彼と彼女のヒストリごはん』のネタバレ(漫画)!感想も!

今回は「真船きょうこ」先生の『彼と彼女のヒストリごはん』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『彼と彼女のヒストリごはん』はこんな漫画(あらすじ)

OLをしている27歳の福島紗代(ふくしまさよ)はスイッチが入ると大好きな歴史の話が止まらなくなる困った習性の持ち主です。

面倒くさいと思われてしまうため会社ではスイッチを入れないようにしていました。

しかし会社の飲み会で知り合った別のオフィスで仕事をしている2歳下の加藤芳雄(かとうよしお)とお酒を飲むと歴女のスイッチが入ってしまいます。

歴史上の人物と食べ物にまつわる会話で盛り上がる2人の恋は少しずつ進んでいくことになるのでした。

地味系歴女とグルメ好き男子のほんわかした恋模様を描いていく『彼と彼女のヒストリごはん』

今回はグルメと歴史を融合させた物語の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

美味しそうなグルメの雑学を学んでみてください。

 

『彼と彼女のヒストリごはん』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

小さな頃から歴史が大好きな紗代はスイッチが入ると語りが止まらなくなってしまいます。

この習性によって周囲から面倒くさいと思われてきました。

福島紗代
「会社では押していない私の某スイッチ、今日は特に押してはいけない、だって加藤さんが飲みに誘ってくれたんだもの!」

飲みに誘ってくれた加藤とはオフィスが違います。

しかし先日開かれた会社の合同飲み会で知り合い、意気投合した2人はラインを交換しました。

そしてこの日は加藤から食事に行こうと誘われたのです。

加藤芳雄
「ここ焼き肉ウマいんで頼んじゃいましょう」

加藤は周囲の女性社員から地味だと思われているのですが、紗代は食事に誘ってもらえた事を心から喜んでいました。

福島紗代
「だから今日は歴女スイッチを押してはいけない!」

スイッチを押さないようにするため急ピッチで生ビールを飲み始めます。

加藤芳雄
「福島さん酒強いんですね」
福島紗代
「いえ弱いです、スイッチの件の緊張をほぐそうと」

スイッチと言っても理解してもらえません。

そのため深く説明することは避けることにしました。

加藤芳雄
「居酒屋ってフツーですいません、もっとおしゃれな所がよかったかな・・・」
福島紗代
「いえ居酒屋大好きです!このお店おいしいですね、私内蔵系はちょっと苦手なんですけどここのはモリモリいけます!」

加藤が選んだ居酒屋はお肉の鮮度が良く、焼き方も上手なため内蔵系のメニューを売りにしています。

その中でも加藤はホルモンが気に入っていました。

さらにこの居酒屋は季節ごとのメニューも豊富なため、お品書きから変わった食べ物を選ぶことにします。

加藤芳雄
「ん?これ何だろう、うるか?」

おすすめのメニューからうるかを見つけました。

するとここで紗代の歴女スイッチが入ってしまいます。

福島紗代
「申し上げます、織田信長が安土城にて徳川家康をもてなしたメニューの中にうるかがあったと存じます」

片膝をついた武士のようなスタイルでうるかについて説明しました。

しかしすぐに歴女のスイッチを解除します。

加藤芳雄
「えーと、織田信長が徳川家康をもてなすってなんでですか?お正月とかお祝い事とか?」

普段は面倒くさがられるのですが加藤は歴史に興味を持ってくれました。

そのため紗代が歴史について語りたくなってしまいます。

加藤が話しても構わないと言ってくれたので紗代が信長と家康について語り始めました。

1582年、織田と徳川軍が武田勝頼を討伐したことで武田家が滅亡します。

信長は功績として家康に駿河の領地を分け与えることにしました。

そのお礼をするため安土城を訪れた家康に対して、信長は最高の料理でもてなすことにします。

福島紗代
「これがその安土御献立にございます!」

勢いに乗った紗代はスマホで当時のメニューを再現した写真を検索しました。

安土御献立は五膳用意された豪華な食事で、同じ熱量のメニューが3日間続いたそうです。

この時、明智光秀が接待役を任されました。

光秀は様々な調理法で家康の好きな鯛をメニューの中に入れようとします。

加藤芳雄
「デキる男なんですね」

しかしお金を使いすぎてしまったため途中で信長に解任されてしまいました。

解任から2週間後、光秀は謀反を起こし本能寺で信長を自刃に追い込みます。

福島紗代
「光秀がなぜ信長を裏切ったのかはわかりません、けれど光秀が接待役を続けていたら歴史は違っていた・・・?こう言う人もいます、これぞ天下分け目の料理」
加藤芳雄
「う・・・うるかくださーい」

歴史に関心を持った加藤はうるかを注文することにしました。

うるかは鮎の塩辛でこの居酒屋では卵と内蔵の2種盛を用意しています。

2人はまず卵の方から頂いてみることにしました。

卵は旨味が詰まっていてプチプチとした食感を楽しむことができます。

続いて内蔵を食べてみるのですが、とんでもない苦さに悶絶してしまいました。

うるかは少しずつ舐めるように食べるのがオススメなのです。

ともあれこの日は美味しい食事を楽しむことができました。

福島紗代
「うー、二日酔い、昨日の最後楽しくしゃべれてたと思うんだけど」

記憶がうろ覚えの紗代は昨夜のことを思い出して後悔してしまいます。

歴女のスイッチを押してしまった紗代の恋は順調に進展するのでしょうか!?

 

 

歴史が好きな人とグルメ漫画ファンを満足させる仕上がりになっていますね。

大好きな歴史について熱く語る紗代と、歴史上の人物にまつわる食事に興味を持った加藤の相性が抜群に良いと思いました。

お人好しの男女が食事を通じて距離を縮めていく『彼と彼女のヒストリごはん』

どのような歴史にまつわる食事が登場するかワクワクする物語です。

スイッチが入ると様子が変わってしまう紗代の姿にご注目ください。

後編

うるかを食べた翌日、加藤がまた食事に誘ってくれました。

再来週になり2人が待ち合わせ場所に向かいます。

加藤芳雄
「すいません、どこがいいかなーってぐるぐる考えて、また居酒屋になっちゃいました」
福島紗代
「いえ、こういうところ好きです」

加藤はテレビの居酒屋を紹介する番組を見て下町のお店を選びました。

2人はまずグルメサイトで評価が高いあなごを注文することにします。

あなごは2匹で500円という価格にもかかわらず、とろけるような食感が楽しめる絶品でした。

ここで加藤がグルメサイトを閲覧することが大好きだと明かします。

加藤芳雄
「詳細ランキング見るために課金しちゃってて・・・」
福島紗代
「加藤さん大丈夫です!日本人は昔からランキング大好きですから!」

歴女のスイッチが再び入った紗代が江戸時代の料理店番付をスマホで検索しました。

江戸時代の人々は料理茶屋番付というランキング表を作っていたのです。

さらに番付は料理だけに限らず、温泉や銘刀、美人などもランク付けされていました。

加藤芳雄
「へぇー!昔の人も本当にランキング好きなんですね!」
福島紗代
「そうなんです、江戸や地方都市で出回ったんですって」

この話なら盛り上がると思った紗代が歴女のスイッチを全開にします。

料理茶屋番付の真ん中には殿堂入りの有名店が並んでいました。

その中の八尾善というお店では極上のお茶漬けが現在の価格で約7万円したそうです。

高額すぎるお茶漬けに庶民は手を出すことができません。

そこで登場したのがお惣菜番付です。

お惣菜番付にはたたみいわしや焼きはまぐりなどの庶民向けメニューが掲載されていました。

加藤芳雄
「これ順位の基準は何なんですか?味とかコスパとか?」
福島紗代
「それがどうも出版元の独断らしいんです」

2人はここでお惣菜番付とこの居酒屋のメニューが似ていることに気が付きます。

そのため江戸っぽい雰囲気を味わえそうなどじょうの丸煮を頼むことにしました。

どじょうの丸煮はコリコリした骨の食感が楽しめ、さらにどじょうの生臭さが全くありません。

加藤芳雄
「はー、食べ物の趣味が合うって嬉しいなぁ」

美味しそうに食事する加藤を見ているうちに、紗代は以前に見たテレビ番組の内容を思い出していました。

福島紗代
「いつかテレビで見たパートナーとうまくいく条件ランキング、食べ物の趣味はたしか上位だった」

加藤とならばよいパートナーになれるかもしれないと期待します。

その気持ちは加藤も共有してくれていました。

加藤芳雄
「あーおいしー、でも次は居酒屋以外も行きましょうか、あっ、そのもしよければどうでしょう」
福島紗代
「はい、ぜひ!」

紗代は食べ物の話に繋がれば歴女になっても大丈夫だということを発見します。

ここから歴史と食事についての検索が止まらなくなってしまう紗代だったのでした。

 

『彼と彼女のヒストリごはん』はこんな人にオススメ

日本史が好きな人とお酒を楽しみながら食事を楽しむことが好きな人にオススメの作品です。

歴史についての薀蓄を身に付けたい人は是非この作品を読んでみてください。

歴女のほんわかした恋模様を描写した『彼と彼女のヒストリごはん』

幸せな気分を味わえるグルメ漫画になっています。

暴走してしまう歴女の恋を温かな目で見守ってあげてください。

 

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