『恋と国会』のネタバレ!西炯子先生が描く漫画の魅力とは?

今回は「西炯子」先生の『恋と国会』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

恋と国会』はこんな漫画(あらすじ)

海藤福太郎は25歳になった現在、父親の地盤を引き継ぎ国会議員に立候補することを決意します。

一人息子の福太郎には父親の後を引き継ぐことしか選択肢はありませんでした。

また福太郎だけでなく地下アイドルをしていた25歳の山田一斗も国会議員に立候補します。

二人の新人議員が出会ったことによって国会を揺るがすラブコメディーがスタートすることになるのでした。

真の政治家を志す男女の珍道中を描いていく『恋と国会』

今回は政治と恋愛をミックスした新感覚のラブストーリーについて、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

人気漫画家の西炯子がお届けする傑作を見逃さないでください。

 

恋と国会』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

小学生の時、福太郎に初めて友達が出来ました。

海藤福太郎
「もう遅いけどさ・・・お母さんに怒られない?」

福太郎の何気ない質問に友人は政治家の息子と仲良くした方が良いと母親から言われてると答えます。

このデリカシーがない答えに少年時代の福太郎は傷ついてしまいました。

海藤福太郎
「それから俺は・・・笑い顔を作るのがとても上手になった」

世の中は仕方がない事ばかりで溢れていると思うようになったのです。

そんな福太郎は25歳になると父親の地盤を継承することになりました。

父親の秘書をしていた福太郎が後援者の方々に挨拶を行います。

海藤福太郎
「私、父が25歳の頃に比べましてもまだまだ未熟でございますが、父の背中を見ながら私なりに努力をし、皆様のご期待に沿えますよう頑張って参ります」

本当はまだまだ遊びたいのですが、一人息子のため政治家になることは避けられません。

その本心を隠しながら福太郎が挨拶を続けていきます。

海藤福太郎
「来る総選挙では何とぞお力添えを賜りますよう、どうか皆様にご指導ご鞭撻をお願いを申し上げます」

挨拶を終えた福太郎は後援会の方々にお酒を振る舞い始めました。

後援会はお金と活動によって政治家を支える重要な団体です。

第64代・65代の内閣総理大臣を務めた田中角栄は“歩いた家の数、手を握った人の数しか票はでない”という名言を残しました。

この言葉通り後援会を大切にした田中角栄はロッキード事件で有罪判決を受けた後にも関わらず、三カ月後の選挙で過去最高の得票数を獲得したのです。

福太郎も田中角栄を見習って後援会の人達と丁寧に握手をしていきました。

海藤福太郎
「私、海藤福太郎、皆様のため、精一杯尽くさせていただきます」

こうして福太郎の選挙戦がスタートしていったのです。

選挙戦の最中、福太郎はガムを買うためコンビニへ寄ることにしました。

すると交差点で一人の女性とぶつかってしまいます。

海藤福太郎
「だっ、大丈夫ですか?おケガは・・・」
山田一斗
「・・・アイスが・・・」

女性はぶつかったはずみでアイスを落としていました。

海藤福太郎
「すっ、すみません・・・これで新しいのを・・・」

お金を渡して弁償しようとするのですが女性は納得してくれません。

山田一斗
「そういうことじゃないわあ!久しぶりに・・・ひっさしぶりにもらったライブのギャラで買ったのよ!サーティワンワンのトリプルとダブルだったの!」

女性は大好物のアイスにまだ手を付けていませんでした。

そのためなかなか怒りが収まりません。

海藤福太郎
「で、ですからこれで新しいのを・・・」
山田一斗
「お金払えば済むと思ってんの!?私がどんな思いでこれを買ったと思ってんの!?」
海藤福太郎
「た、たった数百円のことじゃないですか」

揉め事が収まらないため秘書が福太郎を車に乗せてこの場を離れようとします。

しかし納得できない女性が追いかけてきました。

山田一斗
「数百円じゃなーい!千八十円!八十円足りなーい!」

女性がものすごい形相で車を追いかけてきます。

海藤福太郎
「な・・・なんだあの子・・・」

車の天井にしがみつく女性を運転手が無理矢理振り落としました。

これが後に国会議員となる海藤福太郎と山田一斗の出会いだったのです。

タイプの異なる2人は立派な政治家になることができるのでしょうか!?

 

 

政治家になるという人生に諦めかけている福太郎の姿が印象的でした。

決められたレールの上を歩くということの残酷さが見事に表現されていますね。

そんな福太郎とは正反対の一斗もチャーミングでインパクト抜群でした。

真逆の人生を歩んできた2人が政治家として成長していきながら恋に落ちていく『恋と国会』

コミカルで見所満載の恋愛漫画になっています。

それでは2人が国会議員として活躍し始める物語の続きをご覧ください。

後編

総選挙当日、福太郎が見事に当選を果たしました。

後援会の方々に祝福される中、テレビの選挙特番を見ることにします。

海藤福太郎
「やまだ一斗・・・同い年・・・こないだのあの子にちょっと・・・似てるんだよな・・・」

他人の空似だと思う福太郎が国会に初登庁する日がやって来ました。

海藤家は三代に渡って総理大臣を輩出した名家のためマスコミも福太郎に注目しています。

海藤福太郎
「多くの皆様のご支持をちょうだいして国政の場に送り出していただいたからには、ご期待を裏切ることのないよう精一杯働かせていただく所存です!」

新人らしさと御曹司らしさを出しながらマスコミに挨拶をしました。

その一方でマスコミは福太郎とは別の新人議員にも注目をしています。

福太郎以外に注目されている新人議員こそが、路上でぶつかった山田一斗でした。

彼女は元地下アイドルで東京一区から当選しています。

山田一斗
「あんた・・・!国会議員だったのね・・・会いたかったわ、八十円!足りなかった!国会議員ならお金持ってんでしょ、ちゃんと払ってよ!」
海藤福太郎
「えっ・・・いいじゃん・・・八十円くらい・・・」
山田一斗
「良かない!」

国会議事堂の前で揉める2人は色々な意味で注目を集めることになりました。

こうして始まった福太郎と一斗の新人議員としての一日は初日から大忙しです。

まず当選証書と引き換えに議員バッジを受け取らなければいけません。

その後は記念撮影を行ってから所属する党で代表者の選出を行っていきます。

しかし一斗はその流れを知らないため国会議事堂の中で迷子になっていました。

海藤福太郎
「・・・こっちだ」

見かねた福太郎が一斗の案内を買って出ます。

山田一斗
「あっ、あんた!見てたんならさっさと助けなさいよ!アイス!弁償!」
海藤福太郎
「わかった!買ってやるから黙れ!」

しつこい一斗の口を塞いでいると大物の政治家が福太郎に声をかけてきました。

山田一斗
「ねえ、あの人まだ話があるみたいだけど・・・聞いてあげないの?」

政治家が他の人との話を中断したため一斗は疑問を抱きます。

海藤福太郎
「あのな、君、何も知らないんだろ?ここでは”見てないフリ聞いてないフリ”してるんだ、いいな?」

国会議事堂の中では人の話を聞いているフリをするのが常識となっていました。

その後、一斗は所属することになった政権与党の大国党で行われる首班指名に参加することにします。

大国党は長きにわたって日本の政界を牛持してきました。

そのため指名された首班は内閣総理大臣を意味します。

ただし実際には国会議員の指名に関わらず既に首班は決まっていて、あくまでも首班指名はお飾りのようなものになっていました。

今回の首班は大黒栄介という国会議員にあらかじめ決まっています。

そしていよいよ国会議員たちが衆議院本会議場に入る時間がきました。

初日となる本日はマスコミに加えて議員の親族や後援関係者が集まっているため傍聴者が非常に多くなっています。

山田一斗
「ひゃー!ここテレビでよく見るとこだよねー!ねぇあの真ん中って座っちゃダメなの?」

緊張感が漂う中なのですが、一斗は落ち着きがありません。

海藤福太郎
「あのさ、なんで君・・・国会議員に立候補したの?」
山田一斗
「ん?んー・・・誰でもなれるって聞いて?」

福太郎が唖然としていると首班指名の時間が訪れます。

しかし一斗は首班指名の紙を渡されても意味を理解していません。

海藤福太郎
「投票用紙、総理大臣にふさわしいと思う人の名前を書くの!」
山田一斗
「ふーん・・・総理大臣にふさわしい人・・・」

もちろん大国党の2人は大黒栄介の名前を書くことになっています。

ですが一斗はそのことも理解していませんでした。

その結果、開票が終わると一斗に1票が入ってしまいます。

一斗の名前が呼び上げられたため国会は騒然となりました。

海藤福太郎
「まさかおまえ・・・自分の名前・・・」
山田一斗
「うん、書いたよ、だってさっきから国会の中見てたらさ、国のリーダーにふさわしい人なんていないんだもん」

国会の中を見て回る中で一斗は過労死した人のことを厄介だと言う議員などを見てきたのです。

海藤福太郎
「こいつ・・・」
山田一斗
「大黒さんだっけ?あの人だって国民の声を雑音とか言ってたよ?そんなんだったらあたしが総理大臣になる!」

福太郎はバカだと思うのですが一斗の正直な意見は傍聴席から拍手を浴びることになりました。

しかし一斗と関わっていれば福太郎の政治家生命が経たれてしまうかもしれません。

海藤福太郎
「話しかけるな」

一斗のことを見ないフリすることにした福太郎だったのでした。

波乱の幕開けとなった国会はどのように進展していくのでしょうか!?

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恋と国会を読んだ感想

国会を舞台にしたラブコメ漫画はとても斬新な気がしました。

地下アイドル出身の新人議員という設定もユニークで面白かったです。

世襲議員と破天荒なヒロインの恋と議員生活を描いていく『恋と国会』

西炯子先生の作品を読んだことがない人でも純粋に楽しめる物語になっています。

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