『サバイバー～破壊される子供たち～』のネタバレ(漫画)！

今回は「犬木加奈子」先生の『サバイバー～破壊される子供たち～』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『サバイバー～破壊される子供たち～』はこんな漫画(あらすじ)

この物語の主人公である海里は幼い頃から両親による虐待を受けてきました。

親から愛情を注いでもらえなかった海里は多重人格障害を発症してしまいます。

それでも両親の虐待は収まることがありません。

過酷な環境の中、必死に生きようとする海里の運命とは・・・！？

実在した虐待事件をコミック化した『サバイバー～破壊される子供たち～』！

今回はスリリングなヒューマンドラマについて、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

苦境を生き抜こうとする少年の姿から大切なものを学んでみてください。

『サバイバー～破壊される子供たち～』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

海里が初めて他人の家庭を見た時、親子が仲良く話している姿にこれは芝居なんだと感じました。

「ボ、ボクの家は、ボクの家はね・・・」

幼い頃から海里は両親から虐待を受けています。

特に父親の虐待が酷く、赤ん坊の海里が泣き出すと蔵の中へ母親と一緒に閉じ込められていました。

「泣き声がうるさいからと産まれて十日目でボクは蔵に閉じ込められた」

母親はすぐに父親から呼び出されるため、生後十日の海里は蔵の中に放置されてしまいます。

いくら泣いても誰も助けに来てはくれません。

「ボクのそばに寄りそってくれるのは死だけだった、いつも死と共にボクは成長していったんだ」

海里の泣き声がか細くなった頃、ようやく母親が戻ってきました。

「ごめんね海里！お腹空いたね、やだクッサ！」

汚物まみれになった海里から悪臭が漂ってきます。

母親はこの状態の海里に近づきたくないため、足で蹴飛ばすなどの暴行を加えました。

「ボクは何も覚えていないけれどそれは良い事だと思ってるよ、嫌な事は覚えてない方がいいよね」

次の瞬間、海里の身体から小さな物体が落下します。

焦った母親は歯科医をしている父親の元へ向かいました。

「先生！これ・・・なんだと思う？」

落下した物体は海里から取れた足の指だったのです。

濡れたオムツの下にずっと足があったため、凍傷で指が切断してしまいました。

そのことを知った父親は、赤ん坊の面倒を見られないという理由で母親に暴力を振るいます。

「母は父に殴られるたび蔵に逃げて来た」

父親がドアを開けるよう命じるのですが、母親は決してドアを開けようとしません。

「やだ！今開けたら殺されるもん」

このような状況は日常茶飯事となっていました。

「これはホントの話かって？真実さ、ボくは蔵の中で外に出ることも無く育ったんだ」

暴力から蔵へ逃げて来た母親は海里の前でお酒を飲むようになります。

「お前もよく生きてるよね、一週間放っておかれたのに」

海里は絵を描きながら母親の話を聞いていました。

「母もボクと同じように怪物に捕まってるんだと思ってた、怪物は突然現れては暴れる」

父親に暴力を振るわれる母親も自分と同じ境遇だと感じます。

しかし自体が突然急変することになりました。

「こいつだよ！殴るならこいつにしてよ、あたしじゃなくこいつが悪いんだから！」

暴力に耐えられなくなった母親は、幼い海里を身代わりにしたのです。

そして父親と一緒に虐待を始めました。

「母も父と同じ怪物に化けた、ボクもいつか怪物になるのだろうか、ここには守ってくれる人はいない、傷ついた獣が穴ぐらで眠るようにボクは眠り続けた」

果たして海里はこの絶望的な状況から抜け出すことができるのでしょうか！？

ホラー漫画のような絵のタッチが恐怖を倍増させていますね。

両親が怪物に化けたシーンはインパクト抜群でした。

誰も救ってくれない地獄の中を生きている少年の苦悩を表現した『サバイバー～破壊される子供たち～』！

ここから海里を取り巻く環境に少しずつ変化が現れていきます。

歯を食いしばりながら虐待を耐え抜く海里の姿を引き続きご覧ください。

後編

虐待を受け続ける中、海里は部屋に見覚えのない電化製品が置かれていることに気がつきました。

「こ・・・これ、何？」

「お前の大好きなTVじゃない」

テレビを見た海里は箱の中に人が入っていると思い込みます。

しかしテレビを叩いても人は出てきません。

「これは怪物の魔法だ、今度はボクをこの中に閉じ込める気だ」

「何怖がってんのさ、お前ずっとTVに夢中になってたのに、この間のやりすぎだって思ったんだろ、父さんあれでも優しいとこあるから」

テレビは父親が置いたものでした。

その事実が海里を余計に怯えさせます。

「その時、ボク以外に誰か居るって気付いたんだ、いや思い出した」

母親は気がついていないのですが、蔵の中にいるのは海里だけではありません。

「お前の好きなマジシャン、お前これが気に入って何度も観てただろ」

TVの中ではマジシャンがカギを外す手品を披露しています。

その映像を見ながら母親がお菓子を渡そうとするのですが、怯えている海里は受け取ろうとしません。

お菓子を受け取ってもらえなかった母親は、お前なんか産まなければ良かったと言い残し蔵を出て行きました。

TVを見ていると漫才師がお前なんていらないと言っているため、海里は複雑な気持ちになってしまいます。

自分もTVの世界に現実逃避したいと思っていると、蔵の中に隠れていた妹のリカが姿を見せました。

「ボクは本当にバカだ、妹のリカを隠してた事を忘れるなんて」

妹に母親が残していったお菓子を食べさせるのですが量が足りません。

そのため妹は泣き出してしまいます。

「リカが泣くとボクも泣いた、何も出来ないことが悲しかった、無意味な自分が悲しくてボクはリカのために生きようと思ったんだ」

空腹で泣いてしまう妹を守りたいのですが、海里にはどうすることもできません。

2人は空腹を感じなくするため寄り添いながら寝ることにしました。

海里とリカが寝静まると蔵の中に隠れていた少年が姿を現します。

サンと名乗る不思議な少年は蔵にかけられた鍵を器用に外すと、山の上にある民家へ向かいました。

民家に向かったサンはテレビ番組を真似して晩ご飯のお裾分けを頂きます。

そして頂いたおにぎりを海里とリカの元へ届けました。

「目を覚ますとおにぎりがあった、怪物達はボクを苦しめるためギリギリまで食べ物をくれない、それでもボクは生きている」

海里は知らないうちにサンのおかげで生き延びることができたのです。

サンはその後も近所の民家からおにぎりを頂いては海里とリカの元へ届けてくれました。

こうして海里は虐待を受けながらも小学生まで成長していきます。

しかし外の世界を全く知らない海里は何が普通で何が異常なのか判断できません。

その中で海里の行動が虐待によるものだと理解してくれる人物が現れます。

果たしてこの人物によって海里は虐待から逃れることができるのでしょうか！？

気になる続きは実際に漫画を読んでお確かめください。

『サバイバー～破壊される子供たち～』を読んだ感想

虐待児のことをサバイバーと呼ぶ事を今まで知らなかったため勉強になりました。

また虐待児の特徴的な行動などを丁寧に説明してくれているので学ぶことが多い物語ですね。

目を背けてはいけない社会問題をテーマにした『サバイバー～破壊される子供たち～』！

あまりにも残酷なシーンが多いのですが、人として向き合わなければいけないストーリーになっています。

是非この機会に虐待という深刻な問題について考えるきっかけにしてみてください。

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