オオカミの住処のネタバレ!藤末さくらが描く漫画の魅力は?

今回は「藤末さくら」先生の『オオカミの住処』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『オオカミの住処』はこんな漫画(あらすじ)

両親を亡くしたことで10歳の佐々木将真は、親戚の都丸家に引き取られることになりました。

都丸家には従姉妹に当たる女子高生のこころがいて、彼女が将真の面倒を見始めます。

美少年の将真はゆっくりと成長していくのですが、彼は心の中に大きな秘密を抱えていました。

少年が抱える秘密と女子高生の壮絶な運命を描いていく『オオカミの住処』

今回はこちらのサスペンス漫画の魅力について、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

様々な感情が交錯する物語をじっくりとお楽しみください。

 

『オオカミの住処』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

こころが将真に始めて出会ったのは祖母が亡くなった日のことでした。

学校から帰ろうとしていたこころは母親から連絡が来たため、慌てて病院へ向かうことにします。

こころ
「年に一度会うか会わないかの祖母の死は正直少し他人事で、不謹慎とは思いつつうっかり出そうになったあくびをこらえるのが大変で・・・」

祖母の遺体を前にしながらも、こころはリアリティーを感じていませんでした。

そんな彼女とは対照的に霊安室で涙を流していたのが将真だったのです。

こころ
「お・・・お母さん、あの子だれ?」

将真は母親の妹の子供で、こころにとって従兄弟にあたる存在だという答えが返ってきました。

こころ
「男の子?女の子かと思った・・・」

従兄弟が生まれたことは聞いていたのですが、これが2人にとっては初対面だったのです。

こころが女の子と見間違うほど美形の将真は、祖母の遺体に縋りつきながら号泣していました。

将真
「おばあちゃん、死んじゃ嫌だよ・・・おばあちゃん」

少し時間が経過すると、大人の話があるという理由からこころは将真を連れて待合室に向かうことにします。

そこでこころは気になっていたことを質問することにしました。

こころ
「ねえ将真くんだっけ、お婆ちゃんとはよく遊んだの?あっ変なこと言ってたらごめんね、すごく泣いてたから仲良かったのかなと思って・・・」
将真
「いえ、会ったことはほとんどありません」
こころ
「え、あれ?そうなんだ」
将真
「練習です、泣く練習、ネットで見たんです、ここのツボを押さえながらね悲しいことを考えるんだって、去年死んだ猫のこと考えたらうまく泣けました」

笑顔で練習だと語る将真に対してこころは呆然としてしまいます。

こころ
「練習?嘘泣き・・・?」

こころが戸惑っていると将真が急に笑い始めました。

将真
「なんてね、うそうそ、なんて顔してんですか、かわいい人だな、でもほんとはねちょっとだけ大袈裟にしたんだ」

将真は周囲の大人が自分に対して子供の無邪気さを求めていることが分かっています。

そのため少し大袈裟な演技をすることで大人を安心させようとしていました。

しかし彼の母親は情緒不安定なため、この話は2人の秘密にしてほしいとお願いしてきます。

こころ
「了解、子ども同士の秘密ね、私こころ、都丸こころ、高2、16歳・・・あ、あとちょっとで17だ」
将真
「佐々木将真です、えっと・・・3年生です」
こころ
「そっか将真くん・・・ってなんかよそよそしくない?将真って呼んでい?」
将真
「はい、よろしく・・・こころ」

こうして2人は初めての出会いを良い印象のまま終わらせることになりました。

ですがこころと将真は2度目の出会いによって大きく運命を変えることになります。

果たしてここから2人にはどのような運命が待ち受けているのでしょうか!?

 

 

祖母の遺体を前にしながら嘘泣きしてしまう将真の姿に驚いてしまいました。

そんな彼のミステリアスな内面が物語を面白くしていますね。

心に闇を抱える少年とピュアなヒロインの運命が交錯していく『オオカミの住処』

ここから少しずつサスペンス漫画の様相を強めていきます。

衝撃的な展開を引き続きご覧ください。

後編

こころが将真と2度目の再会を果たしたのは、祖母の葬儀から半年が経った時のことでした。

将真
「嫌だ!嫌だよ!パパとママ燃やさないで!」

将真の両親がドライブ中の交通事故で亡くなってしまったのです。

この時、こころの母親が保険金の受取人になっていたため、周囲の人たちは本当に事故だったのかどうか疑っていました。

こころ
「お母さん疲れてるな・・・10年前に父親が死んで、去年お婆ちゃんが死んで叔母が死んで、身近な人がどんどん死んでいくって悲しいだろうな・・・」

母親の心配をする心は泣き崩れる将真に声をかけることにします。

将真
「こころどうしよう・・・ぼく一人ぼっちになっちゃった・・・パパとママのところに行く、やだ、僕も死ぬ」
こころ
「将真、一人ぼっちじゃないから、大丈夫だから、将真うちに来るんだよ、私たち一緒に暮らすの、だから死ぬなんて絶対に言っちゃだめだからね」

こうして2人は家族として暮らすことになりました。

その後、将真は友達の誘いでこころの母親が営んでいる絵画教室へ通い始めます。

新しい友達もできた将真は少しずつ都丸家にも順応していきました。

本当の姉妹のように良い関係性を築いていくこころと将真。

しかし異変が起こったのは雷雨が降りしきる日のことでした。

こころ
「うわっ、将真、雷すごかったね、大丈夫?将真ー?もう寝たー?」

将真はまたしても嘘泣きをしてから扉を開けます。

将真
「何か用かよ、寝てたんだから起こすなよ」
こころ
「将真、おいでよ」

嘘泣きだとは考えもしないこころは、泣いている将真と時々一緒に寝てあげるようになっていました。

このような行動は日常的になっていたのですが、雷雨が降りしきるこの日はいつもと違う出来事が起こりました。

ベッドで一緒に寝ているこころに、将真が信じられない言葉を呟いたのです。

将真
「こころにだけ僕の秘密教えてあげる、ママとパパ、僕が殺したんだ」

あまりの衝撃にこころは目を見開いてしまいました。

ここで将真が冗談だと言ったため、こころは冷静さを取り戻します。

こころ
「もう!寝なさい!おやすみ!」

寝ようとするこころの頬に将真がキスをしてきました。

将真
「こころ好き」
こころ
「私も将真のこと好きだよ、大事な家族だもん」
将真
「今度は僕が守るよ、早く大きくなって、そしたら僕がこころを守るからね」

ここから平穏な日々は続いていき、2人はそれぞれ順調に成長していきます。

数年後、こころが社会人になった頃、将真は優しく美しい男性になっていました。

こころ
「この平穏がずっとずっと続きますように」

しかしこころの願いは叶わず、将真はここから少しずつ胸に秘めた本性を見せ始めることになります。

果たして彼は本当に両親を殺してしまったのでしょうか!?

そして将真の存在によってこころに巻き起こる残酷な運命とは・・・!?

ここから先の展開は実際に漫画を読んでお確かめください。

 

『オオカミの住処』を読んだ感想

読み始めた時はこころと将真のラブストーリーを描いていくのかと思いました。

しかし読んでいくうちに本格的なサスペンス漫画だということが分かりますね。

美しい少年が心に闇を抱えているため、恐怖感が倍増している気がします。

人間の心理を巧みに描いている『オオカミの住処』

それぞれの登場人物に感情移入しながら読んでいくと、この作品の面白さがより伝わると思いますよ。

日常に潜んでいる恐怖をじっくりと感じ取ってみてください。

 

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