中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。のネタバレ!

今回は「志水アキ」先生の『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』はこんな漫画(あらすじ)

昭和23年、終戦から3年が経過したにも関わらず東京の街並みには戦争の傷跡が数多く残されています。

その中で4月から学校制度が旧制から新制へ変わることが決まり、日下部栞奈は新制高校2年に進級しました。

読書好きの栞奈は新しい教室で国語を担当する新任講師の中禅寺秋彦と出会うことで奇々怪々な事件と遭遇することになります。

のちに名探偵と呼ばれることになる中禅寺秋彦の大活躍を描いていく『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』

今回は学園で巻き起こる難事件を解き明かしていくサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

昭和初期を舞台にした本格ミステリーをじっくりとお楽しみください。

 

中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

京極堂こと中禅寺秋彦は古書店を営みながら武蔵野連続バラバラ殺人など数々の難事件を解決へ導きました。

このお話はそんな中禅寺秋彦がまだ古書店を開く前の物語です。

昭和23年、東京にはまだ戦争の傷跡が残されていました。

その街並みの中、日下部栞奈という女生徒が通学前に古本を購入しています。

日下部栞奈
「東京都立美戸川高校、去年の四月から学校制度が旧制から新制に変わり、今年私たちは新制高校二年生になった」

栞奈が学校に到着すると幸子というクラスメイトが悩みを相談してきました。

幸子は幽霊を見たというのですが他のクラスメイトは信用してくれません。

日下部栞奈
「どういうことなの?詳しく教えて」

昨日の夕方、幸子は友達と旧校舎の図書館へ向かいました。

すると図書館へ続く廊下で人影を目撃します。

人影が図書室へ向かったため慌てて後を追いかけたのですが、図書館には誰もいませんでした。

図書館へ続く廊下には抜け道などは存在していません。

そして間違いなく幸子は人影が図書館に入ったのを確認していたのです。

実はこの学校には三十年前、学校を怨んだ教師が図書館で首吊り自殺をしました。

三十年後の現在、自殺した教師は図書室の幽霊と呼ばれ、その姿を見た者は一ヶ月以内に死ぬと噂されています。

そのため幸子は自分が呪い殺されることを怖がっていました。

しかし学校に遅くまで残っていたため先生に相談することはできません。

日下部栞奈
「幽霊だなんて・・・でも・・・幸子・・・本当に怖がってた・・・」

学校帰りのバスに乗車しながら栞奈が幸子の心配をしています。

するとバスの中に財布が落ちていることに気付きました。

日下部栞奈
「どなたか財布落としましたよー」

財布の持ち主を探しているとお婆さんと青年、そしてお爺さんが自分の財布だと主張してきます。

栞奈が困っているとまずお婆さんが花柄の財布は女性物だと訴えてきました。

しかし青年は妻の財布を間違えて持ってきたと言い、お爺さんも同じことを主張します。

日下部栞奈
「え!?え!?誰のなの?」

3人は栞奈が持っている財布を奪い合うように揉めだしました。

困り果てているとバスに乗っていた男性が声をかけてきます。

中禅寺秋彦
「その財布の根付、狛犬ですか?」

本を読みながら声をかけてきた男性こそがのちに名探偵と呼ばれることになる中禅寺秋彦でした。

中禅寺秋彦は鋭い視線でこちらを見てきます。

日下部栞奈
「・・・え?狛犬って・・・これのこと?」

確かに財布には狛犬が付けられていました。

この質問にお爺さんは狛犬を自分で彫ったと言い始めます。

対照的にお婆さんは富岡八幡宮で購入したと言ってきました。

中禅寺秋彦
「ふむ・・・まずそのスーツの男性は財布の持ち主ではありません、鞄は荷物でいっぱいでそんな大きな財布が入る余地がないし、スーツのポケットに違和感なく入る大きさでもない」

もしも財布を手に持っていたなら落とした時に気が付くはずです。

そのことを指摘すると男性は逃げて行きました。

日下部栞奈
「じ・・・じゃあ・・・女物だしこのおばさんの・・・」

女物のため栞奈はお婆さんに財布を渡そうとします。

しかしここで中禅寺秋彦はお爺さんが木彫り職人だということを的中しました。

中禅寺秋彦
「その根付・・・狛犬は狛犬でも狼ですね、埼玉の秩父にある三峯神社、そこは狼を大神と称して信仰の対象にしているんです」

果たして三峯神社の狛犬は財布の持ち主を発見するポイントになるのでしょうか!?

 

 

豊富な知識を活かして財布の持ち主を当てようとする中禅寺秋彦の姿が印象的でした。

彼の相棒となる栞奈も優しくて魅力的なキャラクターとして描かれていますね。

名探偵の前日譚を描写した『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』

ここから中禅寺秋彦の大活躍が本格的にスタートしていきます。

名推理と謎解きの面白さを引き続きお楽しみください。

後編

お爺さんは中禅寺秋彦の言う通り三峯神社の狛犬を見ながら根付を彫ったと主張します。

しかしお婆さんから証拠がないと言われてしまいました。

中禅寺秋彦
「証拠なら財布の中にあるかもしれません、その大きさならたぶんお守りが入ってる」

中見も見ずに財布の中にお守りが入っていると言います。

日下部栞奈
「じ、じゃあ失礼して・・・あ、お守り袋・・・?中身は・・・三峯神社のお守り!」

本当に三峯神社のお守りが入っていました。

こうして財布の持ち主がお爺さんだと判明します。

本当の持ち主に財布を返せたことを喜ぶ栞奈は中禅寺秋彦にお礼を言おうとするのですが、振り返るとバスの中に彼の姿がありません。

不思議な体験をした翌日、栞奈がいつものように学校へ行くと幸子が登校を拒否していました。

どうやら本気で図書室の幽霊を信じ込んでいるようです。

栞奈が心配していると教室に新しい国語の講師がやって来ました。

中禅寺秋彦
「今日から国語の臨時講師を務めさせて頂く中禅寺秋彦です」

生徒たちの自己紹介が必要ないと語る中禅寺秋彦は早速授業を始めていきます。

必要な事だけを教えると愛想の悪い態度のまま教室を出て行きました。

日下部栞奈
「それより幸子のことが心配・・・幽霊の正体がわかれば・・・」

栞奈は幸子のため幽霊の正体を突き止めることにします。

すると栞奈も図書室に続く廊下で人影を目撃しました。

そして人影が図書室へ入ったことを確認してから後を追うことにします。

ですが図書室の中には人の姿がありません。

自分も幽霊を見てしまったかもしれないと思う栞奈。

次の瞬間、背後から人の声が聞こえてきます。

中禅寺秋彦
「何をしている」
日下部栞奈
「ひゃぁぁっ、中禅寺先生!?」
中禅寺秋彦
「下校時間はとっくに過ぎているぞ、君は確か二年一組の日下部栞奈くんだね、なぜこんな時間にここにいるのか理由は知らないが・・・さっさと帰り給え」
日下部栞奈
「あのそれが・・・いま幽霊がここに・・・え?でも先生・・・あれっ!?」

混乱する栞奈は落ち着いて事情を説明することにしました。

登校拒否している幸子と自分が図書室の幽霊を目撃したことを話していきます。

すると意外な言葉が返ってきました。

中禅寺秋彦
「ふむ・・・その幽霊は僕だね」
日下部栞奈
「え!?先生が幽霊!?ど・・・どういうことなんです!?」
中禅寺秋彦
「君はさっきこう言ったね、階段を曲がって右に曲がるとすぐ図書室があり他に抜け道はないと」
日下部栞奈
「は、はい、言いましたけど・・・」

詳しく説明するため中禅寺先生が栞奈を図書室の外へ連れて行きます。

そして図書室の手前にある壁に手をかけました。

中禅寺秋彦
「図書準備室だ」
日下部栞奈
「こ・・・ここ扉だったんですか!?取手がないから普通の壁だとばかり・・・」

図書準備室の扉には取手がありません。

そのため栞奈も幸子も抜け道がないと勘違いしていたのです。

中禅寺秋彦
「君も君の級友も僕がこの準備室に入ったのを図書室に入ったと思い込んだのだね」

こうして図書室の幽霊騒動は中禅寺秋彦のおかげで解決しました。

しかし中禅寺秋彦と栞奈を取り巻く奇々怪々な物語はまだ始まったばかりなのです。

いったい次はどんな難事件が2人のことを待ち構えているのでしょうか!?

 

中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。を読んだ感想

学校の七不思議と呼ばれる噂話の実態は意外と単純な勘違いなのかもしれませんね。

特に生徒たちは七不思議を面白おかしく伝えていくので、話に尾ひれが付いてしまうことを感じました。

頭脳明晰な主人公と優しい女生徒が事件の謎を解明していく『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』

昭和の日本を舞台にしているため新鮮味が感じられる内容になっています。

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