今回は「原作 佐伯さん 作画 芝田わん」先生の『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』はこんな漫画(あらすじ)
高校生になって一人暮らしを始めた藤宮周(ふじみやあまね)の右隣には、天使様と呼ばれるほど可憐な美少女の椎名真昼(しいなまひる)が住んでいます。
周囲の男子から羨ましいと思われる状況なのですが、藤宮は椎名と関わるつもりはありません。
椎名真昼が魅力的な女性だとは思っていても、藤宮にとって彼女はあくまでも観賞用の美少女です。
しかし雨の日にずぶ濡れで佇む椎名を見たことで2人の関係性に変化が現れました。
可愛くて何でもできる天使様と、自堕落な一人暮らしの男子高校生に接点はあるのでしょうか!?
ほのぼのとした青春模様を描写した『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』!
今回は癒し系ラブコメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
秘密の関係を構築していく2人の姿にドキドキさせられますよ。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
藤宮周が椎名真昼と初めて会話をしたのは、雨の公園で彼女を見かけた時でした。
光沢がある長い髪の毛はサラサラしていて、長いまつ毛と大きな瞳の椎名は人形のような繊細な美しさを誇っています。
同じ高校の同級生なので藤宮の耳には自然と彼女の評判が聞こえてきました。
容姿端麗で成績優秀の椎名には欠点らしい欠点が見当たりません。
その上、謙虚で大人しい性格とくればモテることにも納得ができます。
藤宮にとっても椎名は魅力的な女性ですが、あくまでもただの隣人なので話す機会もなければ関わるつもりもありません。
もし関わってしまったら他の男子から嫉妬されてしまいます。
そもそも隣人ということだけで仲良くなれるなら他の男子たちも苦労はしません。
様々な理由から藤宮は椎名のことを観賞用の美少女だと認識していました。
そんな椎名が雨の公園で傘もささずブランコに座っています。
誰かを待っているようでもないので、本人が好んでずぶ濡れになっているのかもしれません。
他人が口出しすべきではないと思ったのですが、椎名の哀しげな表情を見た藤宮は放っておけなくなります。
苗字は覚えてもらえていました。
ただし関与してくるなという雰囲気が感じられます。
傘を渡すと藤宮は立ち去っていきました。
これ以上関わるつもりはありません。
翌日、雨に濡れてしまったせいで風邪を引いた藤宮が鼻をかんでいます。
親友の赤澤樹にうるさいと注意されました。
それでも赤澤はティッシュを渡してくれます。
流石に学校で傘を椎名に渡したとは言えません。
チラッと様子を伺った椎名は顔色も悪くなく元気そうでした。
話しながら椎名に声を掛けた理由が迷子のような顔をしていたからだと気づきます。
そんなことを考えていると、赤澤に風邪を引いた原因が適当に身体を拭いたからだと指摘されました。
図星なので何も言い返すことができません。
どんどん体調が悪くなってきたので藤宮は早く帰ることにします。
家にようやくたどり着いたのですが足元がフラフラしてきました。
ヨロヨロになりながら帰ると部屋の前で椎名が待っています。
椎名は返さなくてもいいと言った傘を持っていました。
自己満足の行為を気にしてもらいたくありません。
それでも椎名は引き下がってくれませんでした。
強がる藤宮は傘を受け取ると自分の部屋に戻っていきます。
しかし玄関で倒れそうになりました。
看病してもらうことは藤宮の本意ではありません。
それでも天使様が看病してくれることになったのです。
天使様と関わろうとしない藤宮のクールな性格が印象的でした。
藤宮の体調を心配する姿に椎名の優しい性格が表れていますね。
関わるつもりのなかった高校生が少しずつ距離を縮めていく『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』!
丁度良い距離感の2人が癒しを与えてくれる物語です。
素直になれない2人だからこその尊い恋模様が描かれていきますよ。
後編
看病してくれるのは嬉しいのですが、藤宮は椎名を家に上げたことを悔やんでしまいます。
後悔しても後の祭りでした。
片付いていない物を踏まないように椎名がベッドまで連れて行ってくれます。
自分も椎名に同じような事をしたので文句は言えません。
仕方なく着替えていると眠ってしまいました。
目を覚ますと椎名が看病してくれています。
椎名はわざわざ自宅から冷感シートとスポーツドリンクを持って来てくれました。
感謝する藤宮なのですが素っ気ない返事しか返ってきません。
その様子で罪悪感から看病を申し出ただけで、椎名は自分と話をする気はないことを察します。
素っ気ない態度とは裏腹に椎名はお粥を作ってくれていました。
天使様に看病してもらえるだけでなく、手料理まで用意されていたことに藤宮は驚いてしまいます。
男の胸板に免疫がない椎名は逃げるようにお粥を取りに行きました。
どうしてこんな状態になったのかは良く分かりませんが、藤宮の椎名に対する印象が変化していきます。
普通なら話したことのない男の家に上がり込んで看病しようなどとは思いません。
襲われてしまうリスクを冒してまで看病を選んだ椎名はよほど気に病んだと思われます。
いずれにせよ仕方なく看病してくれているのは間違いありません。
熱を測り終えると椎名がお粥を運んできました。
温かなお粥からは椎名の優しさが感じられます。
思わず藤宮はお粥をジーッと眺めてしまいました。
皮肉を言われながら味わったお粥はまろやかな酸味と塩味のバランスが丁度良く仕上げられています。
同時に恥ずかしそうな姿や笑顔を見ているうちに、藤宮は椎名が人間らしくて可愛い女性だと感じてきました。
これまでの芸術品に近いイメージが変わり始めます。
機嫌が悪くなったので藤宮は椎名の地雷を踏んでしまったことを後悔しました。
少し熱くなってしまった椎名ですが、ブランコを漕いでいたのは頭を冷やしたかったためでした。
自分を心配してくれた藤宮に風邪を引かせたことは申し訳なく思っています。
藤宮の指摘は当たっていました。
ですが椎名の自意識が過剰なわけではありません。
恐らく美少女に恩を売って関わりを持とうとされたことがあるようです。
嫌な経験があるので傘を差しだしてくれた藤宮に対しても警戒してしまいました。
天使と騒がれている椎名にも好き嫌いや煩わしいことがあると分かって人間らしさを感じます。
むしろ藤宮はその方が良いと思えてきました。
安心した椎名が帰って行きます。
藤宮はベッドで休みながら今日は色々なことがあったと考えていました。
天使に看病されたことは誰に行っても信じてもらえないので、今日の出来事は2人だけの秘密にします。
面倒な事とはなるべく関わりたくありません。
しかし藤宮と椎名は顔見知りの他人に戻ることはできなかったのです。
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『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』を読んだ感想
物事を俯瞰で考える藤宮の精神年齢が高いことに驚かされました。
天使と呼ばれている椎名の人間らしい姿には魅力を感じますね。
見守りたくなる恋模様を描写した『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』!
ゆっくりとしたテンポが心地良くなる物語です。
藤宮も椎名も上品なのでいつまでも読んでいたくなりますよ。
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