名無しは一体誰でしょう?のネタバレ(漫画)!感想も!

今回は「原作 山田鐘人 作画 岡崎河亮」先生の『名無しは一体誰でしょう?』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『名無しは一体誰でしょう?』はこんな漫画(あらすじ)

5月17日18時15分、男子高校生が3つの困りごとに頭を悩ませていました。

1つ目は気付いたらここにいること、2つ目は記憶が無いこと、そして3つ目は刃物を持った女の子が目の前にいることです。

生徒手帳で自分が武羽流星(たけばりゅうせい)であることは分かりましたが記憶は戻りません。

類まれな推理力で僕を演じるためのデータを収集した武羽は、隣の席に座る翔寺束(かけるじたばね)との接触を試みます。

目の前で刃物を持っていた翔寺は武羽について何を知っているのでしょうか!?

近未来を舞台に高度な推理戦が繰り広げられていく『名無しは一体誰でしょう?』

今回は本格派サスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

新時代の名探偵が大活躍しますよ。

 

『名無しは一体誰でしょう?』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

2024年5月17日金曜日18時15分、物語の幕が上がりました。

武羽流星
「今、僕には三つの困ったことがある、一つ、気付いたらここにいること、二つ、記憶が無いこと、三つ、刃物を持った女の子が目の前にいること」

女の子が刃物で男性を刺すとこちらに近づいてきます。

何も話してくれないので状況が理解できません。

翔寺束
「顔は覚えました、君はここには来ていないし誰とも会ってない」

謎めいた言葉を残して女の子は去っていきました。

人が刺される嫌な場面を見てしまったのですが、状況を整理するため現場を確認することにします。

まず刺された男性に見覚えはありません。

男性は拳銃を右手に持ったまま倒れています。

武羽流星
「・・・妙だな、あの女の子の時計・・・ベルトのピンが外れているだけか・・・」

腕時計を拾っていると人がやって来る気配を感じました。

記憶が無いままこの場にいることは危険なのですぐ立ち去ることにします。

窓から外へ出ると胸ポケットに生徒手帳が入っていることに気付きました。

武羽流星
「武羽流星、変わった名前だな・・・生化高校・・・名門じゃないか・・・僕は生化高校を知っている、意味記憶に問題なしということか・・・」

人間の記憶は意味記憶と手続き記憶、そしてエピソード記憶の3種類に分類されます。

意味記憶は言語や物事の共通認識などと知識を司り、手続き記憶は体で覚えたものを司り、エピソード記憶は人生経験を司ることを武羽は知っていました。

記憶喪失というものは主にエピソード記憶が欠落するので、現在の武羽は正常な記憶喪失と言えるのかもしれません。

そのまま生徒手帳に書かれた住所を頼りに家へ向かいました。

家の中に入るとリビングに両親の置き手紙があります。

武羽流星
「えええええ!?何この展開!?突然息子置いて世界一周ってどんなファミリーだよ!?」

両親は夫婦水入らずで世界一周旅行に行っていました。

記憶喪失なので病院に行きたいのですがもう22時を過ぎています。

病院は明日にして自分の部屋へ行って見ることにしました。

置き手紙の文面から察すると武羽流星は一人息子です。

武羽流星
「となると・・・2階の一番東の部屋か・・・」

推理した通り一番東が武羽の部屋でした。

子供部屋に日当たりの良い場所を選ぶのは常識です。

一般常識も意味記憶に当たるので忘れてはいませんでした。

自分が異常なほど冷静なことに驚きながら部屋を見回すと、気になるケースを発見します。

ケースは溶接されていて鍵が無ければ開くことはできません。

机の上に置かれていた鍵を使ってケースを開けると中に拳銃が入っています。

武羽流星
「なぜこんな物が・・・僕の部屋に・・・!?」

恐らく裏の顔があると推理した武羽は記憶喪失であることを誰にも言わず、土日を利用して自分の性格や人間関係、口癖や好き嫌いなどの情報を収集しました。

情報収集のおかげで学校に行っても武羽流星を演じることができます。

友人に対してであれば収集した情報で対応できますが、身内と接する時はボロが出るかもしれません。

そこで両親が海外から帰国する前に自分の正体を突き止めることにします。

問題は山積みですが誤算となるのが隣の席に座る翔寺束という女子の存在でした。

武羽流星
「正直、事態がのみこめない・・・制服から同じ学校であることは予測できていたけど、まさか隣とは・・・」

翔寺束は金曜日に目の前で刃物を持っていた女の子なのです。

金曜日に出会った時、翔寺束に顔は覚えましたと言われました。

もしかしたら初めから翔寺束は武羽を眼中に入れていなかったのかもしれません。

どうやってアプローチしようか悩んでいると翔寺束から声を掛けられます。

翔寺束
「ちょっと屋上まで来てもらえますか?」

自分が誰なのかを探す唯一の手掛かりに話しかけられたので、武羽は彼女の誘いに乗ることにします。

しかし屋上で手作りのお弁当を食べながら話をするだけで、翔寺束はなかなか本題を切り出してきません。

このままでは昼休みが終わってしまいます。

武羽流星
「翔寺さん、用件は何だ?まさかキャッキャウフフと一緒にお昼を食べるのが目的ってわけじゃないだろう?」
翔寺束
「そのつもりだったんですけれども・・・私からのアプローチを素直に受け止めてくれないとは意外と鈍感・・・というかひねくれてますね、君のほうこそ私に何か言うことがあるんじゃないですか?」

情報を収集するつもりだったのですが翔寺束にマウントを取られてしまいました。

ですがまだ記憶喪失がバレたわけではありません。

この状況を嘘で凌いだとしても翔寺束から正確な情報が聞きだせなくなってしまいます。

それならばこの状況を利用することにしました。

武羽流星
「翔寺さん、その質問には答えられない、なぜなら僕には3日前のあの時から記憶が一切ないからだ、僕の正体を調べるのに協力して欲しい」

武羽が選んだハイリスクな手段は状況を進展させるのでしょうか!?

 

 

記憶喪失の状態でも冷静に物事を分析する武羽の優秀な頭脳に驚かされました。

自分の正体を知っているかもしれない翔寺束が隣の席に座っていたシーンもハラハラドキドキさせてくれますね。

謎解きのための伏線が幾重にも張り巡らされた『名無しは一体誰でしょう?』

まだまだ分からないことだらけの武羽が類まれな推理力を披露します。

謎に包まれた翔寺束の存在も物語を面白くさせていきますよ。

後編

協力を求めると翔寺束が明らかに動揺しました。

翔寺束
「やむをえません、協力はしますがその前に一つ、絶対に譲れない条件があります、私は一体誰でしょう?この問いに答えられたら協力しましょう」

翔寺束の素性など記憶を失っているので分かるはずがありません。

目的も分からないのですが武羽は翔寺束の条件を飲むしかないようです。

武羽流星
「質問はアリだよな?僕がお前の素性を探ることに何の意味がある?」
翔寺束
「ただの趣味ですよ」
武羽流星
「ご趣味は?」
翔寺束
「悪ふざけと嘘をつくことです」

まともな回答をされないので武羽の質問は詰んでいる状態でした。

次の質問を考えていると、翔寺束が急に咳き込んだので唾が武羽の顔面に直撃します。

武羽流星
「口ふさごうよ・・・」
翔寺束
「お詫びといってはなんですが・・・」
武羽流星
「ちょ、何してんの!?お前僕のホットドックになんてものトッピングしてるんだ!?」
翔寺束
「杏仁豆腐嫌いなんですよ、食ってくださいよ」

自分の弁当に嫌いなものを入れる訳が無いので、武羽は手作り弁当が嘘だと感じました。

残飯処理をさせられながら武羽が重要なことを思い出します。

武羽流星
「ああ、そうだ翔寺さん、これ例の廃墟で落としただろう」
翔寺束
「それはどうも、早くしないと授業遅れますよ」

廃墟で拾った腕時計を渡しました。

翔寺の素っ気ない態度と吐き出した杏仁豆腐が武羽は気にかかります。

ここから翔寺と過ごす学園生活がスタートしました。

少しでもヒントを得るため、武羽は学外でも翔寺束の誘いに乗っていきます。

それでも翔寺の余裕な態度を崩すことはできません。

状況を好転させない理由は翔寺の虚言癖でした。

いつも平気で嘘をつきはぐらかすので、武羽は翔寺のことを尾行することにします。

武羽流星
「まあ素人の尾行じゃすぐに気が付かれるだろうが、仮説は立っているんだ、それまで少しでも証拠が掴めれば僕の勝ちだ」

尾行に気付かれれば翔寺は2度とボロをだしません。

ここで最後の大勝負に出たのですがすぐ尾行に気付かれてしまいます。

バレてしまったことに驚いた武羽は尻もちをついてしまいました。

翔寺束
「さあ好きなだけ調べてください、まあその前にとりあえず・・・立ってください」

起き上がるよう差し出された左手を見た武羽が重要なことに気が付きます。

全てが繋がった武羽は公園で翔寺の正体について説明することにしました。

そもそもこの問題には4つのチェックポイントがあったのです。

武羽流星
「一つ目、顔は覚えました、最初の日にお前が言った台詞だが・・・僕は初めそれを揶揄表現だと判断した、僕のことなんか眼中になかったんだって」

しかし眼中に無かった訳ではありません。

嫌味でもなく翔寺は本当のことを言っただけだったのです。

武羽流星
「二つ目、虚言癖、趣味は悪ふざけと嘘をつくこと、僕が核心に迫るような質問をすると決まってお前は巧妙にはぐらかす」

最初は意図的に行っていると思っていました。

ですが翔寺ははぐらかすことしかできなかったのです。

武羽流星
「三つ目、杏仁豆腐が嫌い、実はこれが一番決定的だった、僕の勘違いで気付くのが遅れたがあの弁当は確かにお前が作ったものだった、お前は喜々として弁当に杏仁豆腐を入れ昼食時に口一杯に頬張った、むせ返すほど大嫌いな杏仁豆腐を」

翔寺は自分が杏仁豆腐を嫌いだとは夢にも思っていませんでした。

好き嫌いは知識でも常識でも法律でもありません。

それは個人個人の人生経験なのです。

武羽流星
「私は一体誰でしょう?答えは簡単だ、だってお前は誰でも無いのだから、翔寺束、お前には記憶が無い、恐らく僕と同時期か、それ以前の近いうちに記憶を失ったのだろう」

客観的な推理で翔寺の正体を暴きました。

しかし翔寺は武羽の推理を認めようとしません。

翔寺束
「顔を覚えたは私の嘘ではぐらかしたのは真実を隠す為で、杏仁豆腐の件はナタデココと間違えて弁当に入れ誤食してしまったんですよ、好きなんですよ、ナタデココ」

物証がないことを理由に武羽の推理を否定します。

ですが武羽は物証も手に入れていました。

武羽流星
「僕はチェックポイントが四つあると言ったはずだ、四つ目、腕時計、なんで右手に着けているんだ?」
翔寺束
「それは私が左利きだから・・・」
武羽流星
「そう、お前は左利きだ、初めて見たあの日もお前は左手にナイフを握りしめ、そして左手に腕時計を着けていた」

左利きの中にも腕時計を左手に着ける人はいます。

それは個人の人生経験なのですが、記憶を失った翔寺は常識で利き手と反対側に腕時計を着けるものだと判断しました。

腕時計を着ける手の違いで武羽は翔寺が記憶を失っていると見抜いたのです。

翔寺束
「そうですか・・・まさかここまで来れるとは・・・破綻しました、ごめんなさい武羽君」
武羽流星
「・・・なぜ謝る?」
翔寺束
「わからないんですか武羽君?ここで行き止まりなんですよ、私が君から引き出そうとした情報は私の正体についてです・・・でも無理でした」

武羽の記憶が無い時点で翔寺は手詰まりでした。

なぜなら翔寺の記憶を辿る手掛かりが武羽だけだったためです。

しかし武羽が暴挙に出たことで自分と同じように武羽の手掛かりが翔寺であることを悟りました。

そこで翔寺は絶対に解けない問いをぶつけたのです。

自分と同じ状況の武羽には少しでも長い間、夢と希望を見ていて欲しかったのですが守ることはできませんでした。

武羽流星
「そういうことか、自分が誰だかわからない手探りで日常を進む恐怖、それでいて解決策も打開策もない、記憶が戻るまで待つことしかできない、必死に祈ることしかできない」

翔寺も武羽と同じ状況下にいたのです。

そして行き止まりにぶつかった2人は同じ絶望を味わいました。

翔寺束
「君は私を許さないでしょう、それでいいんです、全ては私の配慮が足りなかったせいです、楽しかったですよ、友達ごっこ」
武羽流星
「逃げるのか、翔寺さん、お前の条件は飲んだんだ、協力してもらうぞ」
翔寺束
「・・・な、何を言って・・・」
武羽流星
「お前が適当に決めた行き止まりなんかで止まってやらないって言ってんだ、二人で照合することにより出てくる証拠もあるし視点も共有しないといけない」

どんなに些細な情報も見落とせません。

その上で友達としての協力を求めました。

翔寺束
「わかりました、協力しましょう、でも友達にはなれませんよ、武羽君、私にはそんな資格はありません、私は人を殺しました」

意識が戻った瞬間に翔寺は男性を殺害していたのです。

人を殺した自分が救われてはいけないと考えていました。

武羽は翔寺に罪の意識が無いと思っていたのですが、彼女は偽りの人格を装いながら罪の意識に苛まれていたのです。

武羽流星
「わかってないのはお前のほうだ、翔寺さん、お前は誰も殺していない」

銃を向けられた翔寺は咄嗟に男性のナイフを奪い反撃しました。

しかしナイフの扱いに慣れていなかったため刃は貫通していなかったのです。

武羽が男性を調べると気絶していただけでした。

つまり翔寺が罪の意識で苦しむ必要はないのです。

翔寺束
「いやですね、武羽君、まるで私が辛い思いでもしていたみたいに・・・あれ?え、あっ・・・何故涙が・・・これは恥ずかしいです・・・」
武羽流星
「そうか、いい気味だ、守るだの救われるだの、一人で抱え込むからだ、何で本当に苦しい時に一人でいなきゃならないんだ、僕には理解できない、だから次からは一緒だ、だって僕達は同じなんだから」

同じ境遇の2人は協力して記憶を取り戻すことにしました。

そんな2人を狙う刺客がすぐそこまで迫っていることを知らずに・・・。

『名無しは一体誰でしょう?』に関する他の記事はこちらです↓↓↓

名無しは一体誰でしょう?のネタバレ(漫画)!第2話!

2024.01.24

 

『名無しは一体誰でしょう?』を読んだ感想

些細なポイントを見逃さずに翔寺が記憶を失っていることに気付いた武羽の推理力に感動しました。

罪を犯したと悩む翔寺の心に寄り添う武羽の優しさも名探偵として不可欠な要素だと思いますね。

記憶を失った名探偵の活躍を描いた『名無しは一体誰でしょう?』

新たな刺客の目的など気になるところが盛り沢山なのでワクワクしてきますよ。

引き続き2人の名推理に期待したいですね。

 

電子書籍を無料で読んでみませんか?

電子書籍は試し読み以外では無料での購読は不可能です。

ですがどうしても試し読みでは満足できないあなたにとっておきの方法があるんです!

それが動画観るならU-NEXTでおなじみのこの動画配信サービスなんですよ↓↓↓

 

 

映画、ドラマ、アニメなどの動画が最新作から名作まで充実のラインナップで見られるU-NEXT

実は電子書籍も見られることをご存知でしたか?

U-NEXTでは電子書籍を34万冊以上配信しているんです。

しかも新規登録から31日間は無料なんです!

もしも31日以内に登録を解除しても料金がかかることのない無料トライアルをこの機会に是非利用してみませんか?

ただし最新刊を読む場合は料金がかかるのですが、今なら特典で600円分のポイントがもらえるんですよ!

このポイントもよく電子書籍サービスであるような、「一部の作品だけ」「1巻だけポイント利用可」ではなくU-NEXTなら全巻で使用可能となっています!

動画はもちろん電子書籍など、全ジャンル充実の配信数は120,000本以上!

さらにどのキャリアでも関係なく利用可能なU-NEXTを是非お試しください!

無料トライアルはこちらから↓↓↓