今回は「西香はち」先生の『波うららかに、めおと日和』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『波うららかに、めおと日和』はこんな漫画(あらすじ)
昭和11年の春、父親が関谷なつ美の嫁ぎ先を見つけてきました。
まだ会ったこともない男性との結婚式は来週に迫っています。
しかし帝国海軍の中尉でなつ美の夫になる江端瀧昌は結婚式に現れませんでした。
2週間後、仲人宅でお世話になっているとようやく瀧昌が会いに来てくれます。
ここから男女のことに慣れていないなつ美と瀧昌のピュアな夫婦生活が幕を開けることになりました。
昭和の慎ましかった夫婦を題材にした『波うららかに、めおと日和』!
今回は戦前の日本が舞台の恋愛漫画についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。
現代の日本では考えられないほど純粋な夫婦の姿にドキドキさせられますよ。
『波うららかに、めおと日和』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
関谷なつ美が洗濯物を干していると、帰ってきた父親から嫁ぎ先が決まったことを伝えられます。
急に伝えられたのですが結婚式の予定は来週に決まっていました。
昭和11年の春、なつ美の運命は大きく動き始めたのです。
結婚式当日、夫になる江端瀧昌は訓練のため帰ってきませんでした。
それから2週間後、なつ美が仲人宅の掃除をしています。
仲人の奥様からは掃除なくてしなくてもよいと言われていますが、2週間もここでお世話になっているのでお手伝いしないわけにはいきません。
なつ美はまだ結婚した相手と顔を合わせていないことを気にしています。
しかし奥様は結婚式前日に瀧昌を訓練に連れ出した海軍が悪いと言ってくれます。
奥様の旦那も海軍の上官なので瀧昌と一緒に訓練を最優先していました。
ただ夕方には旦那が瀧昌を連れて帰ってくるそうです。
瀧昌は海軍に入る前、ここで暮らしていたので奥様は良い人だと言うことを保証してくれました。
そんな話をしていると旦那が瀧昌を連れて帰ってきます。
奥様はなつ美を客間で待たせることにしました。
急な展開なので緊張してきます。
どうにか気持ちを落ち着かせていると奥様が瀧昌を客間に連れて来ました。
奥様はなつ美と瀧昌を2人きりにさせるため居間へ戻っていきます。
2人きりになったのですが男性とまともに話したことがないので、なつ美は何を話したらいいのか分かりません。
すると瀧昌の方から声を掛けてくれました。
なつ美も初めましてと挨拶するのですが、これでは練習してきた意味がありません。
改めて練習してきたとおり丁寧に挨拶をします。
なつ美が自己紹介しただけで会話が弾みません。
瀧昌は鋭い視線でなつ美を見つめたままです。
生活習慣については仲人の郁子に聞いてほしいと言われてしまいました。
シーンとした雰囲気になつ美が気まずさを感じていると瀧昌がゆっくりと立ち上がります。
仕方なくついていくと瀧昌が離れの中に入っていきました。
そのまま居間や台所を見ていきます。
なつ美は黙ってついていくのですが瀧昌の考えていることがさっぱり分かりません。
どうやら瀧昌はここに住むことを決めたようです。
海軍の家族が基地の近くの下宿や借家で暮らすことをなつ美は知りませんでした。
まだ出会ったばかりなので呼び方に悩んでしまいます。
少し恥ずかしいと感じていたら瀧昌がお釜を持ってきました。
一緒に離れの中を見て回ったのですが、なつ美は生活用品が揃っていないことに気付いていません。
その間に瀧昌は母屋からたくさんの物を運んでいました。
なつ美が落としそうになった食器を瀧昌が代わりに運んでくれようとします。
その時に2人の手が一瞬だけ触れてしまいました。
恥ずかしそうにしながらなつ美が台所へ向かいます。
その後姿を眺めながら瀧昌は食器を運びやすいように整理し始めました。
なつ美と同じように瀧昌も異性との接し方が良く分かりません。
そのため無愛想な態度になってしまっているのです。
お互いの考えていることが良く分からないまま、なつ美と瀧昌の結婚生活は上手くいくのでしょうか!?
昭和初期の日本で男女がどのような関係性だったのかが良く分かる物語になっていますね。
年頃になっても異性との接し方が分からない2人の純粋さに驚きました。
古き良き時代を感じさせてくれる『波うららかに、めおと日和』!
昔ながらの夫婦生活にも忘れてはいけない大切な気配りがあると実感しました。
なつ美と瀧昌の純粋な心を教訓にしたいですね。
後編
初対面のなつ美と瀧昌が初めての夜を迎えました。
なつ美は瀧昌に喜んでもらうため料理を作り始めます。
ご飯と味噌汁、魚の煮付けと揚げ出し豆腐を作ったのですが上手くいきませんでした。
それでも瀧昌は何も言わずごはんを食べてくれます。
どんどん食べてくれるのでなつ美はホッとすることができました。
気づいたらすでに瀧昌が完食しています。
味噌汁を多めに作っておいたのですぐにおかわりを用意しました。
買い物の時におまけしてもらった梅干しもお出しします。
食べるペースが違うのでなつ美も瀧昌のペースに合わせ始めました。
その様子を瀧昌がジーッと見てきます。
まだお互いの行動と考えていることが理解できません。
どんくさいと思われたと感じたなつ美は早く食べ過ぎたせいで気持ちが悪くなってしまいます。
お布団という言葉に瀧昌が一瞬だけ動揺しました。
新聞を握り潰してしまいましたがすぐに平静を装います。
経験不足なのですぐには気づきませんでしたが、なつ美は今日が初夜であることに気が付きました。
しかし初夜に夫婦が何をするのかは分かっていません。
前の住人が食器だけでなく布団まで持って行ってしまっていました。
母屋に布団を借りに行きたいのですが仲人にそこまで迷惑はかけられません。
なつ美だけでも母屋で寝させてもらおうとします。
ですがなつ美が瀧昌の横に腰を下ろしました。
2人で徹夜することになったのですが、朝までどうしたらいいのか分かりません。
なつ美は初夜のことを分かっていませんが、瀧昌は初夜の意味を理解しています。
そのためドキドキしていますが寒そうにしているなつ美のことが心配になってきました。
電気を消すと思ったよりも暗いのでなつ美は不安になります。
もしかすると初夜は暗い中で何かをするのかもしれません。
そんなことを考えていると瀧昌が隣に座りました。
ドキッとしたのですが瀧昌は海軍の外套を渡してくれます。
海軍以外が着てもいいのか悩みながら外套を羽織りました。
外套は良質な生地を使っているのですぐに身体が暖かくなります。
これで寒くないだろうと安心した瀧昌が、床に落ちている紙を見つけました。
紙には旦那様の好物が書かれています。
実は料理をする前になつ美は郁子に瀧昌の好物を聞いておいていました。
素直にお礼を言えたのですがなつ美は寝てしまっています。
それでも2人はお互いの優しさを実感することができました。
まだまだ不慣れななつ美と瀧昌はどんな夫婦へ成長していくのでしょうか!?
『波うららかに、めおと日和』を読んだ感想
優しさに包まれた心温まる物語ですね。
決して豊かではありませんが、お互いを支え合う姿に感動しました。
ノスタルジックな雰囲気が心地良い『波うららかに、めおと日和』!
慎ましいですが幸せな夫婦の日常を綴っています。
不器用な夫婦の姿から穏やかな気分を味わえましたよ。
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