『痴情の接吻』のネタバレ!如月ひいろが描く漫画の魅力は?

今回は「如月ひいろ」先生の『痴情の接吻』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

痴情の接吻』はこんな漫画(あらすじ)

図書館司書の柏木和華は大好きな蔵書に囲まれながら充実した日々を過ごしています。

プライベートでは半年間、恋愛をしていませんが逆に趣味の時間を豊かにさせていました。

このまま恋愛をしないでもいいと思っていた和華だったのですが、同級生との再会が彼女の運命を狂わせることになります。

突然目の前に現れた同級生の上条忍に全力で口説かれる和華の運命とは・・・!?

恋愛に興味がないヒロインと、彼女に片想いをするイケメンの恋模様を描いていく『痴情の接吻』

今回はキスをテーマにしたラブストーリーの魅力について、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

如月ひいろ先生らしいドキドキの恋愛漫画をじっくりとお楽しみください。

 

痴情の接吻』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

市立図書館司書の和華は仕事が早く丁寧なため上司から頼りにされています。

プライベートでも蔵書に囲まれていたいほど本が好きなので、和華は司書という職業にやりがいを感じていました。

和華
「私は今毎日が充実している、仕事環境は申し分ない、プライベートでは半年ほど彼氏がいないものの、ひとりでいる時間は趣味の時間を豊かにさせた」

現状に満足しているため恋愛したいと思っていません。

そんな和華に図書館の利用客が声をかけてきます。

上条
「すみません、ちょっと本を探してるんですが」
和華
「どういった本でしょう?」
上条
「これです、所在確認票で探したんですが見つからなくて」

調べるためにお客が持っている所在確認票を見た和華は思わずドキッとしてしまいました。

その理由はお客の探している本が谷崎潤一郎の“痴人の愛”だったためです。

“痴人の愛”は和華にとって思い出深い本に当たるため、ドキドキしながら本を探し始めました。

利用者を待たせる訳にはいかないのですが、なかなか本が見つかりません。

するとようやく“痴人の愛”が見つかりました。

和華
「ギャー!は・・・挟まってる!大切な本が」

なかなか本が見つからなかったのは、別の本に挟まっていたためだったのです。

上条
「ありがとうございました」
和華
「申し訳ありません、お待たせした上に取り乱してしまって、本が傷んでいたのを見てつい・・・」

本が大好きな和華はシワになっていた状況を見て思わず悲鳴を上げてしまいました。

上条
「いえ、伝わってきました、本に対する愛情とか、本当に本が好きなんだなと思って」
和華
「そ、そうなんです!これだけデジタル化になっててもまだまだ本が好きなんです、はは・・・」

少し恥ずかしそうにしていると男性客が急にタメ口で話しかけてきます。

上条
「そういうところ変わってないな」

驚きながら男性客の顔を見るのですが、和華には見覚えがありません。

和華
「あの・・・失礼ですがどこかで・・・?」
上条
「僕だよ、上条忍、まさか同級生の顔忘れた?」
和華
「え・・・な・・・なんでここに・・・っ」
上条
「やー偶然!久しぶりだね、曙市に転勤になってさ、こっちに戻って住むことにしたんだ」

上条は和華がずっと地元に残っていたことを質問すると、ネームプレートと薬指をチェックしていきます。

その後、仕事に戻った和華が貸し出しの手続きを始めました。

和華
「返却は2週間後の日曜日になります」
上条
「閉館時間って何時だっけ?」
和華
「平日は19時、土日は18時まで、でも返却だけなら入口の返却ポストがあるから」
上条
「じゃ19時には出てこれるよね?ちょっと地元の不動産屋に案内してほしいんだけど」

10年ぶりに地元へ戻ってきたため上条はこの辺の地理がよく分かっていません。

さらにまだ新居が決まっていないので、和華に案内してもらおうとしていました。

和華は断ろうとするのですが強引な上条は入り口前で待っていると言い残し図書館を去って行きます。

周囲からイケメンに誘われたことを冷やかされるのですが、和華は上条に良い思い出がありません。

果たして2人の過去にはどのような出来事があったのでしょうか!?

 

 

充実した毎日を過ごしている和華のキラキラした表情が素敵でした。

そんな輝く和華の笑顔を凍り付かせた上条もインパクト抜群のキャラですね。

個性的な男女のアダルトな恋を描写していく『痴情の接吻』

ここから不動産屋に向かった2人の距離が一気に縮まっていきます。

和華が抱える過去のトラウマにも注目しながら続きをご覧ください。

後編

上条に誘われた和華は仕事をしながら高校時代の頃を思い返しています。

当時の上条は線が細くて美少年という感じでした。

その上条が和華に声をかけてきたのが“痴人の愛”を読んでいた時のことです。

上条
「何読んでんの、柏木・・・谷崎?おもしろい?」

和華が“痴人の愛”を上条に渡そうとすると床に落としてしまいました。

本を拾おうとした2人の手が重なった瞬間、上条は和華にキスをしてきたのです。

和華
「あの直後、私が見たのは”しまった”という上条の顔」

突然キスをしてきたくせに後悔の表情を浮かべた上条が和華は許せませんでした。

当時の事を振り返ると未だにイライラしてしまいます。

和華
「しかもあの小説・・・あの時と同じ・・・いやいやそんなことどうだっていい、不動産屋まではつき合うけどこれ以上上条と関わる気はないんだから」

終業時間になると和華は自分も新居を探していることもあり、嫌々ながら上条を不動産会社に連れていくことにしました。

すると上条が自分の物件よりも和華の探している物件について質問してきます。

上条
「地元なのになんで住むとこ探してんの?まさか彼氏と同棲とか?柏木まだ結婚してないだろ?指輪してないし」

指輪をチェックされていたことに驚きながら質問に答える和華。

和華
「そんなんじゃないわよ、彼氏なんていないから」

和華はもうすぐ両親が海外に移住して実家を売却するため新居を探しているのです。

早く新居を決めて両親を安心させたいのですが、なかなか条件に会う新居が見つかりません。

ただし和華は何もかもを望んでいる訳ではなく、本が置けて普通に生活できる物件を探していました。

1Kでは狭すぎるし、1LDKだと家賃が高くなってしまいます。

そのため新居をなかなか決められない状況でした。

上条
「1DKでもギリギリだな」
和華
「そうそう・・・て、私の話なんかより早く探したら?」

自分の話をしたことを後悔する和華はお手洗いに行くことにします。

その後、物件の説明を聞いた上条は和華と不動産会社を後にしました。

上条
「今日は助かったよ、強引に案内してもらって悪かったな、ありがとう」

強引だという自覚があったことに和華は驚いてしまいます。

和華
「別に大したことないわよ、じゃ私こっちだから」

帰ろうとすると上条に呼び止められました。

上条
「待って柏木、これを」
和華
「?何?」

書類を渡されたのですが中身が何なのか分かりません。

上条
「気に入ると思うんだよね、僕と一緒にマンションを借りない?」

突然の申し出に和華は固まってしまいます。

和華
「・・・は?」
上条
「柏木がお手洗いに行ってる間に紹介してもらってさ、いい物件だと思うよ」
和華
「じょっ・・・冗談やめてよ!なんで私が上条なんかと一緒に」

上条はとりあえず物件の間取りが書かれた書類を見せてきました。

物件は10帖と6帖の2部屋がある2LDKで、築年数は経過しているのですがその分家賃が安くなっています。

さらに上条は自分が使う部屋は6帖で構わないと提案してきました。

10帖あれば大好きな本とベッドが置けるため和華は物件に惹かれてしまいます。

上条
「気に入ったみたいだね」

物件自体は最高なのですが和華にとって1つだけ大きな問題がありました。

和華
「家賃も魅力的・・・すっごくいい・・・でももれなくコイツがついてくる」

この問題があるため後ろ髪を引かれる思いで断ろうとすると、上条がさらにおすすめの条件を提示してきます。

上条
「そういえばほかの新婚夫婦もチェックしてるって言ってたな、契約するなら同級生のよしみでさらに安くするとも言ってた」

それだけでなくこの物件は和華が働く図書館から徒歩10分圏内も魅力的でした。

条件を聞いた和華は脳内で優良物件と上条を天秤にかけていきます。

和華
「この優良物件は諦めよう、そう諦めたほうがいい、これ以上この男とは関わらないほうが・・・」

最初は脳内の天秤が上条の方を重たくさせていたのですが、最終的には優良物件の魅力が勝りました。

そのため和華は腹をくくることにします。

和華
「よろしく、上条」

こうして想像もしなかった2人の同居生活がスタートすることになりました。

いったい和華と上条の関係はどのように進展していくのでしょうか!?

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2018.07.08

 

痴情の接吻を読んだ感想

優良物件に惹かれて上条と同居することにした和華の姿にリアリティーを感じますね。

頭の中で両方を天秤にかけるシーンもコミカルで印象的でした。

大人の恋模様を丁寧に表現していく『痴情の接吻』

上条に口説かれ始めた和華の対応に注目すると物語の魅力が一層伝わると思いますよ。

恋愛漫画が好きな人はこの作品を見逃さないでください。

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