あおのたつきのネタバレ(漫画)!遊郭が舞台の人間ドラマとは?

今回は「安達智」先生の『あおのたつき』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『あおのたつき』はこんな漫画(あらすじ)

江戸最大の遊郭である新吉原には浮世と冥土の境に近い鎮守の社があると言われています。

人気者だった三浦屋の濃紫という遊女は幼い頃の姿で鎮守の社へ迷い込んでしまいました。

童女の時にあおと呼ばれていて濃紫は、宮司の楽丸からこの神社が強く霊験のご利益を求める死者が辿り着く場所だと教えられます。

生前にわだかまりを残していると、そのわだかまりが恨みとなって悪霊になることを知ったあおは楽丸と共に遊女たちの悲しい穢れを祓ってあげることにしました。

あおが出会う遊女たちの切ない過去とは・・・!?

幼い遊女と宮司が遊女の人生に寄り添っていく『あおのたつき』

今回は江戸の町を舞台にしたファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

花魁たちが抱えている悩みに向き合ってみてください。

 

『あおのたつき』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

新吉原の遊郭で花魁たちが女狐についての噂話をしています。

現代の浅草北部にあった新吉原は明暦の大火により日本橋へ移転しました。

そんな新吉原京町二丁目羅生門河岸の角にある九郎助稲荷の奥には、強く霊験のご利益を求める者だけが迷い込む浮世と冥土の境に近い場所があると言われています。

高級な遊女から蕎麦一杯の値段と同じ価格で廻される遊女が存在する吉原遊郭の近くに、浮世と冥土の境に近い鎮守の社は確かに存在していました。

楽丸
「ようやくおいでになったようで、花魁姿の童女とは珍しい、どのような死に様であったか、迎えに行きましょうか」

宮司の楽丸が出迎えようとしている童女のあおは、自分がどうしてこの場所に迷い込んだのか分かっていません。

ただ九郎助稲荷に向かって歩いていたはずなのに、いつの間にか道に迷ってしまいました。

あお
「廓の中で道に迷うなど童以来だよ、狐に化かされたわけでもあるまいし・・・ぎゃっ!お、お、脅かさないでおくんなんし!」

白い狐のような動物が急に現れたので驚いてしまいます。

腰を抜かしそうになっていると白髪の男性が現れました。

楽丸
「すみません、この方はどうも好奇心が旺盛で、私はここの宮司の楽丸と申します、あなたは三浦屋の濃紫さんと冥土の番所から聞いています、ようこそお越しくださいました」

楽丸が鎮守の社へ案内してくれます。

ただ楽丸は濃紫という名前なのに可愛らしい出で立ちを不思議に思っていました。

あお
「童女の時はあおと呼ばれていたよ」
楽丸
「ではあおさんでいいですか?」
あお
「ふん!気安く呼ぶんじゃないよ」

楽丸はここが冥土の吉原遊廓を管轄とする鎮守の社だと説明します。

しかしあおは6歳の頃から廓で生活していますが社の存在を聞いたことがありません。

楽丸
「ええ、もちろんあなたが生きた吉原にはこんな社はなかったはずですし、こんな神主も遊女もあのような妓楼もなかったはずです、見てみますか?ここから見下ろした下界は冥土の花街です」

確かに見下ろした場所には遊女を置いて客を遊ばせる妓楼が立ち並んでいます。

ですがこの妓楼で働いている遊女は普通の姿をしていません。

楽丸によるとそれぞれが生前の想いに囚われた姿をしているそうです。

あお
「なんじゃこりゃあ・・・!」
楽丸
「さてあなたはどうして童女の姿なのでしょうね、死んだ時のこと覚えていませんか?」
あお
「ちょ、ちょいと待ちなんし!なんでわっちがそんな場所にいるんだよ・・・やっと一人前になってこれからって時に・・・稼ぎ時だというのに・・・!金を・・・もっと金を稼がないと・・・」

お金を稼ぎたい理由を楽丸が訪ねてもあおは答えてくれません。

しかしあおがお金を稼ぎたい理由はとても重要な事なのです。

楽丸
「わだかまりがあるようなので聞いたのですよ、わだかまりが恨みになると悪霊になって悪さをします、あなたのような方を何人も見てきましたからね」

遊廓は人の情念が渦巻く場所なので、悪霊がいると冥土に暮らす人間は安らかに暮らすことができません。

浮世の者にも化けて出てしまう可能性があるので、その場合は迷惑になってしまいます。

だからこそ楽丸はこの鎮守の社で魂を守り導くことを生業としました。

あお
「コレサ!それではわっちを導いて浮世に戻しておくんなんし!わっちは金儲けがしたいんだよ」
楽丸
「金儲けがしたい・・・ふむ」
あお
「何か寒気が」
楽丸
「おやおや、今日は来客が多いようで」

新たな来客によってあおは鎮守の社がどういった場所なのか知ることになるのです。

 

 

遊郭を舞台にしたファンタジー漫画という斬新な設定がとても面白かったです。

まだ自分が亡くなっていることに気づいていないあおの姿も印象的でした。

真っ直ぐなあおが遊女の悩みに寄り添っていく『あおのたつき』

いよいよここからあおが初めて亡くなった者の魂と向き合っていきます。

素直だからこそ魂に響いていくあおの叫びは見逃せませんよ。

後編

鎮守の社に大きな顔面の化け物がやって来ました。

あお
「うっへぇー・・・なんじゃあの化け物は・・・」
楽丸
「ちょうどお茶を入れるところでした、あなたも寄って行きませんか?」
あお
「いかにも古風な勝山髷の遊女だね、丸髷に大きく結うのが流行りだというのに、いや・・・あれでも遊女か?」

化け物は勝山という遊女が考案した髷を結っています。

しかしあおの言う通り遊女であることは間違いありません。

楽丸
「あおさんご同輩ということでここはひとつ一緒にお話を聞いてやってもらえませんか?」
あお
「は!?冗談じゃないよ!あんな者の相手など勘弁しておくんなんし!」
楽丸
「困ったなあ、心付けの用意はあったのですが」
あお
「そういうことなら早く言っておくんなんし!話を聞く?お安い御用!餅は餅屋におまかせだよ!」

お金に目がないあおは話を聞く前にお茶を入れることにします。

準備が整う頃には雨も上がりました。

話を聞こうとするのですが化け物は泣いているだけなので事情が分かりません。

あおが急かすとようやく口を開き始めました。

富岡
「わっちの・・・わっちの話を聞いてもらええすか・・・わっちは富岡と申します、醜女でござんした・・・醜い顔の女郎でござんした、同じ里から来たきよ花はわっちと違いすぐ引込禿になり将来を約束されなんした」

引込禿とは人よりも稼ぐ才能を持っているので、上級遊女として英才教育を受ける子を意味します。

きよ花は全てにおいて優遇されているのですが、富岡は彼女が自分を嘲笑っているような気がしていました。

ある日、きよ花が黒漆に金のあしらいを施した簪が富岡に似合うと言ってきます。

その言葉を信じた富岡は茶屋の宴会にこの簪を着けて行くことにしました。

ただしその日きよ花はひときわ美しい簪をあつらえて来たのです。

富岡
「何を思い上がりを、あの簪を着ければ美しくなれるのではないかという思い上がり、そうだきよ花はわかっていたのだ、結局美しい者との違いを見せつけられるだけだということを、あの女はそれを知って」

富岡は自分の醜さが憎らしく感じてきました。

引き立て役の気持ちは醜い顔に生まれなければ分からないことも実感します。

あお
「いやあわからねえ、わからねえ!何せわっちは三浦屋で末は松の位と言われていたんでねぇ、いやあー困った困ったー、おまはんはよくわっちが器量良しだったとわかったもんだね、やはり売れっ子の貫禄というヤツかねえ」
楽丸
「え・・・あおさん?ちょっと!言葉に気をつけて・・・」

あおの発言で富岡の眉間にシワができます。

しかしあおは言葉に気をつけるようなことはしません。

あお
「ほんに醜女なら飯炊きや針仕事をあてがわれるのではないか?最下級の女郎屋ではないところを聞くと手前の劣等感が膨らみ過ぎちゃいねえかぇ?」

どんどん富岡の怒りを煽っていきます。

さらにお面を取って自分の顔を見させるため鏡を出しました。

富岡
「鏡を向けるな」
あお
「あああああわわー!ややややっぱりなんでもおざんせん!今のは無かったことにしておくれえええ!」
楽丸
「富岡という女のなんと醜いことか、しかし醜いのはその心!ドス黒い嫉妬が長い年月をかけて鬼となった!その穢れ祓って差しあげましょう」

あおが富岡の醜い心を表に出し、楽丸が穢れを祓います。

穢れを祓ってもらう前、富岡は醜さから芽生えた嫉妬心が膨らんでいきそれが爆発した時、きよ花の美しい髪を切ってしまいました。

この事件を知った見世の主人は怒り狂い、富岡を行燈部屋に閉じこめお仕置きを与えます。

きよ花は富岡が1年かけて稼ぐ金を一晩で稼ぐほどの人気者でした。

そんなきよ花の髪を切ったことで見世の売り上げに影響が出ることは間違いありません。

しかし怒り狂う主人をきよ花が必死に止めようとしてくれました。

富岡
「きよ花はあの笑顔でなんでもねえような顔をして見世を背負っていたのだ」

きよ花は富岡のことを嘲笑ってなどいなかったのです。

穢れを祓ってもらえたおかげで富岡は大切な事に気づくことができました。

あお
「・・・富岡、よっく見なんし、おまはんは醜女か?雪のような白い肌じゃないか、これがおまはんの顔だよう」

鏡を見てくれた富岡は自分が醜女ではないと思ってくれます。

こうして富岡の魂は成仏することができました。

楽丸
「この度はどうもありがとうございました、さて次はあなたの浄霊をしましょうかね」
あお
「浄霊?わっちを!?話すことなど何も・・・そうだ、どうせ浮世に戻れねえならいっそ雇っておくれよ、おまはんもわっちがいたら助けになるんじゃないかい?」

確かに楽丸は相手の本心を知るためとはいえ、あおのようにズケズケと言うことはできません。

あおのおかげで富岡を導き救うこともできました。

楽丸
「いずれにせよ奉公して頂けるなら私も助かります、きっと生計の手立てになるでしょう」
あお
「わっちがたつきを立てるのか・・・誰に奪われるでもなく・・・コレサ!しかと稼ぎんすえ!」

どうしてあおがお金に執着しているのかはまだ分かりません。

それでも楽丸はあおに協力してもらうことにしました。

2人が次に出会う魂はどんな理由で悪霊になってしまったのでしょうか!?

『あおのたつき』に関する他の記事はこちらです↓↓↓

あおのたつきのネタバレ(漫画)!第2話に登場する遊女は?

2023.11.11

 

『あおのたつき』を読んだ感想

江戸時代を舞台にした完成度の高いファンタジー漫画だと感じました。

ヒューマンドラマの要素も含んでいるので感動できる作品ですね。

お金のために穢れを祓っていく少女の奮闘を描いた『あおのたつき』

あおが生計を立てたい理由など興味深い見所が満載になっています。

遊廓で働く花魁の人生に寄り添っていく優しい物語を読み逃さないでください。

 

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