年年百暗殺恋歌のネタバレ(漫画)!第2話と第3話の見所は?

今回は「草川為」先生の『年年百暗殺恋歌』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『年年百暗殺恋歌』はこんな漫画(あらすじ)

灰星鷹十里(はいぼしたかとり)は暗殺を生業としている一族に生まれました。

幼い頃に初めて暗殺したのは美少年を折檻している女性で、この時に救った美少年に鷹十里は雷火(らいか)という名前を与えます。

自分を拾ってくれた鷹十里に雷火は全てを捧げると誓いました。

そんな2人に領主の急死に関わった疑いがある上奥瀧芹生(かみおくだきせりょう)の暗殺を命じられます。

いつも通り任務を遂行しようとする鷹十里と雷火なのですが、ハプニングによってお互いの恋心が揺さぶられることになってしまいました。

想い合っているのに伝えることができない男女の切ない恋を描写した『年年百暗殺恋歌』

今回は胸が締め付けられる恋愛漫画の第2話と第3話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

少しずつ鷹十里と雷火の気持ちが明らかになっていきますよ。

 

『年年百暗殺恋歌』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第2話

上奥瀧芹生に額の土を払ってもらった鷹十里が頬を赤らめた様子を見ていた雷火は少し動揺しています。

雷火
「なんとなく姫様は一生誰にも恋をしないもんだと思ってた」

ゆくゆくはご当主が鷹十里に伴侶を用意することは覚悟していました。

それでも鷹十里が相手に心を許さなければ耐えられると思っています。

自分が鷹十里と結ばれることがなくても構いません。

雷火
「可愛かったなあ・・・」

しかし頬を赤らめた鷹十里の姿が決心を少しだけ鈍らせます。

それでも雷火が暗殺を躊躇するような事態にはなりません。

雷火
「上奥瀧芹生、なるべく刀で始末をつけたいな、命を断つ手応えが欲しい、こんなことしか考えられないからあなたの心を奪えないんだろうか、ねえ鷹十里様」

あくまでも今回の任務は上奥瀧芹生の暗殺です。

任務を再確認しながら雷火は暗殺の方法を考え始めました。

刀の切れ味を確認していると、伝令役の薩太が城内の人員配置を伝えに来ます。

雷火
「先代領主の死因は毒物だという、長男芹生が犯人である証拠を見つけ暗殺する、それが今回の任務」

任務の内容を確認していると暗器が投げつけられました。

すぐに別班が誰の仕業が調査に向かいます。

しかし領主の代替わりということもあり、暗器を投げつけたのが誰の仕業かは想像できません。

一方その頃、屋敷では女中たちに旅の支給品が配られていました。

鷹十里には芹生から軟膏が届けられるのですが、慎重な部下の北沢が検品するため軟膏を奪い取ります。

すると上奥瀧石和(かみおくだきいさわ)が現れ、処方に居合わせたので軟膏に怪しいところがないことを証明してくれました。

鷹十里
「上奥瀧石和、次男だ、次の領主となる男・・・」

暗殺の依頼は石和の取り巻きから受けたものです。

石和は次の領主とは思えないほど柔和な人物で、緊迫していた場の雰囲気を和やかにしてくれました。

そこに兄の芹生と許婚の千萩も現れます。

鷹十里
「領主の座を継ぐにあたっての儀式は縁の寺院へ赴いてから行われる、ここに戻ってくる時兄弟は揃っているのか否か」

支給品の配給が済むと女中たちは温泉で疲れを癒すことになりました。

鷹十里は軟膏を頂いたことで芹生の側室を狙っていると勘違いされます。

勘違いをあえて否定することはせず、嘘に事実を混ぜ込みながら話を合わせました。

他の女中は今回の仕事で結婚相手を探そうと思っているそうです。

鷹十里
「いろんな生業があってそれぞれに暮らしがある、私自身は灰星の家に生まれたことを厭うてはいないけれど雷火には別の生き方もあったはずなんだ」

様々な人生に触れあっていると雷火にも別の人生を歩んでほしかったと思うようになっていました。

初めての暗殺を行った時も雷火は平然としていたことを思い出します。

雷火
「最高、やっと姫様の役に立てるようになったんだ」

雨の日にとった雷火の手を放していれば暗殺に手を染めることはなかったのかもしれません。

それでも鷹十里は雷火の存在に救われてきたのです。

母親の墓参りにも雷火は付き添ってくれました。

鷹十里
「おかあさまはこのはながすきっていってたけど、ふゆはこればっかりになっちゃうな」
雷火
「違うの供えたい?じゃあはい、きれいな紙が手に入ったから姫様にと思ってさ、でもあげてもいいよ、大兄君とかだったら絶対やだけど、姫様の大切な母君だもんね」

雷火は折り紙で綺麗な花を作ってくれたのです。

鷹十里にとって雷火は特別な存在になっていきました。

鷹十里
「そんなふうに言ってくれたのはこの世で雷火ただひとり、だからこそ大事にしてはいけなかった」

温泉から上がると物置で密会した雷火に城内の侍や奉公人の当番を記した紙を渡します。

密会していると奉公人が物置に入ってきたので慌てて身を隠しました。

慌てていたため鷹十里の袖が行李に引っ掛かってしまいます。

密着した状態なので雷火には鷹十里の鼓動がよく聞こえていました。

雷火
「それでどうなの、芹生の印象は」
鷹十里
「かばってもらったからというわけじゃないけど、雷火が彼をクロだと思って調べるなら私はシロだと思って探っていくよ、両面からなら見落としも減るだろうし」
雷火
「・・・それだけ?あいつに惚れたりしてない?」
鷹十里
「それ女中仲間にも言われたけどそんな簡単に好きにならないだろう」

職業柄、自分たちは平気で噓をつくことがあると理解しています。

それでも大切な存在の姫様には嘘をついてもらいたくありません。

雷火
「じゃあ芹生を殺しても泣いたりしない?」
鷹十里
「よしとれた、もちろん泣くわけない、殺すのは証拠がつかめてからの話だけど、部屋に戻る」
雷火
「絶対殺すから見てて」

それぞれの想いを抱えながら承継の儀が行われることになったのでした。

 

 

第2話では鷹十里のことを純粋に想う雷火の恋心が描かれました。

雷火を暗殺稼業に招き入れたことを後悔している鷹十里の優しさも素敵ですね。

相手を思いやっているのに打ち明けられない悲しみを描いた『年年百暗殺恋歌』

胸の内を隠しながら任務を遂行しようとする様子を見ているうちに切なくなってきました。

鷹十里と雷火が幸せになるためにはどれほどの障害が行く手を阻むのでしょうか。

第3話

承継の儀が執り行われる寺院へ向かっていると雨が本降りになってきました。

女中に紛れ込んだ鷹十里は芹生の様子を観察しながら、雷火に言われた言葉を思い返します。

鷹十里
「好きなのはおまえだよ雷火、シロだと思って探るとは言ったがもしも芹生がクロなら私が殺す、雷火の手を汚させたくない、もう今以上には・・・」

証拠が出た時は自分が芹生を暗殺すると決めました。

考え事をしながら山道を歩いていると、雨のせいで足元が緩んできます。

ここで芹生の許婚の千萩が足を滑らせてしまいました。

崖の下に転落しそうな千萩を雷火が助けます。

雷火
「いやぁ近道でつっきってきたの後悔し始めたとこだったけど、俺がここにいた意味ありましたね、怪我はないですか?」

雷火はふもとの寺の下男を装っていて、承継の儀で使用する蠟燭を届けに来たことを伝えました。

鷹十里以外の全員が雷火の美形に目を奪われます。

千萩を救った雷火は疑われることなく承継の儀まで同行することに成功しました。

鷹十里
「思ったよりいい感じに合流できてよかった、元より千萩への聞きこみは雷火に任せる算段だったけど期待できそうだな」

すっかり千萩も雷火の美しさに魅了されています。

その後も寺院へ向かう道中は大雨に見舞われてしまいました。

雨で橋が流されてしまったので一行は野宿となりますが迂回路を選択します。

雷火
「芹生が弟を狙う機会はいくらでもありそうだな」
千萩
「手を痛めました?薬師も連れておりますからあとで手当てを」

様子を伺っていると千萩が怪我の心配をしてくれました。

ただし雷火は手を痛めたわけではありません。

これも千萩から色々と事情を聞くための嘘だったのです。

雷火
「チョロいなこの女、芹生に想いがあるわけじゃないのなら仕事はしやすそうだ」

一行は雨がしのげる洞窟で野宿することにしました。

そこで千萩は鷹十里から軟膏を借りて雷火を手当てすることにします。

千萩
「まあ・・・思うより調子が悪いのでは?」
雷火
「それは困るな、利き手なのに」
千萩
「私お世話します!あ、恩人なので、それだけです、誤解しないで」
雷火
「あなたは芹生様の許婚、お姫様だ、寺の下男が何を誤解するというんです、どうか手当を続けてください」

完全に千萩は雷火の虜になってしまいました。

一行が休む準備をしていると野犬の群れが洞窟の周りを囲みます。

洞窟まで入りこんだ1匹の野犬が鷹十里に噛みつこうとしました。

芹生が体を持ち上げてくれたので着物を破かれただけで済みます。

鷹十里
「ありがとうございました、芹生様、また助けていただいて」

着物が破れ足元が見えているので、芹生は自分の着物を鷹十里に掛けてくれました。

どうにか野犬を追い払うと雨が止んだので男性たちが用を足しに行きます。

鷹十里は人目を忍んで雷火を探しに向かいました。

雷火
「見逃せなかった」
鷹十里
「私に向かってきた一匹か・・・」
雷火
「姫様、北沢にやられた打ち身はどう?よく効く薬があるんだ」
鷹十里
「もらおう」

薬が芹生から貰ったものだとは言っていません。

黙ったまま傷に軟膏を塗ってもらいます。

雷火は傷を手当てしながら北沢も芹生も全員殺したいと考えていました。

雷火
「ごめん、痛かった?」
鷹十里
「いや・・・大丈夫、おまえの指が思いのほか熱かったから、利き手本当に痛めたわけじゃないよな?」

任務を遂行中なので鷹十里は雷火と千萩の会話も聞き逃してはいません。

雷火は任務が上手くいっていることを報告します。

雷火
「領主が死んだ日の芹生の行動とかそう時をかけず聞き出せると思う、口づけくらいはするつもりでいるけどあれなら手を握っただけで落とせるかもしれない」
鷹十里
「おまえが言うならそうなんだろう、失敗したことないもの、この手の仕事」
雷火
「・・・後生だから抱かせてよ、とかこの距離でささやくと誰でも勝手に落ちるんだ、あなた以外はね」

鷹十里の耳元でささやきました。

洞窟の中に戻ると千萩が雷火のところへ寄ってきます。

千萩
「あっ、軟膏、よかった、なくしてしまったかと思いました、ライが持っていたんですね」
雷火
「すみません、野犬のどさくさで」
千萩
「よかった・・・私がなくしたら意地悪かと思われてしまうわ、薬師によるとそれは芹生様がタカに与えたものらしいから」
雷火
「・・・へえ」

千萩のせいで芹生から貰った軟膏だと雷火に知られてしまいました。

そうとはしらない鷹十里が焚火の前でボーッとしています。

もしかすると雷火の囁きで動揺しているのかもしれません。

そんな鷹十里に女中たちが端っこで寝てほしいとお願いしてきます。

実は女中の向こうに雷火が寝る並びになってしまい、全員緊張して眠れない状況になっていました。

仕方なく鷹十里は平静を装いながら雷火の隣で横になります。

千萩
「薬、寝る前にぬり直しておきましょう」
雷火
「助かります」

千萩は芹生からの頂き物を貸してくれた鷹十里にお礼を言ってから薬をぬり直しました。

2人の様子を鷹十里は横目で伺っています。

しかし雷火にいつもと変わった様子は見られません。

鷹十里
「いつになく遠い背中、一晩中となりにいても」

近くにいるはずなのに雷火との距離を感じてしまう鷹十里だったのです。

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『年年百暗殺恋歌』を読んだ感想

胸が締め付けられるような切ない恋物語ですね。

身分や職業によって結ばれてはいけない宿命を背負った鷹十里と雷火が、自分の想いを隠しながら任務をこなしていく様子が痛々しかったです。

抱えている気持ちを表に出さないようにしながらお互いのことを大切に想い合っている『年年百暗殺恋歌』

素直な気持ちを告白できる時が待ち遠しくなりました。

優しい2人だからこそ幸せになってもらいたいですね。

 

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