今回は「楠本哲 監修 玄秀盛」先生の『恨まれ屋』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『恨まれ屋』はこんな漫画(あらすじ)
23歳の桐谷純(きりやじゅん)は製麺会社のお客様相談室で働いています。
三流大学を卒業したためクレーム処理係に配属された桐谷は、重度のストレスを抱えながらクレーマーの対応に追われていました。
しかしある出来事をきっかけに会社からクビを宣告されてしまいます。
就職氷河期の中で路頭に迷いそうになる桐谷だったのですが、T・I・Eサービスという会社からスカウトしてもらえました。
業務内容が不明なままこの会社に就職した桐谷に待っていたのは、人から恨みを買う恨まれ屋稼業だったのです。
様々な目的のため恨みを代理で引き受けるビジネスと、そこに関わる登場人物たちの姿を描いていく『恨まれ屋』！
今回は複雑な人間模様を表現したこちらの漫画について、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。
人に恨まれるため手段を選ばない男たちのリアルな物語をお楽しみください。
『恨まれ屋』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
桐谷純は上司を殴ってしまったため会社を解雇されてしまいました。
何故このような事態が起きたかというと、前日の出来事が原因だったのです。
この日の桐谷はいつものように真心製麺という会社のお客様相談室で働いていました。
彼の仕事を分かりやすく説明するとお客様のクレームに対応する謝り屋です。
毎日怒りと恨みに晒されるため、クレーム対応係は精神科に通院することが当たり前となっていました。
しかしこれは序の口で、クレーマーに精神を崩壊させられ自殺した社員がいるという噂まであるほどです。
三流大学を卒業した桐谷は入社1年目からお客様相談室に配属されることになりました。
それでも彼は持ち前の真面目な性格で一生懸命働いてきたのです。
必死に働く桐谷に転機が訪れたのは数週間前のことでした。
企画営業部の部長に呼び出された桐谷は、自社の製麺と有名ラーメン店のコラボ企画の説明を受けることになります。
これは壱角家という人気店とのコラボ企画なのですが、頑固な店の主人を企画部の社員が怒らせてしまったためOKを貰うことができません。
困り果てた企画部が頼ってきたのがお客様相談室の社員たちだったのです。
桐谷は企画部長の申し出を引き受けることにしました。
まず桐谷は企画部の社員が怒らせた壱角家の主人に謝罪することにします。
すると話を聞いてほしかったら壱角家のラーメンを毎日食べに来いと言われました。
他の社員が早々に脱落する中、桐谷は15日連続で壱角家に通い続けたのです。
桐谷の誠意ある行動が主人に認められ、コラボ企画を受諾してもらうことができました。
大喜びする桐谷は急いで企画部長の元へ向かいます。
しかし企画部長の口から出たのは信じられない言葉でした。
正当な主張をするのですが、部長は出世に目がくらんだ桐谷の自己責任だと言ってきます。
部長の辛辣な言葉で桐谷の頭は真っ白になっていました。
こうして桐谷は上司への暴力行為で会社をクビになってしまったのです。
果たしてクビになった桐谷にこの先待ち受けている運命とは！？
理不尽なクレーム対応に苦心する桐谷に待っていたのは、企画部長からの罵詈雑言でした。
暴力はいけませんが彼の行動には思わず共感する人が多いのではないでしょうか。
ここから新たな職場で桐谷が奮闘する様子を描く『恨まれ屋』！
人からあえて恨まれるため行動を起こしていく登場人物たちの姿が見所となっています。
強烈なインパクトを与えてくれる恨まれ屋たちの仕事ぶりに驚いてみてください。
後編
上司を殴りクビになってしまった桐谷が壱角家の前でうなだれています。
店主さんにどうやって謝罪をしたらよいのか分かりません。
困り果てていると背後から男性が声をかけてきました。
この男性に見覚えはないのですが、自分の名前とクビになったことを知っていたため桐谷は驚いてしまいます。
男性が差し出してきた名刺には“T・I・Eサービス社長 宇郷聡明”と書かれていました。
名刺にはこれ以上の情報が無く何をしている会社なのか分かりません。
解雇された日に再就職の誘いが舞い込んだため、桐谷は軽い気持ちで体験入社することにしました。
すると宇郷が桐谷を車に乗せどこかへ向かい始めます。
目的地のアパートに到着すると、宇郷は部屋の前に置かれた洗濯機の中にジャリ銭を放り込みました。
誰もが予想できるように動き出した洗濯機は大きな騒音を鳴り響かせます。
ここで洗濯機が置かれた部屋の隣から老婆が出てきました。
老婆は耳を塞ぎながらお金を返すと言い始めます。
笑顔を浮かべる宇郷に対して桐谷は全く状況が理解できていません。
そのため帰りの車内で事情を聞いてみることにしました。
しかし宇郷の会社は取り立てを行っている訳ではありません。
ここでようやく宇郷の口から先ほどの老婆について真相が語られることになります。
宇郷たちは老婆が詐欺師だと知らずにお金を貸した金融業者から依頼を受けていました。
年寄りから金を回収しづらいという理由で、金融業者はT・I・Eサービスを頼ることにしたのです。
依頼を受けた宇郷はまず老婆の隣に従業員を住ませることにしました。
そしてこの従業員と連携しながら、老婆に対して騒音や異臭などの嫌がらせを繰り返してきたのです。
T・I・Eサービスの業務内容は依頼人の代わりになって、人から恨まれるようなことを実践することでした。
果たして桐谷はこの業務内容を遂行することができるのでしょうか！？
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『恨まれ屋』を読んだ感想
人から恨まれるような行為を平気そうな顔で行う宇郷の姿に迫力を感じました。
そんな宇郷のことを怯えながら見つめる桐谷の表情からも、この仕事内容がどれほど恐ろしいのかを想像できるようになっていますね。
現代社会の闇にメスを入れる『恨まれ屋』！
衝撃的な展開が連続するため読者を飽きさせることがありません。
インパクト抜群のストーリーを夢中になってご覧ください。
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