『臨終の要塞』のネタバレと感想!吉田薫が描く漫画の魅力は?

今回は「吉田薫」先生の『臨終の要塞』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『臨終の要塞』はこんな漫画(あらすじ)

表向きは真面目な男性職員として特別養護老人ホームで働く実松。

しかし彼の裏側には老人を蔑む差別的な一面がありました。

いつものように実松が他の職員にバレないよう老人を虐待していると、新しく開設された老人ホームから実務者研修の話が舞い込みます。

深く考えずに研修を受けることにした実松だったのですが、向かった羽部園という施設で彼を待ち受けていたのは身体が85歳に変化してしまう不思議な研修でした。

ここから日常的に侮辱してきた老人として生活することになった青年を描いていく『臨終の要塞』

今回は独特な観点で表現されるサスペンス漫画の魅力について、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

ミステリアスで不気味な物語をじっくりと満喫してみてください。

 

『臨終の要塞』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

羽部園の施設内で1人の男性が階段の手すりに首を吊るためのロープを結んでいます。

この男性はそのまま首を吊って亡くなってしまいました。

そこに羽部園の施設長である羽部八郎が笑顔を浮かべながら近づいてきます。

亡くなった男性の手を掴みながら笑ったままの羽部。

羽部
「ようこそ、羽部園へ」

物語はこの不気味な光景が広がる数日前までさかのぼります。

特別養護老人ホーム伊単荘で、認知症を患った老人が女性職員のサポートを受けながらリハビリに励んでいました。

するとそこに実松という男性職員が現れます。

実松
「あとは俺がやるよ、君は205号室の中村さんを看てくれないか?」

実松が女性職員に別の入居者をサポートするよう指示をしてきました。

その様子を見ていた老人は女性職員に縋りつくような態度を取ります。

実松
「男より若い女子の方がいいですか、でもわがままはダメですよー、さあ・・・」

老人に笑顔で手を差し伸べる実松。

しかし老人を個室へ移動させると彼の態度が豹変しました。

実松
「新人の子に近づいて・・・助けでも乞うつもりだった?まあ・・・重度の認知症じゃそれも無理だろうけど・・・あんたの担当は・・・俺だよ」

水に濡らしたモップで老人の顔面を洗っていきます。

その姿は先ほどまでとは真逆のものになっていました。

実松
「さんざん言ってるけどこれは暴力じゃない・・・教育だ、あんたら老人は老い先短い”枯れ木”、それに水を与えてるのは俺たち・・・他人がいないと何もできないんだから」

実松はこのように老人たちへ日常的に虐待を加えていたのです。

この日の夜、虐待に耐えられなくなった老人が逃げるため出口を探して彷徨っていました。

ようやく出口を見つけたのですが、目の前でシャッターが閉められてしまいます。

実松
「出口なんて・・・ねぇよ」

運が悪い事に実松が老人の姿を発見してしまいました。

実松は老人が再び逃走しないようベッドに身体を拘束していきます。

実松
「あんたの家族がここにいれたんだ、帰る家なんてもうない・・・老害が外に出れば社会が迷惑する、俺はそれを防ぐための義務を果たしてるにすぎないんだ、ここからは出さないよ、死ぬまでね」

あまりにも極端で残酷な思想を抱いている実松。

しかし老人を虐待する彼にはここから過酷な運命が待ち受けているのでした。

 

 

特別養護老人ホームでの職員による虐待は社会問題になっています。

そういった現状の中、この作品は深刻な社会問題を警鐘を鳴らしていると言えるでしょう。

重過ぎるテーマを斬新な手法で表現していく『臨終の要塞』

ここから徐々にミステリアスな一面を見せ始めていきます。

老人を虐待する青年に待ち受けていた奇怪な運命から目を離さないでください。

後編

独自の考え方で老人を虐待している実松。

そんな彼に施設長から別の施設での実務者研修の話が持ちかけられました。

実松
「実務者研修?僕がですか?」

施設長によると郊外に新設された老人ホームでは、若い介護士を対象にした研修が定期的に行われているそうなのです。

そして先方の施設長が実松を直々に指名してきたことが伝えられました。

実松
「富裕層向けの高級老人ホームねぇ・・・しかし研修で直々に指名なんてあんのか?」

不思議に思いながら研修先に向かった実松。

到着した羽部園という施設があまりにも大きいため、少し戸惑ってしまいます。

実松
「中もめちゃくちゃ広くて綺麗じゃねえか、年金で贅沢しやがって」

不満を感じながら施設の中を見回っていくと、利用している老人たちが元気な様子をしていることに気がつきました。

実松
「普通に歩いてる・・・ここの爺婆はずいぶん元気だな、それにしても・・・ほかのスタッフはどこだ?新しくできたばっかで人手が足りてないのか?」

自分が働く職場とは明らかに職員の数が違うため驚いているようです。

すると後ろから肩を叩かれました。

羽部
「やはり20代の肌はきめ細かでいいもんですね」

肩を叩いてきた男性はそのまま実松の頬を触ってきます。

実松
「なんだ、あんた急に!?」
羽部
「あ・・・いやいや、これは失礼・・・私がここ羽部園の施設長、羽部八郎でございます、実松さんですね、ようこそいらっしゃいました」

満面の笑みを浮かべながら羽部が自己紹介をしてきました。

実松
「なんだこいつ・・・この若さで施設長かよ・・・てかなんで夏にマフラーなんかしてんだ?」

羽部の出で立ちに違和感を覚える実松。

しかし羽部はそんなことは気にも留めていないようです。

羽部
「それではさっそく研修を行いますのでこちらへ」
実松
「研修って何するんすか?」
羽部
「なーに簡単な・・・疑似体験ですよ!私が独自に開発した高齢者疑似体験装置”ウラシマ”、現在製作段階ですので若い方にモニターアンケートをとっているんです」

実験室へ連れて行かれた実松は両手と両足、そして首に番号が書かれた鉄製の部品を装着させられました。

実松
「なんでいまさら高齢者体験なんか・・・新人研修んときやったっつーの」

気が進まない実松だったのですが、羽部が機械を操作するリモコンのボタンを押すと状況が急変します。

機械が作動すると急に実松の身体が重たくなり、目が霞み関節が曲がらなくなっていきました。

羽部
「驚いていただけましたか?」
実松
「え・・・何・・・?」

目や関節だけでなく耳まで遠くなってしまっています。

羽部
「このウラシマはですね・・・人間の身体能力を85歳にまで低下させられるんですよー!!」

こうして羽部が開発した装置によって、実松は85歳まで老化してしまいました。

果たして虐待していた老人と同じ状況になった実松を待ち受ける運命は一体どのようなものなのでしょうか!?

この続きは実際にご自身の目で漫画をご覧になってお確かめください。

 

『臨終の要塞』を読んだ感想

研修先の施設で自分が蔑んできた老人に変化させられることになった実松。

虐待する立場から虐待される立場に変わったことで、彼の心の中には色々な感情が芽生え始めます。

実際にこうした装置があれば老人を虐待するような事件は減るのかもしれません。

そうした意味合いも含ませながら高齢化社会の問題に迫っていく『臨終の要塞』

見所が満載で色々と考えさせられる物語になっています。

社会問題と真剣に向き合いながら作品の世界観を堪能してみてください。

 

電子書籍を無料で読んでみませんか?

電子書籍は試し読み以外では無料での購読は不可能です。

ですがどうしても試し読みでは満足できないあなたにとっておきの方法があるんです!

それが動画観るならU-NEXTでおなじみのこの動画配信サービスなんですよ↓↓↓

 

 

映画、ドラマ、アニメなどの動画が最新作から名作まで充実のラインナップで見られるU-NEXT

実は電子書籍も見られることをご存知でしたか?

U-NEXTでは電子書籍を20万冊以上配信しているんです。

さらにポイントを使って購入することも可能ですよ!

そのジャンルは幅広く漫画はもちろんのこと、小説やビジネス書、週刊誌からファッション誌、スポーツ誌までも網羅しているんです!

使えるポイントもよく電子書籍サービスであるような、「一部の作品だけ」「1巻だけポイント利用可」ではなくU-NEXTなら全巻で使用可能となっています!

登録時にもらえる600ポイントを使用して無料トライアル期間中でも新作コミックが読めるU-NEXT

最新巻でもポイントを使用して読めるので、こんなにお得なことはありません!

最新漫画は動画も配信しているタイトルも多いので、「原作漫画とアニメや映画」のようにセットで楽しんでみませんか?

さらに大人向けコミック、BLやTLコミック、写真集なども充実!

雑誌も読み放題で成人向けの作品も超充実のU-NEXT

しかも新規登録から31日間は無料なんです!

もしも31日以内に登録を解除しても料金がかかることのない無料トライアルをこの機会に是非利用してみませんか?

ただし最新刊を読む場合は料金がかかるのですが、今なら特典で600円分のポイントがもらえるんですよ!

動画はもちろん電子書籍など、全ジャンル充実の配信数は120,000本以上!

さらにどのキャリアでも関係なく利用可能なU-NEXTを是非お試しください!

 

無料トライアルはこちらから↓↓↓