『片喰と黄金』のネタバレ(漫画)!第2話の注目ポイントは?

今回は「北野詠一」先生の『片喰と黄金』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『片喰と黄金』はこんな漫画(あらすじ)

アイルランドで起こった大飢饉で大切な人を失ったアメリアコナーは、1949年ゴールドラッシュが起こったアメリカ合衆国へ移民することにしました。

しかし船代を払えないほど貧しいため死体を漁ってお金を稼ぐことにします。

そんな中で出会ったイリルという男性に船代を出してもらうことになりました。

こうしてアメリカ合衆国へ向かう船に乗船できたのですが、まだまだ二人の旅路は前途多難の状況だったのです。

一攫千金を目指すアメリアとコナーの冒険譚を描写した『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』

今回は胸をワクワクさせてくれるヒューマンドラマの第2話についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

絶望を経験したアメリアとコナーが希望に向かって歩き始める冒険劇をじっくりとお楽しみください。

 

『片喰と黄金』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

カリフォルニアで黄金を獲得するため、アメリアとコナーの冒険劇が幕を開けました。

アメリア
「どん底からの一発逆転、大富豪になってやります!」

まず大富豪になるため、大西洋の嵐の中で航海する船の中で生き残らなければなりません。

その航海は約6週間という長い旅路です。

好奇心旺盛なアメリアは帆船がどのように進むのか知りたいのですが、慌ただしい様子の船員は何も教えてくれません。

またお金をあまり持っていないため貧乏人扱いされたアメリアとコナーは、汚い船倉へ戻ることを命じられました。

アメリア
「空き家や屋外で寝ていたので汚いのは平気と思っていましたが、あれらはまだ綺麗でしたー、すみませんでした」

1ヵ月以上もの間、汚い船倉で寝泊まりしなければいけません。

屈辱を味わうことになったので、カリフォルニアで黄金を手に入れたあかつきには豪華なベッドを買うことにします。

寝るためコナーのベッド番号を確認するとアメリアと同じでした。

汚い船倉では3人で一つのベッドを使わなければなりません。

コナー
「こ、交代で寝ましょう、少し広くなります・・・」

コナーの提案でアメリアが先に休むことにします。

しかしベッドがじめじめしているので気持ち良くありません。

アメリア
「おとなりさん、失礼しますね・・・」
ダラ
「出てけ、ったくこんな小汚い子供と一緒かよ、ただでさえうんざりするベッドなのに、俺が居ねーときなら使っていいから、さ、行った行った!」

先にベッドを使っていた男性から追い出されそうになります。

ですがアメリアは男性の言葉を聞かず眠ってしまいました。

力尽くで起こそうとするのですが、コナーに止められます。

このような状況で船が出発してから3日が経過しました。

アメリア
「コナー眠れてます?」
コナー
「ドブにはまる夢で目が覚めます」
アメリア
「私もですよ、寒いですが・・・晴れの日は甲板で過ごしましょう」

支給された食糧の干し肉を食べながら甲板へ出ます。

すると考える事が一緒だった旅人で甲板は混雑していました。

ダラ
「げっ」
アメリア
「あっ、何飲んでるんですか?」

偶然にもベッドが同じ男性と隣り合わせになります。

男性は甲板に出てウイスキーを飲んでいました。

アメリア
「ねぇねぇ出身はどのあたりで?船は初めて?水飲み終えたら私、船の探検をしますがあなたも」
ダラ
「ま・・・待て待て、なんでそんな落ち着きがねえんだ!」
アメリア
「わざとに決まってるでしょうが!じっとしてたら滅入るんですよ!見なさいこの船、この空気、鬱屈、とても新天地へ行こうって船の空気じゃあない!」

乗客は誰もがアメリアのように新天地での生活を夢見ている訳ではありません。

ほとんどの乗客が逃げるように乗船したので疲れ切っていました。

また新天地での暮らしも保障されていないのです。

ダラ
「強い酒でもあおって紛らわすのが精精で陽気でいるなんて無理だな、むしろどうしてお前はそんな元気なんだ?なんか当てがあるのか・・・もしやいいとこのお嬢様?」
アメリア
「いえいえ、よくある貧乏農夫ですよ!むしろ船代が足りず人にちょっと出して貰いました」
ダラ
「そんな天使みたいな人いる!?」

アメリアは所持金も無いため誰よりも困窮しているのかもしれません。

それでもアメリアは陽気でした。

アメリア
「しかしそんなものは今に終わります、そう!私達はカリフォルニアで黄金を掘って大富豪になりますので!」
ダラ
「子供っておっかねーなあ・・・向こうにゃ仕事があるんだから金持ちなんざならなくたって安定して稼げるだけでもありがたいと思えないかねえ」
アメリア
「あはは!思えませんね!つらい思いをたくさんしたので今更つつましい生活で満足などありえません」

新天地で大富豪になるという夢がアメリアのモチベーションになっているのです。

対照的に男性は浮かない表情のままです。

この男性はどんな事情を抱えて船に乗り込んだのでしょうか!?

 

 

幸運が重なって船に乗れたアメリアとコナーの冒険が第2話から本格的にスタートしましたね。

第2話では複雑な事情を重ねていそうなダラ・マリーという男性との出会いが物語を面白くさせていきます。

哀しい運命から脱却しようともがく少女たちを描写した『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』

ダラとの出会いがアメリアたちに与える影響が見所になっています。

切なくて胸を締め付けられる第2話を読んで感動を味わってください。

後編

アメリアとコナーとは違いダラ・マリーは合衆国での生活が保障されていました。

移民の中には合衆国から手紙と旅費を貰っている人も珍しくありません。

しかしダラは家族から呼び寄せられた訳ではありませんでした。

ダラが抱える複雑な事情が分からないまま、出発から10日目を迎えます。

アメリア
「寒い!ニューヨークってアイルランドより南でしょう・・・?なんだかむしろ日増しに寒くなってません・・・?甲板寒い、船倉臭いでどこで過ご・・・」

船の中を歩いていると箱の中に入れられた人が運ばれていました。

ゾッとした気分になっているとダラが声を掛けてきます。

ダラ
「こんな酷い環境だし、乗船前から衰弱してるし死人が出るのは避けられねえことだわな」

せっかく船が出たのにここはアイルランドと変わらない空気が漂っていました。

飢えと病気、そして寒さですぐそこまで死が迫っているように感じられます。

そのため移民船は棺桶船と呼ばれるようになっていました。

乗客の半分が船の中で死ぬと言われています。

ここでダラも苦しさを訴えながら倒れてしまいました。

アメリア
「ちょっとあなた・・・わっ、すごい熱!」

すぐにコナーを呼んでベッドへ搬送します。

搬送されたダラは苦しみながら夢を見ていました。

夢の中でダラが緑色の泥炭地で佇んでいます。

父親からダラはこの泥炭地に置いてけぼりにされました。

ダラ
「俺は飢えて死んだってよかったんだ、独りにならなくていいのなら、あんたが連れて行ってくれたならあんなことをしなくて済んだんだ、罪を犯した俺は惨めに孤独にくたばる」

死ぬことを覚悟したのですがアメリアのビンタで叩き起こされます。

アメリアはダラのことだけでなく他の乗客も看病していました。

その後、10日が経過するとダラの容態は回復していきます。

ダラが回復するとアメリアは船倉を清掃することにしました。

衛生環境が酷い場所で寝ていれば病気になるためです。

アメリアが清掃したことで病気になる人は激減しました。

そのまま出発から37日が経過すると、いよいよ翌日には大陸が見える場所までたどり着きます。

到着を待ちわびていたアメリアは夜になると甲板から海を眺めていました。

アメリア
「死人が減ったですか、人が死んだことには変わりない」
ダラ
「こんなときでも人のことかよ!」
アメリア
「私はいつだって自分のことばかりですよ」

最悪の船旅にはなりましたがいよいよ合衆国への到着が近付いています。

合衆国の大地に足を踏み入れたら夢が叶うかもしれません。

ダラ
「なあアメリア、大富豪なれるといいな」
アメリア
「なんですか、なりますし!もう熱でもあるんですか!本当にある」

額を触ってみるとダラは熱が出ていました。

そのためこの日は早めにベッドで休むことにします。

ダラ
「・・・なあ、俺さあ、俺本当はダラ・マリーじゃねえんだ、ある日ある民家で人が死んでた、そいつは手紙を持っていた、夢のような手紙だ、このどん底から救い出してくれるって、俺はそれを・・・本当のダラはきっと善い奴だよ、手を差し伸べて貰えるような」
アメリア
「最低ですね、死んだ人からさらに奪う行為、地獄に堕ちます」

翌日、身分を奪ったことを告げたダラが亡くなってしまいました。

原因はダニやシラミを媒介とする感染症です。

昨夜、ダラは自分が死んだら身分を保障する手紙について、アメリアに託すと言ってくれていました。

コナー
「そんな・・・じゃああいつわかってて・・・」
アメリア
「死体を漁るより貰う方が気が楽かとも思いましたがそこまででもありませんね」
コナー
「え」
アメリア
「私は自分のことしか考えていませんよ、身内がたくさん死んだからわかります、人は死ぬときに財産を、ものだったり土地だったり・・・命だったりを誰かに託すものです、だからやさしくした」

孤独な人にとって最後の誰かになるため優しくしたとアメリアは強がります。

しかし大陸が見えた瞬間、酒瓶が足元に転がってきたことでアメリアは生前のダラを思い出しました。

酒瓶を抱き締めたアメリアが大粒の涙をこぼします。

決してアメリアは他人から大切な物を貰うため優しくしていた訳ではありません。

強がっていたアメリアはダラのことを悼んで涙が止まらなくなっているのです。

多くの悲しみを背負ったアメリアがアメリカ合衆国に到着しました。

辿り着いたのは東部のニューヨークです。

ここからアメリアとコナーは西の果てに存在するカリフォルニアを目指さなければなりません。

アメリアとコナーの旅路にはどんな出会いと別れが待っているのでしょうか!?

『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』に関する他の記事は記事はこちらです↓↓↓

片喰と黄金のネタバレ(漫画)!アメリアとコナーの運命は?

2022.04.29

 

『片喰と黄金』を読んだ感想

悲しみを乗り越えるため自分に嘘を言いきかせるアメリアの姿に感動しました。

そうでもしなければ乗り越えられない様子が丁寧に表現されていますね。

自分のためだけを考えていると言いながら、他人への気遣いを忘れないヒロインが魅力的な『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』

ここからアメリアとコナーの旅はどんどん過酷さを増していきます。

2人が夢を叶えられるかどうか結末まで見守ってください。

 

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