税金で買った本のネタバレ(漫画)!無料の試し読み情報も!

今回は「原作 ずいの 漫画 系山冏」先生の『税金で買った本』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『税金で買った本』はこんな漫画(あらすじ)

早瀬丸(はやせまる)が勤務する図書館に、ヤンキー風の石平(いしだいら)がやって来ました。

図書館カードを作りたい石平だったのですが、10年前に借りた本を返していないので貸出することはできません。

大昔の出来事を時効だと主張する石平の前に、税金で買った本の弁償を拒む利用客が許せない白井(しらい)という職員が現れます。

白井と早瀬丸の本に対する愛情と情熱を知った石平は、図書館の仕事に惹かれていき自分も彼らの仲間入りを果たすことになりました。

本が好きな人には絶対読んでもらいたい『税金で買った本』

今回は図書館のお仕事を紹介するヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

ヤンキーが図書館でお仕事する風変わりな日常をじっくりとご覧ください。

 

『税金で買った本』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

いつものように早瀬丸が図書館で本棚を整理していると、同僚の女性職員がカードを作りたいお客の対応をお願いしてきました。

女性職員が怯えているので早瀬丸は代わりに対応することにします。

受付に向かうとヤンキーっぽい男性が飲み物の蓋を開けていました。

早瀬丸
「恐れ入ります、飲み物をしまっていただけますか?」
石平
「は?なんで?」
早瀬丸
「本が汚れるといけませんので」
石平
「へー」

素直に言うことを聞いてくれたので男性は悪い人ではないのかもしれません。

そんな男性に図書館のカードを作るため、必要事項を書類に記入してもらうことにします。

しかしパソコンでデータを検索すると問題が発生しました。

早瀬丸
「あの・・・失礼ですが苗字変わられてます・・・?」
石平
「はあ?ああー、小学生の時変わったけど」

男性の苗字が変わっていたことで早瀬丸の表情が険しくなります、

それでもすぐに笑顔を作りながら裏の事務所で対応することにしました。

早瀬丸
「えー、石平様ですね、そちらでしばらくお待ちください」

事務所に石平を座らせるとバックヤードの本棚で利用者の個人情報を検索します。

すると部外者は立入禁止なのに石平が入ってきてしまいました。

石平
「なんだよ・・・個人情報?」
早瀬丸
「たとえば・・・長期延滞・・・何年も本をお返しいただいていない方の記録ですとか・・・あった、こちらの本覚えてますか?」

早瀬丸が“わくわく☆しりたいどうぶつのなぞ”という本の表紙をコピーした書類を見せてきます。

しかし石平には見覚えがありません。

石平
「なんだそりゃ、知らねえよ」
早瀬丸
「10年前お借りいただいた本です、お返しいただくまで貸し出し停止となるきまりですので」

この図書館では長期延滞しているお客に本の貸出をすることは認められていません。

図書館の規則を伝えると石平が怒り出しました。

石平
「はあ?あるわけねえだろ、んな本、あーたぶん引っ越した時どっかやったわ」
早瀬丸
「その場合弁償となります」
石平
「ふざけんな、こんな大昔の本!時効だろ事項」

返却か弁償するまで新たな本を貸すことはできません。

早瀬丸が毅然とした態度で応対していると、バックヤードからホワイトボードを叩く大きな音が聞こえてきます。

早瀬丸
「少々お待ちください、いいの大丈夫だから、あなたそっちの仕事してて、あなたが来ると話がこじれるからッッ」

バックヤードから早瀬丸の制止を振り切って筋骨隆々の白井という男性職員が現れました。

怒りをあらわにしている白井はボールペンを握り潰しています。

今ではムキムキの白井ですが、かつては貧弱な文学青年でした。

白井が変わったきっかけは図書館にクレームを入れるお客の態度が、女性店員と上司に対して異なる現場を目撃したことです。

クレーマーが態度を変えたことで、白井は動物が自分より強そうなものとは争わないことを思い出しました。

動物は自らを大きく見せて争いを避けるようにします。

そこで白井は愛する図書館で働く人と本を守るため自らを鍛え上げました。

お客から税金ドロボウと言われ続けてきた白井が最も憎むのは弁償を拒む利用者なのです。

白井
「図書は皆様の税金で買った市民の財産です、どうか弁償をお願いいたします」

早瀬丸と白井は弁償を拒否する石平をどのように納得させるのでしょうか!?

 

 

図書館に紛失した本の弁償制度があることを知らなかったので勉強になりました。

また図書が税金で買った市民の財産というセリフも胸に響きますね。

あまり目立つことのない図書館で働く人々にスポットを当てた『税金で買った本』

職員の図書に対する愛情が感じられる素敵な物語です。

愛情によって変化する石平の心境にご注目ください。

後編

早瀬丸や白井とのやり取りが面倒になってきた石平は紛失した本を弁償することにしました。

しかし代金を聞いても答えてもらえません。

早瀬丸
「お金はうけとれません、実物を買ってきてください」

面倒臭いので千円札を渡そうとします。

ですが役所は現金の取り扱いに厳しいルールがあるので受け取ってもらえません。

石平
「チッ・・・じゃあ・・・この・・・ガキの読む本を俺に買えって?」
早瀬丸
「はい、このわくわく☆しりたいどうぶつのなぞを買ってきてくださいね」
石平
「もういいわ、二度とこねえよ・・・だいたい場違いだよなァ・・・本当はアンタらも俺みてェなバカに来てほしくないだろ?」
早瀬丸
「そ、そんなことはありません、せっかくご来館いただけたのですからこれから」

早瀬丸が帰ろうとする石平を引き留めようとします。

そこに白井が割って入りました。

白井
「いいんですか?何か知りたいことがあったからまた図書館に来たのでは?だれかに教えられるのではなく知りたいから本を開く、一番純粋なほんとうの学びです、あなたがこの本を借りた時も何か知りたかったのでは?」

純粋だった時の好奇心を思い出してほしかったのですが、石平はそのまま帰っていってしまいます。

その態度を見た早瀬丸は、石平が再び図書館を訪れるとは思えません。

ですが仕事帰りに本屋へ立ち寄ると意外な出来事が起こりました。

早瀬丸
「何してるの白井くん、見た目だけはコワイんだら不審な行動しないで」

物陰から白井が本屋を見ています。

しかし怪しい行動を取っている訳ではありません。

白井
「あの・・・ちょっとアレ・・・」
早瀬丸
「あれ今日の弁償の子?買いにきてくれたんだ・・・」
白井
「そう感じてさっきから見てましたが20分ほどあのままです」

本屋の前には恥ずかしそうな表情を浮かべる石平の姿があります。

迷惑が掛からないか心配していると、ようやく石平が本屋の中に入りました。

早瀬丸
「まだ見張るつもりなの?もういいんじゃない」
白井
「買うところまで見届けますよ、まだ迷うようなら力ずくでレジまで向か」
早瀬丸
「やめえてッ、さすがに店内まで来たら覚悟決めて買うでしょう」

期待するのですが石平はまだ本を手に取ろうとしません。

帰ろうか迷っていると石平の近くで子供が母親に分からないことを質問する声が聞こえてきます。

その声で石平は自分も子供の頃、ワニが口を開けている理由を父親に尋ねたことを思い出しました。

父親は自分で調べた方が勉強になると言い、後日図書館で石平は“わくわく☆しりたいどうぶつのなぞ”を借りたのです。

石平
「でもそのあと両親の離婚や引っ越しのゴタゴタがあってワニのことも本のことも全部忘れた、その程度のモンだよ、帰るか・・・バカバカしい・・・ワニなんか・・・ワニなんか・・・」

ワニが口を開けている理由が気になって仕方ありません。

イライラしてきたので引き返して本を開きます。

するとワニが体温を調節するため口を開けていることが分かりました。

知らないことを知る喜びを思い出した石平が本を持ってレジに向かいます。

早瀬丸
「あっ、レジの場所がわからなくなってる・・・」
白井
「教えてきましょう」
早瀬丸
「やめなさいって、自主的に買ったと思ってもらったほうがいいの」

少し時間は掛かりましたが、石平は自主的に本を購入してくれました。

翌日、購入した本を持って石平が図書館を訪れます。

白井
「はい、弁償完了しましたのでカードお使いいただけまーす!」

今までとは別人のような笑顔で白井がカードを渡しました。

これでようやく石平は図書館で本を借りることができます。

早瀬丸
「そうそう!石平さん!こういう本に興味ございますか?」
石平
「なっ・・・なんでソレさがしてたってわかんだよ・・・」
早瀬丸
「いえ昨日こちらをご覧になってらしたのでもしかして・・・と、白井が」
石平
「・・・フン、まあいいわ、それ借りるわ」

しかし早瀬丸が見せたのは廃棄する本なので貸し出しできません。

そのためすぐに買い替えた本を検索します。

早瀬丸
「あの・・・怒らないできいてくださいね・・・こちらの本買いかえたものが本日貸し出しされまして・・・戻ってきましたらお知らせしますのでまた来てくださいね♡」
石平
「ふざけんな」

結局この日は本を借りることはできませんでした。」

しかし久しぶりに訪れた図書館で石平は学ぶことの楽しさを思い出したのです。

ここから図書館に通うだけでなく働き始めた石平の仕事っぷりは、実際に漫画を読んでお確かめください。

 

『税金で買った本』はこんな人にオススメ

日頃から本を読んでいる人にオススメしたい物語です。

読者が好きな人なら登場人物たちのセリフが胸に響くと思いますよ。

タイトルからは想像できないほど優しさに包まれた世界観の『税金で買った本』

ネットが主流の現代だからこそ本を読むことの素晴らしさを学ぶことができました。

久しぶりに図書館へ足を運ぼうとも思わせてくれる作品ですね。

 

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