今回は「芦原妃名子」先生の『砂時計』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『砂時計』はこんな漫画
12歳の植草杏は両親が離婚してしまったため、母親の実家がある島根に引っ越してきます。
母親と二人で暮らしていこうと決めた杏。
しかしその矢先に母親が自ら命を絶ってしまいました。
孤独になってしまった杏に対して、近所に住む北村大吾という男の子が彼女の支えになろうとしてくれます。
そんな二人の純愛をノスタルジックな雰囲気の中で描いていく『砂時計』！
今回はこちらの感動的なラブストーリーの魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
砂時計が刻む杏と大吾の14年間の恋物語をお楽しみください。
『砂時計』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
12歳の冬、母親と一緒に島根県に引っ越してきた杏。
実家へ戻る前に世界最大の砂時計があるサンドミュージアムを訪れていました。
母親の言葉に対して、杏はもっともっと1年は長いものだと思っています。
思いつめたような表情で杏の手を強く握る母親。
こうして砂時計を買ってもらった杏は、母親の実家へ向かって行きました。
両親が離婚したためこれからここで暮らしていくことになったのですが、当初から結婚に反対していた祖母は迷惑そうな顔をしています。
祖母の説教が終わらないため、杏は母親から外で遊んできなさいと言われました。
ブツブツと文句を言っていると、近所の人が声をかけてきました。
田舎のため母親が離婚したことは既に知れ渡っています。
そのため近所の人から同情の言葉をかけられてしまいました。
しかし杏は自分が不幸だとは思っていません。
逃げるようにして近所の人から離れていきます。
同情されたくないため気丈に振る舞う杏だったのですが、島根に来ることは決して嬉しい事ではありませんでした。
山と雪に覆われたこの村は、杏にとって東京よりも息苦しい場所だったのです。
杏が少し泣きそうになっていると、山の中に野ウサギを見つけました。
どうにかして捕まえようとチャンスを探ります。
すると急に背後から大声が聞こえてきました。
その声に反応した杏だったのですが、円盤状のようなものが飛んできて後頭部に当たってしまいます。
少年が野ウサギを追いかけようとするのですが、杏が彼の服を掴みました。
ワラダを投げるとウサギは鷹の羽ばたきと聞き違えて身動きが出来なくなります。
少年はその隙を突いてウサギを生け捕りにしようとしていました。
彼の作戦は見事に的中し、二人はウサギの生け捕りに成功します。
新学期が始まるまで、少年は自分が遊んであげると言ってくれます。
同年代の友達ができたことで一安心する杏。
運命的な出会いを果たした杏と大吾。
ここから二人の恋はどのように進展していくのでしょうか！？
東京から島根に引っ越してきたため孤独感に包まれてしまう杏。
そんな彼女から笑顔を引き出したのが、近所に住む大吾だったのです。
素直で明るい大吾に心惹かれていく杏の姿を描く『砂時計』！
ここから物語は波乱の展開を見せていきます。
二人に感情移入しながら続きをご覧ください。
後編
笑顔で挨拶してくれた杏を見て、大吾は自分に一目惚れしたと勘違いしてしまいます。
しかし杏は恋心を抱いた訳ではありません。
野ウサギを捕まえられたことが彼女の機嫌を良くしていたのです。
杏が野ウサギを抱えたまま帰ろうとすると、大吾がウサギを取り返そうとしてきました。
大吾の言葉に衝撃を受けてしまう杏。
可哀相だと思った杏は、大吾の首を掴み野ウサギを逃がしてあげることにしました。
大吾が杏を振り払おうとすると、はずみで手が彼女の顔に直撃してしまいます。
大吾を思い切りぶっ飛ばした杏。
こうして仲良くなれそうだった二人の出会いは、最悪な印象を与える結果となってしまいました。
怒りが収まらない杏が家に向かっていると、バス停に母親が立っています。
しかしここから母親は少しずつ体調を崩していきました。
杏はそんな母親の代わりに家の手伝いなどを始めていきます。
大吾とも仲直りすることができ、徐々に前を向いて歩き出す杏と母親。
ですがついに母親が過労で倒れてしまいます。
母親の負担を減らすため、大吾の母親にバイトを紹介してほしいと頼むのですがなかなか見つかりません。
困り果てる杏だったのですが、大吾が仕事を見つけてきてくれます。
彼が見つけてきたのは、村の名家である月島家の大掃除でした。
杏はこの仕事の最中、月島藤と椎香という兄妹と運命的な出会いを果たします。
大吾以外にも友人が出来たことで、村での生活を充実させていく杏。
しかし悲劇は突然起きてしまいました。
母親が置き手紙を残して失踪してしまったのです。
数日後、山奥で変わり果てた姿となった母親が発見されました。
自殺してしまった母親の遺影に、杏は買ってもらった砂時計を投げつけます。
母親の自殺をきっかけにふさぎ込むようになっていく杏。
そんな彼女の笑顔を再び取り戻したのが大吾だったのです。
新しい砂時計をプレゼントしてくれた大吾のおかげで、杏は少しずつ前に進み始めることができました。
こうして12歳の冬を大吾に支えられながら過ごした杏。
二人の恋はこのまま上手くいくのでしょうか！？
『砂時計』最終回の結末は？
順調に成長していく杏だったのですが、母親の死が心のどこかに残っている状態が続いていました。
全てを知っている大吾は、そんな彼女のことを大切に守っていきます。
お互いの気持ちに気づき交際を始めた二人。
しかし高校生になると杏が父親に連れられて東京へ引っ越してしまいます。
遠距離恋愛を続ける二人だったのですが、すれ違いが多くなり気持ちが離れていってしまいました。
紆余曲折を繰り返しながら14年間という年月を過ごしていった杏と大吾。
結末はここで明かす訳にはいきませんが、誰もが納得できる最終回を迎えています。
是非ご自身の目で砂時計が刻んだ恋の行方をお確かめください。
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