解体真処のネタバレ(漫画)!腑分けが解き明かす真実とは?

今回は「伊原圜」先生の『解体真処』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『解体真処』はこんな漫画(あらすじ)

十八世紀の日の本ではまだ西洋医学が発達していませんでした。

そんな日の本で河童が子供を川に引きずり込んで殺害する事件が続発してしまいます。

治安維持に携わっている与力の政道人篤(せいどうさねあつ)は、警察官的な役割を担っている同心の愛生倫(いとうりん)と事件の捜査を始めました。

殺害現場に赴いた二人は死者の遺体を腑分けしようとする宍戸万内(ししどばんない)という外道な医者と出会います。

証拠隠滅の嫌疑で宍戸を拘束した倫でしたが、宍戸万内は征夷大将軍に認められた特別な人物でした。

人間と時代を切り剖いた不気味な医師にスポットを当てていく『解体真処』

今回は医療と時代劇を融合させた漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

外道の術を駆使しながら謎めいた事件を解決していくミステリー要素も楽しむことができますよ。

 

『解体真処』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

十八世紀の日本では人間がなぜ食べてなぜ動き、なぜ生まれて死ぬのかその全てが定かになっていませんでした。

そんな時代に人間と時代を切り剖いた男が存在していたのです。

政道人篤
「これで七人目の童か・・・倫?」
愛生倫
「すみません、臭いが堪えただけです」

童が七人も犠牲になった事件を与力の政道人篤と、下級武士で警察官的な役割を担っている同心の愛生倫が捜査を開始しました。

この事件には人ならざる者が関わっているという噂があります。

政道人篤
「しかし・・・こうなると噂も捨て置けんな」
愛生倫
「・・・河童ですか」

事件が発生した川には水神として近くの寺に河童が祀られていました。

その川は暴れ川として有名で今年の梅雨にも酷い氾濫が起こっています。

政道人篤
「童達をこれ以上賽の河原へ送るわけにはいかん、今晩にも川に見廻りを増やそう」

現場へ近づくと大きな悲鳴が聞こえてきました。

すぐに倫が現場へ向かうと男性が遺体から目玉を切り取っていました。

愛生倫
「・・・な、何をしているんですか!遺体から離れて下さい!あ、あの・・・聞いていますか?」
宍戸万内
「聞いていない、ふむ・・・なかなかいい目をしているな、女・・・目玉をひとつくれまいか?」
愛生倫
「・・・はい?いやいやいや、なに水を一杯みたいに頼んでるんですか!」

顔を掴まれた倫が左目の眼球をくり抜かれそうになります。

倫が全力で拒否しても諦めてくれません。

宍戸万内
「解った、痛みの軽減には最善を尽くそう」
政道人篤
「そこまでだ、貴様何者だ?ただの百姓には見えんが」
愛生倫
「うぎゃっ」

事態を重く受け止めた人篤が刀を抜きました。

しかし倫を解放してくれません。

宍戸万内
「俺の素性などどうでもいい、それより屍体だ、この屍体を俺が貰うと言っている」
政道人篤
「・・・聞いたことがあるぞ、夜な夜な墓を荒らし罪なき民の屍体を暴く外道医者、たしか名を宍戸万内」
宍戸万内
「人聞きの悪い言い方するな、誰一人として文句など言わなかったぞ?」

二つ返事で快諾してもらえたわけではありませんが、万内は腹を割って話すことで解り合えたと主張します。

その上で子供の屍体も手に入れるつもりでした。

愛生倫
「あなたこの子の屍体を手に入れてどうしようって言うんですか」
宍戸万内
「いい質問だ、答えるに値する、それはこの世で最も深淵かつ神聖な探求、つまり・・・腑分けだ、命とは至高の芸術品!死とは即ちその完成!それを紐解き読み解き探求する!腑分けとは言わば命の展覧だ!」

屍体を解剖することで万内は究極の快楽を得ているのです。

変質者の万内は他の屍体も拝見したいと要求しました。

断れば倫の目玉をくり抜くと脅してきます。

政道人篤
「・・・分かった、とにかく手を放せ」
愛生倫
「人篤様、それには及びません、外道相手なら手加減無用です、宍戸万内、貴方には証拠隠滅の嫌疑で奉行所まで来て頂きます、大人しく・・・大人しく・・・えっと・・・」

倫が投げ飛ばしたので万内は気絶していました。

仕方ないのでそのまま奉行所まで連れて行きます。

奉行所に到着すると万内を牢屋敷に収監しました。

政道人篤
「貴殿の事件への真摯さは後見人として誇りに思うが、外道相手といえど手心というものを覚えるのだな、私は奉行所へ戻る、貴殿はもう上がって良い」
愛生倫
「では私は潔子様のご様子を見て参ります」
政道人篤
「・・・すまん、世話をかけるな、くれぐれも無理はするな」

このまま万内は罪人として裁かれてしまうのでしょうか!?

 

 

河童が犯人かもしれないという不可思議な事件に興味をそそられました。

事件の謎よりも腑分けに快楽を覚える万内の特異性が際立っていますね。

現代では考えられない腑分けを題材にした『解体真処』

ここから万内の異常性と優れた洞察力が描かれていきます。

嘘と真実のどちらが義であるのか考えながら作品を読んでみてください。

後編

人篤が奉行所へ戻ると万内が意識を取り戻しました。

宍戸万内
「・・・ここはどこだ、なぜ俺は縛られている?」
愛生倫
「・・・ここは牢屋であなたは変質者です、当分ここで暮らしてください」

状況を説明すると万内が大声を出しながら苦しみ始めます。

倫は万内が罪の意識に苛まれていると思うのですがそうではありません。

宍戸万内
「・・・まずい、限界だ・・・」
愛生倫
「・・・まずい?何がまずいんですか?」
宍戸万内
「禁断症状だ!もう二ヶ月も腑分けてない!」

万内は禁断症状によって苦しんでいたのです。

腑分けによって快楽を得ているため、このままでは限界を迎えてしまうかもしれません。

愛生倫
「腑分けてないと・・・どうかするんですか?」
宍戸万内
「頭がおかしくなる!!」

倫は万内の頭が元からおかしいと思ってしまいます。

また禁断症状が出たからといって牢屋から出す訳にはいきません。

愛生倫
「とにかく証拠隠滅の嫌疑が晴れるまでここにいてもらいます」
宍戸万内
「・・・証拠?なら君はあの屍体の死因がわかるのか?あれは溺死ではない」
愛生倫
「・・・何故そう言い切れるんです?」

溺死の場合は肺に大量の水を吸い込むため、浮袋を失った屍体はどんどん沈んで水底を彷徨ってしまいます。

しかしこの屍体は服を着ていました。

宍戸万内
「腐乱して臭気が溜まると再度浮き上がる、あの臭いなら死後四日あたり、ならばとっくに水流に衣服など剥がされているはずだ、よって溺死ではない、つまり死後誰かが川に捨てたということだ」

屍体を腑分けすればもっと色々なことが分かると主張します。

さらに下手人探しにも協力すると言い始めました。

愛生倫
「下手人は見当がついてるんです、河童です」
宍戸万内
「・・・は?」

万内は倫がおかしなことを言い出したと思います。

しかし倫は冗談を言っている訳ではありません。

愛生倫
「川のほとりに近づくとこちらを見つめるものがある、それと目が合うと金縛りにあってそのまま引き摺り込まれてしまう、私も半信半疑ですが現にもう七人犠牲が出ています」

緑色のべっとりと濡れた手に掴まれたという証言もあります。

他にも頭に皿のある子供くらいの緑の影が泳ぐのを見たという目撃談も報告されていました。

宍戸万内
「河童なら腑分けたことがあるぞ」
愛生倫
「か、河童をですか!?」
宍戸万内
「ああ、随分と乾涸びていたがな、なんのことはない、羽を抜いた梟に亀の甲羅を被せて泥で繋いだ人形だ、中身を見て初めて分かることもあるということだな」
愛生倫
「それでも腑分けなんて認められません」

罪のない人を傷つけることは許せません。

誰かが傷付くのを見たくないのは人間として当たり前の感情だと倫は考えています。

宍戸万内
「殺人刀活人剣、人を殺す刀も悪を殺すことに用いれば即ち万人を生かす刀となる、初代将軍家武芸指南役の剣術思想、元は禅の教えだったか?その腰の鉄塊はどれだけ高尚な理念や思想で飾り立てようと所詮は殺人の道具に過ぎない」

それでも人間は残酷な道具に頼らなければなりません。

なぜなら相手にする現実があまりにも残酷だからです。

時には人を斬ってでも己が義を通すという点では、万内と倫に大きな差はありません。

万内は残酷な真実に目を向けているだけなのです。

政道潔子
「それで倫はなんと返したのじゃ?」
愛生倫
「普通に無視して帰りましたけど・・・」
政道潔子
「・・・そりゃあ下手に斬るより残酷じゃな」
愛生倫
「・・・私だって早く事件を解決したい、けど命を落とした上に切り刻まれるなんて・・・やっぱり理不尽じゃないですか」

人篤の妻である潔子は万内の言っていることに理が十分に尽くされていると考えていました。

しかし自分が腑分けされることは許しません。

政道潔子
「じゃがな倫、誰かが嫌がるからなんて理由で諦めが付くようなものを義とは呼べんじゃろ」
愛生倫
「・・・流石、政道家の奥方です、けれど誰もがそう強くは生きれませんよ」

完全に納得できたわけではありませんが、潔子と話したことによって倫の覚悟が決まりました。

倫は倫の義で下手人を捕まえることにします。

奉行所に戻ると人篤から万内に関する重要な事実を伝える書類が倫に渡されました。

政道人篤
「天撰御用、そこに連なるはこの日の本が趨勢を担う四人の老中の名、そして他ならぬ征夷大将軍得川兼満公が御花押、奴は法にも身分にも縛られない、なぜなら奴は人ではないからだ」

天撰御用とは身分を問わず各藩から集められた人の形をした得川家の所有物です。

つまり万内は人であることを捨てる代わりに、この国で最も価値のある宝物になっていました。

一般人にとって天撰御用の万内は触れる事すら畏れ多い存在なのです。

このまま牢屋に入れておくことはできません。

愛生倫
「しかしまだあの男が事件に関わっている可能性も」
政道人篤
「それについても心配無用だ、奉行所は陰陽師を呼ぶとのことだ、奉行所の目的は新田開発だ、息のかかった陰陽師を派遣し河童退治を名目に田畑を開墾する」
愛生倫
「それでは下手人は野放しではないですか!」
政道人篤
「水難事故は減り水害も解決する、洪水被害を受けた農民たちに公共事業という働き口も提供できる、下手人が上がっては困るのだ、故に捜査はもちろん警邏も明日には引き上げさせる」

倫は納得できませんが、人篤から偽りであろうと捜査を中止した方が多くの命を救えると説得されます。

与力や同心は主従に逆らうことはできません。

自分が主従の絡繰りから逃れられないことを倫は思い知らされました。

しかし下手人を許せないため諦めることはできません。

そこで禁断の方法を選択することにしました。

宍戸万内
「知っているか?河童は鉄が嫌いだそうだ、その刀を川へ放り込めばあるいはあっさり解決するかもな、そういえばまだ名を聞いていなかったな」
愛生倫
「倫、愛生倫です」
宍戸万内
「ではお倫くん、屍体はどこだね?」

事件を解決するため倫は万内に協力を求めることにしたのです。

 

『解体真処』を読んだ感想

医療とミステリーを融合させた読み応えのある物語に仕上がっていますね。

時代設定が現代とは異なる点にも興味をそそられました。

外道な医者が屍体と事件の謎を暴いていく『解体真処』

万内の独特すぎる発想と腑分けによる真相究明が見所になっています。

真実を追い求めるため残酷な手段を用いる外道医者の活躍をお楽しみください。

 

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