今回は「タイザン5」先生の『タコピーの原罪』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『タコピーの原罪』はこんな漫画(あらすじ)
宇宙に幸せを広めるためハッピー星人は緑と青の惑星に降り立ちました。
しかし食べ物がなくなり途方に暮れてしまいます。
そんなハッピー星人を小学生のしずかちゃんが助けてくれました。
しずかちゃんにタコピーと名付けられたハッピー星人は、彼女に恩返しすることにします。
ですが別の惑星からやって来たタコピーには、しずかちゃんを取り巻く環境が壮絶なものであることを知りませんでした。
宇宙人と少女の交流を描いていく『タコピーの原罪』！
今回は読み始めると止まらなくなる衝撃作の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
タコピーが犯してしまった罪にご注目ください。
『タコピーの原罪』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
小学4年生のしずかちゃんが公園に置いてある土管の中を覗き込んでいます。
土管の中からタコのような生物が現れました。
小さくてピンク色の生物は涙を流しています。
この生物はハッピー星から宇宙に幸せを広めるためやって来たハッピー星人で、今日この地球に降り立ちました。
しかし捕獲されそうになったり、食べ物も無くなったりで途方に暮れていました。
そんなハッピー星人を助けたのがしずかちゃんだったのです。
しずかちゃんは見ず知らずの宇宙人にパンを食べさせてくれました。
またハッピー星人が宇宙人であることも信じてくれます。
ハッピー星人の名前は地球の言葉では発音できません。
名前が呼べないのでしずかちゃんは困ってしまいます。
しずかちゃんは図鑑でミズダコの絵を見せながらタコピーという名前を付けてくれました。
タコピーは自分がミズダコに似てるとは思いませんが、しずかちゃんに言われたので似ていると思うことにします。
ドキドキしてきたタコピーは助けてもらったお礼をすることにしました。
まずはハッピー道具の一つ“パタパタつばさ”を紹介します。
この道具を使えば人間も空を自由に飛ぶことができるのです。
タコピーは自分が飛んでみることでパタパタつばさの使い方を説明しました。
そしてしずかちゃんにも試してもらおうとします。
空を飛べることにしずかちゃんは興味を示しません。
その理由は子供らしくないものでした。
無垢で地球の事情を知らないタコピーは、しずかちゃんが空を飛んだことがあるため興味を示さなかったと考えます。
地球には空を飛ぶ生物が多いので、人間も鳥などに交じって飛行訓練をしていると想像しました。
翌日、公園に来たしずかちゃんがタコピーを抱き締めながら土管の中に身を隠します。
土管の外では女の子たちが楽しそうに会話していました。
女の子たちは下じきを今週すでに3枚折ったと話しているのですが、タコピーには何を言っているのか分かりません。
外にいる女の子たちとは対照的にしずかちゃんは暗い表情を浮かべています。
まだ人間に関する知識が足りないので、タコピーはしずかちゃんに何が起こっているのか想像することができません。
ハッピーカメラでしずかちゃんとタコピーの写真を撮影するのですが、このハッピーカメラにも興味を持ってもらえませんでした。
しかしハッピーカメラを使ったことが2人にとって大きなターニングポイントとなるのです。
自分を助けてもらった少女に恩返ししようとするタコピーの姿が愛らしく感じました。
しかしまだタコピーはしずかちゃんが抱えている残酷な事情に気付いていません。
少女を笑顔にしたい宇宙人の奮闘を描いた『タコピーの原罪』！
ヒューマンドラマとサスペンス漫画、そしてファンタジーの要素をミックスさせた物語です。
優しい気持ちになれるシーンと、胸が痛くなる衝撃的な展開をご堪能ください。
後編
下じきを何度も買いに行くしずかちゃんが忙しいと感じたタコピーは、明日こそ彼女を喜ばせようと気合を入れ直します。
しかし出会ってから6日が経ってもしずかちゃんを喜ばすことができません。
しずかちゃんがタコピーを家に連れて帰ると、チャッピーという大きな犬が帰りを待っていました。
チャッピーは帰って来たしずかちゃんに甘え始めます。
タコピーはしずかちゃんの笑顔を初めて見た気がしました。
家の中に上げてもらうとしずかちゃんの母親は夜の仕事をしていて、父親とは離婚していることを教えてくれます。
チャッピーは父親が置いてくれていった愛犬で、しずかちゃんはどんなに痛いことや辛いことがあってもチャッピーがいてくれれば平気だと思っていました。
タコピーはしずかちゃんのことを癒しているチャッピーが羨ましくなってきます。
チャッピーの匂いを嗅いでいる姿もタコピーの目には幸せそうに映っていました。
この日はチャッピーを連れたしずかちゃんがタコピーを公園まで送ってくれます。
夜道を歩きながらしずかちゃんがハッピー星の場所を聞いてきました。
しかし地球からは遠くにあるため見えません。
暗い表情を浮かべているしずかちゃんを見つめるタコピーは、旅立つ前に母親から言われた言葉を思い出していました。
母親からハッピー道具を使って宇宙にハッピーを広めてほしいと言われたのですが、決して破ってはいけない掟があるのです。
ですが現在のタコピーは掟どころかハッピー道具を使ってもらうことすらできていません。
しずかちゃんは魔法のような道具を信用してくれていないのです。
それでもタコピーは諦めません。
この日は普通にお別れすることができました。
しかし翌日、公園に現れたしずかちゃんが全身に傷を負っています。
また手にはチャッピーの首輪を握り締めていました。
友達とケンカしたかもしれないと心配になったタコピーはハッピー道具の仲直りリボンを渡すことにします。
この道具は2人の小指を繋げば仲直りできるもので無限に伸ばすことが可能になっていました。
しずかちゃんはこのハッピー道具を初めて受け取ってくれました。
ですがハッピー道具は掟としてハッピー星人の目の届く範囲で使用しなければなりません。
異星人の手に委ねてはならないのですが、どうしても貸してほしいと言われたのでタコピーはしずかちゃんに仲直りリボンを貸してしまいます。
時間が経つと掟を破ったことが心配になってきました。
そのためタコピーがしずかちゃんの様子を見に行きます。
しずかちゃんは仲直りリボンを梁に結んで首を吊っていました。
タコピーはしずかちゃんが死んだ理由を、自分が掟を破ったからだと思い込みます。
無垢なタコピーは気付けませんでしたが、しずかちゃんは壮絶なイジメの被害に遭っていました。
叡智の道具を開発したハッピー星でも死者を蘇らせることはできません。
しかしタコピーがしずかちゃんを撮影したハッピーカメラには特別な機能がありました。
ハッピー星で生まれ育ったタコピーには、自ら命を絶ってしまう自殺行為が理解できません。
その理由を知るためにタコピーはタイムカメラ機能を使って、しずかちゃんが死なない未来を作ることに挑戦することを決めました。
全てはしずかちゃんに明日こそ笑ってもらえるように・・・。
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『タコピーの原罪』を読んだ感想
しずかちゃんがどんどんボロボロになっていく様子と、それに気づかないタコピーの姿に歯がゆさを感じました。
宇宙人と少女の交流を描きながら、イジメという社会問題にメスを入れた物語は読み応えがありますね。
少女のために未来を変えようとする宇宙人にスポットを当てた『タコピーの原罪』！
壮絶なイジメによって死んでしまう命を救おうとする感動作です。
作品のタイトルからは想像できないほど哲学的な内容をじっくりと読んでみてください。
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