フラジャイル 病理医岸京一郎の所見のネタバレ(第2話)!

今回は「漫画 恵三朗 原作 草水敏」先生の『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』はこんな漫画(あらすじ)

岸京一郎(きしけいいちろう)は生体検査や病理解剖などを行って、病気の原因や過程を診断する天才病理医です。

個性が強すぎるので変人だと言われていますが、各診療科の医師は岸京一郎の鑑別に疑いを持つことはありません。

つまり患者を診療する医師の羅針盤として治療の道筋を示すのが岸京一郎の仕事なのです。

医師になったばかりの宮崎は岸京一郎の仕事ぶりに感銘を受け、病理医を目指すことにしたのですが岸に指導するつもりはありません。

それでも臨床技師の森井が宮崎をサポートしてくれます。

宮崎が病理医としての第一歩を踏み出した途端、岸京一郎をご立腹させる事態が発生しました。

揺るがない信念と優れた医療知識で病気と向き合うドクターの奮闘描いていく『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

今回は本格派医療系漫画の第2話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

見所が満載の医療ドラマを見逃しては損をしてしまいますよ。

 

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第2話前編

病理医になると決めた宮崎が顕微鏡を覗きながら四苦八苦しています。

宮崎
「うーん・・・あ、もっ、もうちょい・・・あれっ!?どうして暗く・・・」
岸京一郎
「僕は教えないから!」
森井
「初日くらい指導医らしいことしたらどうですか」

臨床技師の森井に指導を頼まれるのですが、病理医になってほしいと頼んだわけではないので断りました。

森井は非生産的な岸の発言を民主主義の象徴である多数決を利用して受け流します。

するとようやく岸が重い腰を上げてくれました。

まず宮崎に一枚の標本を観察させて何の疾患か考えさせます。

しかし神経内科希望だった宮崎は疾患を特定できません。

岸京一郎
「森井くん面倒くさいよコレー、なぁこいつが戦力になるのと次のバブルが弾けるのどっちが先だと思う?」
森井
「岸先生が白衣着るよりは先じゃないですかね」

宮崎は2人のやり取りがどんな意味を持っているのか分からないので戸惑っています。

そんな宮崎に岸が一枚の標本を貸してくれました。

岸京一郎
「この細胞が何の疾患だか当ててみろ、これができなきゃ病理医なんて目指しても無駄だ」

変人と呼ばれる岸の代わりに森井が病理医について説明してくれます。

病理医は院内の各診療科から持ち込まれた検体を評価して入力するのが仕事なので、黒子と言うのが分かりやすいのかもしれません。

尿や血液などの検体を分析したり観察した報告を参考に、依頼元のドクターは診断を確定させていきます。

そのため病理医が患者と直接話をする機会はありません。

宮崎が目指している病理医には認定試験があり、4年間の病理診断の経験が必要となります。

森井は経験を重ねながら勉強することを勧めてくれました。

森井
「専門医の認定とればまず一生食いっぱぐれないですから、なにせ病理医は医者全体の0.6%、2千人しかいないんで引く手あまたですよ」

説明が終わると宮崎は電話番を任されます。

すると皮膚科の医師から問い合わせが入りました。

岸京一郎
「高悪性度の成分はありませんよ、リンパもきれいだし年齢的にもあまり心配しなくてもいいでしょう、いやそれ誰の見解?いいこと何もないでしょう、標準治療からあえて外す特別な理由でもあるんですか?」

この病院では岸が鑑別した病理結果を批判するドクターはほとんどいません。

それほど岸は優秀なのですが、まだ宮崎にはその優秀さが理解できていないようです。

宮崎
「・・・岸先生が怖いからじゃないでしょうか」

もちろん怖がられていているから病理結果を批判されているわけではありません。

しかし今回は担当医が岸の病理結果を無視してきました。

岸京一郎
「担当医の奴!ステージ1の基底細胞癌にシスプラチン入れるつもりだったぞ」
森井
「わーそれは過激ですねー」
岸京一郎
「念のためにで衰弱死させる気か、相手は85歳のばあさんだぞ」
森井
「何考えてんでしょうね」

どんどん岸の怒りが増幅していきます。

さらに呼吸器外科の医師が怒りの炎に油を注ぎました。

岸京一郎
「肺炎!?ふざけんな、絶対にノーだ!あんたバカか?癌、どう見たって癌、生検画像の解説読んでないのか!?クロマチンの量!類円形の裸核状細胞!木目込み細工様配列!癌の細胞そのものだよ、理解ができないならレクチャーしてさし・・・」

激怒していると電話を切られてしまいます。

怒りが収まらない岸は机の仲を物色し始めました。

森井
「殴り込みに刃物はダメですよー、いくら治療のプロがいっぱいいるからといって」
岸京一郎
「あの野郎、僕を名指しでヤブ医者だとかぬかしやがったんだぞ」

呼吸器の外来の来た男性を生体検査した岸は小円形の癌細胞を見つけています。

血液マーカーはNSEの値が特徴的に高いので小細胞癌で間違いありません。

それなのに見切りで化学療法を始めた担当医は、効果が見られなかったことで肺炎の疑いを持ち始めました。

見当違いの治療を始められた岸はどのように状況を打開していくのでしょうか!?

 

 

岸京一郎の変人っぷりがどんどん明らかになる展開に魅了されました。

変人ですが優秀な病理医として尊敬されている一面もしっかりと描かれていますね。

病気を完治させるため汗を流す裏方の医師をテーマにした『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

強引に見えますが理論的な岸京一郎が患者のために全精力を注いでいく姿に感動できる物語です。

漫画を読めばドラマ化された完成度の高いストーリーに納得ができるはずですよ。

後編

呼吸器に殴り込んだ岸は院長から注意されてしまいました。

宮崎
「そもそも肺炎と癌って間違えるもんなんですか?」

森井は肺癌と肺閉塞の患者が肺炎と診断されていることを指摘します。

しかし岸は肺炎と診断すること自体に疑問を抱いていました。

岸京一郎
「間違えるんじゃない、わからないんだ、胃炎と肺炎はゴミ箱診断って言ってな、要するに患者がどう悪いかわからない時につけられやすい診断名なんだよ」
宮崎
「でも生検で腫瘍細胞があったから小細胞癌の可能性が疑わしいって伝えたんですよね」
岸京一郎
「担当医は肺小細胞癌を想定した治療を始めたが結果が思うようにあがらない、そこで思った、どこかで誰かが間違えてるんだと、それで責任を病理になすりつけることを思いついたんだろうよ」

責任をなすりつけられても岸は腫瘍が存在していることを確信しています。

ここでピンポイントな根拠を見つけるため、病理技師である森井の出番がやって来ました。

森井
「あ、でもそろそろ・・・細木先生から迅速の予約入ってますから」
岸京一郎
「あれ?」
細木先生
「森井くんー、このトーヘンボクに共有のカレンダーの見方しつけてよ」
岸京一郎
「細木先生手術終わったんですか?」

細木先生は手術中の執刀医なのに自ら乳癌の診断をお願いしてきます。

予約されていたため岸は細木の案件から診断することにしました。

細木先生
「そうそう聞いたよー、院長に呼び出しくらったんだって?なにー?何かあったの?」
岸京一郎
「呼吸器外科の藤原って野郎に診断疑われましてね」

細木によると藤原は目の前の事象に捉われて他の可能性が見えなくなることから、サットンの法則にもじってサットンと呼ばれているそうです。

サットンは違う角度から診断できないので何度も失敗を繰り返していました。

岸はサットンの話を聞きながら細木に頼まれた診断を完了させます。

そして岸と森井はそれぞれの立場でサットンの問題を解決させるため動き始めました。

宮崎
「きーしせんせーっ、あのっ今日はどうしたら」
岸京一郎
「仕事ないなら帰ればいい、残業なしが病理医のメリットだろ」
宮崎
「でも・・・何か・・・何もしてないままじゃ・・・いつまでも岸先生みたいになれないから・・・なんだか想像できなくて、私は何をすれば病理で仕事ができる医者に近づけるんでしょうか・・・」
岸京一郎
「プレパラート、明日までにやれるか?」

渡したプレパラートの細胞が何の疾患か調べさせることにします。

宮崎は徹夜で細胞を観察することにしました。

プレパラートの細胞は肺の癌細胞であることは間違いありません。

しかし末梢型の肺腺癌と腺扁平上川癌のどちらの特徴も併せ持っています。

宮崎
「診断って決めることなんだ、肺腺癌か腺扁平上川癌か特徴を探して、転移性だとすればそれを示す手がかりは?肺腺癌か腺扁平上川癌かそれによって治療の選択も変わって・・・」

宮崎はようやくここで決めたことが最初の論拠となって採集診断に影響を及ぼすことに気付きました。

間違えれば患者の生命にも関わる重要な選択です。

それを岸先生は短時間で判断していたことを思い出しました。

宮崎
「病理医・・・データは助けてくれない、だってデータを出すのも決めるのも病理医・・・」

宮崎はそのままプレパラートの細胞を観察し続けます。

翌朝8時、まだ観察していると大量の資料を抱えた岸がやって来ました。

岸京一郎
「ったく一晩無駄にした!ステージ1の基底細胞癌に対して予防的にシスプラチンを入れるなんてエビデンスはどこにもないっ」

森井にサットンの患者についてデータが揃ったことを確認するとすぐに皮膚科のカンファレンスへ向かいます。

そして勢いのままサットンを論破しました。

岸の診断した通り肺の小細胞癌は転移性のもので、腹部のどこかに腫瘍があるはずなので担当医がCTで探し始めます。

宮崎
「サットン・・・担当医も納得してくれましたね、昨日あれだけ怒ってたのに」
岸京一郎
「自分に自信のない奴ほどデータを否定しないものだ」
宮崎
「岸先生昨日のプレパラートなんですけど・・・鑑別できませんでした、申し訳ありません!末梢型の肺腺癌か腺扁平上川癌だとは思います、ですけどどちらかを選ぶ決め手がありません、私には診断をつけることが・・・できませんでした・・・」

深く頭を下げて診断できなかったことを謝罪しました。

その頭に岸が持っていたクリームパンを乗せます。

岸京一郎
「はい正解、あれを見てどっちかに鑑別つけるようだとダメだろ、丁半を選んだ鑑別なんてただの賭けだ、診断じゃない、自分の鑑別にとことん責任を持てる自信がないならそれはわからないということだ、だからその答えでいい」

病理医は他科の臨床医と対立しても患者に感謝されることはありません。

その上で重たい責任を背負っているのです。

誰も診断を助けてくれない病理医になる覚悟を宮崎に問いました。

宮崎
「私が決めたことです」
岸京一郎
「森井くんからだ、サットンの患者、大動脈前部の深い場所に5㎝の病変が見つかったそうだ」
宮崎
「確定ですね、5年生存率は15%未満・・・患者はこれから大変ですね」
岸京一郎
「病名がわかれば戦いようはある、あとは担当医の仕事だ、早く戻るぞ、仕事が溜まってる」

こうして宮崎は病理医としての道を歩き始めたのです。

岸の背中を追いかけながら宮崎はどんな病理医へ成長していくのでしょうか!?

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フラジャイル 病理医岸京一郎の所見のネタバレ(漫画)と感想!

2018.03.27

 

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

本格的な医療漫画とドラマチックなストーリーを楽しみたい人にオススメの作品です。

表舞台には立たず裏側から患者を救う病理医のカッコ良さを丁寧に表現していますよ。

メディア化されたことで話題を集めた『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

ミスが許されないシビアな職業をテーマにしています。

強い覚悟と責任感で病気を鑑別する医師たちの奮闘を目に焼き付けてください。

 

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