『海賊とよばれた男』のネタバレ(漫画)！モデルとなった人物は？

今回は「原作 百田尚樹　作画 須本壮一」先生の『海賊とよばれた男』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『海賊とよばれた男』はこんな漫画

日本が敗戦国となった昭和20年8月15日、石油販売会社を経営する国岡鐵造（くにおかてつぞう）は終戦と共に全てを失ってしまいます。

返す当てのない膨大な借金を抱えてしまい倒産寸前の国岡商店。

社員の誰もが会社の再生を諦めたのですが、鐵造だけは未来を見据えていました。

前途多難な荒波を乗り切ろうとする男の人生を描く『海賊とよばれた男』！

今回はこの漫画の魅力をネタバレを含みながらご紹介していきます。

映画やドラマにもなった話題作の面白さを体感してみてください。

『海賊とよばれた男』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

昭和20年8月15日、日本国民の多くがラジオの前で戦争終結を告げる玉音放送を聞いていました。

静寂の中、天皇陛下の声に耳を傾ける国民たち。

60歳の国岡鐵造も多くの民衆と共にこの放送を聞いていました。

一代で石油販売会社「国岡商店」を築き上げた鐵造。

彼が還暦を迎えたこの年、日本はポツダム宣言を受け入れ敗戦国となりました。

鐵造はこの事実を妻の多津子に伝えに行きます。

「多津子、戦争が終わった、ゆっくり話している時間はない、僕は今からすぐ東京に戻らねばならん・・・」

娘たちの世話を妻に任せ鐵造は東京に向かいます。

鐵造が東京に到着するとそこは焼け野原と化していました。

そこでは飢えた子供たちが配られたビラを食べています。

連合国に占領された日本の未来に、全国民が不安を感じていました。

そんな景色を眺めながら国岡商店に到着した鐵造。

この会社は彼が25歳の時に立ち上げました。

現在の国岡商店は国内に8カ所、そして海外に62カ所の営業所を展開しています。

今では従業員が1000人を超える会社となっていました。

その陣頭指揮を執る鐵造を、彼の片腕として尽力する番頭の甲賀が出迎えます。

「あ、店主、いつ東京にお戻りで」

彼は一人で角材を運んでいました。

「もう空襲もないですし、風の通りがいいように窓の角材をはずしています、放送はお聞きになられましたか！？」

「松田で聞いた」

「本当に日本は負けたのでしょうか！？店主、外地はどうなってるのでしょうか！？日本軍はおとなしく武装解除を受けるでしょうか！？」

「そうか・・・甲賀、君の長男は支那に出兵していたな・・・」

息子と国岡商店の未来を案じている甲賀。

彼が心配している通り、このままでは国岡商店の海外営業所は全て連合国のものになってしまいます。

もしもこのままいくと国岡商店は莫大な借金を背負うことになるのでした。

そんな不安を抱く甲賀に鐵造が声をかけます。

「甲賀！他の店員たちはどうしている！？」

「正午の放送を聞いた後、とりあえず本日の業務を取りやめとして帰らせました」

「そうか・・・明日は一日休みにする、ただ明後日は全員が出店するように伝えてくれ、甲賀・・・君も今日は家に帰れ、家族のそばにいてやれ」

「か・・・かしこまりました！店主・・・では帰らせていただきます」

鐵造は1人で車内に残り何かを考え始めます。

この先の日本と国岡商店の未来を憂う鐵造。

果たして彼はこの荒れ狂う時代をどのように乗り切っていくのでしょうか！？

終戦がもたらせた事実を忠実に描いていく『海賊とよばれた男』！

とても読み応えのある濃密な物語になっています。

歴史モノがすきな読者にはたまらない漫画だと思いますよ。

戦後の日本の史実を学ぶこともできるこの作品。

壮大なスケールの物語を引き続きお楽しみください。

後編

終戦を告げた玉音放送から2日が経った国岡商店。

大勢の社員が集まっていました。

外部の情報があまり入ってこないため、社員一同が不安を感じていました。

過去に何度も危機から脱してきた国岡商店なのですが、今度ばかりは誰もが会社の存続を諦めてしまっているようです。

そんな中、鐵造が社員たちの前に姿を現しました。

「こんな状況の中よく集まってくれた、まずは店員の諸君に感謝する」

まずは感謝を意を述べた鐵造。

しかしその態度が社員の不安をあおってしまいます。

そのため社員の誰もが国岡商店の解散が告げられると思っていました。

ですが鐵造だけはまったく別の想いを抱いていたのです。

「皆の者に申し渡す、これより一切の愚痴をやめよ！愚痴は泣きごとであり亡国の声である」

高らかに社員を鼓舞する鐵造。

力強い言葉を発した彼はそのまま窓際に向かって歩き始めます。

「店主！？まさかビルから飛び降りるのでは・・・」

自殺するのではないかと不安になる甲賀。

しかし彼の不安は的外れでした。

鐵造は窓を開けて社内の空気を入れ替えます。

「暑いな今日も」

堂々とした表情をする鐵造。

彼に続き社員たちが一斉に窓を開いていきました。

そんな社員たちに鐵造が再び熱いメッセージを送ります。

「いいか諸君！確かに我々は絶望的な状況の中にある、だがこうして生き延びたからには希はまだ残ってるんだ」

国岡商店と日本はまだ死んでいないと語りました。

さらに鐵造は社員を鼓舞していきます。

「この国には三千年の歴史がある、戦争に負けたからといって大国民の誇りを失ってはならない、すべてを失おうとも日本人がいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる日が来る！！」

希望を失いかけていた社員たちは、鐵造の言葉で再び前を向き始めました。

ここから始まる国岡商店の再起への道。

ですがそこに立ちはだかる苦難を鐵造はしっかりと理解していました。

「ただし・・・その道は死に勝る苦しみと覚悟せよ」

こうして荒波を航海することを決めた男たち。

彼らは20世紀を支配した石油というエネルギーを巡り、世界各国と互角に戦うことになるのでした。

実在した彼らの物語は、実際に漫画を読んで胸を熱くさせてみてください。

『海賊とよばれた男』のモデルとなった人物は？

第10回本屋大賞を受賞したこの作品。

その発行部数は、上下巻累計で420万部を突破しました。

大ヒット作をコミック化したこの漫画の主人公である国岡鐵造のモデルは、出光興産の創業者の出光佐三という人物です。

2016年12月10日には映画も全国公開された『海賊とよばれた男』！

国岡鐵造を岡田准一さんが演じて話題になりました。

漫画を読んで後は映画も楽しんでみてくださいね。

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