卵と鶏のネタバレ(漫画)!タイムスリップした家族の運命は?

今回は「辻やもり」先生の『卵と鶏』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『卵と鶏』はこんな漫画(あらすじ)

母親に愛されず貧しい家庭環境を幼少時代を過ごしてきた鈴原鳴海(すずはらなるみ)は、交際している彼氏と結婚を前提にした同棲を始めました。

しかし同棲してみると彼氏の加賀拓郎(かがたくろう)がDV男であることが判明します。

裕福で恵まれた環境で育った彼に運命を感じていましたが、このまま結婚しても幸せになれるとは思えません。

結婚するべきか悩んでいると、鳴海の前にあなたの息子ですと名乗る青年が現れました。

2023年5月の時点で鳴海はまだ結婚も出産も経験していません。

戸惑う鳴海だったのですが息子を名乗る鈴原慶(すずはらけい)と出会ったことで、これまでとは違った運命の歯車が回り始めます。

親子が幸せになるため数奇な運命を乗り越えていく『卵と鶏』

今回はタイムスリップを題材にしたサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

息子との出会いが鳴海の人生を大きく変化させますよ。

 

『卵と鶏』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

誕生日の前日、鈴原鳴海がスイーツ店でケーキを眺めています。

すると見覚えのない青年が声を掛けてきました。

鈴原慶
「あの・・・すみません、鈴原鳴海さんですよね・・・?」
鈴原鳴海
「?はい・・・そうですけど・・・」
鈴原慶
「俺は・・・あなたの息子です・・・鈴原慶です、母さん!」

現在は2023年5月で26歳の鈴原鳴海は独身です。

もちろん出産を経験したこともありません。

鳴海は誕生日の前日に息子を名乗る不審者と出会ってしまいました。

帰宅した鳴海は同棲している彼氏にこの衝撃的な出来事の怖さを報告します。

鈴原鳴海
「ほんっとめちゃくちゃ怖かったの・・・!買い物中急に声かけられて俺はあなたの息子です、母さんって!ダッシュで何とか逃げきったけど、ねぇ拓郎聞いてる?」

あまりにも怖かったのでまだ足の震えが止まりません。

しかし鳴海が感じた恐怖は拓郎に伝わっていないようです。

加賀拓郎
「ふーん・・・で?それがどうしたの?」

同棲中の彼女が悩みを相談しているのに、彼氏の拓郎は筋トレを止めようとしません。

必死に恐怖を訴えかけても興味がなさそうです。

鈴原鳴海
「警察に相談した方がいいのかな?ねぇ・・・ちょっと聞いてる?・・・筋トレやめてよ」

鳴海は今後のことを本気で心配になっていました。

そんな鳴海に飛んできたのは拓郎が使っていた筋トレグッズです。

加賀拓郎
「うるせぇな、さっきから、一々俺に聞くなよ、子供じゃねぇんだから、プライベートな空間と時間はお互い大切にする、同棲する時に鳴海が言ったことだろ?」

唯一の楽しみを邪魔されたくない拓郎は、鳴海の話を聞かずに筋トレを続けました。

筋トレグッズが頭に直撃しましたが、鳴海は思わず拓郎に謝ってしまいます。

ですが本心では自分が悪いと思っているわけではありません。

鈴原鳴海
「ムカつく・・・!ムカつく・・・!ムカつく・・・!クソ!何謝ってんだよ私・・・最悪」

加賀拓郎と交際を始めたのは5年前のことです。

結婚を前提に去年から同棲を始めました。

しかし拓郎との結婚に幸せが待っているとは思えません。

職場の同僚からは有名企業の社長の息子と付き合っていることを羨ましく思われています。

周囲の人間にとって鳴海の環境はシンデレラストーリーのように見えているかもしれません。

そんな人達に拓郎がDV男だと言えることはできませんでした。

鳴海が拓郎と出会ったのは大学生の頃です。

鈴原鳴海
「貧しくて複雑な家庭環境で幼少時代を過ごした私にとって、裕福で恵まれた環境で育った彼は雲の上の存在だった」

人生を変えたい一心で東京の大学に進学した鳴海は、拓郎との出会いに運命を感じました。

裕福な彼と交際できた自分がまるで少女漫画の主人公のように感じたのです。

当時の写真を見ると鳴海は幸せそうな笑顔を浮かべていました。

ただ過去を見ても虚しくなるだけです。

鈴原鳴海
「考えなきゃ、拓郎との今後の関係・・・この先に幸せはあるのか、いや・・・別れた方が良いって本当はわかってる、他人を平気で傷つけられる、同棲してわかった、あれが彼の本性だ」

DV男と結婚しても幸せになれないことは明白でした。

しかし別れを選択すれば現状の安定した生活を失ってしまうかもしれません。

結婚して幸せを手に入れたい鳴海はどんな選択をするのでしょうか!?

 

 

複雑な家庭環境で育ってきた鳴海が幸せになりたいと思うことは当然だと思います。

しかし同棲したことで判明した彼氏の本性が最悪でしたね。

不幸になることが分かっているのに決断できない悩みを表現した『卵と鶏』

心のどこかで鳴海はこのまま幸せになれる訳が無いと自覚しています。

そんな鳴海の背中を息子と名乗る慶が後押ししてくれますよ。

後編

仕事が終わった鳴海は、自分の誕生日を祝うケーキを買うことにしました。

しかし息子を名乗る不審者と出会った昨日のお店には行く気になれません。

別のお店でケーキを購入すると、自宅ではなく公園のベンチで食べることにしました。

その理由は拓郎が自分の誕生日を忘れているためです。

鈴原鳴海
「どんな形でも自分の誕生日は必ず祝う、私だけでも祝ってやるんだ、この世界に私が生まれたことを」

あんたなんて生まれなければ良かったのに、と言われたこともありました。

辛い過去を経験したことによって、鳴海は絶対に幸せになりたいと考えるようになったのです。

自分を見放した人たちを見返すくらいの幸せを手に入れたいと願うようになっていました。

鈴原鳴海
「残しておいたもう1個もこのあと食べよう、部屋で二次会だ、へへへ・・・」

ケーキを残した状態で自宅マンションへ戻ります。

すると昨日出会った息子と名乗る不審者が待っていました。

不審者は鳴海に気付くと近寄ってきます。

鈴原鳴海
「な・・・何ですか?昨日から迷惑なんですけど・・・警察呼びますよ!」

威嚇するようにスマホを突き出しました。

すると不審者が頭を下げます。

鈴原慶
「昨日は突然声をかけた挙句に追いかけ回してしまい・・・すみませんでした、俺は・・・鈴原慶といいます、自分でも信じられないんですけど・・・俺は過去の世界に来てしまったみたいなんです」

過去にタイムスリップしてしまった慶は元の世界に戻る方法が分かりません。

行く当てがなくなったのでとりあえず母親の鳴海に会いにきたそうです。

慶は自分が未来から来た証明として運転免許証を見せてきました。

鈴原鳴海
「は・・・?生年月日令和6年・・・?今は令和5年だし、何これ?どういう嘘?ていうか過去の世界って何・・・?あれ、この人そもそも私のことを母親だと言い張って一体何が目的なの?」

考えても慶の目的が分かりません。

怖くなってきた鳴海は足の力が抜けてしまいました。

その様子を見ていた慶は鳴海が怯えていることに気付きます。

鈴原慶
「大丈夫です・・・もう二度と目の前には現れません、怖い思いをさせてすみませんでした、あの・・・最後に一つだけ教えてください、母さんは今幸せですか?」

不思議な質問をしてきた慶が悲しそうな表情を浮かべました。

次の瞬間、道路に駐車した車がクラクションを鳴らします。

鈴原鳴海
「拓郎・・・!」
加賀拓郎
「鳴海何してんの?その男誰?浮気?」
鈴原鳴海
「はい?いやいやいや違うから!ほら昨日言った例の不審者!家の前で待ち伏せされて迷惑してたの!」

変な誤解をされたら取り返しがつきません。

必死になって不審者であることを説明します。

鈴原慶
「もしかしてこの人が母さんの彼氏・・・?」
鈴原鳴海
「拓郎この人頭おかしいの、とりあえず早く帰ろう!」
鈴原慶
「まさか・・・あんたが俺の父親なのか・・・?」

慶のせいで話がややこしくなってきました。

すると拓郎が慶のことをぶん殴ります。

鈴原鳴海
「ちょっと!?やめて拓郎!ねぇ!」

止めに入った鳴海も拓郎に暴力を振るわれました。

鳴海を突き飛ばした後も拓郎が慶を殴り続けます。

加賀拓郎
「おい鳴海、帰るぞ、いい運動になったわ」

仕方なくついていきますが、鳴海は慶に聞かれた質問が気になっていました。

今の自分が幸せなのかという質問に鳴海は答えることができません。

昔の自分には東京の一等地に建てられた高級マンションに住んで、お金の心配が全くいらない生活は考えられませんでした。

就職先は拓郎の父親が経営している会社の関連会社なので、余程のことがなければ失業することはありません。

誰もが望む将来の心配がない人生を鳴海は手に入れたのです。

鈴原鳴海
「か・・・帰りたくない、あんたと一緒にいるくらいなら死んだほうが百倍マシ!」
加賀拓郎
「あぁ!?急にどうしたんだよ、もう一度言ってみろよ!」

鳴海はずっとこんな男と付き合ってしまった自分の間抜けさを認めたくありませんでした。

ですが今の自分が幸せなのか考えさせられ、このままではいけないと気づいたのです。

鈴原鳴海
「あんたと一緒にいたら幸せになれない・・・!」
加賀拓郎
「だから何でそうなるんだよ!?」
鈴原鳴海
「一々私に聞かないでよ!子どもじゃないんだから!」

髪を引っ張られながら前に言われた言葉を言い返しました。

激怒した拓郎が再び鳴海に暴力を振るおうとします。

鈴原慶
「やめろ、母さんは・・・鳴海さんは俺が幸せにしますから」

慶が鳴海の手を取ると走り出しました。

鳴海も全力で拓郎の元から逃げ出します。

想像もしていなかった展開ですが、鳴海はようやくDV男と別れることができました。

鈴原鳴海
「ダメだ、吐きそう、足痛い、死ぬ」
鈴原慶
「大丈夫ですか・・・?」
鈴原鳴海
「大丈夫なワケないでしょ、あんたのせいで・・・仕事も金も安泰な生活も無くなった、ホント最悪・・・でも最高に気分は良い」

安泰な生活を失ったことは間違いありません。

それでも鳴海は晴れ晴れとした表情を浮かべています。

鈴原慶
「母さんはこれからどうするんですか?」
鈴原鳴海
「あのさぁ、とりあえず母さんって呼ぶのやめてくれない?」
鈴原慶
「母上・・・?」
鈴原鳴海
「そういうことじゃなくて!」

2023年5月、鳴海は息子と名乗る不審者と出会いました。

ここから鳴海の運命は大きく変動していきます。

鈴原慶
「そういえば・・・今日って母さんの誕生日だよね?おめでとう、鳴海さん」
鈴原鳴海
「・・・どうも」

意外な場面で誕生日を祝ってもらうことができました。

しかしこの時の鳴海は後に自分が母親になることをまだ知らないのです。

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『卵と鶏』を読んだ感想

『めぐる未来』と同様に目が離せなくなるとても面白い作品でした。

未来から現れた息子と名乗る慶と出会ったことによって、不幸になるかもしれない未来を鳴海自身が変えていきそうですね。

どちらが先か分からないことを表現していく『卵と鶏』

息子を出産したことで鳴海の運命は変わってしまったのでしょうか!?

それとも息子が未来から現れたことで、鳴海の人生が幸せになるのか見所が盛り沢山のストーリーになっていますよ。

 

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