『ママ、やめます~余命一年の決断~』のネタバレ(漫画)!

今回は「咲間はち子」先生の『ママ、やめます~余命一年の決断~』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『ママ、やめます~余命一年の決断~』はこんな漫画(あらすじ)

結婚して娘を生んでから14年が経った大塚恭子は、42歳になるまで夫と娘のためママとして家族のために生きてきました。

しかし口下手な夫と反抗期の娘に感謝されたことはありません。

当たり前のようにママとして生きることを求められていた恭子だったのですが、健康診断の再検査で余命一年と宣告されます。

絶望する恭子は残りの人生を自分のために使いたいと思うようになりました。

ママを卒業することにした恭子と家族の運命とは・・・!?

家族の形に提唱を訴えかける『ママ、やめます~余命一年の決断~』

今回は家族の絆をテーマにしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

この作品を読んでないがしろにしてはいけない家族の問題について考えるきっかけにしてみてください。

 

『ママ、やめます~余命一年の決断~』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

病院から帰ってきた恭子が片付けられていない自宅の様子に愕然としています。

ことみ
「ママー、どこ行ってたの?おなかすいたんだけどー」

この日は病院に健康診断の結果を聞きに行くと伝えてありました。

しかし娘のことみはママに関心を持っていません。

関心がないのは娘だけではありませんでした。

「ママー、オレフロ入りたいんだけどー」

夫も恭子の体調に関心がないようです。

そんな2人の姿を見ているうちに恭子は怒りが込み上げてきました。

恭子
「私、大塚恭子はママになって14年、身を粉にしてママをやってまいりました、でも」

これまで必死になってママとして家庭を支えてきたのですが、薄情な家族にこれ以上の我慢は出来ません。

堪忍袋の緒が切れた恭子は、自分が余命一年であることを伝えました。

ことみ
「はあ?何言ってんの?」
恭子
「なので!あなた達のママを卒業します!」

ここから物語は今朝まで遡ることになります。

恭子はこの日も大忙しの朝を迎えていました。

ことみに朝食を済ませてほしいのですが言う事を聞いてくれません。

ことみ
「うるさいなあ!ねぐせ直んないんだもん!」
恭子
「パン冷めても文句言わないでよ!」

夫におかわりを出しながらことみを注意しています。

するとようやくことみがリビングにやってきました。

ことみ
「もおおおおおっ、いただきます!」
恭子
「なんだ直ってるじゃん」
ことみ
「ハネてるでしょ!こんなんじゃ部活行けない!」

年頃のためことみは些細な寝ぐせも気になっています。

対照的に恭子は忙しいため髪型など気にしていられません。

恭子
「それにしても気にしすぎじゃない?」
ことみ
「引くわ・・・ママは気にしなよ・・・本気でみっともないよ・・・」
恭子
「出かける時はちゃんとするし・・・」
ことみ
「美容室行かなきゃムリだよ、その頭」

家事と子育てで忙しいので恭子には美容室に行っている時間などありません。

しかし夫も娘も恭子の忙しさに気づいていないようです。

恭子
「前々から言ってたけどママ今日病院だからね、健康診断の再検査の結果聞きに行くんだけど、ことみ音量上げないでよ!」
「あ、ママ、オレ明日日帰り出張だ、6時に出るよ、弁当いる」
恭子
「とにかくママ今日病院だからね!ハイ!2人ともお弁当!」

娘はテレビの占いに夢中で話を聞いてくれません。

夫も自分の予定しか考えていないようです。

それでも恭子は夫と娘の世話をしなければなりません。

ことみ
「ママ、私お弁当いらないってばぁ、パン買うからお金ちょうだい!」

ことみは父親と同じお弁当が気に入らないようです。

もっと可愛いお弁当が良いとワガママを言ってきました。

恭子
「文句あるならおこづかいでなんとかなさい」
「ママー、オレのネクタイびしょびしょになってた」

寝ぐせを直していたことみが洗面台をビチャビチャにしていたようです。

夫と娘が出かけたところで怒涛のような忙しさからようやく解放されました。

しかし食卓は2人の残り物でグチャグチャになっています。

恭子
「毎日毎日2人のことだけで手いっぱい・・・今日の病院・・・家族つれてきてって言われたんだけど・・・なんだかなぁ・・・」

自分の体調に気を配る暇もありません。

このように気が休まることのない生活が恭子の身体を蝕んでいたのでしょうか!?

 

 

主婦のとんでもない忙しさを丁寧に描いていると思いました。

その忙しさに目を向けない夫と娘の姿にもリアリティーが感じられますね。

自分のために生きることを決断した主婦を描写した『ママ、やめます~余命一年の決断~』

もしも余命宣告されたらと想像しながら読んでいくと作品のメッセージが伝わるはずです。

恭子の決断を温かな目で見守ってあげてください。

後編

病院にやってきた恭子が診察室に呼ばれました。

空気が重いため恭子は少しずつ不安が大きくなっていきます。

そんな恭子に対して医師が余命一年という検査結果を説明しました。

恭子
「えっと・・・何言われたんだっけ、なんにも・・・治療しなけりゃ1年くらいで・・・治療を始めても完治するかわからない・・・」

病院を出た恭子は混乱しながら状況を整理します。

まず治療を始めるとお金がかかるため今まで通りの生活はできません。

自覚症状はまだ出ていないのですが、このまま何もしなければ余命は1年と診断されました。

恭子
「でもどこから治療費出すのよ、私の貯金なら少しはあるけど、ことみの学費だってこれまらまだまだあるし」

家のローンもまだ残っています。

生活費は切り詰めているのですが、将来のことを考えるとお金は全然足りていません。

また恭子が入院してしまうと、誰も家事をやらないことが予想されます。

恭子
「どうやってこんなこと伝えるの、そもそも私の話なんて聞いてくれるの?2人とも私に関心ないじゃない、私そんな孤独の中で死んでいくの!?」

不安で頭が一杯になってきました。

恐怖を感じているといつも髪を切ってもらっている美容師が声を掛けてきます。

顔が真っ青な恭子のことを心配する美容師は、お店で休んでいくことを勧めてきました。

恭子
「髪なんて切ってる場合かしら・・・だって考えなきゃ色々・・・2人が帰ってきたら考えられない」

お茶を飲んだら帰るつもりだったのですが、美容師から1年も髪を切っていないと言われます。

1年ぶりにカットを勧められた恭子は、残りも1年しかないことに愕然としました。

鏡で自分の姿を見ると髪がボサボサになっています。

恭子
「切って、ばっさりいきたいな・・・ショートカットとか似合うと思う?」

美容師は前々から恭子にショートカットが似合うと思っていました。

そのため張り切ってカットを始めてくれます。

恭子も美容師がノリノリなので嬉しくなってきました。

恭子
「私のために何かしてもらうのっていつぶりだろう、それに恭子さんって呼んでもらうのってうれしい」

最近ではママ、大塚さんの奥さん、ことみのお母さんとしか呼ばれていません。

確かにどれも自分を指す言葉なのですが、あくまでも自分は恭子なのです。

久しぶりに名前を呼ばれたことで恭子は決意が固まりました。

恭子
「これから1年、私はただの恭子として生きたい」

ここでカットが出来上がります。

恭子が思っているよりもショートカットは自分に似合っていました。

また髪をばっさり切ったことで頭だけでなく心まで軽くなった気がします。

恭子
「なんか体まで軽い、ああ・・・こんなことなら髪くらいすぐ切ればよかった」

久しぶりの自由を味わった恭子は、残りの人生を自分のために生きていこうと決めました。

決断した恭子が自宅に戻ると、夫と娘は家事を何一つやっていません。

ことみ
「おかえりぃ、どこ行ってたのママ、おなかすいたんだけど」

カーテンは開けっ放しで、洗濯物は干しっぱなしです。

また廊下には脱ぎ捨てられた服が散乱していました。

思わずいつものように片付けようとするのですが、それでは今までと何も変わりません。

14年も面倒を見てきたので癖になっていますが、ママは家政婦ではないのです。

そのことを教えるため恭子は習慣に流されることをやめました。

恭子
「ことみ、これ惣菜買ってきたから皿にうつしてチンして食べなさい、保さん自分で掃除してお湯はって入ってちょうだい」
ことみ
「ちょっとママ!そんなのママがやってよ!」

夫と娘は態度が変わった恭子に戸惑います。

しかしこんなことで恭子の決意が揺らぐことはありません。

恭子
「私・・・余命一年なんだって」
ことみ
「はあ!?何言ってんの?」
恭子
「なので!あなたたちのママ卒業します!私の人生は・・・私のために使うわね」

残り一年という短い時間を自分のために使うと宣言しました。

最期くらい自分らしく生きてみたいと願う恭子の余生はどうなっていくのでしょうか!?

 

『ママ、やめます~余命一年の決断~』はこんな人にオススメ

深いテーマのヒューマンドラマを読みたい人にオススメです。

家政婦のようになってしまった母親と、ママに甘えてばかりの夫と娘の問題を上手に表現していますよ。

自分のために生きることを決めた主婦の日常を綴った『ママ、やめます~余命一年の決断~』

家族だからといって甘えっぱなしはいけないことを教えてくれる物語です。

この作品を読んで家族の形について考えるきっかけにしてみてください。

 

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