君に会えたら何て言おうのネタバレ！ねむようこ作品の魅力は？

今回は「ねむようこ」先生の『君に会えたら何て言おう』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『君に会えたら何て言おう』はこんな漫画(あらすじ)

デザイナーをしているキリは数年前に結婚して以来、夫のむっちゃんと仲良く暮らしてきました。

しかし30代に突入した現在、子どもを作るタイミングで悩んでいます。

年齢的にそろそろ妊娠を決断しなければいけない時期なのですが、現状を変化させたくないため一歩を踏み出すことができません。

周囲の友人たちから次々とおめでたの報告が届く中、キリの心は少しずつ消耗していきます。

そんな中で妊娠したキリだったのですが、むっちゃんは妊娠に興味を示してくれません。

この状況でキリは無事に出産することができるのでしょうか！？

初めての妊娠に思い悩むヒロインの心情を綴っていく『君に会えたら何て言おう』！

今回は妊娠と出産をテーマにしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

数多くの人気作品を手掛けるねむようこ先生の渾身作をじっくりとお楽しみください。

『君に会えたら何て言おう』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

キリがデザインの打合せをしていると、クライアントの元にスタイリストから妊娠を知らせるメールが送られてきます。

このスタイリストは自分の人生に子どもは必要無いと言っていました。

「なにかしらの心境の変化があったのかな・・・」

同年代の女性が妊娠したという知らせはキリの心を揺れ動かします。

キリは子どもがいらないと思っている訳ではありません。

子どもがいたら楽しいと思う反面、現状が楽しいため妊娠に踏み出すことができていないのです。

しかし30代に突入した現在は5年後に同じことを考えられているのか不安になっていました。

また夫のむっちゃんが妊娠に無関心なことも踏み出せない原因となっているようです。

「私たちは・・・30歳をもう何年か過ぎていて子供作るならそろそろ急ぎなよなんて言われちゃうお年頃で、なのに一歩踏み出せずにいる」

仕事が順調なキリにとって妊娠に一歩踏み出すことは後戻りできない選択肢となっていました。

ですが周囲の女性が妊娠するたびに心が揺れ動かされてしまうのです。

「おめでたい報せがあるたび誰かに決断をせまられてるみたいでちょっとだけ消耗する・・・」

打ち合わせが終了するとキリは自宅で仕事をすることにしました。

仕事しているとテレビから人気アーティストが50歳の誕生日に新曲を発売するという情報が耳に入ってきます。

「へー、この人もう50かぁー・・・たしか子供いないよねこの人」

気になったためネットでアーティストの情報を調べてみることにしました。

するとアーティストは2001年に女の子を出産していたことが分かります。

「なんだーいるんだー、なんだってなんだ・・・他人をお手本にしようとするなんて不毛・・・」

芸能人に子どもがいなければ自分もこのままで良いと思っていました。

しかしそれは不毛な考えだと気づいてしまいます。

そんなことを考えていると夫のむっちゃんが帰ってきました。

「ただいまー、ハラへったー、生徒がずっと居残っててさ・・・キリなんか食べた？」

「あー、忘れてたー、まだ仕事したいからスグ食べたい」

「じゃー、スグ食べられるヤツにしよ」

むっちゃんはカップラーメンを用意することにします。

仕事をしている2人はこのような夕食が多くなっていました。

「いやー、なんか不出来な妻でごめんねー」

「クライアント待たせてるんでしょ？それに俺結婚にそんなこと求めてないし」

家事はできる方がやればいいというのがむっちゃんの考え方なのです。

そんな夫を見ているうちにキリは結婚という概念に疑問を抱くようになりました。

「結婚って不思議だね」

「不思議・・・とは・・・？」

「だって別に同棲と変わらないのになんで人々は結婚するのかな」

「まーでもやっぱ子供持つためってゆー人も多いんじゃない？」

夫の口から子供というワードが出たためキリはドキドキしてしまいます。

ドキドキしながらキリは今まで聞けなかったことを質問してみることにしました。

「う・・・どうする？うちは・・・こども・・・」

「いーんじゃない？キリが欲しいなら、あっねえ、ごはんある？」

まるで他人事のようなむっちゃんはご飯を探しに行きます。

妊娠に無関心な夫にキリは納得できません。

「ちょっ・・・でっ・・・でもさっ・・・作りたいってすぐできるワケじゃないしさっ・・・不妊治療とか言われるかもしれないよ？」

「えー？不妊治療？心配しすぎだってー」

むっちゃんは35歳になったのですが、自分が不妊治療の対象になるかもしれないことを認識していないようです。

さらにお金がかかることを説明しても楽観的な考え方を変えようとしません。

「子供ができたら・・・夜中にこんなテキトーなごはん食べられなくなるんだよ？」

「え？なんで？」

「なんでって・・・だってもっとちゃんとしないと・・・」

子どもが加わることで生活が変わることをむっちゃんは少しも理解していないようです。

夜中にカップ麺を作り、その中にご飯を入れるといったライフスタイルが当たり前になっているキリとむっちゃん。

自由を愛している2人は妊娠に対してどのような決断を下すのでしょうか！？

年齢的に妊娠を真剣に考えるようになる女性と、妊娠が他人事のような男性の心境を上手に表現していますね。

特に男性は自分の身体を痛める訳ではないのでこのような考え方をする人が少なくないかもしれません。

子どもを作るということは夫婦で共有しなければいけない大切なことだと教えてくれる『君に会えたら何て言おう』！

妊娠している人もそうでない人も読みやすい物語になっています。

人生にとって大きな選択をするヒロインの姿を引き続きご覧ください。

後編

ある日、ライブを見るためキリはむっちゃんと共に北海道へ足を運びました。

「嗚呼私は・・・生きているうちにあと何粒この赤く美しい宝石をごはんに乗せることができるのでしょう」

海鮮市場で大好きなイクラ丼を食べています。

「だからってイクラのために北海道まで来ちゃうとはね、いくらなんでも」

「イクラのためじゃないよっ、ライブのために来たんだよ、人聞きの悪い！」

「もっと近場のチケットもあったじゃんー」

図星なのですがキリは自分の行動に楽しみを感じていました。

「最近こういうのもアリかなって思うんだよね、大好物食べたい！好きなバンドのライブがある！じゃー飛行機乗っちゃお！みたいな、子供がいない夫婦の特権使ってかないとねー、いいことでしょ？」

「悪くはないよね」

むっちゃんもこのライフスタイルが幸せだと思っているようです。

そんな中、食事中のキリは腹痛が起こったため整理が近いと感じました。

妊活をしてみたのですが簡単に子どもはできなかったようです。

キリは排卵日チェッカーを使ったのですが思ったような結果は得られません。

しかし焦っている訳ではないので、生理が近いことを仕方ないと思っています。

「そしたらむっちゃんとこーやってたくさん遊んで生きてこ、どっちにせよ答えが出たらやっとスッキリする、そんな気がしてる」

自然に妊娠しなかった場合は夫婦2人で生きていく覚悟ができるかもしれません。

ですが北海道から帰ってきてもなかなか生理にならずキリは焦り始めていきます。

気になったためキリはむっちゃんに相談してから妊娠検査薬を使ってみることにしました。

するとキリの妊娠が判明します。

「そっか・・・うん・・・そーだな、まーアレだ・・・うん・・・」

妊娠前とは違いむっちゃんは激しく動揺していました。

後日、病院で検査を受けると妊娠が確定します。

「まだ予定日の話とか全然出なかったなー、なんかすごい淡々としてたし、まだ初期すぎるから？にしても次の健診3週間後って間空きすぎじゃない？」

初めての妊娠は分からないことだらけでした。

それでも仕事の調整などキリの不安は大きくなっていきます。

不安を抱えながら帰宅するとむっちゃんが出かける準備をしていました。

「よかった、今出るとこだった、どうだった？病院」

「うん・・・やっぱ妊娠してるってー」

「そっかー・・・あっやば、ごめんっ、帰ったらまたっ」

色々と言いたいことがあったキリは夫の後ろ姿を眺めながら病院でもらった胎嚢の写真を手に取ります。

「むっちゃん、この袋ね胎嚢っていうんだよ、ただただまっ暗で銀河鉄道の夜の石炭袋のこと思い出したんだよって言いたかったな・・・なんで・・・今日くらい遅刻してもいいじゃん」

ここからキリとむっちゃんの間にボタンの掛け違いのようなズレが生じていきました。

まず妊娠してから味覚に変化がでてきたのですがむっちゃんは気のせいだと言い理解してくれません。

さらに妊娠中の情報を夫婦で共有できるアプリをスマホに入れてほしいと頼んでも断られてしまいます。

不満が溜まったキリが怒ったことでようやくむっちゃんが異変に気付いてくれました。

「キリ、何かあるなら言ってよ、言ってくんないと分かんないよ」

キリは涙を流しながら不満を爆発させます。

「むっちゃんは・・・子供・・・できたこと・・・喜んでないんだね」

「なっ、なんでそんな」

「だって？気を遣ってもくれない、勉強しようともしてくれない、私はどんどん変わっていくのにっ、むっちゃんは全然ついてきてくれない」

病院から帰ってきた時、そばにいて欲しかったことも告白しました。

実はこの出来事がずっとキリの中でひっかかっていたのです。

「そ・・・そんなこと・・・その時に言ってくんないと分かんないよ」

「言わなくても分かってほしい、考えたら分かるはずなのに考えてくれないのはっ・・・むっちゃんはホントは・・・私とむっちゃんとカルタだけの生活がいいんじゃないかってホントはそう思ってるんじゃないかって」

「キリは・・・俺のこと全然信用してないんだな」

むっちゃんは猫のカルタを連れて部屋を出て行きました。

キリは言いたいことを吐き出したのですが問題は解決していません。

しかし不満を吐き出し思い切り泣いたことでスッキリすることができました。

翌日、仕事から帰ってきたむっちゃんが昨日のことを謝ってきます。

さらに妊娠してから無性に食べたくなったイチゴを買ってきてくれました。

またお願いしていたアプリにも登録してくれます。

キリがアプリを確認してみると、11週頃の赤ちゃんはイチゴと同じくらいの重さだと書かれていました。

「けっこう重いな・・・」

赤ちゃんが少しずつ成長していることを実感するキリも夫と一緒に成長しなければいけません。

そのことを実感したキリはママへの階段を一歩ずつ踏み出していくのでした。

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『君に会えたら何て言おう』はこんな人にオススメ

妊娠中の人や妊娠したい人にオススメの作品です。

また妊娠を自分のことだと考えにくい男性にこそ読んで欲しい物語になっています。

初めての妊娠に苦悩する夫婦のリアルな姿を描写していく『君に会えたら何て言おう』！

子どもを産んで育てるためには夫婦がお互いのことを理解する努力が必要なことを教えてくれています。

妊娠について考えるきっかけにしてみてください。

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