今回は「唐々煙」先生の『曇天に笑う』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『曇天に笑う』はこんな漫画(あらすじ)
明治11年、幕末が終わった日本では文明開化の幕が開けました。
欧米化がどんどん進んでいき、廃刀令のおかげで侍が姿を消した世の中は人々の活気で満ち溢れています。
しかしその反面で新政府に不満を持つ者たちが凶悪な犯罪に手を染める事態が起こっていました。
監獄が囚人で埋め尽くされていき脱走が後を絶たない状況に、新政府は琵琶湖に脱獄不可能な監獄を建造するプロジェクトを立ち上げます。
罪人の橋渡しを任された曇神社曇家に生まれた3兄弟の壮絶な運命を描いていく『曇天に笑う』!
今回は激動の時代を駆け抜けた男たちに焦点を当てた歴史時代劇の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
実写映画化された人気作品の面白さを体感してみてください。
『曇天に笑う』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
護送中の罪人が警察官に暴行を加えて逃走しました。
罪人は日本の新政府が建造した監獄に入りたくないため必死に逃げようとします。
しかし罪人の前に曇神社曇家の長男である天火が立ちはだかりました。
圧倒的な力を見せつけた天火はあっという間に罪人を取り押さえます。
そして取り押さえられた罪人は滋賀県大津市の琵琶湖に建造された獄門処に移送されることになりました。
琵琶湖に浮かぶ船で罪人を移送しているのは曇家の次男・空丸です。
曇家は代々、琵琶湖の橋渡しを任されていました。
明治11年、文明開化が幕を開けた日本では欧米化が進み近代日本の第一歩を進むようになっています。
廃刀令によって侍の姿が消えていく中、新政府の方針に不満を持つものも多くなっていきました。
その結果、犯罪者は過激になっていき監獄は囚人で埋まってしまい、脱獄も後を絶たなくなっていったのです。
新政府はこの状況を改善するため日本最大の湖である琵琶湖に脱獄不可能な監獄を建造することにしました。
高い壁と水で囲まれた監獄からはこれまで脱走者が出たことはありません。
脱走不可能な理由からこの監獄は罪人にとって煉獄の住処となっていました。
そんな煉獄の住処に罪人を移送した空丸が家に戻ると、天火による厳しい稽古が行われます。
空丸が反撃を仕掛けるのですが天火にあっさりと返されてしまいました。
剣を大きく振り回す癖のある空丸はいつまで経っても天火には敵いません。
天火が偉そうな態度をしていると三男の宙太郎も稽古をつけてほしいとお願いしてきます。
しかし居候の金城白子がお茶を淹れてくれたので休憩することになりました。
白子は罪人を逃がしてしまった警官を連れて来ています。
実は天火が捕まえた以外にも罪人が脱走していました。
上司に失態がバレたくない警官たちは罪人の脱走を報告できなかったそうなのです。
すぐに空丸と宙太郎が罪人を追う準備を始めました。
ですが天火が2人を家の中に閉じ込めてしまいます。
少しでも天火の役に立ちたいと思うのですが認めてもらえません。
宙太郎も同じ考えなのですが天火は相手にしませんでした。
こうして罪人の捜索は天火が単独で行うことになったのです。
兄から子供扱いされる空丸と宙太郎はこのまま黙っていられるのでしょうか!?
罪人を捉えようとする男たちの奮闘っぷりがカッコイイですね。
ただし空丸と宙太郎は天火に実力を認めてもらえません。
何もさせてもらえないのは辛いことかもしれませんが、罪人を捉えるという行為には危険が伴っていることを天火は無言で伝えているような気がしました。
激動の時代を駆け抜ける3兄弟の絆を表現した『曇天に笑う』!
これまで舞台化や映画化された重厚なストーリーになっています。
3兄弟それぞれの立場に感情移入しながら迫力満点の物語をお楽しみください。
後編
自分を置いて出かけた天火の後ろ姿を空丸が悲しそうな表情で見つめています。
天火はいつも大事な仕事になると全てを一人でこなすようになっていました。
昔は違ったのですがいつの日から弟たちを仕事に連れて行かなくなっていたのです。
空丸は兄に勝てない事以上に頼ってもらえない事を悔しいと感じていました。
悔しさからじっとしていられなくなった空丸が宙太郎の元へ向かいます。
天火の命令を守ることよりも役に立ちたいという意識が強い宙太郎は空丸についていくことにしました。
2人は白子に留守を任せると急いで天火の後を追います。
白子に見送られた2人が森に入るとすぐに罪人が見つかりました。
しかし2人に気付いた罪人は逃げ出してしまいます。
すると足の速い宙太郎が罪人に飛び掛かりました。
斬られそうになった宙太郎が慌てて空丸の背後に隠れます。
罪人は脱走する際に警官たちから刀を奪っていました。
ここから空丸にとって初めての実戦がスタートしていきます。
空丸は天火以外と手合わせしたことがありません。
そのため不安を抱えながら罪人と対峙するのですが、思っていたよりも自分に実力があり罪人を圧倒していきます。
ですが天火の言葉通り空丸の剣は軽く罪人に致命傷を与えることができません。
次第に立場を逆転された空丸は罪人に宙太郎を人質に取られてしまいます。
罪人は新政府に肩入れしている曇家を良く思っていません。
人を斬る事が侍の仕事だと思い込んでいる罪人は路頭に迷った原因が新政府にあると感じていたのです。
金も地位も失ったため罪を犯しても構わないというのが罪人の言い分でした。
対照的に顔面を踏まれながらも空丸は誇りを失っていません。
しかし蹴飛ばされてしまい、天火から譲り受けた曇家に代々伝わる宝剣を奪われてしまいます。
さらに曇家の次男と三男は長男のお荷物になっていると侮辱されてしまいました。
ここで天火の事も侮辱された宙太郎が罪人の腕に噛み付きます。
怒った罪人は宙太郎を投げ飛ばし宝剣を鞘から抜きました。
ですが宝剣は錆びていたため人を斬ることなどできません。
宝刀を譲り受けた時、空丸はなぜ自分なのか分かりませんでした。
そんな空丸に天火はとても大切なことを語ってくれたのです。
天火はいつでも空丸たちに背中を見せてきました。
振り返らない兄の背中が空丸の目指す目標となったのです。
誇りを取り戻した空丸は奪い返した宝剣で罪人を叩きのめしました。
これで少しは天火に認めてもらえるかもしれないと思う空丸。
ですが森の奥では天火が無数の罪人を捕獲していました。
まだまだ兄の背中に届かない空丸が天火を超える日はいつになるのでしょうか!?
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『曇天に笑う』実写映画のキャストは?
『曇天に笑う』は2018年3月21日に実写映画として劇場公開されました。
気になるキャストは曇天火を福士蒼汰さんが演じています。
監督は『踊る大捜査線』などの名作を手掛けた本広克行さんがメガホンをとりました。
他にも中山優馬さん、桐山漣さんなどのイケメン俳優が出演しています。
漫画を読んだ後は実写映画で活躍する曇天3兄弟の姿を目に焼き付けてみてください。
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