『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』のネタバレ(漫画)!

今回は「黒丸」先生の『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』はこんな漫画(あらすじ)

東京都の外国人居住者は55万人で、人口の3,98%となっています。

様々な事情で訪日する外国人の中には犯罪に巻き込まれてしまう人も少なくありません。

東新宿署組織犯罪対策課国際捜査係の鴻田麻里と、警察通訳人の有木野了は日本で外国人が巻き込まれる国際犯罪を担当することになりました。

型破りな女性警察官と仕事に感情移入しない通訳人が向き合う犯罪関係者たちの真実とは・・・!?

国際犯罪に焦点を当てた『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』

今回は斬新な設定の警察サスペンス漫画についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

言葉が通じない国で事件に巻き込まれる外国人たちの姿から緊張感を味わってみてください。

 

『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

東京都の外国人居住者の割合は3,98%、日本におけるLGBTの割合は推定8,9%、警視庁の女性警察官は10,2%となっています。

パーセンテージではどれもマイノリティではありますが、それぞれが確かに存在していることを忘れてはいけません。

そんな東京都の警視庁に設置された通訳センターで働いている有木野了が、中国人に対する取調べの通訳を任されています

有木野了
「だからそれを私が盗んだという証拠がどこにあるんですか、店員が私のカバンに入れた、自分が見てないスキに、そうに決まってる」

有木野が中国人の証言を通訳するのですが、担当の刑事は下らない言い逃れを信じるわけがありません。

その後も刑事と中国人の会話を通訳していきました。

取調べが終了すると一言一句を丁寧に通訳した有木野を刑事が労ってくれます。

有木野了
「大丈夫です、通訳で感情移入はしないので」

どんなに下らない言葉でも感情移入せず通訳することを信条にしていました。

日本では外国人であって日本語の通じない人に対しては、警察官が取調べを行う際に通訳人を介さなければいけません。

近年では外国人が関わる廃材が増加しているため、警視庁は約60人が在籍する通訳センターを設置しました。

その中で最も通訳件数が多いのは中国語です。

有木野了
「取調べ通訳がこのあと14時から、あと被疑者のメール翻訳か・・・昼メシのうちにメール軽く下訳しとくか・・・」

外でランチを食べながらメールの下訳をしていると、髪の毛が緑色の女性が近くに座りました。

女性が開けたお弁当の中にはサンドイッチとサソリが入っています。

有木野が驚く中、女性が大きく口を開けてサソリを食べ始めました。

鴻田麻里
「むっ、意外とカリッと食感サクサク、うーん胴体はカニのようなロブスターのような、待って、毒針このまんま食べていーのかな」

真正面に座った女性は楽しそうにしながらサソリをスマホで撮影します。

その写真には有木野の姿が映り込んでしまいました。

有木野了
「晴天の真っ昼間の新宿、緑あふれるオープンテラスでサソリを喰らうミドリ頭の女」

彼女のことを見ていると集中することができません。

メールを下訳しなければいけない有木野は反対側を向いて仕事することにします。

すると近くの中国人女性がスマホに向かって大声を出し始めました。

有木野は中国人女性が相手のことを心配していることを理解します。

しかし仕事ではないので中国人女性を助けようとは思いません。

鴻田麻里
「Hey,What’s wrong?」

サソリを食べていた女性が中国人に声をかけます。

ですが中国人は英語も日本語も喋れません。

普段持ち歩いている携帯翻訳機を忘れてきた女性は、スマホが見当たらないため有木野に貸してほしいとお願いします。

有木野了
「ああ・・・どうぞ・・・」
鴻田麻里
「やったぁ、ありがとう☆コレ持っててくれる?」

スマホを受け取った女性は有木野のサソリを渡してきました。

サソリを持たされた有木野は固まってしまいます。

有木野了
「あっ、待った!メール画面消し忘れ・・・」
鴻田麻里
「ん?お兄さんは・・・中国の方?」

下訳していたメールを見られてしまいました。

このことで有木野が中国語を話せるがバレてしまいます。

有木野了
「おれなら無理ですよ、悪いけどこのあと仕事ですし交番にでも連れていけばいい、通りすがりとしては十分親切だと思いますが」
鴻田麻里
「えー、でもそれならここで私が話聞いた方が早いですよ、これも何かのご縁!ひとつお願いしますぅ、あっ、よければそれ召し上がってくださいな♪」

サソリを食べたい訳ではありませんが、仕方なく通訳してあげることにしました。

ですが本音ではろくなことにならないため関わりたくありません。

仕方なく中国人女性の話を聞いてみると、デザインの勉強で訪日した21歳の留学生でした。

まだ日本語学校に通い始めたばかりなので日本語を話す事は出来ません。

有木野了
「これが友達のキャンディです、消えてしまった・・・んです」

スマホで見せてくれたキャンディという女の子が失踪してしまったそうなのです。

キャンディの失踪にはどんな事件が関係しているのでしょうか!?

 

 

通訳センターに在籍する通訳人という職業を初めて知れたので勉強になりました。

確かに外国人が関係する犯罪が増加している以上、このような職業は欠かすことのできないものですよね。

これからの活躍が期待される警察通訳人を題材にした『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』

警察漫画に新風を巻き起こす話題作になっています。

斬新な設定の物語をゆっくりとお楽しみください。

後編

中国人女性はホームシックになったため中国のSNSばかり見ていたそうです。

SNSで日本のアニメやゲームのコスプレが趣味だというキャンディと知り合いました。

キャンディと他愛のないことを話すことが楽しくなり、女性はホームシックが治ったと話します。

有木野了
「先週末念願かなってキャンディは日本に遊びに来たんです、滞在中は私のアパートにいろいろ東京を案内してあげました」

昨日は学校があったためキャンディは一人で観光に出かけました。

しかし夕方のメールを最後に姿を消してしまったそうなのです。

鴻田麻里
「ひとついいかな、キャンディっていうのは愛称、いわゆるイングリッシュネームだよね、彼女の本名はわかる?」

質問に女性の表情が暗くなりました。

女性はキャンディの本名を知りません。

有木野了
「こんなことになるとは思ってなくて、私も彼女にはジェニーと名乗ってました」
鴻田麻里
「ジェニーか、素敵なイングリッシュネームだね、ジェニーのアパートにキャンディの所持品は残ってるかな?」

スーツケースはまだジェニーのアパートに残っています。

しかし携帯はつながらないしメールの返信もありません。

有木野了
「キャンディは私以上に日本語ができないんです、どこにいるとしてもきっと心細い思いをしているはずなんです」

ジェニーはキャンディを心配するあまり涙を流しています。

そんなジェニーの想いを有木野のおかげで知ることができました。

鴻田麻里
「いやいやお兄さんすっごいねー!訳語のわかりやすさもスピードもノーストレス!まるであの子と2人で日本語で話してるみたいでしたよー」
有木野了
「それはどうも」

自販機で飲み物を買いながら通訳センターに電話をかけます。

しかしなかなか繋がりません。

鴻田麻里
「うちの会社ねぇ色んな国の言葉の通訳さん抱えてて私もしょっちゅうお世話になるんだ、でもセンターに派遣要請してから来てもらうまでけっこー時間かかるんだよね」

待っている間にジェニーの不安は大きくなるばかりです。

そのため有木野が通訳してくれて助かりました。

有木野了
「彼女のことはどうするつもりで・・・」
鴻田麻里
「ねぇ!よかったら連絡先教えて!まじでこれ感謝状もんだと思うんだよね!お兄さん新聞に載っちゃうかもよ!?」
有木野了
「いやおれは・・・」
鴻田麻里
「これっ私の名刺!キョーミあったら連絡して!」

名刺には東新宿署組織犯罪対策課国際捜査係巡査部長、鴻田麻里と書かれています。

有木野は警視庁の刑事であることが信じられません。

有木野了
「ウソですよね?」

緑色の頭をした鴻田麻里が刑事だとは思えず絶句してしまいます。

しかし鴻田は有木野が驚いている理由が分かりません。

鴻田麻里
「改めまして東新宿署国際捜査係の鴻田です」
有木野了
「通訳センター第二係の有木野です・・・」
鴻田麻里
「なんだぁ、警察の通訳さんだったんですねー!こりゃ失礼、思いっきり勧誘しちゃった!」
有木野了
「警察官だったんですね・・・国際捜査係の捜査員とはよく仕事をしますが・・・本当にそうなんですか?」

鴻田は今の部署に異動してからまだ1ヵ月しか経っていなく、警察官と言ってもなかなか信じてもらえないそうです。

本人はその理由を小柄な女性だからだと考えていました。

しかし有木野は原因が頭の色だと思っています。

鴻田麻里
「キャンディか、本名はわからず連絡手段も無い、さてどこから捜すべきか」
有木野了
「鴻田刑事、本気で彼女の友達を捜すつもりなんですか?正直言ってこんなのよくある話ですよ、彼らけっこうホイホイいなくなるんで」

有木野が語るように日本で姿をくらます外国人は珍しくありません。

旅行目的で入国してビザが切れても隠れて滞在するケースや、そもそも最初から疾走する目的で入国する外国人も存在しています。

またジェニーはかなり動揺していますが、キャンディのことをどんな人物なのかほとんど知っていません。

そもそも半日だけ連絡が取れなくなったことで失踪と断定するのは日本人でも早過ぎます。

鴻田麻里
「有木野さん、なんだか通訳っていうより刑事みたいですねぇ」
有木野了
「すいません、捜査方針に口を出すつもりは・・・ただの通訳なのに」
鴻田麻里
「え?いや全然、むしろ参考になりましたよ、取調べでいったら警察の通訳さんが受け持つ件数は刑事の比じゃないっていいますもんね、有木野さんは中国語通訳だしそりゃ踏んでる場数が違うでしょう」

有木野に感謝の意を伝えると、鴻田はジェニーを連れて立ち去りました。

警察通訳人はいわゆる捜査員ではありません。

あくまでも捜査員の取調べのサポートと、捜査する者とされる者の橋渡しが主な仕事内容です。

しかしそういった常識にとらわれない鴻田は、有木野の協力を得ながら事件解決へ突き進もうとしていました。

破天荒な女刑事と事件に感情移入しない通訳人が解明する事件の真相は、実際に漫画を読んでお確かめください。

 

『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』を読んだ感想

常識や固定概念に振り回されない鴻田が魅力的だと感じました。

自由な彼女に翻弄されながら少しずつ変わっていく有木野も素敵なキャラクターですよ。

マイノリティと真っ直ぐ向き合う女刑事が大活躍していく『東京サラダボウル-国際捜査事件簿-』

テレビドラマ化されそうなとても完成度の高い物語になっています。

もしも実写ドラマ化されたならどんなキャストが最適か想像しながら読んでみてください。

 

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