今回は「きくち正太」先生の『瑠璃と料理の王様と』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『瑠璃と料理の王様と』はこんな漫画(あらすじ)
出版社に勤め始めた大丸太(だいまるふとし)は、入社3年目で念願だった看板雑誌のグルメ企画を担当することになりました。
新たな仕事に意気込む大丸だったのですが、平成の北大路魯山人と呼ばれる北大路大観を取材している最中にグルメ担当に相応しくないと激怒されてしまいます。
落ち込む大丸は立ち寄った小料理屋で女主人の花畑瑠璃と出会いました。
お客が食べたいものに応えることをモットーにしている料理に魅了された大丸。
大満足したのですがここから瑠璃と北大路大観の争いに巻き込まれてしまうことになるのでした。
華麗に料理を振る舞う女性を主人公に設定した『瑠璃と料理の王様と』！
今回は美食を追求したグルメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
漫画を読み終えた後はレシピの再現に挑戦してみてください。
『瑠璃と料理の王様と』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
料理店を評価するグルメブックで二つ星を獲得したお店でスッポン料理を食べているお客が、女将に出汁の材料について質問しています。
女将は質問に対して枕崎産の最高級鰹節を使用していると答えました。
日本料理の最高級である出汁に女将は自信を持っています。
お客の質問に女将は最近のラーメンブームによってお客が旨味の強い出汁を求めていると答えました。
この対応にお客と一緒にスッポンを味わっていた女性が代弁を述べ始めます。
女性ははっきりとスッポンに鰹の出汁は必要ないと発言しました。
すると女将がグルメブックで二つ星を獲得していることを自慢してきます。
グルメブックの評価を完全に信用している女将はお客の声を聞こうとしません。
そんな女将に対して男性客が辛辣な意見を述べ始めました。
大声を上げた男性は力強くテーブルを叩きます。
その姿を見た他のお客が北大路大観だということに気付きました。
周囲が騒然とする中、助手の川反が迎えの車を呼びます。
女将たちが言葉を失っている理由は、北大路大観が赤坂の料理王国を主宰しているためでした。
料理に関して妥協しない北大路大観は平成の魯山人と呼ばれています。
スッポンの味を活かしきれていないと判断した北大路大観は店を出て行きました。
北大路大観は建築や美術、食事など多岐にわたる美の総合プロデューサーです。
平成に蘇りし魯山人と称される北大路大観は、一大プロジェクトを立ち上げようとしていました。
プロジェクトの内容は魯山人が開業した伝説の名料亭と謳われる星岡茶寮を再現するものです。
星岡茶寮はかつて政治家や財界人などのVIPが足を運んだ料亭で、ここの会員でない者は日本の名士ではないと言われていました。
北大路大観は現代版の星岡茶寮として、料理王國という美と食の一大モニュメントを開発しようとしているのです。
大丸はこの日、副編集長と北大路大観の記者会見を取材しに来ました。
記者会見場では早速モニュメントのコンセプトが発表されます。
北大路大観は昨今のグルメブームに疑問を抱いていました。
その理由は外国のガイドブックに料理人や経営者が踊らされているためです。
流行に振り回されている状況を懸念した北大路大観は、一つの結論に至りました。
北大路大観自らが日本の食文化を叩き直すというのです。
北大路大観という人物の存在感が物語に迫力をプラスしていますね。
グルメ漫画にはこのような強烈なキャラクターが不可欠だと思います。
美食を巡る人間ドラマを綴った『瑠璃と料理の王様と』！
ここから北大路大観にも負けない個性的な女主人が登場します。
瑠璃の作る料理にもご注目ください。
後編
記者会見の途中、急に北大路大観の機嫌が悪くなりました。
その理由を察した秘書の川反が大丸の元へ駆け寄ります。
大丸の朝食がインスタントラーメンだったことを見抜いたので退席を命じました。
しかしインスタントラーメンも日本が誇る食文化だと思う大丸は納得がいきません。
すると北大路大観本人が大丸に詰め寄ります。
こうして北大路大観の怒りを買ったため大丸は退席させられてしまいました。
仕事の帰り道、落ち込みながら歩いていると、自宅アパートの近くにある食堂が目に留まります。
引っ越してきた時から気になっていたので食堂に入ってみることにしました。
何気なく入った食堂が黙るに北大路大観以上の衝撃を与えることになるのです。
そんなことを知る由も無い大丸が暖簾をくぐると着物姿の女性が立っていました。
何に噛まれるのか分からずカウンターに腰を掛けます。
次の瞬間、強烈な痛みが指先を襲いました。
指先を見てみるとスッポンが噛みついています。
スッポンは女主人が賄いに使うため仕入れたものでした。
女主人は風邪が治らない祖父のために常連客が見舞いにくれたスッポンを調理しようとしていたのです。
仕入れ値が0円のスッポンは甲羅が黄色い天然モノで、専門店でもこれだけの上物にはなかなかお目にかかれません。
しかし大丸はスッポンの捌き方が難しいことを知っています。
すると女主人が包丁を持ちながらスッポンを持ち上げました。
着物の袖を捲し上げるとスッポンを捌き始めます。
まずスッポンの甲羅を下にして首を伸ばさせてから、甲羅と首のつなぎ目を切り落としました。
首のつなぎ目から出てくる血液は滋養強壮に効果があるので1滴も無駄にはしません。
スッポンの生き血はお酒と混ぜれば固まらないので、今回はジンとリンゴジュースに混ぜ合わせました。
その後も瑠璃の華麗な包丁捌きが止まりません。
瑠璃は大丸の目の前で無邪気な様子で舞を踊っているかのように調理していきます。
手始めにスッポンの卵の煮付けと竜田揚げを完成させました。
大丸は昼間の出来事をかき消すように美食を口に運んでいきます。
すると残ったスッポンで瑠璃がスープを作り始めました。
何でもいいと言ってくれた瑠璃に大丸はスッポンのスープを使ったラーメンをリクエストします。
高級食材でラーメンを作ってほしいと言われた瑠璃は、大丸に事情があることを察しました。
事情を聴いた老主人は大丸のためにラーメンを作ってほしいと瑠璃にお願いします。
瑠璃は北大路大観のように偉そうな態度でお客に接することはしません。
リクエストに応えた瑠璃は絶品のスッポンラーメンを作ってくれました。
極上の味に大丸は大満足することができます。
しかしこの時の大丸は瑠璃との出会いが自分の運命を変えるとは思ってもいませんでした。
ここから思いも寄らなかったグルメバトルが巻き起こることになったのです。
瑠璃と北大路大観の壮絶な争いの行方は実際に漫画を読んでお確かめください。
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『瑠璃と料理の王様と』はこんな人にオススメ
グルメ漫画とヒューマンドラマが好きな人にオススメの作品です。
異なる考え方で美食と向き合う瑠璃と北大路大観のバチバチしたやり合いが見所になっていますよ。
舞うように絶品料理をお客に提供する女主人の信念を表現していく『瑠璃と料理の王様と』！
調理方法を真似したくなるほど、丁寧にレシピを紹介してくれています。
漫画を読んだ後はレシピの再現に挑戦してみてください。
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