リーガルエッグのネタバレ!法曹界をテーマにした漫画の魅力は?

今回は「原作 河本ほむら 作画 木綿八十子」先生の『リーガルエッグ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『リーガルエッグ』はこんな漫画(あらすじ)

弁護士、裁判官、検察官は法曹三者と呼ばれている職業です。

この法曹三者になるためには司法試験を合格してから1年間の修習を経験しなければなりません。

司法試験に合格して司法修習生になった筒松誠(つつまつまこと)は検察の実務修習を受けることになりました。

実際に犯罪者の取り調べを同じ修習生の角野香(かどのかおり)と担当することになった筒松は、罪状について結論を出さなければいけなくなってしまいます。

まだ司法修習生の筒松と香が導き出した罪状とは・・・!?

法律家の卵にスポットを当てた『リーガルエッグ』

今回は法曹界を舞台にしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

『賭ケグルイ』を世に送り出した河本ほむら先生の傑作を心ゆくまでお楽しみください。

 

『リーガルエッグ』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

司法試験に合格した人たちに対して講師がまだ君たちは法律家ではないと説明しています。

法曹三者のいずれかを目指すにせよ、司法試験に合格した後の修習を経験しなければなりません。

司法修習の1年間を経験したことで合格者たちは本物の法律家になることができるのです。

つまりこの時点で司法試験合格者たちはまだ法律家ではありません。

日本の最難関と言われている国家試験の一つである司法試験なのですが、法曹資格を得るためには合格後の司法修習を経る必要があるのです。

筒松誠
「僕の月給は13万5千円だ」

月給の低さを実感しながら食事を頂くことにしました。

司法修習生の平均的な家賃は管理費込みで5万7千円となっていて、家賃補助を差し引くと2万2千円になっています。

ここから水道代、光熱費、通信費が1万6千円、交通費に1万6千円、書籍代が1万6千円、そして1万円ほどかかる月2回の飲み会に参加しなければなりません。

そして仕事着などの購入に1万5千円、趣味などの雑費に2万円が必要なため残るのは2万円ほどです。

筒松誠
「30日3食として1食に仕えるお金は・・・222円」

司法修習生は専念義務があるのでバイトをすることはできません。

つまり彼らは支給される13万5千円で毎月をやり繰りするしかないのです。

そのためこの日も筒松はカップラーメンを食べていました。

同期の中には早く弁護士になってお金を稼ぎたいと嘆く人も少なくありません。

しかし弁護士を志望しても弁護士の修習だけを受ければよいわけではないのです。

司法修習は全員が裁判官、検察官、弁護士の実務修習を受けなければなりません。

筒松誠
「僕らのグループは今、検察の実務修習中、だから僕らの勤務地はそのものズバリ地方検察庁だ」

立派な法律家を目指している筒松にとって、法曹三者を全てを体験できることは有難いことです。

筒松は全てを体験した上で自分の進路を決めようと思っていました。

期待に胸を膨らませる中、この日の検察修習が始まります。

佐藤静流
「どうだ皆、検察修習にも飽きてきたか?そうだろう?せっかく検察に来たのにやっているのは起案講義ばかりだからな」

指導検事の佐藤静流が教壇に立ちました。

佐藤の問いに飽きましたとは誰も答えられません。

筒松誠
「佐藤検事は僕ら実習生の指導担当だが・・・初日に遅刻した奴を怒鳴りつける姿に検事の恐ろしさを叩き込まれた」

この日も佐藤検事は迫力ある姿で教壇に立っています。

そんな佐藤が修習生たちに今日からお楽しみが始まると語り始めました。

佐藤静流
「今日からはそれぞれに事件を配点する、すべて現実に起き警察が捜査し、その後まだ処理されていない事件だ、君達にはこれらの事件を担当してもらう」

ここから始まるのは事件の記録と証拠の精査、調書作りからスタートしていき、不起訴か起訴を修習生が判断しなければいけません。

つまり司法修習生が犯罪者を定義することになるのです。

罪名求刑まで全てを任されるため生半可な態度で臨むことはできません。

司法修習生たちの間に緊張感が漂う中、それぞれが担当する事件の記録が配られます。

筒松誠
「ほ・・・本物の事件を担当できるなんてすごい・・・!」

配られた記録には警察が事件を捜査した結果がまとめられてありました。

事件のことが一目瞭然の記録はプライバシー情報が満載なので絶対に外部漏洩することは許されません。

記録を渡されて武者震いする筒松はどんな事件を担当するのでしょうか!?

 

 

司法試験合格後の修習生たちがどのような経験を積むのかが丁寧に描かれていますね。

弁護士や検察官にスポットを当てた漫画は数多くありますが、法律家の卵を描いた作品は真新しいと思いました。

法曹界の厳しい現実を伝えていく『リーガルエッグ』

なかなか知ることのできない職業の裏側を知ることができる物語になっています。

華やかに見える法曹界の現実を学んでみてください。

後編

筒松が渡された資料を見ていると、同じ司法修習生の角野香が声をかけてきました。

角野香
「筒松くん罪名何だった?ちなみにこっちはしょうもない軽犯罪法違反ね、記録見せて」
筒松誠
「ああ・・・どーぞ」

司法修習生による取り調べは2人1組がメインとサブに別れて担当することになっています。

筒松のペアは同期の角野香なのですが、これまでまともに喋ったことはありません。

そんな角野に記録を見せることにします。

角野香
「フーン・・・なんだ万引きか、しょうもない、額は・・・762円?しょぼーい、もちろん逮捕もされてなくて書類送検、さあ・・・ま、修習生に担当させる事件なんてこんなもんか」

事件が万引きだったので角野はがっかりしてしまいました。

それでも修習生たちは最低2件のノルマを処理しなければいけません。

筒松誠
「角野さんは・・・あんまりやる気ない?」
角野香
「は?そりゃそーでしょ、私検察官志望じゃないし、月給13万5千円で頑張れって方が無茶じゃない?もしかして筒松くん検察志望?」

熱意を抱いている筒松とは対照的に角野はドライな態度です。

筒松は検察官志望ではありませんが、担当する事件をしょうもないとは思っていませんでした。

筒松誠
「前科・前歴の欄を見て、この被疑者は不起訴が2回、罰金1回の処分を受けてる、被疑事実はいずれも万引き、つまりこの人は4回も万引きで捕まったってこと」

被疑者の捕まった回数を考えると決して小さな事件ではありません。

むしろ筒松は重大な事件を検察官に代わって担当できることを喜んでいました。

角野は真面目な筒松に少し引いてしまいます。

しかし修習生としての評価では負けたくありません。

角野香
「ま、別に私も手を抜く気はないから」

2人は早速被疑者を呼び出して取り調べを始めることにしました。

ドラマや映画などで表現される取り調べは事件の詳細を被疑者の口から語らせて調書を作るために行われます。

最近まで普通の学生だった自分が取り調べを担当することになったので筒松は緊張と興奮を感じていました。

今回の被疑者は平内悠子というお婆さんです。

平内はスーパーで合計金額762円の商品をカバンに入れ、支払いをせずにそのままスーパーを出ました。

不審に思った店長が声をかけたため万引きが発覚したのです。

筒松誠
「平内さん、なんで万引きなんてしちゃったんでしょう?」

筒松の質問に平内は商品が美味しそうだったからと答えました。

この答えでは調書を作ることができません。

しかし平内が美味しそうだったとしか答えないため埒が明かなくなってしまいます。

角野香
「もういい、平内さん貴方お金持ってましたよね、被害額は762円・・・でも店長に捕まったとき、貴方の財布には1200円は入っていた、お金があったのに何故万引きをしたのかそのことを聞いてるんです」

角野が詰め寄るのですが良く分からないという答えしか返ってきません。

その様子に角野はさらに苛立っていきます。

筒松誠
「こんな抽象的な動機じゃ調書にならない、一体どうしたら・・・」

困っていると平内が反省していると頭を下げました。

ですが角野は少しも納得することができません。

角野香
「貴方はこれまで3回捕まってる、不起訴が2回、罰金1回、店の人に許してもらって警察に通報されなかったことはもっとあるでしょうね、毎回言ってるでしょう?反省してますって、そして今回もまた言った・・・じゃあまたやりますよね、万引き」

角野が正論で詰め寄ったので平内は何も言えなくなります。

ここで筒松が動機について考え始めました。

記録によると平内は生活保護を受給していて、金額は住宅補助を含めて13万7千400円です。

筒松誠
「もちろん少ないけど万引きをしなきゃ食べる物にも困るというほどじゃない、僕だって月給13万5千円だけど罪を犯さず生きている、なら何故万引きなんてしてしまったんだろう」

いくら考えても納得できる動機が思い浮かびません。

このまま取り調べを続けた筒松と角野はできる限り形式を整えてから佐藤に調書を提出することにします。

作成した調書が認められると次に平内への処分について意見を求められました。

角野香
「平内悠子は典型的な窃盗症です、金銭を持っているのに万引きを繰り返してしまう、前歴2年に前科一犯、反省は口だけ、その行為は悪質でより重い刑罰によって更生されるべきです、以上から懲役2年を求刑します」

反省していないことと前歴を考慮した角野は懲役2年を求刑するべきだと主張します。

しかし筒松は動機が解明されていないことに納得がいっていません。

人間の人生を左右する処分内容について筒松と角野はどのような結論を出すのでしょうか!?

司法修習生が少しずつ成長していくここから先の展開は実際に漫画を読んでお確かめください。

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『リーガルエッグ』を読んだ感想

情熱的な筒松や感情の起伏が激しい角野など、同じ司法修習生でも様々なタイプが登場するので読み応えがありました。

司法修習生だからこその視点で被疑者と向き合う姿も読んでいて気分が良かったです。

少し青臭い主人公を中心とした人間ドラマを綴っていく『リーガルエッグ』

どのように法律家が成長していくのかを丁寧に表現しています。

登場人物たちがどんな法律家になるのかを見守ってみてください。

 

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