今回は「三田紀房」先生の『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』はこんな漫画(あらすじ)
井野真々子は数年前まで廃校寸前だった龍山高校で英語教師をしています。
しかし32歳になった現在は教師という職業に飽きてしまい転職を考えるようになっていました。
思い悩む井野にかつて共に龍山高校で働いていた弁護士の桜木建二が転職代理人を紹介します。
最初は半信半疑だった井野なのですが、転職代理人の海老沢が放つ言葉によって心を突き動かされることになりました。
海老沢が言い放った“すべての物事は相場で決まる”という台詞の意味とは・・・！？
社会人のために転職を指南していく『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』！
今回は大人気シリーズのスピンオフ作品についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。
心に突き刺さる台詞の数々からイメージに惑わされない生き方を学んでみてください。
『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
龍山高校で職員会議が開かれています。
今年の龍山高校からは25名の東大合格者が出たことで、昨年よりも合格実績が向上しました。
数年前まで偏差値が30で廃校寸前だった龍山高校は、奇跡の進学校として雑誌に特集を組まれるほど有名になっています。
その立役者となった弁護士の桜木建二は茨城、神奈川、埼玉の学校を再建させたことで学校法人の救世主と呼ばれるようになっていました。
一方、現在も龍山高校で英語教師をしている井野真々子は仕事に飽きてしまっています。
転職を考えるようになった井野は同僚の勧めで桜木が主宰しているビジネス塾へ足を運ぶことにしました。
龍山高校で桜木が教師をしていた頃、井野は常に対立していたため素直に悩みを打ち明けることができません。
しかし桜木は悩みを抱えていると見抜いていました。
このまま話をしなければ後悔してしまうかもしれません。
仕方なく井野は桜木の控室へついていくことにします。
そこで正直に悩みを打ち明け始めました。
転職することをどう思うか桜木に尋ねます。
桜木はまず井野が32歳であることを確認しました。
その上で自分の考えを述べ始めます。
反発する井野だったのですが改めて考えると日本の社会は桜木が語るシステムを構築していることに気づきました。
すでに確立している強固な社会のシステムに個人が抗うことはできません。
また桜木は井野が転職を考えた理由が下らないことを指摘します。
相談しに来たのですが無茶苦茶なことを言われては我慢が出来ません。
しかし桜木は適当なことを言っている訳ではないのです。
井野はごく普通の方法で転職を進めようとしていました。
そのことを話すと桜木が頭を抱えてしまいます。
桜木が主宰するビジネス塾にはこの日、現在の井野が悩んでいることに最適な特別講師が招かれていました。
特別に桜木は井野に特別講師の話を聞かせることにします。
さらに講義の後で特別講師を紹介してくれると言ってくれました。
顔を真っ赤にして怒る井野だったのですが講義を聞いてみることにします。
いったい特別講師は井野の悩みにどのような言葉を語りかけるのでしょうか！？
相変わらず口は悪いですが桜木の言葉は物事の本質を捉えていますね。
反発しながらも桜木の言葉に心理を見出す井野も頭が良いと思いました。
受験ではなく転職をテーマにした『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』！
社会人なら読んでおいて損をすることのない参考書のような漫画です。
特に転職を考えてる人は絶対に見逃さないでください。
後編
ビジネス塾の特別講師を務めるのは、転職サポート事業ライフパートナーで転職代理人を担当している海老沢康夫です。
会場の一番後ろで講義を聞くことにした井野はすぐに桜木の思惑に気が付きました。
2人のやり取りを知らない海老沢が講義を始めていきます。
急に指名された男性は質問に答えられませんでした。
海老沢によると金の取引価格は1g2760円だったそうです。
続いてどうやって取引価格が決まるのか尋ねると相場だという答えが返ってきました。
エンゼルバンクという聞き慣れない言葉に会場がざわつきます。
海老沢はお菓子メーカーが販売するチョコの当たり券である金のエンゼルと銀のエンゼルについて説明を始めました。
エンゼルは金なら1枚、銀なら5枚集めて送るとオモチャが貰えます。
この時、海老沢は儲けるアイディアを思いつきました。
まず集めて送ることが面倒くさくなった友達から金のエンゼルを40円、銀のエンゼルを10円で買い取っていきます。
そして仕入れ値に5円の利益を上乗せしてエンゼルを売ることにしました。
エンゼルバンクはすぐ人気に火が点いたそうです。
どんどん人数が多くなったエンゼルバンクは活発化していきました。
活発化したことで海老沢を中心にしたエンゼルが流通する銀行が誕生します。
この銀行を海老沢はエンゼルバンクと名付けました。
参加した子供の多くが利益を求めたため過激化したエンゼルバンクは先生にバレてしまい解散することになったそうです。
元締めだった海老沢は先生からこっぴどく叱られてしまいました。
しかし海老沢は過去の笑い話をしたかった訳ではありません。
エンゼルバンクの経験こそ転職を考えている人にとって重要な要素を含んでいるのです。
物事の価値を決めるのは相場なのですが、これを無視する人は少なくありません。
特に転職を希望している人に多いそうなのです。
社会人になって仕事をしているうちに人は自分のキャリアに自信を持ち始め、自分が唯一無二の存在だと思う勘違いが原因なのかもしれません。
海老沢は社会で成功するための第一歩が相場を知ることだと語ります。
相場を知った上で自身の適正価格を設定しなければ成功できません。
そしてあくまでも自分を売るのは価格が決まってからだということを強調します。
適正価格を決められないまま売りに出しても市場は反応してくれません。
海老沢は小学4年の時から自分の中のエンゼルバンクで自身の価値がどのように値動きしているか観測してきました。
このように自分の相場を知ることが転職にとって最も重要なことなのです。
相場の価値がゼロと言われて動揺したのは井野だけではありません。
ビジネス塾に集まったのは30代以上の人間が大勢を占めていたのです。
そんな受講者に海老沢が3回以上の転職が絶対にいけないことを説明し始めました。
つまり転職を繰り返す程、年収が下がってしまうのです。
これらの説明を真剣に聞いていた井野だったのですが、転職したいという気持ちは変わりませんでした。
そんな井野に海老沢は現在の相場価値がゼロだと断言します。
海老沢は井野の相場価値を上げる方法が1つだけあると語りました。
英語教師を辞めたいと思っている井野の相場価値を上げる意外な手段とは・・・！？
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『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』を読んだ感想
30代半ばでの転職がお勧めできないことに驚きました。
社会人の多くが転職がスキルアップにつながると考えているのではないでしょうか。
しかし転職を繰り返すと年収が下がってしまう事実を知ると、転職しないほうが賢明なのでしょうね。
転職をサポートするライフパートナーに就職した井野の日常を綴った『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』！
日本社会の本質に迫っていく物語になっています。
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