『天狗の台所』のネタバレ(漫画)!感想と試し読み情報も!

今回は「田中相」先生の『天狗の台所』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『天狗の台所』はこんな漫画(あらすじ)

ニューヨークで両親と暮らしているオンは14歳の誕生日、突然日本で暮らす兄の飯綱基(いづなもとい)と生活することになりました。

両親が基との生活を命じた理由は基とオンが天狗の末裔で、天狗の血を引く者は14の歳は人目につかず生きよというしきたりがあるためです。

東京での生活にテンションが上がるオンでしたが、天狗の末裔といっても特別な力があるわけではありません。

基との自給自足的な生活にフラストレーションが溜まる中、基は天狗の末裔としての稀有な特徴を有していました。

人間とは異なる兄の姿に大興奮するオンの運命とは・・・!?

兄と弟の隠遁生活を描写していく『天狗の台所』

今回は畑料理とスローライフを題材にしたSFファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

不思議な兄弟のほのぼのとした物語をじっくりとお楽しみください。

 

『天狗の台所』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

オンが乗っていた切株の上から転落しました。

オン
「なんで、なんでこんなことに」

仰向けになったまま空を眺めていると落ちてきた葉っぱがオンの左目を塞ぎます。

ボーっとしていると大きな犬が近づいてきました。

犬に吠えられているオンに青年が声を掛けてきます。

「落ちたな」
オン
「落ちましたけどォ!?」

落ちたと言っても切株の上からなので怪我をしたわけではありません。

まだ立ち上がろうとしないオンを青年と犬が見下ろしてきます。

「すべりやすいから気をつけろと言ったはずだが、お前は人の話を聞かない上、少々鈍くさいようだ」

呆れた様子の青年はオンを無視して木に登り始めました。

そして木の実を取り始めます。

オン
「なんか他に言うことねーのかよ」
「己を過信するな」

地獄耳の青年に独り言を聞かれてしまいました。

過信したことは事実ですが改めて指摘されると腹が立ってきます。

オン
「ねえきいて?サプライズがある、オレもマジビビったんだけど、この人ことオレの兄こと飯綱基29歳、天狗の末裔なんだって・・・てことはオレもなんだけどサ」
「多少は身軽さも必要だぞ」

オンが両親から天狗の血を引いていると知らされたのは1カ月前のことでした。

天狗会連盟には14の歳は人目につかず生きよという非常識なしきたりがあるそうです。

両親は天狗会連盟を無視する気でしたが、様々な事情がありオンを日本で基と暮らさせることにしました。

基は兄ですがオンはこれまでに会ったことはありません。

そんな基と誕生日から1年間、兄弟で暮らさなければならなくなったのです。

オン
「オレ・・・天狗?それってさ・・・So CooL!!」

最初に話しを聞いた時、オンは自分が天狗だということを凄いと感じました。

しかしいざ東京にやってきたら基は日本昔ばなしのような住居で生活していたのです。

現代とは思えない環境にオンは戸惑っていました。

オン
「オレなんでこんなとこにいんだっけ」
「天狗の家系は14歳の1年間、俗世を離れ隠遁生活を・・・」
オン
「それもう聞きましたァ、今日とってたこれってなんなの、Apple?あーいや梨だ!梨でしょ!?ウメ!?ミニマンゴー!」

収穫してきた木の実を基が籠からザルに移しています。

そして木の実を割って中をオンに見せました。

ですがオンには木の実が何なのか分かりません。

「これはクルミ、正確にはシナノグルミといって・・・」
オン
「クルミ!?クルミってこんなんなってんの!?」
「こんなんなってんだ、ゴム手袋をして全部むくこと」

収穫してきたクルミは1個ずつ手でむかなければならないのです。

しかし天狗が特別な存在だと思っているオンは納得がいきません。

オン
「そんなの天狗力でやってよ!パッと一瞬でさあ!」
「何度も言うがそんな力はない」
オン
「そんなのただのヒューマンじゃん!」

アメリカ育ちのオンは日本昔ばなしのような生活に耐えられるのでしょうか!?

 

 

オンと基の兄弟が天狗の末裔という設定に斬新さを感じました。

同じ天狗の家系でありながら対照的な兄弟の性格も物語を面白くさせていますね。

ノスタルジックな田舎を舞台に兄弟の絆を描いていく『天狗の台所』

アメリカ育ちのオンは天狗の末裔に特別な力が宿っていると信じているようです。

特別な力はないと言っている基の言葉が本当なのかが注目ポイントになっていますよ。

後編

期待していた天狗の力がないことにガッカリしながらオンがクルミをむいていきます。

オン
「こんなん普通のヒューマンより悪くね?ナイショでアメリカ帰っちゃったりして」

アメリカの生活に戻りたくなってきました。

よく考えてみると基も14歳の時にやってきて、そのままここにいることにしたようです。

そう考えると基が相当の変わり者だと思えてきました。

オン
「オワタよ!これってもう食えんの?」
「3週間ほど乾燥させる」

長く時間がかかることにガックリしてしまいます。

クルミを全部むいたのでオンはお腹が減っていました。

オン
「天狗力で乾燥させてってば・・・」
「時間がかかるんだ何事も、腹が減ったのか?」
オン
「午前10時はおやつの時間でしょ!!」

時計を指差してお腹が減ったと訴えます。

すると基が袋に入った大量のクルミを出してくれました。

「これは去年のクルミだ、殻のままなら数年は保存がきく、クルミが好物の先代が実が大きく殻の薄い品種を植え直したんだ、なので素手で割れる、オニグルミだとこうはいかな・・・いな」

オンがオニグルミを素手で割ろうとするのですが全く割れません。

仕方なく基がクルミ割り機を出してあげます。

オン
「屈辱ゥ、ずぇったいつ・か・わ・のぇー!」

意地になっているオンの横で基がクルミ割り機を使い始めました。

素手で割れないオンに対して基が次々とクルミを割っていきます。

「よし、うちのクルミは1つがほぼ10gだから十分だろう、さてなにを作る、すぐ昼食なのですばやくひかえめに作ろう」

お腹が減っているオンのために簡単なおやつを作ることにしました。

用意したのはむいたクルミとグラニュー糖、そして水だけです。

オン
「材料この3つだけ?これでおやつできんの?」

まずは鍋にグラニュー糖と水を入れ強火にかけながら木べらで混ぜると、ゆっくりと鍋の中がフツフツと沸いてきました。

泡が細かくなってきて鍋底を撫でると跡のつくまで火を入れてからクルミを投入します。

ここからは絶えず混ぜなければいけません。

「ここで砂糖がクルミのまわりを白く覆う、過飽和状態からの再結晶化だ、これによりねっちりではなくカリッとした歯ざわりになる」

ようやくクルミにキャラメルをコーティングしたおやつが完成しました。

食べてみると美味しいのですがオンには納得できないことがあります。

オン
「うまい、けれどもだ!木からクルミをとって皮をむいて3週間も干して、殻を割って実を取り出してキャラメル作って絡めたやつはさ・・・スーパーで買えばよくね!?」

まだ14歳のオンには手間暇をかける意味が理解できません。

オンの意見を聞いた基が珍しく笑った顔を見せました。

「確かに、しかし・・・僕は楽しいな」

基は手間暇をかけることに楽しみを感じているのです。

自然と共に生活している基は料理に掛けた時間を無駄だとは思っていません。

オンは少しだけ基の考えと自然の恵みを感じる大切さを理解できたような気がします。

オン
「へー・・・」

この日のオンはクルミのおやつを食べたおかげで穏やかな1日を過ごすことができました。

基が飼っている愛犬のむぎも懐いてくれています。

「オン、風呂上がったぞ、冷める前に入りなさい」

むぎと動画サイトを楽しんでいましたが風呂に入れと言われました。

仕方なく用意しようと振り返ったオンが愕然とします。

オン
「は・は・羽!?」
「母さんから聞いてないのか、一族には稀に先祖返りが・・・」
オン
「ぜんっぜんただのヒューマンではねーじゃんか!?」

天狗の末裔である基の背中には羽が生えていました。

こうして幕を開けた天狗の末裔1年間の隠遁生活はどのような日々になっていくのでしょうか!?

『天狗の台所』に関する他の記事はこちらです↓↓↓

『天狗の台所』のネタバレ(漫画)!受胎告知された兄とは?

2025.07.30

 

『天狗の台所』を読んだ感想

大都会で暮らしてきたオンと、田舎で暮らしてきた基の時間に対する考え方は正反対のようですね。

時間や手間を節約しようとするオンよりも、基の何事にも時間をかける考え方が素敵だと感じました。

天狗の末裔がノスタルジックな雰囲気の田舎でスローライフを送っていく『天狗の台所』

忙しない現代人に読んでもらいたい温かくて優しい物語になっています。

不思議な兄弟が田舎暮らしをしながら絆を深めていきますよ。

 

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