今回は「大海とむ」先生の『蜜夜婚～付喪神の嫁御寮～』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『蜜夜婚～付喪神の嫁御寮～』はこんな漫画(あらすじ)
栗沢翠(みどり)は小さな頃から普通の人には見えない人間ですらないものが見えてしまう特異体質の持ち主です。
この体質によって出会った謎の青年から「おまえは俺の嫁になる」と言われたこともありました。
大人へと成長した現在まで謎の青年はそれっきり翠の前に現れていません。
しかし久しぶりに幼い頃の夢を見た翠は、古道具の修繕を行っている厨房で青年と出会ってしまったのです。
青年の正体は付喪神で、再び彼は翠に結婚を求めてきました。
特異体質のせいで他人とまともに関わってこなかった翠は結婚を受け入れるのですが、そこには様々な試練が待ち受けていたのです。
人間と神様の種族を越えた恋愛事情を描いていく『蜜夜婚～付喪神の嫁御寮～』！
今回はファンタジーラブロマンスの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
自分の特異体質に苦悩する翠の姿を目に焼きつけてください。
『蜜夜婚～付喪神の嫁御寮～』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
大人になった翠が子どもの頃の夢を見ています。
夢の中で翠は美しい青年に結婚を迫られていました。
栗沢翠は小さな頃から人には見えないものが見える特異体質を持っています。
彼女に見えるものとはかつて人間だったのですが今は人間ですらないもので、周囲の人間に話しても当然信用してもらえません。
周囲から変人扱いされるようになった翠は自分の特異体質を秘密にしながら生きてきました。
社会人になった現在はなるべく他人と関わらないようにしています。
それだけでなく見えてしまった時も感情を表に出さないようになっていました。
今も人間でないものから“おまえは今日呪われる”と言われているのですが感情を表には出しません。
その後、この日は仕事が終わると実家に帰る予定になっていたため妹の朱莉が一緒に帰ろうと言ってきました。
翠は美人な妹を会社の同僚に見られたくないため用事があると嘘をつきます。
しかし結局は会社の近くまで来ていた朱莉と一緒に帰ることとなりました。
会社の同僚に朱莉を見られなかったことで安心しながら実家へ帰ると、両親が朱莉に縁談話を持ち掛けます。
明るくて優しく美人な朱莉は他人だけでなく両親からも愛されていました。
ですが気遣いができる妹は自分よりも先に姉へ縁談話をするべきだと申し入れます。
家族との会話で疲れた翠はすぐ外出することにしました。
翠が向かったのは古道具の修繕を行っている琥珀堂という工房です。
琥珀堂を訪れることには理由がありました。
この日も琥珀堂のご主人が優しく出迎えてくれます。
ご主人は翠のように不思議なものが見える訳ではありません。
それでも古道具の気持ちを感じ取りながら仕事をしているため、翠の気持ちを理解してくれているのです。
ご主人はこの日も翠が実家に居づらくなり疲れていることを見透かしていました。
不思議なものが見えたことを悟られると家族を不安にさせるため、翠は口をつぐんで表情を殺すしかありません。
つまり家族の前でも素の自分を出すことができないのです。
このような生活を続けているうちに翠は無表情でいることが当たり前になっていました。
そして両親は変なことを言わなくなったことに安心して、愛想の良い朱莉を溺愛するようになっていったのです。
ですが心配りができる朱莉は両親と翠の間で余計な気を遣っていました。
この状態が翠にとっては疲れる原因なのです。
翠は次第に人間よりも自分が見えている不思議なものの方が近い存在だと考えるようになっていました。
人生に希望を抱けなくなった翠に明るい未来が訪れることはあるのでしょうか！？
周囲を不安にさせないため自分の気持ちや感情を押し殺している翠が不憫に感じました。
確かに他の人が見えないものを見れてしまうという体質は異質かもしれません。
それでも誰かが翠の存在を肯定してほしいと思ってしまいますね。
未来に絶望したヒロインが神様との結婚を選択する様子を描写した『蜜夜婚～付喪神の嫁御寮～』！
ここからいよいよ翠と結婚しようとする付喪神が登場します。
付喪神の存在によって翠の人生がどのように変化していくのかご注目ください。
後編
琥珀堂で想いを語っている翠は置かれている古道具に宿った付喪神を見ています。
古い道具に魂が宿ることを付喪神だと教えてくれたのはご主人でした。
付喪神の存在を知った翠はよく分からなかったものを理解しようと思うようになったのです。
しかしご主人は付喪神のような存在を深く理解しようとすることを良く思っていません。
その理由は人間が理解できないものの中には恐ろしいものが存在している可能性があるためです。
ご主人がそのことを説明しようとすると急に腰が痛くなりました。
すると翠はご主人の腰に不気味なものが付いていることに気づきます。
不気味なものは翠の携帯を奪うと琥珀堂の奥へ入っていきました。
ご主人には止められたのですが翠は仕方なく後を追うことにします。
ゆっくりと歩いて行くと奥には蔵が建っていました。
子どもの頃に求婚されたことを思い返しながらゆっくりと蔵の中へ入っていきます。
すると倉の奥にはさらにもう1つの扉がありました。
扉を開けると中では過去に求婚してきた青年が倒れています。
倒れている付喪神の周りでは狛犬が飛んでいて翠に助けを求めてきました。
狛犬が近くにいることで翠はこの付喪神が御神体だったかもしれないと考えます。
しかし助けてほしいと言われても何をすれば良いのか分かりません。
仕方なく付喪神に触れてみることにします。
次の瞬間、神々しく輝き出した付喪神が目を覚ましました。
緑色の瞳に驚いていると付喪神が頬を両手で抑えてきます。
そしてそのままキスをしてきました。
翠が逃げ出そうとすると琥珀堂の主人が駆けつけてくれます。
ご主人と付喪神の話によると、この付喪神は人間の世界で不浄に触れてしまい穢れをためてしまいました。
その穢れを浄化するためには処女の花嫁が必要だというのです。
普通の人であれば強引なセリフに聞こえるかもしれません。
しかし他人との関りを断ってきた翠にとって自分を必要だと言ってくれるセリフは胸に響くものがありました。
するとここで朱莉が忘れ物を届けにやって来ます。
付喪神は美しい朱莉にも興味を持ちだしました。
このままでは大切な妹を花嫁にされてしまうかもしれません。
ご主人と妹が見ている中、翠は付喪神に抱きかかえられます。
それでも翠の胸に後悔は微塵もありません。
自分のことを犠牲にするかのように花嫁となる道を選んだ翠。
彼女の選択は本当に正しかったのでしょうか！？
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『蜜夜婚～付喪神の嫁御寮～』はこんな人にオススメ
ファンタジーとラブストーリーが好きな人にオススメしたい物語になっています。
特異体質で思い悩む翠の姿からは色々なことを考えさせられるので、人情話を読みたい人にも最適な漫画だと思いますよ。
人間ではないものと結婚することにしたヒロインが巻き込まれる数々の不可思議な出来事を表現した『蜜夜婚～付喪神の嫁御寮～』！
ただの恋愛漫画ではないたくさんの魅力が詰まった作品です。
予測不能な展開をドキドキしながら楽しんでみてください。
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