平成敗残兵すみれちゃんのネタバレ(漫画)！元アイドルの運命は？

今回は「里見U」先生の『平成敗残兵すみれちゃん』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『平成敗残兵すみれちゃん』はこんな漫画(あらすじ)

元アイドルグループのグラビア番長だったすみれちゃんは31歳になった現在、芸能界での成功を諦めボロアパートでゴロゴロしています。

スナックのバイトで何とか生計を立てているすみれに、高校1年生で従兄弟の雄星(ゆうせい)が儲け話を提案してきました。

儲け話の内容はグラビア番長だったすみれのナイスバディを活かして同人写真集を売り出すというものです。

しかし31歳のすみれはもう人前で肌を露出したくありません。

それでも雄星の熱意とお金がない環境に後押しされ、すみれは同人アイドルの頂点を目指すことにします。

令和の世で人生の再起を図っていく『平成敗残兵すみれちゃん』

今回は笑いどころ満載のギャグコメ漫画についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

すみれちゃんと雄星の掛け合いをじっくりとお楽しみください。

『平成敗残兵すみれちゃん』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

セミの鳴き声が響き渡る中、すみれちゃんが暑さに苦しんでいます。

「あっつー・・・エアコン・・・なぜ死んだー」

「買い換えなよ、すみれちゃん家いっつもあちーから」

「あのさお前毎日来るのな」

「いいじゃん別に、俺学校に友達あんまいないんだよ」

ゴロゴロしているすみれのボロアパートに従兄弟の雄星は毎日来るようになっていました。

スマホで二次元のキャラを眺めている雄星に呆れたすみれがタバコに火をつけます。

「友達いないからってイトコの家でたむろする高校生がいるかよ、思春期だろオメーは」

「すみれちゃんと毎日健康的なコミュニケーションをしてあげたくて」

「毎日してるよオジサンと、パチンコで勝ったの負けただの」

「スナックのバイトなんてオッサンに相槌うつだけじゃん」

すみれはスナックでオジサンと話すことをリズムゲームだと考えていました。

アイドルグループに所属していた頃はダンスの才能を認められていたので、リズムゲームを得意としているのです。

しかし雄星に孤独だと病気になってしまうと注意されました。

「じゃあ雄星も私も早死にかもなー」

「それは困る、実はさイベント当選したんだよ、同人写真集のイベント！結構人が来るみたいなのよね、自費で自分の写真集を作ってさ、売ったり買ったりすんの」

「あー、ニュースで見る人だかりの・・・何？お気に入りの子でもいんの？」

雄星は同人写真集のイベントを見に行こうと思っているわけではありません。

イベントに出ようと考えているのです。

「この同人アイドル知ってる？同人アイドルの頂点”うに仔”、月収3千万円デス」

「年収じゃなくて月収ゥ？スゲーな、当時のAKVにもいねーぞ」

同人アイドルの頂点は全盛時の大人気アイドルよりも稼いでいました。

そんな同人アイドルの年齢は28歳で写真は加工してあるそうです。

「俺はさ金がほしーのよ、うに仔みてーなヤツらは撮影から製本まで全部自分でやってンのよ、それを1冊3千円とかで売ってさ、イベントで手売りしてその後は店に委託販売してネットでも電子で売って、仮に1千部ハケれば3百万円よ」

同人であればマージンを抜かれることはありません。

そのため写真集がバカ売れすれば丸儲けなのです。

「知った風なクチを・・・撮影ってのはカメラマンも要るし衣装だって・・・」

「服は通販で揃うしカメラはスマホでいーよ、かわりに単価安くするから、制作スタッフ全部俺！どうよ？」

「そのテの語りは大体モデル探しで頓挫すんだぞ」

「そこはもう解決済み、俺と同人アイドルの頂点目指そーよ、すみれちゃん」

大金を稼ぎたい雄星はすみれと同人アイドルの頂点を目指そうとしていました。

しかしすみれは同人写真集に興味がありません。

「嫌だ」

「なんでだよ、売れなかったとはいえ元アイドルグループのグラビア番長じゃん」

「オイ、勝手に見るな」

「はじけるトロピカルボディすみれちゃん17歳にくぎづけ」

アイドル時代の写真集を勝手に見られてしまいました。

当時のすみれは事務所に年齢を2歳サバ読まされていたこともバレてしまいます。

すみれは他のメンバーが何をしているのかよく分かっていませんが、地元に戻ったメンバーや漫画を描いているメンバーなどそれぞれバラバラになっていました。

「まぁアユミは金回りいいらしいけど・・・」

「芸能界の闇・・・30代無職平成敗残兵隊・・・」

「無職じゃねぇ！・・・ならこうならないようにいい大学でも行けよ！んなややこしい事しなくてもいいだろ」

「いい大学には行くよ、でもそれと金は別でしょ、今の時代は、それにさオレはすみれちゃんイケたと思ってるんだよね」

雄星には同人アイドルの頂点を獲得できる目論見があるようです。

高校生の雄星はどんな策略を練っているのでしょうか！？

落ちぶれた元アイドルと、同人写真集でお金稼ぎしようとする高校生の掛け合いが面白いですね。

すみれのアパートに入り浸っている雄星の生意気な口調にも笑わせてもらいました。

再起をかけた三十路女性の奮闘を描いていく『平成敗残兵すみれちゃん』

アイドルを分析する雄星がすみれの心を動かしていきます。

雄星がすみれを慕っている理由も明らかになりますよ。

後編

すみれなら同人アイドルの頂点を獲れると雄星は本気で信じています。

「アイドル時代のDVDとか雑誌とかネットであらかた集めたんだけど、ちゃんとやれば爆死はなかったと思うのよ」

「一応ファンいたからな、言っとくけど」

「メンバーもいいタマ揃ってたと思う、でも個性バラバラすぎるからもっとソロ活動を推すべきだったよね、グループ活動にこだわらずさ、すみれちゃんも身体無駄にエロいんだからさ、グラビアでガンガン推して人気とってそこから女優に・・・とか」

「うっせーな、知ったようなクチきいてんじゃねぇよ・・・」

雄星の戦略通りにしていればすみれは売れていたかもしれません。

しかし今となっては後の祭りです。

「今の同人アイドルの中にすみれちゃんよりいい身体してるヤツなんていない、だから絶対天下とれるよ」

「・・・あのねぇ・・・」

「やってよ」

「ヤダ」

ここから雄星は何度もすみれにお願いをします。

ですがすみれは同人アイドルを引き受けてくれません。

何度も断られているうちに雄星はしょんぼりしてきました。

「・・・どうしても？」

「・・・ゴメン、もう人前で脱ぐの本当にやめたんだよ、だから・・・泣くなよ！ビックリした・・・ちょゴメンて本当に、それ以外だったらなんでも手伝・・・」

「いやだ、すみれちゃんの才能はあんな活動じゃ測れない、すみれちゃんはホントにすげぇって！うまくすみれちゃんを活かせなかったヤツらにお前らバカだなって言いたいんだよ」

「何を16歳がナマイキな」

諦めきれない雄星が泣きながらすみれの才能を語ります。

雄星には他にもすみれを説得する材料がありました。

「大体母さんにどれだけ世話になってるか、今月の家賃も待ってやって、スナックにも置いてやって」

「オイオイオイ・・・ヒキョーもの、男が簡単に泣くんじゃねーよ・・・」

「お願いします」

雄星が深々と頭を下げてすみれにお願いします。

真剣にお願いされたすみれは従兄弟のお願いを断れません。

「しょうがねぇな・・・儲けは折半だからな、それで今月の家賃払うから、衣装用意したら着てやるよ」

「んじゃコレよろしく」

すでに雄星は同人写真集の衣装を用意していました。

引き受けた以上すみれは着替えるしかありません。

「あーもう夏の衣装ってベタベタして嫌なのに」

「汗くらいなら洗えるから大丈夫だよ」

「衣装に気ィ使ってるわけじゃねぇよ、ってなんだよこの服！なんでおまたのトコにチャックついてんだよ」

雄星が用意した衣装はソーシャルゲームのキャラが着用している物です。

その中でもメイドビキニ衣装がバズっていました。

ただ雄星はこのキャラを推しているわけではありません。

「なんでオレの好みが反映されんのよ、市場の需要によって決めるに決まってるでしょ」

すみれは雄星のことを可愛くないと思いながら着替え始めます。

写真を撮るためにヘアメイクもちゃんとするように指示されました。

「こんなキタネー部屋でいいのか？」

「四畳半部屋に住んでるキャラを選びました、メイクは薄めで大丈夫、すみれちゃん目力あるからピンク系で透明感強調してもらえれば」

不本意ながら雄星の指示に従ってメイクを完成させます。

しかし鏡を見て見ると31歳のメイド姿はキツイものになっていました。

「若い娘っ子ならまだしもよ、31だぞ」

「写真じゃ歳は伝わらんよ、じゃあこっちは勝手に撮ってくから」

スマホで写真を撮影しながら普段のスキンケアについて質問します。

すみれは日焼け止めを塗っていますが、髪の毛はシャンプーとリンスしか使っていません。

ケアしていないのに可愛いことで、雄星は改めてすみれの素材が良いことを実感します。

「白ホリでプロに撮影されてた私がイトコのガキにこんなん言われて撮られてよ・・・マジで人生終わってんなー・・・なんか今さら冷静ンなってきた・・・」

昔は専用塗料で壁と床を白く塗装した本格的なスタジオで撮影されていました。

冷静になってみると恥ずかしくなってきます。

「ねー、笑ってくれないとマニアックすぎんよ」

このままでは撮影を続けられません。

仕方なくすみれが冷蔵庫から缶チューハイを取り出します。

「うし！やるかぁ！」

「ガソリン満タンだね、じゃ、こんな感じで」

アルコールの力で羞恥心に打ち勝ちました。

その後もグラビアをたくさん見て勉強した雄星の指南で撮影が続けられます。

「すみません私バックショットNGなんで・・・」

「マネージャーさんに今日から解禁って言われてますねー、全然変じゃないよ、タッパあるから座っててもいい感じ」

「・・・バカヤロ」

少しおだてられたぐらいで喜んでしまう自分もバカだと感じていました。

それでもまだ撮影は終わりません。

「さてそのまま座ってエプロンちらっとめくって」

「お前マジでコレが売れると思ってんのかよ」

すみれの質問に雄星が固まってしまいます。

同人写真集が売れなくては恥ずかしい思いをしている意味がありません。

「うーんまぁ最初だし赤字は覚悟してるよ」

「オイ、ここまでしたんだからバイト代は・・・」

「うそ、売れるよ、ぜったい」

「ばっ・・・かやろ・・・」

雄星はすみれのポテンシャルに絶対の自信があるようです。

悔しいのですがすみれは顔が赤くなっていました。

「ほい、首輪つけて」

「ヘ・・・ヘンタイ！」

「キャラが原作でこーゆーのつけるとこあんだよ、原作リスペクトって大事なんだよ」

「さ、さっさと撮れー！」

雄星が満足するまで撮影が続けられます。

ようやく撮影が終わるとすみれはクタクタになっていました。

「とりあえず撮った分で足りたと思うから、今夜からレタッチ入るわ」

「それもお前がやるのか・・・帰れ帰れ、私は仕事だよ、宿題して寝ろ！」

「言われんくても帰るよ、あ、今日スナック予約多かったから頑張って、じゃあ次の撮影日決まったら連絡するから」

すみれはまだ撮影が続けられるとは思っていませんでした。

しかし本格的に稼げるのはセカンドからなので続けなければ意味がありません。

3百部売れたらとりあえず30万円を折半するという条件ですみれは撮影を受け入れます。

帰り道、雄星はアイドルだった頃のすみれと話した言葉を思い返していました。

「雄星！ステージ観てくれてたな！しっかり声聞こえたよ！ありがと！どうだった？」

「あ・・・えっと・・・かっこよかった」

「だろ！雄星がファンクラブ第1号な！まだ小さいハコだけど私達もっと売れるから！私も頑張るから雄星も頑張るんだよ！夢はあきらめちゃダメだよ！いつか絶対に叶う、まわりに反対されてもなりふり構わず突き進め！」

アイドルだったすみれの前向きな言葉が雄星を支えているのです。

なりふり構わず突き進んでいる雄星が立ち止まることはありません。

「発言には責任を持たなきゃね」

すみれと雄星が完成させた写真集はどのくらい売れるのでしょうか！？

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2020.03.31

『平成敗残兵すみれちゃん』を読んだ感想

何だかんだ言いながら雄星におだてられて撮影に協力したすみれは好感を抱けるキャラクターですね。

口車に乗せたような印象もありますが、すみれのポテンシャルを信じる雄星も素敵でした。

愉快な2人が同人アイドルの頂点を目指す『平成敗残兵すみれちゃん』

夢を叶えるため突き進む2人をユーモアたっぷりに描いています。

ギャグコメ漫画が好きな人は読んでおいて損はありませんよ。

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