今回は「shoyu 原作 黒辺あゆみ」先生の『百花宮のお掃除係』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『百花宮のお掃除係』はこんな漫画(あらすじ)
崔の国は古代中国に姿形が似ていて都の梗には皇帝が住まいがあり、広大な敷地の中には皇帝の妻や下働きをする大勢の女性たちが暮らしています。
百花宮と呼ばれる場所で働く宮女は皇帝や妻たちの使用人で、様々な雑務をこなす彼女たちは基本的に後宮から出ることはできません。
辺境の地で一人暮らししていた張雨妹(チャンユイメイ)は、村の長から百花宮の宮女となることを勧められます。
前世で看護師だった雨妹は韓流ドラマが好きだったことから後宮にとても関心がありました。
煌びやかな世界に憧れて都を目指した雨妹は、後宮のお掃除係として働き始めます。
大奮闘する雨妹だったのですが、色々な人たちの思惑に巻き込まれることになりました。
医療の知識を活かしながら様々なトラブルを解決していく『百花宮のお掃除係』
今回は中華風の異世界を舞台にしたSFファンタジー漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
転生した新米宮女の奮闘記になっていますよ。
『百花宮のお掃除係』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
古代中国に形状が瓜二つな崔の国では都の梗に皇帝の住まいと、妻や宮女たちが暮らしている百花宮が存在しています。
畑作業を終えた張雨妹が里の外れにある小さな家に帰ってきました。
雨妹は痩せた小さな畑で収穫できる作物と自然の恵みで毎日を食い繋いでいます。
両親がいない雨妹は物心ついた頃から里の尼寺で暮らしていました。
尼寺は近隣で身寄りのない子供たちが生活していて読み書きなどの生活知識を教えてくれます。
贅沢とは言えない生活でしたが、親切な尼さんのおかげで苦にはなりませんでした。
この尼寺では7歳になると本格的に尼としての修行が始まります。
雨妹が7歳になった頃、雨妹は尼寺を出て一人暮らしを始めました。
そんな雨妹の家を訪ねて来た長が、百花宮で宮女となる娘が集められていると伝えてきます。
この辺りの里でも全部で十人は宮女を出さなければなりません。
長は一人で暮らしていくことは辛いので、里を離れて都へ行くことを勧めてきました。
皇帝のお手付きにある可能性が有るので後宮入りした女性は基本的に出ることはできません。
もしも出られる時は皇帝から臣下に下げ渡された時、後宮から追放されて尼寺に入る時、もしくは死んだ時なのです。
何も知らない里の娘たちは宮女に立候補してしまうかもしれません。
ですが長や里の人達は貴重な若い娘を百花宮に出したはないのです。
そこで里外れに一人で暮らし、身寄りもない雨妹に声がかかりました。
長の狙いは雨妹を厄介払いする事だったのです。
名前は分かりませんが看護師として働き定年退職した跡、子供や孫に囲まれながら余生を趣味につぎ込んでいました。
その趣味が韓流ドラマでファンイベントのため友人と一緒に何度も旅行したものです。
前世では韓流ドラマにもタイムスリップものや古代中国に似た架空世界ものなど色々なジャンルが派生していました。
どちらにせよ雨妹はいずれ辺境の里から出て行くつもりでしたし、何よりも辺境の里で人生を終わらせるつもりはありません。
辺境の里から百花宮を目指すことにした雨妹にはどんな運命が待ち受けているのでしょうか！？
後宮にロマンを感じたところが雨妹の豊かな感性を表現していますね。
そんな雨妹を待ち受ける百花宮では様々なドラマが起こりそうでワクワクしてきました。
献身的なヒロインが魅力的な『百花宮のお掃除係』
辺境の里から都へ舞台が移っていくことで物語が華やかになっていきます。
中華風のノスタルジックな雰囲気に浸ってみてください。
後編
後宮へ旅立つことを決めた雨妹のためロバ車が用意されます。
移動手段が馬車ですらなかったことにガッカリしながら雨妹が百花宮へ出発しました。
長い道のりをロバ車に揺られてきたので、都に到着した雨妹は少し疲れています。
それでも道中で色々な話を聞くことができました。
梗の都は碁盤の目状に都市設計されていて、都を囲む城壁の東西南北に三つずつ入口の城門が設けられているそうです。
真ん中の朱塗りの城門は身分の高い人が使い、庶民は左右の少し小ぶりな城門を使って出入りするのが暗黙の了解とされていました。
雨妹が小ぶりな城門を開けて都に入ります。
都は雑然とした人通りと白い土壁の建物があり、前世で見たことがあるテレビや映画のセットとそっくりでした。
初めて見る光景に胸がワクワクしてきます。
雨妹と一緒に都へやって来た女性たちも期待で胸を膨らませていました。
しかし雨妹とは違って彼女たちは一生を後宮の中で過ごすことをまだ知りません。
華やかな都の光景に雨妹も興奮してきます。
ですが案内役の男性に騒いでいる暇はないと注意されてしまいました。
大人しくしていると馬に乗った兵隊がすぐそばを走っていきます。
危険な行為なのですが兵隊は近衛なので文句を言うことはできません。
都でのルールを学んでいると甘い匂いが漂ってきます。
雨妹だけでなく他の女の子達も甘い匂いに惹かれていました。
その様子を見ていた案内役は記念に揚げ饅頭を1個ずつ買ってくれます。
もちろん雨妹にも揚げ饅頭を食べさせてくれました。
雨妹が暮らしていた辺境の里では甘味が手に入ることはほとんどありません。
食べられる物はせいぜい野に咲く花の蜜程度でした。
つまり揚げ饅頭は今世の雨妹にとって初めての甘味なのです。
嬉しくなった雨妹の瞳がキラキラしてきました。
揚げ饅頭の美味しさに大満足します。
食べ終わると後宮の入口まで案内されました。
木戸が開くと宮女をまとめている楊玉玲(ヤンユリン)が雨妹たちを出迎えます。
案内役は健康であることを断言しました。
するといよいよ後宮の中へ案内されます。
中に入ってしまえば簡単に出られないので雨妹は改めて覚悟を決めました。
こうして百花宮での生活が幕を開けたのです。
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『百花宮のお掃除係』を読んだ感想
都での生活が始まることで期待に胸を膨らませる雨妹がチャーミングでした。
辺境の里で人生を終わらせたくない希望は叶いそうですが、後宮では様々なトラブルが待ち受けていそうですね。
人間の欲望と感情が入り乱れる様子を描いた『百花宮のお掃除係』
複雑な人間模様が絡みあう中、元気でポジティブな雨妹が物語を明るくさせています。
ファンタジーと歴史時代劇、そしてヒューマンドラマがミックスされた物語は読み応えがありますよ。
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