『ふれるかおる』のネタバレ(漫画)!香りが紡ぐ恋の行方は?

今回は「SHIHO」先生の『ふれるかおる』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

ふれるかおる』はこんな漫画(あらすじ)

会社を辞めて祖父の古書店を引き継いだ甘楽さんは古本に囲まれる日々を過ごしていました。

そんな彼女の前に中学時代に同級生だった九条という男性が現れます。

急に現れた九条は甘楽さんに向かって匂いを嗅がせてほしいとお願いしてきました。

一歩間違えば変態のようなお願いに戸惑う甘楽さん。

しかし九条の目的が分かっていくうちに予想していなかった恋が動き始めました。

五感で愛情を確かめ合う男女の恋模様を描いた『ふれるかおる』

今回は官能的で情熱的なラブストーリーの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

少し変わった男女が距離を縮めていく様子をドキドキしながらお楽しみください。

 

ふれるかおる』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

入浴剤や洗剤の香りを作る調香師をしている九条が実家にある本棚を眺めています。

九条
「返しそびれた本がまだ実家の本棚にあることに気付いたのはほんの偶然だった」

一方、九条に本を貸したことなど覚えていない甘楽という女性が街を散策中に雰囲気の良い豪邸を眺めていました。

甘楽
「随分雰囲気のある建物だなー、丸窓の鉄格子模様が可愛い、昭和初期・・・もしかして明治?」

レトロな雰囲気の建物を気に入ったようです。

好みの建物を眺めたことで気分を良くした甘楽は祖父が経営する古書店に戻ることにしました。

甘楽が店の本棚を整理していると九条が来店します。

九条
「本返しに来たんだ、それと甘楽さん、よければ君の匂い嗅がせてくれない?」

九条が自分の名前を知っていたことと、おかしなお願いをされたことで甘楽は戸惑ってしまいました。

後になって思い出すのですが九条は中学3年生の時に同じクラスだった同級生です。

しかし謎めいた雰囲気の九条は周囲と馴染まなかったため、甘楽はあまり話した記憶がありません。

記憶の中で九条と話した事があるのは1度だけです。

甘楽
「えっ、この本・・・どこにあったの、探してたの」
九条
「家庭科室の机の下・・・そういえば無くしたって言ってた気がして」

祖父の店から持ち出した本を甘楽は無くしてしまいました。

その本を見つけてくれたのが九条だったのです。

甘楽
「もうすぐで読み終わるから貸すねって・・・で貸して・・・あとはえーと・・・?話した記憶はそれくらい・・・」

これだけしか記憶にない九条が急に来店したため甘楽は怪しい雰囲気を感じ取っていました。

すると九条が調香師をしていると話し出します。

九条
「俺は助手みたいなものだけどとにかく入浴剤や洗剤の香りを作る仕事をしてて、今回開発するのが初恋の香り、でそのヒントになる香りを探してる途中で」

優れた嗅覚を持っている九条は上司から初恋の香りを開発するよう命じられていました。

しかし甘楽はそのことよりも初恋というフレーズにひっかかります。

甘楽
「えっ・・・は・・・初恋?初恋って言った?今」

ドキッとするのですが決して九条の初恋の相手が甘楽だという訳ではありません。

九条は恋愛という形の無いものがイメージできないため開発が進んでいないのです。

九条
「でまぁ考えてみるに初恋というと恐らく郷愁とか追憶とかそういうイメージに近いものだろうと、でこの前実家に行った時、甘楽さんに借りた本を見つけて思い出したんだ、ああそういえばやたら甘い匂いがする女子がいたなって」

甘い匂いと言われて甘楽は再び動揺してしまいました。

動揺した甘楽は重ねて置いてあった本を倒してしまいます。

高く積み重ねていた本が九条に直撃して眼鏡が壊れました。

甘楽
「危な・・・ごっ、ごめんなさい!どどどうしよう、いや勿論弁償・・・」
九条
「俺、極度の近視でフレームもレンズも特注なんだ、10万は下らないけど、困ったなぁ・・・出来上がるまできっと一ヶ月はかかるし・・・ってことで話を戻すけど匂い嗅がせてくれない?」

この状況では九条のお願いを断ることはできません。

甘楽
「か・・・嗅がせるって・・・どうすれば」

九条は指一本触れないと言いながら甘楽に近づいてきます。

九条
「やっぱいいや、強請るような真似してごめん、眼鏡のことはいいよ、事故だから、じゃあ」

突然帰ると言い出しました。

どうして九条は甘楽の匂いを嗅がなかったのでしょうか!?

 

 

本という共通の思い出によって再会した甘楽と九条の姿が印象的でした。

また優れた嗅覚で人の匂いに敏感な九条が甘楽の匂いを甘いと表現したシーンはここから先の展開に意味を持たせそうな気がします。

愛情は言葉だけでなく五感でも感じられることを教えてくれる『ふれるかおる』

ここから2人はお互いが抱える悩みを打ち明けながら距離を少しずつ縮めていきます。

ゆっくりと動き始めた運命的な恋模様を引き続きご覧ください。

後編

九条が極度の近視だと知った甘楽は眼鏡を壊したお詫びとして車で送ってあげることにします。

甘楽
「あの・・・眼鏡なくて大丈夫?仕事とか・・・」
九条
「自宅用のスペアはあるし特に支障はないよ」

支障がないと聞いて安心することができました。

すると今度は九条が古書店を閉めても平気かどうか尋ねてきます。

甘楽
「ああ・・・いいの、おじいちゃんいつも気ままに営業してるし、私が会社辞めてからは私に任せきりだし」
九条
「会社辞めたんだ?」
甘楽
「んー・・・私元々人付き合いが苦手で・・・あの店は子供の頃から好きな場所だったし、今は本に囲まれてストレスもなくて幸せなんだー」

本が大好きだと聞いて九条があることを思い出しました。

九条
「古本といえば実家の敷地に学者だった祖父の書庫があるなぁ」

九条の祖父は蔵を改装してレンガ造りの書庫を建てたそうなのです。

古本に興味津々な甘楽は書庫を見せてもらうことにしました。

到着した九条の家は甘楽が散策中に眺めていた雰囲気の良い建物だったため驚きを隠せません。

甘楽
「九条くんのおうちだったの?・・・てゆーか・・・九条くんておぼっちゃん?」
九条
「おぼっちゃんって・・・待ってて、蔵の鍵取ってくる」
甘楽
「待って!あんまり見えないんでしょ?もう暗くなってきたし私付いて・・・」
九条
「大丈夫、自分ちだしどこに何があるかはにおいでわかる」

不思議な言葉を残して九条は鍵を取りに行きました。

その後、蔵の中に入ってみると本棚には膨大な数の古本が収納されています。

甘楽は古本に興奮するのですが、九条は古本を処分しようと考えていました。

2人が古本について話していると急に風と雨が強く降り始めます。

甘楽
「さっきなんで急にやめたの?私の・・・その・・・匂い嗅ぐの」
九条
「だって本気で嫌がってたから、近づいた時甘楽さんの匂いが強く変わった」

動物や昆虫は護身や威嚇のために匂いを発することがあり、人間も同じような習性があると言う九条。

普通の人はその匂いには気づかないのですが、嗅覚が鋭い九条は甘楽の匂いが変化したことに気が付いたのです。

九条は昔から嗅覚が鋭い事で面倒なことを経験してきました。

しかし今では鋭い嗅覚を仕事道具として活用しているのです。

甘楽
「私が・・・甘い匂いがするって・・・」
九条
「人にはそれぞれ固有の匂いがあるからね、女性には女性の匂いっていうのもある」

体臭などの匂いは人それぞれで、感じる人もいれば感じない人もいることを甘楽は九条から教わりました。

甘楽
「私、九条くんに匂い嗅がせてって言われた時は何を頭のおかしいこと言ってるんだろう、バカじゃない?って思ったけどすごく真面目な話だったのね・・・!」

甘楽は昔から他人と接触することが苦手で、他人と上手に距離を取れないことが会社を辞めた理由です。

しかし九条が真面目な理由で匂いを嗅ぎたいと知った甘楽は彼に協力することにしました。

了解を得た九条が甘楽に近づくと落雷のせいで停電してしまいます。

九条
「あれ、怪我した?血の・・・大丈夫?」

真っ暗な中、九条が甘楽の甘い匂いと血の匂いを嗅ぎ分けました。

そのことで甘楽は重要なことに気が付きます。

甘楽
「そっか、もしかして今思えば九条くんがあの本を私の物だとわかったのは」

中学時代の九条は匂いを嗅ぎ分けて甘楽の本を見つけてくれたのです。

そのことに気が付いた甘楽に九条が接近しました。

九条
「あ、やっぱりこの匂い知ってる」

九条の脳裏にも中学時代の思い出が蘇ります。

こうして甘い匂いを嗅いだ九条は新製品の香りを開発することができました。

ですが完成した香りに九条は納得していません。

納得しない九条なのですがこの香りを開発することで大切なことを思い出す事ができました。

様々なことを嗅覚で嗅ぎ分けてきた九条は、学生時代に疎まれることが多かったため良い思い出がありません。

その中で本を見つけてあげた甘楽だけは九条に素直な感謝の言葉をかけてくれました。

九条が昔の思い出に浸っている頃、甘楽も彼のことを考えています。

甘楽
「落雷による停電はほんの3分ほどだった、九条くんは指一本私に触れることなく、それでも私は動けなかった、なぜ動けなかったんだろう、また甘い匂いを辿って九条くんが私のところに来てくれればいいのに」

2人が匂いに導かれて再会する日はやって来るのでしょうか!?

 

ふれるかおるを読んだ感想

切なさで胸が一杯になる素敵なラブストーリーだと思いました。

他人との距離が分からないヒロインと、鋭い嗅覚のせいで苦い経験をしてきたイケメンのバランスが良いですね。

小さなトラウマを抱える2人だからこそ応援したくなる気持ちにもなれました。

恋愛感情には五感全てが関係していることを表現した『ふれるかおる』

誰にでも好きな香りというものがあるため共感しやすい内容になっています。

好みの匂いや音を思い返しながら珠玉の物語を読んでみてください。

 

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