あくまでクジャクの話です。のネタバレ(漫画)!生物学の魅力は?

今回は「小出もと貴」先生の『あくまでクジャクの話です。』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『あくまでクジャクの話です。』はこんな漫画(あらすじ)

教師の久慈弥九郎(くじやくろう)は小さな頃から色白で華奢だったことから、男属性とは無縁の人生を送ってきました。

26歳になった久慈は付き合ったばかりの彼女に男らしくないという理由でフラれてしまいます。

ジェンダーフリーなのに男らしさを求めることは世の中の流れに反していると久慈は常日頃から苦悶していました。

そんな久慈にモデルで文武両道な生物学部部長の阿加埜(あかの)が、生物学部の顧問になってほしいと迫ってきます。

さらにモテるために男らしさが必要な理由を、生物学の観点から説明を始めました。

阿加埜がクジャクの派手な尾羽を例に挙げて説明する身も蓋もない残酷な現実とは・・・!?

生物学をコミカルに表現していく『あくまでクジャクの話です。』

今回は生きていく上で参考になるギャグコメ漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。

この漫画を読めば人生観と恋愛観が変わりますよ。

 

『あくまでクジャクの話です。』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

彼女の浮気現場を目撃した久慈は、学生時代に学ぶべき最も重要なことは勉強でもスポーツでもなく恋愛だと悟りました。

フラれたショックを引きずったまま久慈が職員室へ向かいます。

すると同僚の先生たちから顔色の悪さを心配されました。

久慈
「い・・・いや別に・・・何もないっすよ、ただちょっと先週末、彼女に浮気的なことされちゃっただけで・・・」

彼女とは最近付き合ったばかりです。

しかし彼女は前の彼氏と切れていなかったようで、問い詰めたら浮気はむしろ久慈の方だと言われました。

先生方は顔も悪くないし職業も安定している久慈の何が悪かったのか原因を考え始めます。

フラれた理由は色白で清潔感がありユニセックスな久慈を最初はいいと思ったのですが、筋肉質で野性味のある元彼と再会したら本物の男だと感じたためでした。

確かに久慈は化粧水を使っていますし、わき毛もスネ毛も生えていません。

久慈
「肌が弱いから保湿してるだけですよ!毛が生えなくたって別にいいじゃないですか!この時代にそんなこと言うなんて遅れてんじゃないですか?」

憤慨する久慈なのですが先生方はHRに行ってしまいます。

このように久慈弥九郎は26年間、男属性とは無縁の人生を送ってきました。

子供の頃から色白で華奢だったので、幼稚園で戦隊ごっこをやる時はレンジャーピンクを担当したこともあります。

久慈
「中高時代は男子にまで気遣われて・・・かといって特に美形ってわけでもなかったから美少年ポジにもつけず・・・男としてイケてないが切実な男」

5年ぶりにできた彼女を失ったショックから立ち直れません。

失恋しても仕事は休めないのでHRへ行くことにします。

久慈
「わっ、す・・・すまん!大丈夫か?怪我は・・・?」

ため息をつきながら職員室を出ると生物学部の部長と体がぶつかってしまいました。

生徒を倒してしまいましたが怪我はなさそうです。

阿加埜
「久慈先生・・・彼女さんと別れたんですか・・・?」
久慈
「え?ああ・・・聞こえてた?すまん、皆には内緒にしてくれ」
阿加埜
「・・・はい」

久慈は生物学部の部長を受け持ったことがありません。

それなのに自分の名前を知ってくれていたことに驚きました。

初めて話した阿加埜にはモデルをやっているという噂があります。

かなりの美少女なのですが阿加埜はいつも1人で過ごしていました。

阿加埜のことが気になりながら久慈は教室へ向かいます。

すると生徒たちにフラれたことがバレていました。

どうやら同僚の先生がフラれたことをSNSに投稿したようです。

生徒たちは久慈のことを励ましてくれました。

久慈
「ありがとう!君たちはくれぐれも・・・男のくせにとか女のくせにとか・・・そういうことを言わない大人になってくれよな、現代はジェンダーフリーの世の中なのだから」

1日の授業が終わり職員室へ戻ろうとしていると、鳳という生徒たちが久慈に相談があると言ってきます。

今は進路指導の時期だから相談室は使えません。

そのため第三理科室で鳳たちの話を聞くことにします。

「実は僕たち・・・恋愛弱者男子を救う会というのを立ち上げようと思ってるんです」
久慈
「・・・へ?れ・・・恋愛弱者男子?」
「はい!久慈先生には是非その顧問になってほしいなと思って!」
久慈
「な・・・何それ?どういう活動をする会なの?」

鳳たちはどんな男子でも平等に恋愛ができるような社会を目指していました。

漫画やテレビなどのメディアでは高身長、筋肉質、イケメンがカッコイイ男として描かれています。

その結果、女子はいい男とはそういうものだと刷り込まれてしまいました。

「だから僕らのような人間は恋愛の対象から排除されてしまうんです!メディアがゆがんだ価値観をばら撒くせいで僕たちは青春時代に彼女を作ることすらできないんです!これは立派な差別です!」
久慈
「そ・・・そうかな?それはちょっと暴論すぎないか?確かに昔は男児たるもの!みたいな時代があったけどさ・・・今は全然そんなこと言われる世の中じゃないんだし」
「じゃあ久慈先生は彼女さんの言い分に納得できたんですか?男らしくなくてもいいよなんて言われたって・・・付き合ってくれる女の子がいないなら無意味じゃないですか!」

久慈は鳳の意見に納得してしまい反論することができません。

このまま恋愛弱者男子を救う会は活動を始めてしまうのでしょうか!?

 

 

ジェンダーフリーという社会問題をコミカルに取り扱ったユニークな物語ですね。

一昔前よりは解消されましたが、性別に対する偏見はまだまだ残っていることは事実だと感じました。

難しい問題を生物学が解決していく『あくまでクジャクの話です。』

古い考え方を捨てさせてくれる斬新なギャグコメ漫画になっています。

久慈や鳳たちの主張を阿加埜が理論的に打破していきますよ。

後編

久慈に自分たちの主張を理解してもらったと感じた鳳は、最初の活動として筋トレ男子をぶっ壊すことにします。

メディアが引き締まった体を称賛するから筋トレしている男子は少なくありません。

スポーツしているわけでもない筋トレ男子を楽に生きさせることが鳳たちの目的なのです。

阿加埜
「見た目は大事だぞ、1年生ども」

鳳たちに異論を唱えたのは生物学部部長の阿加埜でした。

第三理科室は生物学部の活動場所で、最初から阿加埜は久慈たちの会話を聞いていたのです。

久慈
「すまん、使ってない教室だと思ったから・・・」
阿加埜
「別に・・・構いませんけど・・・でもこれは何かの縁かもしれません、久慈先生・・・生物学部の顧問になって頂けませんか?」
久慈
「せ・・・生物・・・学・・・?とか?オレ担当現国だから全然詳しくないし」

阿加埜は自分が教えてあげるので問題ないと言ってきました。

久慈は阿加埜のすごい圧力に押されてしまいます。

しかし先に顧問をお願いした鳳が黙っていません。

阿加埜
「君たちにも教えてあげよう、なぜ男らしくない男が女からモテないのか、それはメディアのせいではない、生物学で説明がつく話なのだ」
久慈
「え?」

男としてみることができないという理由でフラれた久慈がドキッとさせられます。

ここから阿加埜による生物学の講義が始まりました。

まず長くて綺麗な尾羽が特徴的なクジャクのオスを例に挙げます。

阿加埜
「この長い尾羽のせいで空を飛ぶのは苦手だし、派手だから天敵にも見つかりやすい、ハッキリ言って生活にはなんの役にも立たない、邪魔なだけの尾羽だ、それなのに何故オスはこのような尾羽を持っているか知ってるか?メスに好かれるからだ」
久慈
「い・・・っ、いや・・・でも・・・それは・・・クジャクの話だよな?」
阿加埜
「そうですね、確かにクジャクの話です、大昔はオスもメスも同じく短い尾羽だったと言われています、それでまぁ仲良く恋愛してたのですがある日・・・突然変異で尾の長いオスが生まれるとこいつが強烈にモテました」

尾羽の長いオスは街中のメスを独占する勢いでモテました。

その結果、尾羽の長いオスはたくさんの子を持ち、生まれた子にも長い尾羽が遺伝したのです。

当然ですが生まれた子もモテまくったので、尾羽の長いファミリーは勢力を増していきました。

そして尾羽の長いオスが当たり前になってくると、今度はもっと尾羽の長いオスがモテるようになったのです。

オスが時間を変えて姿を変えていった結果、尾羽の短いオスはメスに全く相手にされなくなりました。

メスを口説こうとジェンダーフリーを訴えてもビンタされて終わりです。

久慈
「タイムタイム!ちょっと待って!なんだろう?さっきから何か悪意を感じる、クジャクの話だよね?コレ」
阿加埜
「クジャクの話です」
久慈
「で・・・でもさクジャクとはいえ好みはあるだろうし、たまには尾の短いオスが好きなメスもいるんじゃない?」

確かに尾羽の短いオスを好きなメスがいるかもしれません。

その場合は尾羽の短いオスも結婚して子供を持つことができるでしょう。

阿加埜
「ただし・・・その結果生まれるのは尾の短い息子です、息子が成長し・・・婚期を迎えても無言でビンタされて終わります」
久慈
「息子ォォ!嫌いになるわクジャクのこと!なんなんだよ、その尾羽にかける情熱は」

なぜクジャクのメスが長い尾羽にそこまでこだわるのかは分かっていません。

ただし理由はどうあれメスに好かれる体を持つオスだけが子を持つことができるので、メスに嫌われる体のオスはいずれ絶滅してしまいます。

これが性淘汰と呼ばれる現象だと阿加埜が説明しました。

「だったらどうしろって言うんですか!メスに好かれない姿で生まれたオスは諦めろってことですか?僕らは生まれつき外見には恵まれませんでした、それがそんなに悪いことなんですか?」
久慈
「お・・・お前ら落ち着け、これはあくまでクジャクの・・・」

鳳は生まれつき外見が悪いだけで何も悪いことはしていません。

それなのに彼女を作れない人生が確定しているような生物学に納得できませんでした。

阿加埜
「そうだ、いかなる倫理や道徳・・・正論を振りかざしても好きという感情までは動かすことができない、恋愛は全ての生物が命がけで行ってる一番残酷な戦争なんだよ!」
久慈
「な・・・なんて冷酷な女だ」

残酷な現実を突きつけられた鳳たちが帰ろうとします。

しかし阿加埜は鳳たちを全否定しているわけではありません。

生物学を学べばモテ方が分かることを伝えたいのです。

阿加埜
「どんな生物にもここというポイントがある、人間だって例外ではない、整形してイケメンになるのか、筋トレしてマッチョになるのか・・・色々あるがとにかくモテたいなら・・・見た目だけ整えても仕方ないという考えは捨てることだ」

筋トレ男子を否定しても意味がありません。

むしろ肯定して筋トレにいそしむ方がモテることを阿加埜は鳳たちに伝えたかったのです。

普通に筋トレを頑張れと言われるよりも説得力がありました。

久慈
「ええー・・・なんか急にいい話にまとめられたな・・・着地点なんか雑じゃない?」

久慈は納得していませんが鳳たちは大喜びして帰って行きます。

これで久慈は恋愛弱者男子を救う会の顧問にならなくてすみそうでした。

しかし生物学部の顧問については解決していません。

阿加埜
「すいません久慈先生・・・私・・・生物学の話になるとつい熱が入ってしまって・・・私・・・別にそんな・・・変な奴じゃないんで・・・」
久慈
「え・・・?あ・・・うん、だ・・・大丈夫だよ」
阿加埜
「では・・・さっきの話の続きで・・・ぜひ久慈先生に生物学部の顧問になっていただきたいんですけど・・・」

阿加埜のことを悪い子だとは思いません。

ですが強烈な圧力に耐えられなくなります。

久慈
「ご・・・ごめん!今ちょっと忙しくて部活の顧問とか出来る余裕はなくて・・・」

思わず逃げ出してしまいました。

生徒の相談に乗らず逃げ出したことをすぐに後悔します。

考え事をしながら歩いているとフィットネスクラブの前で元カノとばったり会ってしまいました。

自分に言われたから鍛えようとしていると勘違いした元カノから、鍛えても久慈とヨリを戻す気はないと言われます。

阿加埜
「あーいたいた!久慈くんお待たせー、ごめんね♡少しでも可愛く思われたくてメイクしてたら遅くなっちゃった、早くデート行こ♡」

阿加埜が元カノを嘲笑いながら久慈を連れて行きました。

元カノだけでなく久慈も状況を理解できていません。

久慈
「どういうつもりだ?」
阿加埜
「学校帰り直でバイトに行くため私服持ってきてるんです、ウチの高校バイト禁止なのにごめんなさい」
久慈
「そこじゃない、彼女の前で何であんなこと・・・」

クジャクの話には続きがあって、クジャクのメスはモテてるオスに惚れやすいという習性があります。

皆が良いと言ってるオスなら良いオスに違いないと思い込み、モテるオスから生まれる息子はモテると考えるそうで、モテてるオスなら吟味する手間もかかりません。

阿加埜
「つまり・・・モテてるふりをするというのはモテる上で有効な手なんです、そんなわけでしばらく私を先生の彼女にしませんか?」
久慈
「はあ?」
阿加埜
「もちろんフリですよ?付き合うフリ、でも私が先生にまとわりつけば先生はモテる男と周囲から認識され・・・彼女さんともヨリを戻せるかも?」
久慈
「な・・・何を言って・・・?」

戸惑っていると元カノからメールが送られてきました。

阿加埜が言っている通り新しい彼女ができたと勘違いしていて、久慈がモテることに嫉妬しているようです。

阿加埜
「そのためにも・・・生物学部の顧問引き受けてくれますよね?久慈先生!」
久慈
「そんな・・・バカなこと・・・できるわけないだろ!」

このまま久慈は阿加埜に振り回されてしまうのでしょうか!?

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2024.06.11

 

『あくまでクジャクの話です。』を読んだ感想

モテないクジャクを自分に重ね合わせてしまう久慈が可哀想でした。

阿加埜の生物学を活用した性淘汰の分かりやすい説明は見事ですね。

異性にモテるための真実に迫っていく『あくまでクジャクの話です。』

クールビューティーな阿加埜のドSなセリフが胸に突き刺さりました。

新たな視点で生物学の魅力を届けてくれる素敵な物語になっていますよ。

 

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