天空の玉座のネタバレ(漫画)！蓬莱の目的と鳳仙の運命は？

今回は「青木朋」先生の『天空の玉座』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『天空の玉座』はこんな漫画(あらすじ)

近世のある王朝では皇太后が絶大な権力をふるっていました。

皇太后に逆らうことは死を意味するため、誰も彼女に抗うことはできません。

その中で1人の将軍が皇太后に楯突いた結果、彼の家族にまで死刑が命じられてしまいます。

妹である鳳仙の身を案じた蓬莱は武官に彼女を託して自分は死刑の次に重い去勢する刑罰を受けることになりました。

12年後、蓬莱はある計画を実行するため妹を王宮へ連れて行くことにします。

何も知らず連れて行かれる妹妹(まいまい)の運命と、兄の蓬莱が企てる計画の実態とは・・・！？

壮大なスケールで少女の生き様を描写していく『天空の玉座』！

今回は近世の中国大陸を舞台にしたアクション漫画について、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

壮絶な運命に巻き込まれた少女がたくましく生き抜く姿から勇気をもらってください。

『天空の玉座』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

姫将軍という老人が皇太后に逆らった罪で死刑を言い渡されました。

怒りの収まらない皇太后は姫将軍の5親等に当たる家族まで処刑しようとしています。

その中で孫の蓬莱は妹の妹妹だけは助けようと秘密の計画を企てました。

「お祖父様はすでに処刑されてしまわれたらしい、もうだめだ、捕り手がそこまで来てる、先生、妹をつれて逃げてください」

父親の片腕として姫家を支えていた武官の楊一刀に妹の身を任せることにしたのです。

嫡子の蓬莱は自分が逃げおおせるとは思っていません。

それでも妹妹だけは助けたいと願っているのです。

「妹妹、さよなら、生きのびてくれ・・・！」

こうして2人は生き別れとなってしまいました。

12年後、妹妹は名前を珊瑚に変えながら山あいの町で元気に暮らしています。

王宮から連れ出された時は幼かったため、自分の名前が妹妹であることは知りません。

そんな珊瑚が納屋で昼寝をしていると、父親として彼女を育てている楊一刀の声が聞こえてきました。

「珊瑚ー！？どこ行った、早く手伝え！」

楊一刀の大きな声で珊瑚が飛び起きます。

「ご、ごめん父ちゃん、なやでひなたぼっこしてたらきもちよくて」

「珊瑚がさぼってる間に仕事は片付いた、もう帰るぞ、荷物とってこい」

この日は知り合いの肉屋が店の壁を塗り直すため、楊一刀が女店主の代わりに壁を塗り直しに来ていました。

肉屋の経済状況は厳しいのですが、半月後に太后様がこの山あいの町を通るため役所から綺麗にするよう命じられているのです。

バカバカしい命令なのですが役所の命令には逆らうことができません。

女店主に明日も来ることを約束した楊一刀と珊瑚は帰ることにします。

「父ちゃん、海斗のお母さんといつんなったらけっこんするの？」

「な、何を言い出す、急に」

珊瑚は女店主と楊一刀に結婚してほしいと思っていました。

彼女たちとは家族ぐるみの付き合いをしているため、珊瑚は楊一刀のプロポーズに期待しているのです。

「かぞくがふえたらたのしいよね」

楊一刀はえみを浮かべながら珊瑚の意見に同意します。

「しかし俺にそんな資格があるだろうか」

まだ楊一刀は12年前の出来事を気にかけていました。

そんな2人の様子を遠くから眺めている人物がいます。

果たして彼らの目的は何なのでしょうか！？

自分が由緒正しい将軍家の娘であることを知らない珊瑚の姿が痛々しいですね。

彼女を死刑から逃れさせた蓬莱はカッコイイ兄だと思いました。

しかしここから蓬莱が自らの計画を遂行するため予想外の行動に出て行きます。

広大な中国大陸を舞台にしながら、時代の波に流される少女の姿を描いた『天空の玉座』！

蓬莱の計画を知らず運命に流されてしまう妹妹の姿が注目ポイントになっています。

それでは兄妹が再会する続きをご覧ください。

後編

山あいの町に太后様の行列がやって来ました。

「す、すごいきれいなひとー、おとこ？おんな？」

「太監だよ、皇太后の側近はみんな太監さ、宦官だよ」

宦官とは皇宮で后妃たちの世話をするために去勢された男性を意味します。

「へー、みやこにはそーいうひとがいるのかあ」

珊瑚は宦官たちの美貌に見惚れていました。

さらに総勢数千人という大行列に目を奪われてしまいます。

しかし楊一刀の表情は優れません。

「珊瑚そろそろ帰るぞ、ちょっとだけって約束だったろ」

「えー、もうちょっと」

「仕方ねーな、先行ってるからすぐ来いよ」

皇宮から逃げて来た楊一刀は仕方なく珊瑚を置いて先に帰ることにします。

楊一刀が帰ると珊瑚たちの前に皇太后を乗せた馬車が近づいてきました。

役人たちは町民に平伏するよう命じてきます。

珊瑚が慌てて平伏しようとすると肉屋の息子である海斗が豚の血をこぼしてしまいました。

このことによって海斗が役人から折檻されてしまいます。

庇おうとする者も同罪になるのですが珊瑚は黙っていられません。

「や・・・やめて、こんなのおかしいよ、じぶんのお店で血をこぼしただけじゃん！海斗はわるくない！！」

珊瑚の言うことはもっともなのですが役人は彼女に向かって鞭を振り下ろそうとします。

次の瞬間、馬車から1人の人物が降りてきました。

降りてきた人物は宦官の中でも地位が高い長春宮総管太監の姫蓬莱という人物です。

蓬莱は役人を制止すると珊瑚の元へ駆け寄りました。

「妹妹・・・会いたかった妹妹、私はそなたの兄だ、ずっと探してたんだよ」

状況が理解できない珊瑚なのですが、そのまま蓬莱の馬車に乗って宿に連れて行かれます。

馬車に乗り込むと蓬莱が詳しい事情を説明し出しました。

蓬莱と妹妹は姫家という名家の生まれで、祖父はこの国で元老を務めたほどです。

しかし12年前、謀反の罪に問われて一族二百人あまりが処刑されてしまいました。

「私は乳飲み子だった妹妹だけは助けようと・・・父の片腕だった武官の楊一刀にそなたを託したんだ」

父親の名前が出たことで妹妹は蓬莱の話を信じ始めます。

「じゃ・・・じゃああたしほんとは父ちゃんの子じゃないの？」

「そうだ、そなたの本当の名は姫鳳仙、名門・姫家の令嬢だ」

驚く妹妹なのですがここで1つの疑問が浮かびました。

「で、でもそれなら・・・お、お兄さんは・・・お兄さんはどうして今ここに？処刑されなかったの？」

「刑には遭った、死刑を一等免じて宮刑になったんだ」

「きゅう・・・けい？」

宮刑とは去勢する刑罰で、死刑の次に重い刑罰です。

この刑罰によって兄が宦官となったことに納得しました。

「気味悪いと思うか」

「ううん！生きててくれてうれしい、生きてたからこうやってあえたんだもん」

その後、兄との再会を喜んだ妹妹は皇太后と謁見することになります。

皇太后に気に入られた妹妹は蓬莱と一緒に皇宮へ向かうことになりました。

しかし父親の許可を取っていないため妹妹は納得できません。

「娘娘のご命令は絶対だよ、妹妹、こうしよう、そなたの養父・・・楊一刀には使いを出して後から都へ来てもらう、いいね？」

安心する妹妹だったのですが蓬莱は嘘をついていました。

この日の夜、蓬莱は楊一刀の元へ部下を向かわせます。

ただし楊一刀を都へ連れて行く目的ではありません。

蓬莱が部下に命じたのは楊一刀の殺害だったのです。

楊一刀を殺害した理由は皇太后に逆らった姫一派の残党を消すためでした。

反・太后派だった蓬莱は12年間という時間の中、皇太后の忠実な僕となっていたのです。

「珊瑚逃げろ・・・都へ行ってはいかん・・・」

薄れゆく意識の中で珊瑚の身を案じる楊一刀。

いったい都ではどのような出来事が妹妹を待ち受けているのでしょうか！？

『天空の玉座』を読んだ感想

アクション漫画というカテゴリーになっていますが、ヒューマンドラマの要素が強い物語ですね。

近世の中国を舞台にしていますが分かりづらいところを丁寧に説明してくれているのでとても読みやすかったです。

また蓬莱の思惑などミステリアスな部分が多い点も、この漫画が多くの読者を魅了している理由かもしれませんね。

陰謀が渦巻く都で激動の人生を歩むことになった少女がヒロインの『天空の玉座』！

性別に関係なく楽しめる作品になっています。

漫画選びで悩んだ時はこの物語をセレクトしてみてください。

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