今回は「竹良実」先生の『植物病理学は明日の君を願う』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『植物病理学は明日の君を願う』はこんな漫画(あらすじ)
東京帝央大学准教授の叶木(かのうぎ)は植物病理学者です。
いつものように研究していると助手の千両久磨子(せんりょうくまこ)から、静岡でミカンの木が謎の大量死が起こっているため診断依頼があることを伝えられました。
この世界には4千種を超える植物病が存在していて、現在も人類から農作物の3分の1を収奪しています。
人類の摂取カロリーの約8割はたった14種類の植物性食物なので、農作物が植物病に感染すると人類は生きていけません。
そのため人類を飢餓から救うことが植物病理学者の使命なのです。
静岡で起こった植物の大量死に関して、叶木が科学的に証明する真実とは・・・!?
人類の弱点が植物であるという衝撃的な事実を描写した『植物病理学は明日の君を願う』
今回はクライムサスペンス漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
植物が存在しなくなると動物も存在できなくなる現実に驚愕してください。
『植物病理学は明日の君を願う』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
静岡の小さな村で農家が栽培しているミカンの木が全滅しました。
農民はあの箱を開けたせいだと頭を抱えています。
千両は自分が新米秘書だから雑な扱いを受けていると感じました。
しかし叶木准教授は嫌がらせでドアを閉めたわけではありません。
実験室に入れない千両はドア越しに診断依頼を報告します。
依頼内容は静岡でミカンの木が謎の大量死した事件が発生し、このままでは被害額が20億円を超えてしまうかもしれません。
当時のアイルランドはイングランドの植民地で、貧しい人々にとってジャガイモは命を繋ぐ唯一の食料でした。
しかし1845年、命を繋ぐジャガイモ畑は目に見えない軍勢の手に落ちてしまったのです。
ジャガイモを襲った微生物は島中の畑を荒らした結果、アイルランドの通りは飢えた人々の死体で埋め尽くされました。
話を聞いた千両は恐ろしくなりますが、悪魔のような菌は消滅したわけではありません。
植物病の話をしているうちに目的地の農園に到着しました。
到着すると相談者の農家たちが車を一斉に叩き始めます。
緊迫した様子から異常事態であることが伝わってきました。
農家たちはまず叶木と千両に亡くなった農家が遺した箱を見せてきます。
その箱は親子二代で農家を営んでいた先代が手紙と共に遺していたものでした。
手紙には農園宛てに差出人不明の木箱が届き、中を開けると恐ろしい勢いで虫が飛び出したと書かれていました。
村長の息子で農園を経営している金丸は、この木箱をパンドラの箱だと考えているようです。
叶木の言う通り記録によると殺虫剤散布も杜撰に行われていました。
植物病理学者の立場からすると、この現状は信じられない状態です。
栽培とは人類と植物の契約で、数千年をかけた品種改良で作物は病害への抵抗力を手放しました。
それは人類が作物を食料とする見返りに種の存続を保障したためです。
ですがこの村では劣悪な環境に置かれて作物は逃げることもできません。
千両は作物が苦しんでいることなど考えたこともありませんでした。
確かに叶木の言う通り作物は苦しみながら死にかけています。
叶木は死にかけている植物をどのように救ってあげるのでしょうか!?
人類と菌類が植物を奪い合っている衝撃的な事実に驚かされました。
地球に暮らす生命を植物が支えてくれていることも学ぶことができました。
信念を曲げない准教授と泣き虫な新米秘書の活躍を描いた『植物病理学は明日の君を願う』
ミカンの木々を絶滅させようとしている原因を叶木は突き止められるのでしょうか!?
農家を襲った悲劇には複雑な人間模様が関係していますよ。
後編
植物が苦しんでいることは理解できましたが、千両にも譲れない意思があります。
泣いてしまった千両にスーツケースの鍵を渡しました。
仕事中に泣いてしまった自分を情けないと思いながら車に向かうと、スーツケースの中にはジップロックに一着ずつ収納された作業着が入っています。
その他にも消毒液や長靴などが車内に用意されていました。
気を引き締め直してから現場に戻ると、すでに叶木がミカンの木々を調べ始めています。
叶木が調べるのは一カ所の農園だけではありません。
どこも同じ病気ですが他の場所を調べることには大切な理由があるのです。
ダメージ度の差を地図と照らし合わせていくと、感染がどのように広がったのか時間の経過が見えてきました。
ここで叶木は最悪のシナリオが起きていることを考え始めます。
最悪のシナリオを想像しながら採取した葉っぱを大学に送りました。
ゲノム解析すれば明日の夜には病気が判明します。
しかしすでに叶木は病名に見当がついていました。
翌朝、集められたミカン生産者に叶木が病害についての説明を行います。
病原体は細菌の一種で致死的な被害をもたらし、ブラジルでは4年間で80万本の木が失われました。
この病原体はアメリカ政府が農業テロへの使用を警戒していて治療法はありません。
現段階で感染拡大を止めるためには一刻も早い伐採処分しかないのです。
ただし日本でカンキツグリーニング病は南西諸島でしか発生していません。
原因はまだ不明ですが恐らく例の木箱から人為的に感染したことが疑われます。
ここで叶木は病原体についてイメージしやすいよう、ミカン生産者たちに資料を配布しました。
グリーニング病細菌はミカンキジラミの中に潜んでいて、昆虫が植物の汁を吸う際に植物体へ侵入します。
本来であればミカンキジラミがカンキツグリーニング病の強力な判断材料になりますが、今日の調査ではまだ発見されていません。
何故なら潜伏期を考えると最初の感染は3~4年前なのですが、ミカンキジラミは12℃付近で活動を停止してしまいます。
そのためこの虫は静岡の冬を越すことはできません。
ただし叶木は即断を避け明日の遺伝子検査結果を待って診断を確定することにしました。
ここでミカンキジラミに似た虫を見たという生産者が複数手を上げます。
目撃者が出たところで叶木は、農協の職員に県庁の植物防疫担当と病害虫防除所に連絡させました。
DNA検査の結果が出たら一斉に防除しなければならないのです。
ただし防除すればミカン生産者の中に借金を背負う人が現れるかもしれません。
打つ手が他にない中、千両が重大なことに気付きます。
急激に進路を変更した台風16号が東海地方に接近していました。
台風の接近を知った村長の息子の金丸は、翌日に伐採するしかないとミカン生産者を説得します。
しかしまだカンキツグリーニング病という証拠が見つかったわけではありません。
そのためミカン生産者の多くは伐採に納得していませんでした。
真夜中ではありますがミカンキジラミの捜索を再開させます。
ミカンキジラミは紫外線から離れる動きをするので、塗料を硬化させるUVライトを使用することにしました。
UVライトで木にしがみついている昆虫を動き出させて叩き落としていきます。
しかしお目当てのミカンキジラミは簡単に見つかりません。
寒さに弱いので発見できない可能性もあります。
ただそれなら前の冬を越えた理由が説明できません。
夜が明けてくると風がさらに強くなってきました。
丘陵や山へ吹き上げる滑翔風に気付いた叶木が坂の上へ向かいます。
叶木がミカンキジラミを網で捕獲しました。
しかし勢い余って崖から転落しそうになります。
追いかける千両は網と叶木のどちらを掴むか判断に迫られました。
周囲の地形を把握していた叶木は転落しても大怪我はないと判断していたのです。
そのおかげで村に病害を撒いたミカンキジラミを捕獲出来ました。
叶木と千両が証拠を発見したことでミカン生産者は伐採に納得してくれます。
しかしまだ事件は解決したわけではありません。
次は村に病害をもたらした真犯人を特定しなければならないのです。
ミカン生産者を苦しめる真犯人の動機とは・・・!?
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『植物病理学は明日の君を願う』を読んだ感想
植物だけでなく昆虫やフィールドワークにも精通している叶木の優秀さに驚かされました。
人間に対する接し方は上手くありませんが、植物病理学者としては天才的ですね。
科学的な証拠によって事件の真相を解明していく『植物病理学は明日の君を願う』
地球上の生物が支え合っていることを学ばせてもらいました。
植物病理学という学問にも興味が湧いてきましたよ。
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