植物病理学は明日の君を願うのネタバレ(漫画)!災厄の犯人は?

今回は「竹良実」先生の『植物病理学は明日の君を願う』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『植物病理学は明日の君を願う』はこんな漫画(あらすじ)

植物病理学者の叶木(かのうぎ)は新米秘書の千両(せんりょう)と、静岡県の小さな村で発生したミカンの木が大量死した事件の調査を開始しました。

調査の結果、ミカンの木はカンキツグリーニング病だということが判明します。

カンキツグリーニング病を媒介する昆虫のミカンキジラミを発見した叶木は、反対していたミカン生産者から伐採と焼却の許可を頂きました。

しかしまだミカンキジラミを村に送り込んだ真犯人は分かっていません。

叶木と千両は真犯人の正体と動機を暴くことができるのでしょうか!?

植物に巻き起こった不可思議な事件を次々と解決していく『植物病理学は明日の君を願う』

今回は斬新なテーマを描いたサスペンス漫画の第2話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。

災厄の箱事件の解決編を見逃さないでください。

 

『植物病理学は明日の君を願う』の魅力紹介(ネタバレ含む)

第2話前編

ミカンの木が絶滅しそうな原因はミカンキジラミでした。

しかしまだ感染源は判明していません。

千両
「感染源は災厄の箱じゃない・・・!?別の誰かがミカンキジラミを持ち込んでこの村を壊滅させたってことですか!?」
叶木
「ああ、しかもこの3、4年毎年持ち込んでいるはずだ」
千両
「そ・・・そんなヤバい奴がいるなら絶対に止めなきゃ・・・!でもそんなのどうやって調べたら・・・」

新米秘書の千両にも事態の深刻さが伝わってきました。

ですが真犯人を探す方法は思い当たりません。

叶木
「まずは新犯人が現れた場所に行ってみよう、昨日調べた病徴のグラデーションをもとに作ったマップだ、それによるとこの辺りが発生の開始点だ」
千両
「なるほど・・・ここも金丸さんの所有する畑のひとつ・・・でも災厄の箱を開けた園からは離れてる・・・!」

周囲を調べようとしていると男の子が声を掛けてきます。

昨夜、ライトを使ってミカンの木を2人を男の子は幽霊だと勘違いしていました。

ただ男の子は夏にもこの場所で幽霊を見たそうです。

男の子は動画を撮影していたので、叶木は映像を画像編集ソフトで鮮明化させました。

叶木
「葉は互生、厚みがありやや披針に近い楕円形、この解像度では種までは同定できないが・・・ミカン属だ、ミカンキジラミの宿主たりうる!」

動画には植木鉢を置いている老婦人が映っています。

しかしこの村の住民ではありません。

千両
「先生!いよいよ、この有能秘書・・・千両久磨子の真価を見せる時が来たようですね!」
叶木
「いいから、早く言いたまえ」
千両
「見てください、このレジ袋の模様・・・隣町の配送センターの横に立ってた激安スーパーです!」

ようやく真犯人の手掛かりを掴みました。

すぐ隣町へ向かうとスーパーから近い民家の前で、植木鉢を運んでいた手押し車を見つけます。

話を聞くため民家のチャイムを鳴らすと老婦人が出てきました。

叶木
「この匂い・・・」

居間へ向かう際に匂いが気にかかります。

話を聞いてくれるという老婦人にまずは名刺を出しました。

そして植木鉢があるか尋ねてみます。

老婦人
「あるだよ、ホレ、19年前・・・孫と子に先立たれてな、何べんも死のうと思ったけんど、こん子らの世話しとったらここまで生きてしもうただに、木や花にはそんな力がある、植物の先生ならわかるら?」
叶木
「沖縄か鹿児島に行かれたことは?」
老婦人
「なんでそれを?4年前に鹿児島から戻ってきただよ、最後は生まれ育った所でと思っただで」

戻ってきてから植木鉢を少しずつ減らしていました。

土は大地に帰すつもりであちこちに撒いているそうです。

叶木
「黒羽村・・・にも?」
老婦人
「ああ、何度か行ったかねぇ」

老婦人の言葉を聞いた千両は足から力が抜けてしまい立っていられません。

ミカンの村を滅ぼしたのは老婦人の行動が原因だったのです。

しかし千両は家族を亡くし、人生の終わりを迎えようとしている老婦人を責めることができません。

千両は老婦人に悪意がないと考えています。

ですが叶木は老婦人の目的に気が付いていました。

叶木が見抜いた事件の真相とは・・・!?

 

 

農家にとって病原菌をばら撒く人間は悪魔に思えるかもしれませんね。

その犯人が家族を亡くした痛みの中を生きてきた老婦人だったことに驚かされました。

准教授と秘書が科学で犯罪の真相を暴いていく『植物病理学は明日の君を願う』

ここから老婦人の意外な動機を叶木が解き明かしていきます。

事件の裏側には過去の悲劇が隠されていますよ。

第2話後編

話を聞いていた叶木は立ち上がると隣室の襖を開けました。

千両
「た・・・大量のミカンの木・・・!?それにこの虫・・・ミカンキジラミ・・・!」
叶木
「石油の匂いがしたが部屋に暖房器具はなかった、そろそろ朝晩は12℃を下回る、暖房はミカンキジラミのためだ」

老婦人は隣の部屋でミカンの木を大量に栽培していたのです。

そしてミカンキジラミを死なせないため暖房を使用していました。

老婦人
「主はまた肺病と熱病と炎症と間けつ熱とかんばつと、立ち枯れと、腐り穂とをもってあなたを撃たれるであろう、これらのものはあなたを追い、ついにあなたを滅ぼすであろう」
叶木
「聖書・・・申命記28章22節か」

昔の人々は作物の病気を神様の罰だと思っていたそうです。

老婦人は4年前から毎年6月2日、息子の命日に黒羽村へミカンキジラミを運んでいました。

全ての始まりは19年前、息子夫婦と孫が車で崖から転落して亡くなったためです。

息子が危険な運転をするわけがないと主張しましたが、不注意だと片付けられてしまいました。

老婦人
「ほいで5年前、鹿児島に住んどったわしはテレビで見ただよ、あの男を」

テレビに出演した金丸が紹介した昔の写真に、息子の車に付いていた傷と同じ色のバイクが映っていたのです。

老婦人は当時から村長の息子を疑っていました。

ですが事件の夜について聞いて回っても村民は誰も相手にしてくれません。

老婦人は村民が冷たくなったことに合点がいったそうです。

そんな男の元でも木が育ち、ミカンが実を結ぶことに老婦人は驚かされました。

この世が間違っていると感じた老婦人は、ミカンキジラミを村にばら撒いたのです。

警察を呼んだ叶木は老婦人が裁かれるのは人間による人間のための法であることを説明しました。

その上で自らが人ではない者に代わって忠告します。

叶木
「ミカンもミカンキジラミもカンキツグリーニングも病細菌も・・・人間の罪や正義とはなんの関係もない、彼らの生はただ彼ら自身のものだ」

老婦人は台風に備えて植木鉢を運び入れていました。

そんな老婦人が犯行に及んだことが残念で仕方ありません。

老婦人を見送った叶木と千両は金丸農園に向かいました。

まだ断罪する必要のある人間が残されているのです。

犯人逮捕を喜ぶ金丸に叶木は災厄の箱を見せました。

叶木
「君がこの災厄の箱などという小細工を弄さなければもっと早く解決していただろうがな」

金丸は嘘をついても自分にメリットがないと主張します。

しかし叶木と千両は全てを見抜いていました。

千両
「その答えは・・・ここにありますッ!」

千両がSNSを証拠として見せます。

SNSには沖縄の居酒屋が金丸の来店に感謝するメッセージが投稿されていました。

叶木
「金丸氏は頻繁に沖縄を遊興に訪れていた、そして異変が起こったのは1カ月前・・・」

1カ月前、ミカンの葉に変色が出始めたので従業員が社長の金丸に報告したそうです。

機嫌を悪くした金丸だったのですが、翌日には従業員の亡くなった父親の遺品整理を手伝いました。

恐らく金丸はどこかでカンキツグリーニング病のことを知り、自分がこの死病を持ち込んだとバレたら大変なことになると考えたのです。

専門家を呼べば感染源が自分だと特定されるかもしれません。」

叶木
「そこで君は偽の感染ルート、箱を用意した、死人に口なしと、かつての従業員に罪を着せてな

真相を究明された金丸が開き直ります。

百年前から金丸家はこの村の絶対強者でした。

そのため金丸は世の中が弱肉強食で、強い者が弱い者を利用することに罪の意識を感じていません。

叶木
「弱肉強食か、だが植物病理学では強毒すぎる病原体は進化の歴史を生き残れない、宿主を容赦なく絶滅させることで自分の首を絞めるからさ!面白いと思わないかね?」

ここで19年前の事故に関連するバイクが山中に埋められたという通報を受けた警察がやって来ました。

裸の王様だった金丸は従業員たちに裏切られてしまったのです。

生物の関係性において共生は絶対的なものではありません。

各々が生存という命題を追求した結果、金丸は仲間たちだった人間に見捨てられたのです。

千両
「先生、行きましょうか・・・」
叶木
「私の診断で3千本の木を焼いた、生き延びたかもしれない木だ、これが君のいう植物のお医者さんだよ、千両君、自らの生存のため植物を利用する・・・その意味では我々も病原体と同等の立場だな」

感染は食い止められましたが、失わずに済んだ命があったかもしれません。

哀しげな表情を浮かべながら叶木は現場を去っていきました。

この日の夜、実験中の叶木に千両から電話がかかってきます。

千両
「太陽が爆発するのっていつですっけー?」
叶木
「50億年後に膨張し地球を飲み込むというのが現在の予測だそうだ、もういいかね、切るぞ」
千両
「じゃあその時に借りを返せるじゃないですか、50億年後・・・滅亡する地球から植物たちを宇宙に連れ出していけるのは人間だけでしょう?やっぱり人間は植物の友達ですよ!」

大きな月を見ているうちに千両は植物病と戦う意味について閃きました。

哀しいことは経験しましたが植物病理学は大切な学問なのです。

翌日、叶木と千両が学食でランチしていると、テレビに出演している事業家が危険な思想を告白しました。

事業家は増えすぎた人類を半分に減らすべきだと宣言したのです。

しかし2015年にオックスフォード大学が出した文明を脅かす12のリスクというレポートでは、核兵器やナノマシンを使っても一市民が国家の制止を振り切って人類の半分を手にかけることは不可能だということが明白になっていました。

それでも事業家は人類にとっての危機が12のリスク以外にも存在すると主張します。

叶木
「あのリストにはなく思いがけなく単純で、既に存在している人類の弱点が農業テロは間違いなくそのひとつだな」

確かに老婦人はたった一人でミカンを栽培している村を壊滅させました。

もしかしたら同じようなことが誰にでも可能なのかもしれません。

千両
「で・・・でも先生こんなに色々食べ物があるのに、何種類か作物がダメになったからって人が死ぬなんてことは・・・」
叶木
「いい質問だ、では想像してみようか、幸い世界の食用作物は900種もある、もしもそのうち・・・イネ、コムギ、ダイズ、ジャガイモ、トウモロコシがなくなると・・・」
千両
「こんなに少なく!?肉と卵まで減ってる・・・」
叶木
「これで想像がついただろう?人類の摂取カロリーの8割近くはたった14種類の植物性食物だ、我々農学者たちはかねてからこの点を危機とみなしているが、その声はなかなか聞き入れられずにいる」

人類の半分を滅ぼすためには、人類の弱点を利用すればいいのです。

しかし植物病理学者の叶木は、危険な思想の事業家を見過ごすようなことはしません。

植物病理学者の知識は人類の生命を守れるのでしょうか!?

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植物病理学は明日の君を願うのネタバレ(漫画)!災厄の箱とは?

2024.03.03

 

『植物病理学は明日の君を願う』はこんな人にオススメ

専門的な知識を学べるサスペンス漫画でワクワクしたい人にオススメの作品です。

事件の真相だけでなく裏側に潜んでいる人間模様まで見逃さない名推理を楽しむことができますよ。

人類の生命に深い関わりを持つ学問をテーマにした『植物病理学は明日の君を願う』

対人関係は不器用ですが豊かな知識と推理力が叶木の魅力だと感じました。

叶木を信じる純粋な千両も素敵な女性ですよ。

 

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