今回は「芥文絵」先生の『転がる女と恋の沼』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『転がる女と恋の沼』はこんな漫画(あらすじ)
アラサーOLの木村栞(きむらしおり)は石の上にも三年を座右の銘にしているので、何不自由ない実家暮らしを卒業するつもりはありません。
31歳の誕生日を迎えた栞は現状維持をモットーに生きていくつもりだったのですが、火事によって実家を追い出されてしまいました。
すでに30歳を過ぎているので家族から自立を求められても仕方ありません。
仕方なく知人のマンションで暮らし始めた栞には様々なトラブルが待ち受けていました。
変化を望まない女性の転がる先には何があるのでしょうか！？
アラサー女性のちょっぴり変わった恋模様を描いていく『転がる女と恋の沼』
今回は胸がキュンとする恋愛漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
年下男子に心を動かされる栞の感情に共感してみてください。
『転がる女と恋の沼』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
木村栞が呆然とした様子で火災現場を眺めています。
15時間前、実家で暮らしている栞が目を覚ましました。
この日は誕生日ですが31歳になったので少しも嬉しくありません。
31歳になっても母親に甘えています。
大好きなアイドルが出演する音楽番組の録画も母親に頼んでから会社へ向かいました。
いつも通りハチミツ干し梅を手に取るとラスト1個だったので運が良いと感じます。
しかし男性とぶつかってしまい飲み物を落としてしまいました。
ぶつかったのがイケメンだったので驚いてしまいます。
イケメンは落とした飲み物を拾うと何も言わず立ち去ってしまいました。
感じの悪さに苛立ちますが目の保養になったと思うことにします。
ですがハチミツ干し梅をイケメンが間違えてレジに持って行ってしまいました。
仕方なくミラクルグミというお菓子を購入することにします。
ミラクルグミは全然美味しくありません。
顔だけが良かったイケメンのことを恨みながら出社します。
会社ではゴミ出しやポットのお湯入れ、お茶を出す朝のルーティンをいつものように終えました。
多少の波風が立つことはあっても変化のない職場を居心地が良いと感じています。
仕事が終わると毎年恒例になっている誕生日を友人たちに祝ってもらうことになりました。
そこでも座右の銘が石の上にも三年の栞は現状維持が今年の抱負だと宣言します。
欲張らず高望みしない栞はささやかな幸せが続けば他には何も望んでいません。
友人からはこのまま世の中に取り残されて孤独死するので、せめて実家を出て一人暮らしをしなさいと注意されます。
ですが栞は変化など求めていません。
ほろ酔い気分で実家に向かっていると焦げ臭くなってきました。
よく見ると実家が燃えています。
31歳の誕生日はこうして幕を閉じてしまいました。
実家は全焼したわけではないのですが、栞はひとまず姉の家で居候させてもらうことにします。
とりあえず実家は建て直すことになったのですが、姉夫婦と両親が暮らす二世帯住宅に栞の居場所はありませんでした。
姉から31歳にもなって二世帯住宅に同居することはおかしいと大反対されてしまったのです。
この機会に栞は一人暮らしをして自立することになりました。
栞は31歳なのに料理も洗濯も自分では何もできません。
そんな状態を親に寄生していると姉に注意されてしまいました。
ひとまず友人に賃貸物件を紹介してもらえましたが、こんな状態で栞は自立した生活を送れるのでしょうか！？
変化を求めない気持ちも分かりますが、31歳になって自立しない栞は甘えているかもしれませんね。
石の上にも三年を座右の銘に愛すべき日々を変えたくなかったのですが、コンビニでのイケメンとの出会いが全ての始まりでした。
環境を変化させることになったアラサー女性と、無口なイケメンの恋を描いていく『転がる女と恋の沼』
コンビニでの一件から栞に様々な変化が起こり始めます。
転がり出した運命に栞は対応できるのでしょうか！？
後編
とりあえず栞は小学生からの友人で飲食店を経営している丈にマンションを安く貸してもらえました。
引越しを手伝ってもらった女友達を食事に誘ったのですが、飲み会があるため断られてしまいます。
一人になった栞はコンビニで必要な物を買うことにしました。
色々とお金がかかることに不安を感じながら帰ってきます。
エレベーターで5階のボタンを押すと、ドアが閉まりかけたタイミングで男性が乗ってきました。
急にマスク姿の男性が怪しく感じてきます。
女友達から言われた30代とはいえ女の一人暮らし気を付けなよという言葉も現実味を帯びてきました。
同じ階であることを知られたので部屋の前まで行きたくありません。
だんだん怖くなってきた時、栞の部屋のお隣さんがドアを開けました。
それと同時にお隣さんが男性のフードとマスクを外します。
コンビニでぶつかったイケメンは隣人女性の彼氏でした。
勝手に不審者だと勘違いした栞のことを鼻で笑うと女性はイケメンと部屋に戻っていきます。
惨めな栞も部屋に戻りますが怒りを抑えられません。
小心者なので隣に聞こえないよう枕を口に当てながら叫びます。
何も喋ろうとしないイケメンにも腹が立ってきました。
若いから偉いと思っているような態度も許せません。
メンタルだけなら栞は永遠のハタチなのです。
自分では何も変わった覚えはありません。
ずっと同じ仕事をして同じ友達と飲んで同じアイドルを追っかけて、気付いたら31歳になっていました。
中身は同じままなのにどんどん年齢だけ重ねていくシステムを頼んだ覚えもありません。
前へ進まなければならないことは分かっていますが、どこに向かえばいいのか分からないのです。
その後、職場の慣れ親しんだ同僚の退職や、使っていた口紅が廃番になったりと変化が続いてしまいました。
時代から取り残されている気がしてきたところで、栞が推しているアイドルグループの解散が発表されました。
部屋で落ち込んでいてもパリピ女の声が聞こえてくるのでコンビニへ向かいます。
コンビニの帰り道を歩いていると、後ろの人がついて来ているような気がしてきました。
しかしもう勘違い女だと思われたくないので気にしないようにするのですが、どんどん距離が近くなってきます。
走るか迷っていると近付いてきた男性が栞の体を掴んできました。
抵抗するなと言われますが全力で抵抗します。
栞を押し倒すと痴漢は逃げていきました。
怒りを抑えられず怒鳴っていると足に痛みを感じます。
次の瞬間、無口なイケメンが体を起こしてくれました。
そのまま走り出したイケメンが痴漢を捕まえます。
イケメンは警察署まで付き添ってくれました。
第一印象は最悪でしたが悪い人ではなさそうです。
理由は分かりませんがイケメンは店の鍵を持っていました。
店の中でひざを洗いながら先日チカンと間違えたことを謝ります。
イケメンがチカンの被害者側だったことに驚かされました。
そのまま膝の手当てをしてもらっているうちに栞はドキドキしてきます。
栞にとっては日常が変わり始めた出来事だったのですがイケメンは覚えていません。
覚えていないことにも栞は苛立ってきました。
まだ栞は変わりたくないと思っています。
しかし同じ石の上に居続けることは不可能なのかもしれません。
すでに栞は転がり出している状況です。
深く考えずに身を任せたら良いのかもしれません。
生きていく中でその先にどんな景色が広がるのかは誰にも分からないのです。
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『転がる女と恋の沼』を読んだ感想
ラブストーリーよりもヒューマンドラマの要素が多い第1話でしたね。
ことわざで例えられるヒロインの考え方がとても分かりやすく表現されていました。
多くのものを失ったことから始まるヒロインの新たな人生を描写した『転がる女と恋の沼』
人生を前に進めていく上で参考になるセリフが多い物語ですよ。
栞が変化をポジティブに捉えられるかも見所になっています。
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