今回は「佐原ミズ」先生の『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』はこんな漫画(あらすじ)
妻を亡くしたサラリーマンの羽根田はシングルファーザーとして2人の幼い子供を育てることになりました。
仕事と子育てを両立したいのですが理解できない子供の一挙一動に翻弄されてしまいます。
小児科医院に向かっている途中、息子のみちるが電車内で体調を崩してしまいました。
誰も助けてくれず困っているとオバケのようなメイクをした琴吹という青年が手を差し伸べてくれます。
小児科医の琴吹はみちるが体調を崩した原因を突き止めてくれました。
しかしまだまだ羽根田のシングルファーザー生活には数々の困難が待ち受けていたのです。
育児の難しさを表現していく『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』！
今回は小児医療を題材にしたヒューマンドラマの魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
琴吹の助けによって羽根田が少しずつ父親として成長する感動的な物語ですよ。
『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
羽根田は自分が上手く生きられていると思っていましたが現実は違っていたようです。
上司に出社が遅れることを電話で報告していると、妻を亡くしたばかりなのでゆっくり休んでくれて構わないと言われました。
しかし今日は大事なプレゼンがあるので休むわけにはいきません。
責任を持ってプレゼンしたかったのですが、上司は羽根田の後輩にプレゼンを任せていました。
仕方なく息子のみちるを病院に連れて行くため電車で移動することにします。
まだ0歳のいちかを抱えながら電車内でも仕事しなければ時間が足りません。
ふてくされたみちるの横に青年が座りました。
青年が悪魔やオバケに見えるメイクをしているので羽根田は自分の目を疑ってしまいます。
不気味な笑顔を向けられたので目を逸らしてしまいました。
その間もみちるの咳が止まりません。
咳だけでなくよだれも出してしまったので他の乗客に汚いと文句を言われます。
逆の立場だったら羽根田も同じことを思ったかもしれません。
親ですら面倒だと感じることが多いので他人の子なら尚更です。
そんなことを考えているとみちるの唾液に血が混ざっていることに気づきました。
オバケの青年がウェットティッシュを渡してくれます。
血痰を確認した青年は小児科を受診した時に先生から言われた症状を質問してきました。
熱が出ていないので感染症も考えられません。
他に可能性があるのは誤飲です。
しかしみちるは魚の骨はしっかり取ってから食べるようにしていました。
羽根田はシールを食べてしまってもすぐに溶けると思っています。
しかし最近のシールは防水のものだったりプラスチック製も作られていて、形や大きさも様々なので侮ることはできません。
羽根田はみちるの行動に怒りを覚えますが、青年は面白いと言いながら笑い出しました。
その姿が亡くなった妻と重なります。
見せてくれた名刺には小児科医・琴吹正尊と書かれていました。
オバケのメイクをした琴吹は総合病院に勤めている小児科医だったのです。
名刺を見てもまだ小児科医だとは信じられません。
ですがこの出会いによって羽根田は大切なものを思い出すことになるのです。
何と言ってもメイク姿の琴吹が小児科医というギャップに衝撃を受けました。
まだ父親としての自覚が少し足りない羽根田にはここから成長してほしいものですね。
様々な症例について学ぶことができる『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』！
今のところ羽根田は子育てに面白さを感じられていません。
明るい琴吹が羽根田に子育ての楽しさを気付かせていきますよ。
後編
羽根田んお妻は亡くなる少し前に頭痛を訴えるようになっていました。
しかしパートの仕事を入れたのでなかなか病院に行くことができません。
時間とお金に余裕を持つことが大事だと羽根田は考えていました。
そのため二人目の出産にはメリットを感じていません。
しかし妻は子育てが面白いと言っていました。
メイクを落として小児科医の仕事をこなしてくれた琴吹が先ほどまでと同一人物には思えません。
それでもシールを取ってくれた琴吹は、こんなものを食べてしまう得体が知れない子供を面白いと言ってきます。
妻は2回とも難産で子供を出産しました。
その結果、くも膜下出血で亡くなってしまったのです。
羽根田は社会的信用を得られる普通の家族を求めていました。
落胆する羽根田が義理の両親に妻の死を詫びると、農業を手伝いながら一緒に暮らそうと提案されます。
ですが仕事を大事に考えている羽根田はこの申し出を断りました。
ここから羽根田は苦労する日々を過ごすことになったのです。
病気になった子供を預かってほしいのですがどこにも空きがありません。
断られ続けているうちに怒りがピークを迎えてしまいます。
みちるはうんこを漏らしても正直に話してくれません。
意味不明な行動に羽根田はストレスを抱えるようになっていました。
悩みを打ち明けたつもりなのですが琴吹に笑われてしまいます。
琴吹の発言に驚きながらみちるの目が覚めるのを待つことにしました。
するとみちるが持っていたリュックから悪臭が漂ってきたので中を確認すると、腐ったトマトやピーマンなどを入れた袋が見つかります。
もしかしたら給食で出されたものの中で嫌いなものを残していたのかもしれません。
リュックの中には妻からの誕生日を祝うメッセージカードも入っていました。
妻は真面目過ぎる夫と自由な子供たちの掛け合いを面白がっていて、毎日が充実しているので2人を出産したことに後悔はないと綴っています。
そして羽根田が良いパパになることを信じてくれていました。
家族をわずらわしいと思ったことはありません。
しかし妻の気持ちを知った羽根田は涙がこぼれてきました。
いつになったら貪欲で得体の知れない子供と向き合える日が来るのかは分かりません。
それでも愛した妻のようにいつの日か子育てを面白いと言えるように努力すると決意しました。
少しだけ妻の気持ちを知れた羽根田は子育てと向き合う気持ちを抱けるようになったのです。
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『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』を読んだ感想
自分の理解を越えてしまう存在を人間は受け入れられないことが多いと思います。
大人になればなるほど子供の自由過ぎる行動は理解できないのかもしれません。
それが子育ての難しさだと考えさせられました。
優秀な小児科医と出会ったことでシングルファーザーが考え方を改めていく『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』！
少子化の現代社会だからこそ多くの人に読んでもらいたい漫画です。
苦しむのではなく楽しむことの重要さを教えてくれる素敵な作品ですよ。
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