日に流れて橋に行く(1巻)の感想!魅力もご紹介します!

今回は「日高ショーコ」先生の『日に流れて橋に行く』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『日に流れて橋に行く』はこんな漫画

明治末期の日本橋に少しさびれた老舗の呉服店「三つ星」がありました。

現在は三兄弟の長男である星乃在寅(ほしのありとら)が当主を務めている三つ星に、三男の虎三郎が英国から帰国してきます。

従業員からは歓迎されないのですが、虎三郎は三つ星再建のため新たな風を吹き起こしていくことになるのでした。

呉服店を舞台にした男たちの奮闘を描いた『日に流れて橋に行く』

今回はその魅力をネタバレを含みながらご紹介していきます。

虎三郎たちの汗と涙の奮闘記をごゆっくりお楽しみください。

 

『日に流れて橋に行く』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

明治44年1月、三年ぶりに東京の地を踏んだ虎三郎が立派に変貌した風景に驚いていました。

虎三郎
「すごいな、三年前よりずっと洋館が増えてる、皆が時流に乗るのに必死だ」

街並みの中にそびえ立つ呉服店は軒並み西洋式の店舗に建て替えられています。

そうした経営努力をしなければ、激動の明治を生き延びられないことを経営者たちは知っていました。

しかしそんな呉服店に比べ三つ星はいまだに和風の店構えのままです。

そんな三つ星に久しぶりに帰ってきた虎三郎。

玄関をくぐると大きな声であいさつをします。

虎三郎
「星乃虎三郎ただいま帰国しました」

ですが従業員たちは彼を冷たい眼差しで眺めるだけで、ろくに挨拶もしてくれません。

虎三郎
「・・・どーしたの皆、三年ぶりに帰ってきたってのに、英国から日本まで一月半の長旅だったんだぞ」

従業員の視線を気にせず現当主の在寅を探していると、番頭の五百雀要(いおさきかなめ)が声をかけてきました。

「虎三郎さん、こちらは三つ星の表玄関なのですよ、その汚い格好で店の敷居を跨ぐのはやめていただけませんか」
虎三郎
「いいだろ別に、客の姿も見当たらないし、年始に寂しいよなー、他の店に常連さんもとられちゃった?」
「よくもまあそんなことが言えますね、店の金を使って何年も外国で遊んでいたくせに・・・」
虎三郎
「お前最年少で番頭になったんだってな、そうやって俺のこと苛めていれば下の者に示しがつくとでも思ってんのか?」

帰宅早々、かなり険悪な雰囲気の二人。

自由奔放な虎三郎を嫌う要と、杓子定規な態度の要を苦手とする虎三郎。

すると仕事の邪魔なので店から出ていってほしいと求める要に対して、虎三郎は一同を驚かせる発言をしました。

虎三郎
「もしかして知らないの?今日から俺もここで働くことになったから、頓挫したままの新店舗の工事を再開させて新しい三つ星を作ることが俺の仕事」

虎三郎の言葉に一同は大声を上げて驚いてしまうのでした。

型破りなキャラクターの虎三郎と、何やら意味ありげに彼を拒絶する要たち従業員一同。

この先の展開に含みを持たせるような流れが、読んでいて興味をそそられてしまいますね。

『日に流れて橋に行く』はこの巧みなストーリ展開が魅力的なんです。

明治という時代背景から先の展開が予想しにくいですし、登場人物の個性が豊かなので何が起こっても不思議ではありません。

そんな点にも注目しながら続きをご覧ください。

後編

虎三郎の発言を受けた要は、薄ら笑いを浮かべながら反論してきました。

「工事の再開?一体どこからそんな話が出たのですか、今後三つ星が新しい店を建てることはありませんし、工事の止まった土地についても売却が決まっております」
虎三郎
「・・・待てよ、それは俺の聞いていた話と違う・・・」
「違いませんよ、すでに決定したことです、新店舗?英国視察?そんなもの店の者は誰一人望んでおりません」

虎三郎の海外渡航にかかった費用が従業員の給料を苦しめていたと告げる要。

その事実は虎三郎にとっては初耳でした。

だからこそ彼を見つめる視線が冷たい従業員たち。

しかし要は今さら虎三郎を責めるつもりはありませんでした。

彼の怒りの矛先は虎三郎を自由にさせた在寅に向けられていたのです。

「はっきり言って在寅さんには商才がないのです、あのひとには三つ星の暖簾を守ることなどできません!」
虎三郎
「俺のことなら何を言ってもいいんだよ、だけどな!兄さんの悪態をつくのだけはヤメロ、お前なんてただの番頭なんだからテメーが働いてる店の主人を侮辱すんな!」

つかみ合いの乱闘になる虎三郎と要。

この騒ぎで意識を失った虎三郎は、在寅のいる本邸で目を覚ましました。

商才がないと従業員たちから陰口を叩かれる在寅は、一体どのような言葉を虎三郎にかけるのでしょうか!?

そして虎三郎が見せる三つ星を立て直す起死回生の秘策とはどのようなものなのでしょうか!?

物語は謎の人物も登場してさらに急展開していくことになります。

目が離せない緊迫した物語の続きは、是非ご自身の目で確かめてくださいね。

 

『日に流れて橋に行く』を読んだ感想

呉服店という設定が珍しいので、色々と勉強になる漫画だと思いました。

少し型破りな主人公とそれに振り回される登場人物たちのバランスも見事ですね。

感動できるヒューマンドラマにも関わらず、どこかドキドキできるところも魅力的だと思います。

絵も上手なのでとても読みやすい漫画でした。

『日に流れて橋に行く』はジャンルを問わず、漫画が好きな人にオススメできる作品ですよ。

 

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