今回は「原作 葉真中顕 作画 轟ツキコ」先生の『絶叫』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『絶叫』はこんな漫画(あらすじ)
刑事課強行犯係の奥貫綾乃は多摩地区のマンションで白骨化していた鈴木陽子の人生を追うことにしました。
40歳で孤独死した陽子は近所と人付き合いがなく、マンションの保証人欄が空欄なのでまずは戸籍を取り寄せることにします。
しかし陽子は夫と死別後、再婚して戸籍が動いているのでなかなか家族の行方が分かりません。
それでも必死に捜査をしていくと少しずつ陽子がどのように生きてきたのかが判明してきます。
本庁の刑事も重要参考人として捜査を始めた陽子の正体とは・・・！？
孤独死した女性の人生を追いかける刑事の執念を表現した『絶叫』！
今回はテレビドラマ化されたサスペンス漫画の第2話についてネタバレを含みながら面白さをご紹介していきます。
テレビドラマのキャストも併せてチェックしてみてください。
『絶叫』の魅力紹介（ネタバレ含む）
第2話前編
陽子の家庭が崩壊し始めたのは1989年のことでした。
崩壊のきっかけを作ったのは弟の純です。
担任は三者面談の時に純が周囲に上手く溶け込めていないことを母親に伝えました。
母親は担任の心配に聞く耳を持ちません。
気付いていませんが溺愛している純は学校でイジメられています。
陽子はイジメに気付いていますが、母親の愛情を注がれている弟を助けようとはしていません。
そんな状況の中、道路を走っているトラックの前に身を投げました。
病院に運ばれましたが死亡が確認されてしまいます。
純の机には遺書と思われるメモが残されていました。
ここから陽子の家庭が崩壊していくことになったのです。
純の葬式にはクラスメイトも参列しました。
しかしイジメの現場を目撃したことがある陽子にとっては偽善としか思えません。
ただ自殺を受け入れていない母親はクラスメイトの偽善に騙されています。
クラスメイト達はみんなで純をイジメていたので慕われてなどいません。
ですが大切なことを見落としている母親は、まだ純がクラスメイト達と仲良くしていたと信じ込んでいます。
葬式が行われているのに母親がヒステリックに怒り出しました。
その様子を目の当たりにした陽子は、母親が純に夢を見ただけで純そのものを見ていなかったことに気が付きます。
この日の夜、眠ろうとしていた陽子に純の幽霊が会いに来ました。
純の幽霊は死んだ理由を死にたくなったからだと語ります。
何かをしたいという感情は理由もなく湧いてくるので、純は死にたいという気持ちを抑えることができませんでした。
同じように親や性格、才能は理由もなく降ってきたものです。
幽霊の純はこの家に生まれて14歳で死にたくなった理由が自然現象だと説明しました。
弟の自殺も自然現象だと陽子は受け入れてしまったのです。
ここから陽子はどんな人生を歩んでいき、自然現象と受け入れた孤独死を迎えるのでしょうか！？
弟の自殺によって陽子の人生観が変わり始めたのかもしれませんね。
ただしまだまだ陽子の運命を変える出来事は連鎖していくことになるのです。
不遇な運命を辿った女性の人生を物語にしていく『絶叫』！
もしも陽子と同じ環境なら人生に絶望してしまうかもしれません。
それほどまでに陽子は辛くて厳しい現実を目の当たりにしていきますよ。
第2話後編
1994年、陽子が就職活動を始めた頃の日本は就職氷河期を迎えていました。
短大に通っている陽子は就職相談室に東京の企業で就職したいと希望します。
しかし地方の短大には東京の企業から就職案内が来ることはほとんどありません。
バブルが崩壊した1994年はどの会社も不景気に苦しんでいたのです。
不景気の中でもなんとか就職先が決まりました。
しかし母親は陽子の就職に関心を示しません。
純が死んだ後も母親は夢を見続けていました。
母親に関心を持ってもらえないことに陽子はすでに慣れてしまっています。
そんな中で日本は暗いニュースが連続することになりました。
1995年には阪神淡路大震災が発生して、多くの犠牲者が出てしまいます。
さらに1990年代後半には企業の倒産が相次ぎ、自殺者が急増してしまいました。
それでも陽子は仕事を続けています。
いつものように母親の嫌味が始まりました。
陽子は行きたくても大学に行けなかった母親の嫌味を無視します。
すると珍しく一緒にご飯を食べていた父親が外出しました。
母親はどうしてこんな時間に父親が家にいたのか理由が分かりません。
このことが陽子の人生に大きな変化をもたらすことになったのです。
2000年10月、父親が帰ってこなくなりました。
陽子が父親の会社に連絡すると先月で退職したと言われます。
困惑していると自宅に借金取りがやって来ました。
父親は株と投資に失敗して3200万円の債務を作っていたのです。
ただし陽子や母親に借金の請求が行われるわけではありません。
3200万円を払えなければ家を競売にかけて借金を清算することで父親と話がついているそうなのです。
借金取りは家を手放さなければ風俗で働いてもらうと脅してきました。
仕方なく年明けの3月末までに退去することが決まります。
父親の消息を訪ねてもどこにいるのか分かりません。
借金を説明しなかった理由は、父親が家族から逃げたことを意味していたのです。
見捨てられた陽子と母親に待ち受けている過酷な現実とは・・・！？
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『絶叫』テレビドラマのキャストは？
『絶叫』は2019年3月にWOWOWプライムでテレビドラマ化されました。
テレビドラマでは鈴木陽子を尾野真千子さんが演じています。
陽子の人生を追いかける刑事の奥貫綾乃役には小西真奈美さんがキャスティングされました。
他にも片桐仁さん、前川泰之さん、麻生祐未さんなどの豪華俳優陣が出演しています。
漫画を楽しんだ後はテレビドラマも視聴してみてください。
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