今回は「安田剛士」先生の『青のミブロ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『青のミブロ』はこんな漫画(あらすじ)
文久三年(1863年)、京都の団子屋でお手伝いをしていた少年におは、乱暴狼藉していることで嫌われている壬生浪(ミブロ)という浪士組と出会いました。
壬生浪の土方歳三と沖田総司は周囲が怖がるような悪い人間には思えません。
そんな中、におが暮らす街に幼い子を狙った人攫いが出没するようになりました。
におが妹のいろはと店から帰っていると、2人の前に人攫いが現れます。
妹を守ろうとするにおを助けてくれたのは嫌われ者の土方歳三と沖田総司でした。
この出会いによってにおの心で燃えていた小さな正義の炎が膨れ上がることになったのです。
強い志を胸に誠の道を貫いた浪士たちの青春を描写した『青のミブロ』!
今回は新選組を題材にした歴史時代劇の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
土方歳三や沖田総司が主人公ではない新たな歴史活劇になっていますよ。
『青のミブロ』の魅力紹介(ネタバレ含む)
前編
すっかり年老いた永倉新八の周りに子供が集まってきて、新選組の話を聞かせてほしいと言ってきます。
永倉新八は土方歳三や沖田総司ではなく歴史に残らない白髪の浪士について語り始めました。
文久三年三月、京都の団子屋に2人の浪士が姿を現します。
店内はお客で一杯だったので外で待たせてもらうことにしました。
女性客は土方と総司が美男子なので騒然としています。
可愛らしいお嬢さんがお茶を運んでくれました。
しかし土方の眉間にシワが寄っていたので怖がらせてしまいます。
確かに忙しそうに働き回っている人がいるのですが、土方によるとお婆さんではありません。
驚いていると少年がお団子を持ってきてくれます。
髪の色を褒められた少年は喜んでくれました。
土方と総司が団子を食べていると、店の中から最近幼い子ばかりを狙う人攫いについての噂話が聞えてきます。
その後、ようやく空いてきたので土方と総司は店内に案内してもらいました。
土方は店を手伝っている兄妹に名を尋ねます。
におといろはは土方と総司のことが気に入りました。
しかし2人が帰ると店の客があれは近頃噂になっている壬生浪だと言ってきます。
江戸から浪士組が大勢流れてきた中で壬生村に棲みついた浪士のことを壬生浪と呼ぶようになっていました。
壬生浪は訳もなく人を斬ったり、店に押し入って金を巻き上げたり乱暴狼藉していると噂されています。
そのため関わらないほうがいいと客が注意してきました。
店を閉めるとお婆さんと兄妹は家に帰って休むことにします。
2人には土方と総司が悪い人だとは思えません。
翌日も土方と総司が団子を食べにやって来てくれました。
しかし2人の噂で店は閑古鳥が鳴いています。
お店が空いているので土方と総司はゆっくりと特製の汁粉と湯豆腐を頂くことにしました。
いろはにほへとと繋がるはずなのに順番が逆であることに気付いたのです。
お婆さんは生まれてすぐに両親が亡くなったいろはを、におはお寺に預けられていたところを引き取りました。
どちらも孤児ですが10年一緒に頑張ってきた2人は血が繋がっていなくても兄妹なのです。
におはとても器用で賢く目端が利き、いろはは元気で器量が良いので公家の貰われることが決まりました。
お婆さんは2人の成長が嬉しくてたまらないようです。
総司は褒めたつもりなのですがお婆さんにそこはお母んでええやろとツッコミを入れられました。
ですが幸せそうに見える兄妹に危機が迫っていることをお婆さんはまだ知らなかったのです。
乱暴狼藉していると噂の壬生浪ですが幼い兄妹の目には善人として映ったようですね。
土方歳三と沖田総司それぞれのカッコ良さも上手に表現されていると思いました。
若き浪士たちの青春活劇となっている『青のミブロ』!
いよいよ土方と総司がにおと魂をぶつけ合っていきます。
心の奥に秘めた3人の信念に感動を覚えるはずですよ。
後編
お婆さんはにおといろはを暗くなる前に先に帰すことにします。
しかし土方がお茶をいろはにこぼしてしまいました。
そのため着替えてから帰ることになったのです。
いろははすっかり土方と総司のことがお気に入りになりました。
ただ自分が公家に貰われることを気にしているようです。
話していると物陰から足音が聞えてきました。
すぐにいろはを連れて逃げようとするのですが、月明かりで逃げ場所がありません。
あっという間に兄妹は5人の大人に囲まれてしまいます。
ここでにおは人攫いであることに気付きました。
いろはを守ろうとしたのですが蹴とばされてしまいます。
屋根から飛び下りてきた土方と総司がいろはを捕まえている人攫いを倒してくれました。
一瞬の出来事に兄妹は言葉が出ません。
人攫いの前に2人が立ちはだかります。
驚いた人攫いは2人が何者なのか尋ねました。
2人はあっという間に人攫いを倒していきます。
すると人攫いが刀を抜きました。
自信満々の2人は素手で人攫いたちを圧倒していきます。
人攫いたちが残り1人になったところで土方が刀を抜きました。
におが斬りかかる土方を止めます。
この行動には総司も賛成してくれました。
最後の一人は子供を人質に取られたので人攫いに参加させられていたのです。
土方はそれよりもにおが人質を取られたことを見抜いた理由が気になっていました。
事情が分かると人攫いたちの根城を教えてもらいます。
敵の数は10人ほどだということも分かりました。
10人という敵を2人でどうにかできるとは思えません。
そのためにおは応援を呼ぶことを提案します。
兄妹を家に帰らせると土方と総司は人攫いの根城へ向かいました。
そして翌日になると再びちりぬ屋を訪ねてくれます。
助けてくれたことにいろはは大喜びしてくれました。
しかしにおの機嫌が良くありません。
願ってもない申し出なのですが、におは首を横に振りました。
その上で自分たちを囮に使ったか質問してきます。
人攫いの素性が知れず一刻を争った土方と総司は、確かに兄妹を囮に使いました。
手段を選ばなかった壬生浪にも落ち度があったかもしれません。
しかし世の中を変えるという信念のもとで壬生浪は活動しているのです。
今までも我慢を続けてきました。
それなのにいつも犠牲になるのは一番弱い子供だという現実が許せません。
総司が声をかけようとするのですが土方に止められました。
土方はまだにおが何かを訴えたいことに気付いたようです。
理不尽な世の中も弱い自分も変えたいと思っていました。
胸の内をさらけ出したにおは大粒の涙を流します。
正義を求めて泣いているにおを抱きしめたのは土方歳三でした。
こうして京都で三匹目の狼が壬生浪の仲間に入ったのです。
『青のミブロ』最新刊の発売日は?
新選組を新たな視点で描いていく『青のミブロ』!
最新刊となる第9巻は2023年6月15日に発売されました
第10巻の発売日は2023年8月13日頃だと予想されています。
江戸と明治に渡って時代を駆け抜けた浪士たちの命を懸けた戦いはどのような展開を迎えるのでしょうか!?
最新刊の発売を心待ちにしましょう。
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