『桐切蛍の嫌いな食べもの』のネタバレ(漫画)！タコのお味は？

今回は「木綿八十子」先生の『桐切蛍の嫌いな食べもの』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『桐切蛍の嫌いな食べもの』はこんな漫画(あらすじ)

小学生の時に給食を全て食べるまで帰れなかったことによって桐切蛍(きりぎりほたる)は偏食になってしまいました。

26歳になった現在も桐切蛍が食べられるものはごく僅かに限られています。

そんな蛍の偏食を変えるきっかけになったのが、営業部に所属された新人の衣袋覚志(いぶくろさとし)との出会いでした。

布袋のおかげで恐怖感を覚えていた唐揚げを食べることができた蛍。

次に彼女が克服するのはどんな食材なのでしょうか！？

人間が食事する意味をコミカルに表現していく『桐切蛍の嫌いな食べもの』！

今回は斬新な設定で描かれたグルメ漫画の第2話についてネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

ユニークな内容の中に散りばめられた哲学的なセリフを見逃さないでください。

『桐切蛍の嫌いな食べもの』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

営業事務の桐切蛍が出社してきました。

すると営業マンが契約を頂いた海鮮レストランのポスターを貼っています。

蛍はそのポスターに掲載されている食材の全てが食べられません。

「私桐切蛍には嫌いな食べものがたくさんある、ところがそのうちの1つ、鶏肉であるからあげを昨夜私は食べてしまった、食べたのは魔が差してしまったからだが・・・」

食べる前と食べた後では自分がアップデートされたような気がしています。

そこにからあげを食べるきっかけとなった人物が出社してきました。

「おはようございます！あっ桐切さん」

「・・・おはようございます」

この衣袋覚志こそ魔が差した原因を作った男なのです。

しかし本人はそんなことを気にしていません。

「おっ、コレは？」

「田野さんの担当広告ですよ、嬉しくて貼ったみたいです」

「イイっすねぇー、うちの小さいのが好きそうだ」

何気なく囁いた衣袋の言葉で蛍の動きが止まります。

「小さいの？子供いるのか・・・独身かと思ってた」

まだ出会ったばかりなので衣袋のプライベートはよく分かりません。

ただし衣袋が嫌なことをハッキリ言ってくる男性だということは知っています。

昨夜のことを思い出してイライラしてきた蛍は仕事に集中することにしました。

しかしからあげを食べた時のように爆発的なパフォーマンスは発揮できません。

実はその後もからあげを食べまくったのですが胃もたれしただけだったのです。

仕事帰り、食材を買うため蛍はスーパーに立ち寄ることにしました。

「ん？ささみ？鶏肉といっても部位が色々あるのね」

鶏肉の調理方法はからあげだけではありません。

そんなことを考えていると言い争う声が聞こえてきます。

「ダメだって！」

「冷凍すればいいじゃん」

振り返ると衣袋が小学生の女子と言い争っていました。

衣袋と関わりたくない蛍はコソコソと身を隠します。

「桐切さん！えっ！？この辺住んでるんですか！？えーっ！？奇遇っ！すっごい奇遇！席も隣で家も近所なんて！学校でもないのにこんなことあるんすね！何か運命みたいですねっ！」

周囲を気にせずに衣袋が大声を上げ始めました。

蛍は妻と娘を差し置いて不謹慎な衣袋を注意しようとします。

しかし衣袋が連れているのは娘ではありません。

「お兄ちゃん・・・？」

「あっ、妹の見梨です、両親が仕事でしばらくいなくて一時的に家戻って面倒見てて・・・」

見梨は大きなタコを買いたくて衣袋と喧嘩していました。

ここで見梨が意外なことを提案してきます。

「お姉さん、うちで一緒に食べましょ！タコ焼き」

突然タコ焼きを食べようと誘われてしまいました。

超偏食の桐切蛍はタコを食べられるのでしょうか！？

心のどこかで気になっているのですが衣袋と距離を置こうとする蛍の気持ちに共感することができました。

自分を変えてくれそうな気がしても、真っ直ぐすぎる衣袋とはすぐに仲良くはなれないと思います。

ヒロインが訳も分からず苦手な食べものを次々と食べていく羽目になる『桐切蛍の嫌いな食べもの』！

第2話ではタコ焼きを食べることになってしまいました。

蛍がタコを苦手にしている理由にもご注目ください。

後編

理由も分からずに蛍が衣袋家の食卓に座らされています。

そして目の前では恐ろしい生き物が調理されようとしていました。

蛍が衣袋家に来ることが決まったのは30分前のことです。

「タッッタコは嫌いですっ！」

「き・・・桐切さんタコも嫌いなんですかっ？」

「食べたことはありませんが間違いなく嫌いです！軟体かつ多足・・・吸盤ぬめり墨！どこを愛せと！」

タコの腕には9個の脳があるため異常としか思えません。

考えるだけで気持ち悪いので食べることなど考えられないのです。

「桐切さん落ち着いて・・・俺はタコが好きです！何故ならタコ焼きもタコ飯も美味しいからです！」

「だから何、前も聞いたわ、欧米でもタコは悪魔の魚と恐れられていて・・・キリスト教系価値観から見たらタコはエクソシストですよ！オーメンですよ！」

「桐切さんここ日本ですから大丈夫です！」

蛍は火星人のモデルっぽいタコを食べたくありません。

しかし能天気な衣袋はタコの美味しさをアピールしてきます。

ここで2人の間に見梨が割って入りました。

「実は・・・こんな暑苦しいお兄ちゃんなので毎日2人きりのごはんはキツくて・・・少しの間だけでも来てくれたら嬉しいなって・・・」

衣袋に聞こえないよう耳打ちで蛍にお願いをします。

哀れな女の子のお願いを断ることはできません。

「確かに・・・こんな兄を持ってしまっては日々苦労が絶えないだろう」

こうして蛍を衣袋家へ招き入れることに成功しました。

続いて見梨は兄の説得に当たります。

「桐切お姉さんてタコ食べたことないでしょ？あんなに美味しいもの食べた事ないの勿体ないよ！食わず嫌いはダメってお兄ちゃんいつも言ってるじゃん」

蛍にタコを食べさせたい衣袋はすぐに納得してくれました。

タコ焼きが食べたい見梨の思惑通り衣袋家でタコ焼きパーティーが開かれることになったのです。

調理は衣袋が担当することになりました。

まずタコをぶつ切りにしてからボウルに卵を溶き氷水を混ぜてから小麦粉を入れます。

続いてプレートに油をひいてから出来上がったダネを半分入れ、タコと天かす、青ネギと紅生姜を入れました。

そこにボウルのタネを穴から溢れるくらいに足していき、丸く形を整えてから追い油を加えていきます。

「・・・料理をしないから分からないけど手際がすごく良いのね」

完成したタコ焼きが3人の前に並べられます。

衣袋と見梨はすぐに食べ始めるのですが蛍は手を付けようとしません。

「だ・・・大丈夫ですか桐切さん、味とか匂いがダメな理由ではないんですよね？見かけがダメならかなり刻んだし大丈夫ですよ！からあげみたいにまた印象が変わるかもしれませんし」

蛍自身もからあげの体験があるので自分の中の何かが変わるかもしれないと期待しています。

それでもまだタコを身体の中に入れたどうなるかという恐怖感が拭えません。

「あれ？そもそも私はどうしてタコが怖いんだっけ・・・？思い出せない・・・それならいっそ・・・そうよ、食べるか食べないか決めるのは私！」

丸ごと1個を口の中に運んでいきます。

すぐに熱さで苦しみ始めるのですが、その後に柔らかい歯ごたえを感じ、ふわっとした優しい味が口の中に広がりました。

衣袋が作ったタコ焼きは出汁とソースのバランスが絶妙で、衣袋は夕方の海のような味に大満足します。

「・・・ど、どうでしたか？」

「何か・・・思い出したような・・・でもそれがなんなのかよくわからない・・・不思議な感じです」

「もう一個食べてみたら？」

見梨の勧めでもう1個食べてみることにしました。

今度は丸ごとではなく半分ずつ口の中へ運びます。

「青のりもかつおぶしもあまり食べたことないけどタコ焼きだとこんなに香り立つものなのか・・・タコが口の中で踊ってタコの隠れた夕方の海が丸くギュッと詰まってる感じ」

やはり海の味が感じられました。

ここで蛍の脳裏に過去の記憶が蘇ります。

幼い頃、家族と海に行ったことがありその時に父親がタコを釣りました。

蛍がバケツの中に入れたタコを眺めていると、タコが顔に張り付き吸盤の痕を付けられたことがあったのです。

「それがタコ嫌いの原因・・・釣ったタコはどうしたんですか」

「海に帰って行きましたよ、すごく楽しそうに」

「アハハハハハッ、やっぱり桐切さんを脅かそうなんてしてないじゃないですかー、タコも怖くて桐切さんに抱きついただけですよ、それじゃまた明日！」

翌朝、通勤電車に乗ろうとしていると衣袋と会いました。

すぐに蛍は昨日言われたタコも怖くて抱きついたという言葉を思い出します。

タコ焼きを食べた蛍はそうかもしれないと思えるようになっていました。

「衣袋さん、今日の昼パンの耳とタコのおかず交換しましょう」

タコが余ったのでおかずにしたと言う衣袋に交換の提案をします。

すると思いのほか喜んでくれました。

「そしたら今度は・・・サバの味噌煮とラーメンとサンドイッチを食べに行きましょう！」

「なんでそうなるんですかっ！食べません！」

ラーマンやサンドイッチはまだハードルが高いのかもしれません。

いつの日か蛍は超偏食を克服することになるのでしょうか！？

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桐切蛍の嫌いな食べもののネタバレ(漫画)！試し読み情報も！

2023.02.15

『桐切蛍の嫌いな食べもの』はこんな人にオススメ

想像力豊かなヒロインと熱血な青年のやり取りを読んで幸せな気分を味わいたい人にオススメの作品です。

コミカルな部分としっかりしたグルメの描写が融合しているので、笑いながら献立作りの参考にもなるはずですよ。

様々な理由で偏食になったヒロインが少しずつ食事することの幸せを満喫していく『桐切蛍の嫌いな食べもの』！

読んでいるうちに嫌いな食べものがなくなるかもしれませんよ。

食べ物の否定から始まる斬新なグルメ漫画の世界観をご堪能ください。

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