日日(にちにち)べんとうのネタバレ！心温まるグルメ漫画です！

今回は「佐野未央子」先生の『日日(にちにち)べんとう』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

『日日(にちにち)べんとう』はこんな漫画(あらすじ)

32歳の谷黄理子はお弁当を作ってわっぱに入れることを毎朝の日課にしています。

彼女が勤めるデザイン事務所のスタッフは上司以外全員がお弁当を持参しているため、黄理子は気兼ねなくお弁当ライフを満喫していました。

この弁当ライフを始めて20年間、幸せな日々を過ごしている黄理子。

しかし彼女は少し複雑な家庭事情を抱えていたのです。

それでも笑顔を見せながら毎日を生き抜く黄理子の日常を切り取った『日日(にちにち)べんとう』！

今回は人情話が満載になったグルメ漫画について、ネタバレを含みながら魅力をご紹介していきます。

優しい気持ちになれるハートウォーミングな物語をじっくりとお楽しみください。

『日日(にちにち)べんとう』の魅力紹介（ネタバレ含む）

前編

雑穀米の上にたくあんと煮干し、そして塩昆布を乗せた黄理子のお弁当を同僚が見つめています。

すると同僚がこのお弁当を“名は体を表す”ということわざを使いながら黄理子らしいと表現しました。

「そのコメントぜんぜんことわざとマッチしてませんから」

黄理子はお弁当に雑穀米を欠かさないため、同僚たちは雑穀米の種類に詳しくなっているようです。

そんな話をしていると、主任の荒井が外出の準備を始めました。

「昼メシ食ってくる、午後のミーティングは2時半ってことでヨロシク、谷、メシ食った後は換気しろ、糠くせーんだよ」

「今日のつけものは麹漬けたくあんですから」

黄理子が勤めるデザイン事務所はスタッフが7名常駐しています。

スタッフはそれぞれ複数の締め切りを抱えているため、昼食の時間帯はバラバラになっていました。

その中で主任の荒井を除く全員がお弁当を持参してきています。

黄理子はまだ大きな仕事を与えてもらっていませんが、毎日コツコツ仕事とお弁当作りに励んでいました。

このお弁当生活を20年間続けている黄理子はこれまで風邪を引いたことがありません。

自分の体調に適したお弁当を作っているからこそ健康的な生活を送れているのです。

そんな黄理子が仕事を終えて自宅に戻ると、玄関の前に弟の青太郎が座っていました。

「職見つかったの？」

「小遣いたんまりもらえるから当分こんな感じでオッケー！」

お気楽な青太郎はそのまま黄理子の家へ入っていきます。

「冬瓜の煮物食べたくなった、青太郎、八百吉に走れ、冬瓜！スルメもあったらついでによろしく」

「生ハム、スルメだね」

青太郎がお土産に生ハムを持ってきたため、黄理子は冬瓜の煮物が食べたくなりました。

黄理子と青太郎は父親が違うのですが仲の良い姉弟関係を築いています。

この2人は食べることが大好きという共通点があるため、青太郎は頻繁に黄理子の作る料理を食べに来ていました。

「あの人の新しい恋人、イタリア人？」

「”人”じゃないけど」

「かぶれか、あいかわらず中身より外見重視なんだな」

黄理子があの人と呼んでいるのは2人の母親のことです。

現在、青太郎は母親と暮らしているのですが、黄理子はある事情によって母親を嫌っていました。

果たして黄理子と母親の間にはどのようないざこざが存在しているのでしょうか！？

健康的で美味しそうなお弁当を楽しそうに作るヒロインが魅力的だと思いました。

毎日の食事に気を遣うことで体調を崩さないところには憧れを抱いてしまいますね。

食生活の重要性を教えてくれる『日日(にちにち)べんとう』！

グルメ漫画のカテゴリーになりますがヒューマンドラマの要素も満載になっています。

それでは黄理子を取り巻く複雑な環境に注目しながら続きをご覧ください。

後編

青太郎に手作り料理を振る舞った翌日、いつものように早起きした黄理子がお弁当作りを始めています。

黄理子は毎朝その日の体調に合わせたご飯を炊くことが日課になっていました。

今朝は前日に食べ過ぎたこともあり、麦が多めの雑穀米を炊いているようです。

幼い頃に母親が禅寺に預けていたため、黄理子の食生活は雑穀米と漬物が基本になっていました。

出勤した黄理子が屋上でお弁当を食べていると荒井主任がタバコを吸いにやって来ます。

「今日はにんにく入りみそ玉を持って来たので」

「びっくりさせんなッ、俺はけっこう心臓が弱いんだ」

「あたしもびっくりしました、まだこの世でたばこを吸う人間を見て」

驚いた荒井主任はみそ玉が分からないため説明を求めてきました。

みそ玉は即席の味噌汁になるもので、味噌にかつお節を混ぜ込んで作ります。

この日は寒かったため、黄理子はみそ玉ににんにくとネギを加えていました。

「おまえさー・・・仕事は出来るけど愛想が・・・」

「荒井主任は心臓が弱いわけじゃありません、呼吸の仕方が悪いんです、でも匂いには敏感、鼻が悪いわけじゃない、ストレスかと思います」

荒井主任が吸っていたタバコを取り上げると、黄理子は外食中心の生活を見直すよう助言します。

そんな黄理子のことを荒井主任がジーっと見つめてきました。

「一度聞きたいと思ってたんだけどよ」

「何ですか？愛想が悪いのは性格ですから」

「おまえさん、谷原紅子のかくし子だろ？」

この質問に動揺した黄理子は屋上から大切なわっぱの弁当箱を落としてしまいます。

「きゃー、ワッパーッ、主任のせいですよ、バカーッ、早くとってください！」

「弁当箱くらい買ってやるよッ」

「ダメです！！そのワッパじゃなきゃダメですから！方丈爺がくれたワッパですからー、あたしのワッパー」

木の枝に引っかかっていたわっぱは、同僚たちが無傷のまま回収してくれました。

黄理子がこのわっぱを大切にしている理由は、幼い自分を育ててくれた禅寺の住職から頂いたためだったのです。

3年前に他界した住職はこのわっぱに入る容量が、黄理子の食事に最適な量だと教えてくれました。

黄理子は現在もこの教えを忠実に守っていたのです。

そのため黄理子にとってこのわっぱは命と同じくらい大切な物になっていました。

わっぱが破損してしまいそうになってから数日後、荒井主任が黄理子に声をかけてきます。

「会議室にちょっと来い」

「あたしも主任にお聞きしたいことが・・・先日のことですが主任はどうして・・・」

「心配すんな、他言はしない」

「どこから仕入れたのか教えてください」

「おれは探偵でもマスコミのハエでもないぜ、自然に耳に入ってきただけさ、それより谷、仕事だ」

荒井主任は映画化される文庫の装丁をお願いしてきました。

本の装丁をすることが夢だった黄理子は2つ返事でこの仕事を快諾することにします。

「あたし！この文庫の装丁好きじゃないんです、藤山作品の世界を全然伝えていない！そう思いませんか？」

読書家の黄理子は好きな作家の文庫だったため力が入っていました。

しかしこの仕事を引き受けたことによって、黄理子は避けてきた母親と再会する羽目になってしまいます。

一体黄理子は母親との確執を解消することができるのでしょうか！？

この続きと美味しそうなレシピの数々は実際に漫画を読んでお確かめください。

『日日(にちにち)べんとう』を読んだ感想

黄理子が作る美味しそうなレシピは真似したくなるものばかりですね。

また彼女の複雑な人生が描かれているため、読み応えのあるヒューマンドラマになっていると思いました。

グルメ漫画とヒューマンドラマの良い所を融合させた『日日(にちにち)べんとう』！

謎めいた黄理子の半生が注目ポイントになっています。

健康的なレシピと味わい深い人情話を夢中になって読んでみてください。

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