今回は「森永ミク」先生の『君ノ声』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
『君ノ声』はこんな漫画(あらすじ)
大正時代、自分の人生が大嫌いな京極一成は誰にも頼らず成り上がり、人生を変えることにしました。
他人の心の声が聞こえる能力を持っている一成は、この能力を活かして商社の敏腕社長として活躍していきます。
仕事は順調なのですが人の心の声が聞こえるため、一成は人を信用できず性格がどんどん歪んでいきました。
そんな中、資産を手に入れるため一成は資産家の諏訪部家の令嬢に縁談を申し込みます。
すると縁談相手のななは声を出すことができず、心の声が聞こえない初めての相手でした。
心の声が聞こえる青年と秘密を抱える令嬢の結婚生活を描いていく『君ノ声』！
今回は不器用な男女の恋模様を切なく描いた恋愛漫画の魅力についてネタバレを含みながらご紹介していきます。
声ではなく心で通じ合っていく一成とななの恋模様をお楽しみください。
『君ノ声』の魅力紹介（ネタバレ含む）
前編
京極一成が浪漫館で商談相手を待っていると、少し遅れてお客が現れました。
大正時代は人々の需要も大きく変わってきたのですが、まだまだ生糸が売れている時代です。
そこで一成はお客に生糸の取引を持ちかけました。
大手に勤めている相手はこの取引を大いに喜んでくれます。
しかし心の中では生まれたばかりの赤ん坊に可愛いかんざしを買って帰ろうと思っていました。
一成は心の声を読めることを隠しながら商談を進めていきます。
商談相手は心の声を聞かれていることを知らず、相場にならった額での取引を契約させようとしました。
しかし一成が扱っている上物の絹は相場の倍以上の額を提示されても足りないほどの価値があります。
そのことを隠したまま相手は商談を進めようとしてきました。
もちろんこのまま商談が契約となれば一成は損してしまいます。
ですが心の声が聞こえる一成はそんなミスを犯すようなことはありません。
契約書の記入は部下に任せて店を出ることにします。
ただ言い忘れていたことがありました。
取引相手の考えていることを見抜いた一成が会社へ戻っていきます。
契約を済ませたのですがお客はなぜ自分の考えていることが見抜かれたのかは分かりません。
このように他人の心の声が聞こえる一成は、心理戦ともいえる商談を成功させ敏腕社長の座を築きました。
言葉と心に裏表のない人間はほとんど存在していません。
そのため表と裏を見てきた一成は他人を信用できなくなっていました。
今回の取引相手も裏表がある普通の人間だったのです。
するとそんな一成に部下が諏訪部家との縁談について、先方から承諾の返事が来たと伝えられました。
縁談の承諾を喜ぶ一成だったのですが、お相手のご令嬢は口がきけないそうです。
一成には諏訪部家の資産にしか興味がありません。
むしろ口がきけないのであれば心の声を聞いていればいいのです。
そこで一成は縁談相手を喜ばせるため、部下に女子が好きそうなかんざしを買ってくるよう命じました。
今さら縁談が破談になるとは思っていないので、高そうに見える安いかんざしを買わせることにします。
少しでも縁談相手を気分良くさせればなにも問題ありません。
適当ではいけないと部下に注意されるのですが、一成は縁談相手を本気で喜ばせるつもりはないのです。
ここまで他人の心の声が聞こえる一成は順調に事業を成功させてきました。
しかし口がきけない縁談相手と出会ったことで、一成の運命は大きく変わっていくことになるのです。
他人の表と裏が分かることで性格がねじ曲がってしまった主人公に同情しました。
ただの嫌な主人公が偉そうにしていくと思いきや、ここからヒロインの登場によって一成の本質が明らかになっていきます。
悲しい宿命を背負った男女の夫婦生活を題材にした『君ノ声』！
優しいキャラたちが登場するハートウォーミングな物語になっています。
一成の心境を変化させる素敵なヒロインにご注目ください。
後編
縁談を承諾してもらった一成が諏訪部家へ挨拶に向かいます。
丁寧に頭を下げるのですが、諏訪部家の当主は一成を相手にしません。
すでに縁談は決まっているので、一成の相手をしている時間がないという心の声が聞こえてきます。
それでも一成は礼儀正しい態度を崩しませんでした。
ただし当主が去った後、怒りから座布団を殴ってしまいます。
怒りを覚えるのですが決して隠せない本音である心の声が聞こえることは、一成にとって悪いことではありません。
本音を察した上で出方を決めて上手く立ち回れば良いのです。
このような方法で一成はゴミ溜めの中から這い上がってきました。
家族になればこちらの思い通りだと考えていると、縁談相手が部屋へ通されます。
連れてきた母親は一成に娘の名前をななと伝えました。
一成も自己紹介するのですがどんどん焦ってきます。
2人きりで庭を散歩してもななの心の声は聞こえません。
これは一成にとって想定外の事態です。
心の声さえ聞こえればどんな事態にも対処できる自信があるのですが、このままでは縁談を思い通りに進めることができません。
必死になって心の声を聞こうとします。
しかしななの心の声は全く聞こえません。
諦められない一成は部下に購入させた贈り物でななの心を揺れ動かそうとします。
ですが綺麗なかんざしをななは受け取ってくれません。
強引に握らせると庭の中に投げ捨てられてしまいました。
このまま結婚してしまうと嘘にも裏切りにも気付くことができません。
ななを傍に置いておくのは危険だと感じた一成は、翌日になると婚約破棄を申し出ることにします。
しかし諏訪部家に到着するとななが母親に叱責されている場面を目撃してしまいました。
母親は一成の前から逃げ出したことと、かんざしを隠していたことを厳しく注意しています。
土下座して謝るのですがななは言葉を発することができません。
一成は助けに入ろうか悩みます。
しかし婚約破棄すればななはこれからもこの家で生きていかなければいけません。
一時の感情で助けに入るとななの立場を悪くするかもしれないので悩んでしまいました。
またななの心の声が聞こえないので助けてほしいのかどうかも分かりません。
ですが土下座している手を踏まれそうになったので我慢ができなくなりました。
母親は折檻していることを言いふらさないでほしいとお願いしてきます。
一成は条件を飲む代わりにななを家に連れて帰ることを申し出ました。
すると母親が猛反対してきます。
しかし一成はすでに母親の心の声を聞いていました。
母親を黙らせた一成はななの腕を握って屋敷から出て行きます。
こうしてななを救ったのですがまだ問題は残されていました。
気持ちを知りたいのですが心の声は聞こえません。
それでもななの気持ちが一成に伝わってきます。
一成とななはこうして運命の出会いを果たしました。
しかしななには一成が知らない秘密を抱いているのです。
風変わりな一成とななはここからどのように距離を縮めていくのでしょうか！？
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『君ノ声』を読んだ感想
心の声が聞こえる能力で成り上がろうとする一成の執念に感心しました。
ななと出会ったことで少しずつ変化する様子も読んでいて面白かったです。
勢いで結婚した一成とななの夫婦生活を綴った『君ノ声』！
不器用な2人だからこそ見守りたくなるストーリーに仕上がっています。
優しさが溢れる物語を読んで幸せな気分に浸ってみてください。
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