かつて神だった獣たちへのネタバレ!あらすじと試し読み情報も!

今回は「めいびい」先生の『かつて神だった獣たちへ』という漫画を読んだので、ご紹介していきたいと思います。

※記事の中にはネタバレ部分がありますので、お先に立ち読みをお勧めします!

 

『かつて神だった獣たちへ』はこんな漫画(あらすじ)

遠い昔、ある国では国土を南北に分けた内戦が起きていました。

内戦が長続きする中、劣勢に立たされた北部側は禁じられた技術を用いて異形の兵士を作り出します。

擬神兵と呼ばれる異形の兵士は、人間の姿を失った代償で得た能力を使い北部に勝利をもたらしました。

しかし強大な能力を持った擬神兵は、内戦が終了するとただの獣と呼ばれていきます。

心を失くし獣と化した擬神兵を狩るため旅に出たハンクと、彼に擬神兵だった父親を殺されたシャール。

擬神兵を追う2人の冒険を描いていく『かつて神だった獣たちへ』

今回は壮大なスケールで表現されるSFファンタジー漫画の魅力を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。

悲しげで儚い冒険劇を夢中になってお楽しみください。

 

『かつて神だった獣たちへ』の魅力紹介(ネタバレ含む)

前編

擬神兵を次々と殺しているハンクは獣狩りという異名で恐れられていました。

そんなハンクに父親を殺されたシャールが仇を討つため、彼のいる街に向かっています。

シャール
「酷い・・・もう戦争は終わったのに・・・平和になったはずなのに・・・父さん、わたしに力を・・・!」

平和になったはずなのですが、シャールが歩く峠道には積荷を奪われた馬車が置き去りにされていました。

その光景を目の当たりにしながら街へ到着したシャール。

彼女はそのまま街外れのBARへ向かって行きます。

BARの中へ入ったシャールは、店の隅に白いコートを着た男を見つけました。

シャール
「見つけた!白いコートの・・・フードを被った男・・・!父の仇・・・!!」

男を見つけた瞬間、シャールが背負っていた象撃ち銃を構えます。

そのまま居眠りしている男に向かって発砲しました。

1発目の銃弾が男の胸元に命中すると、シャールは装填していた銃弾の全てを撃ち込んでいきます。

シャール
「はぁっ・・・はぁっ・・・やった・・・!?」

しかし煙幕が晴れるとそこには信じられない光景が広がっていました。

ハンク
「はぁあーあ・・・せっかくの昼寝だったのに・・・こんな事しちゃダメだろ・・・みんなビックリしてるじゃないか」

銃弾が命中したはずなのに、男は何事もなかったかのように立ち上がったのです。

シャール
「そんな・・・どうして!?」

信じられない状況を見たシャールは目に涙を浮かべていました。

ハンク
「いやぁ・・・すみません、どうもお騒がせしちゃって・・・逃げるぞ!」

撃たれた男が撃ったシャールを抱えて逃げる様子を、店内にいた客が不思議そうに眺めています。

その視線から逃げるように店を飛び出した男に対して、シャールは気になっていたことを質問しました。

シャール
「弾・・・当たりましたよね!?」
ハンク
「お前なぁ・・・突然あんな人前でぶっ放すヤツがあるか・・・」
シャール
「弾、当たってましたよね!?」
ハンク
「・・・ん?ああ・・・最初の一発だけな」

獣狩りの異名を持つハンクは、シャールの質問に答えながら胸元から鉄板を取り出しました。

シャール
「鉄板・・・!?だからって無事で済むはずは・・・」

この鉄板だけで無事に済んだとは思えません。

ハンク
「象撃ち銃か、だいたいな・・・それは人に向けて良いもんじゃない」
シャール
「これは・・・父の形見です!忘れたとは言わせない・・・!擬神兵の父を殺した・・・獣狩りの男!」

シャールは再び銃口をハンクに向け、自分が擬神兵だったウィルの娘であることを伝えます。

父親を殺して逃げるように去って行ったハンクを追いかけて来たシャール。

すると街中から「ダニーが帰って来た」という声が聞こえてきました。

ハンク
「俺は別に逃げたわけじゃない、アイツに会いに来たんだ」

ハンクが会いに来たというダニーとはいったい何者なのでしょうか!?

 

 

序盤からシャールの仇討ちに対する強い執念が感じられました。

そんな彼女の行動を何事もなかったかのようにやり過ごすハンクがかっこよかったです。

どこか悲しげな印象を与えるハンクが魅力的な『かつて神だった獣たちへ』

ここから彼が擬神兵を狩る真の目的が明らかになっていきます。

その真相を知ったシャールの姿に注目しながら続きをご覧ください。

後編

ハンクとシャールが立ち寄った街に、巨大な肉体をしたダニーという青年が帰って来ました。

出稼ぎに行っていたという彼の両手には、たくさんの宝石があります。

その宝石を街の人たちに渡すダニーの姿を、ハンクとシャールは物陰から眺めていました。

ハンク
「アイツがこの町の出の擬神兵だ」
シャール
「あなた・・・まさか彼を・・・!?」

シャールはこれ以上犠牲者を出したくないため、再び象撃ち銃をハンクに向けます。

ハンク
「その銃はもう弾が入ってない、さっき撃ち尽くしたろ」
シャール
「あーっ!?」

冷静に状況を説明するとハンクがダニーの所へ歩き始めました。

ハンク
「よぉダニー!ずいぶん羽振りがいいじゃないか、どんな仕事をしてるんだ?教えてくれよ」

しかしハンクがコートのフードを被っているため、ダニーには誰だか分かっていません。

ハンク
「最近な・・・新街道で積荷を載せた馬車が襲われる事件が何度も起こっている・・・ダニー、お前の仕業だな」

ダニーが動揺した表情を浮かべていると、2人の間にシャールが割って入りました。

シャール
「待ってください!彼も殺す気ですね・・・!?わたしの父と同じように!」
ハンク
「庇うのか?そいつは人殺しだぞ」
シャール
「だとしても!彼らが死ぬと哀しむ人だっているんです!それに救国の英雄である彼らがワケもなくそんな事するはずがない・・・!」

必死にダニーを庇うシャールだったのですが、彼女の背後ではダニーが拳を振り上げています。

そのままダニーはシャールとハンクに向かって強烈なパンチをお見舞いしてきました。

しかしハンクが素早い動きでシャールを抱え、ダニーの攻撃から身をかわします。

ハンク
「ずいぶん身勝手になったもんだな」

パンチの風圧でフードが脱げたハンク。

その顔を見たダニーが驚いた表情をしています。

ダニー
「アンタは・・・隊長!?どうして・・・死んだはずじゃあ!?」

実は獣狩りと呼ばれるハンクの正体は、擬神兵の部隊をまとめる隊長だったのでした。

ハンク
「ダニー・・・覚えてるか?俺たちの約束を、心無くした者は仲間の手で葬る」

抱えていたシャールを地面に置くと、ハンクが背中から槍のような武器を出しました。

その迫力に怖じ気づくダニーだったのですが、すぐに擬神兵の血が騒ぎ始めます。

ダニー
「僕は・・・みんなのためにこんな姿になった・・・だからみんなに受け入れてもらうためならなんだってする・・・人だって殺す!もうこの町だけが僕の居場所なんだ・・・!!」

強大な咆哮と共にダニーの体がどんどん巨大化していきました。

その姿を見たシャールは言葉が出なくなってしまいます。

ハンク
「見てみな、コレがアイツの正体、擬神兵“スプリガン”肥大化する肉体を持つ兵士」

あっという間にダニーの体は数倍の大きさまで肥大化していきました。

ダニー
「獣と呼ばれようと・・・この力で・・・僕は生きる!」

擬神兵となったダニーを前にして、ハンクは悲しげな表情を浮かべています。

ハンク
「ダニエル・プライス“スプリガン”、お前は優しい男だった・・・」

戦場にいた頃のダニーは、故郷の平和を願う優しい若者でした。

ハンクは当時の彼を思い出しながら、ダニーと対峙していきます。

しかし獣狩りとして圧倒的な武力を誇るハンクは、一瞬でダニーを制圧しました。

するとハンクに打ちのめされ元の姿に戻ったダニーが涙を浮かべています。

ダニー
「隊長・・・僕はどうやって生きていけば良かったんですか・・・やっぱり生きて帰ってくるべきじゃなかったんですか?」

戦場で生き残るため擬神兵となったダニー。

圧倒的な能力で活躍した当時は神と崇められたのですが、戦争が終わると擬神兵は人々から化物扱いされてしまいます。

そのためダニーは英雄のまま戦場で死ねば良かったと後悔していました。

彼の後悔を受け止めるハンクだったのですが、何も返す言葉はありません。

一言だけ「すまない」と告げ、ダニーにとどめを刺しました。

ダニーを殺したハンクは、すぐに彼の家族へ声をかけます。

ハンク
「新政府と軍がダニーにかけていた懸賞金だ、あんたらが町から離れるだけの金にはなる、今までダニーを見ていてくれてありがとう」

こうしてダニーという擬神兵を狩ったハンク。

街を去る彼に対して、その一部始終を見ていたシャールが怒鳴り出します。

シャール
「そうやって・・・父も殺したんですか、生きていたいと・・・願っていたのに」
ハンク
「それが部隊の・・・約束だ」
シャール
「どうしてっ・・・?もう戦争は終わったのに・・・」
ハンク
「終わっちゃいないんだよ・・・何も、俺たちは・・・終わることができなかったんだ」

月明かりに照らされるハンクは真っ白な髪の毛に変化していました。

この髪の色こそ彼が擬神兵である証なのです。

シャール
「わたしには・・・分かりません、約束だからって・・・かつての仲間を殺さなくちゃならないなんて・・・」
ハンク
「だったら付いて来るか?あんたはウィルの・・・擬神兵の娘だろ、父親が本当に獣狩りに殺されるべきだったのか、自分の目で確かめると良い」

こうしてシャールは自分の父親が殺された真相を知るため、ハンクの旅に同行することにしたのでした。

果たして彼女は擬神兵が交わした約束の意味を理解することができるのでしょうか!?

複雑な悲しみを背負った2人の旅の行方は、実際に漫画をご覧になってご自身の目でお確かめください。

 

『かつて神だった獣たちへ』はこんな人にオススメ

SFファンタジー漫画が好きな人と、感動できるストーリーを探している人にオススメの作品です。

戦争中は神と崇められたのですが、終戦後は獣と蔑まれてしまう擬神兵。

そんな彼らの残酷すぎる運命を描いていく『かつて神だった獣たちへ』

とても哀愁の漂う感動的な物語になっています。

多くを語らずに昔の仲間と触れ合っていくハンクがとてもカッコ良く描かれています。

少し天然なシャールも可愛らしくて魅力的ですよ。

是非この機会に壮大なスケールの作品に魅了されてみてください。

 

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